コンサルタントの業務改善手法とは?使えるフレームワークをご紹介

最新更新日:2023/04/06
最新作成日:2023/04/06

 

企業は、通常業務をこなせばいいのではなく、業務改善によってより効率的に利益を上げられるように、さらにコスト削減が実現できるよう努力し続けなければなりません。自社内に業務改善のノウハウを持っている社員がいない場合には外部のコンサルタントに委託するケースも多く見受けられます。つまり、コンサルタントは、どのような手法で業務改善を行っていくべきか、どのようなフレームワークが必要かを熟知している必要があります。クライアントである企業の業界に合わせた業務改革を遂行するため、社員を巻き込むケースも多々見られます。企業にとって業務改善や業務改革にコンサルタントを参画させるメリットやコンサルタントが理解すべき事柄などを紹介します。

 

目次

■業務改善をコンサルタントに任せるメリット
(1)客観的に問題点を把握できる
(2)社内に忖度せず改革が可能
(3)社内メンバーの教育になる

 

■コンサルタントはどんな手法で業務改善を行うのか
(1)業務の「見える化」
(2)業務改善案の立案
(3)業務改善成否の評価

 

■業務改善のためのコンサルタントの種類と選び方
(1)コンサルタントにはいくつかの種類がある
(2)どんなコンサルタントを目指すべきか
(3)コンサルタントになるためにはセミナーも利用する

 

■業務改善は企業との協力が重要
(1)業務改善計画だけでは不十分
(2)企業との協力で最大限の効果を

 

■業務改革のためにはコンサルタントの力が不可欠

 

 

業務改善をコンサルタントに任せるメリット

業務改善をコンサルに任せるメリット1

(1)客観的に問題点を把握できる

業務改善には多くの要素が関係していますが、外部のコンサルタントに業務改善の設計を任せるのにはいくつかのメリットがあります。その一つは「客観的に物事を見ることができる」という点でしょう。社員に業務改善の立案を求めることもできますが、どうしても社風やこれまでの習慣に縛られてしまい的確な問題提起、問題点の改善が行えなくなってしまうことがあります。しかし外部のコンサルタントに任せれば、一切の先入観なく現状の問題点を把握し、改善策を提案することができるでしょう。優秀なコンサルタントは現状の問題点だけでなく、今後の課題なども浮き彫りにしてくれるので非常に頼りになる存在となります。

(2)社内に忖度せず改革が可能

続いて業務改善の設計をコンサルタントに任せる別のメリットがあります。それが「改革をスムーズに行える」ということです。コンサルタントは社内の問題を客観的に指摘するだけでなく、それを改善するための策を打ち出し実行することができます。しがらみもないので、思い切った改革が可能になります。

コンサルタントとして企業の問題点を指摘する場合には、改革の実行可能性などもしっかりと視野に入れてどのような改善が必要か情報を分析する必要があるでしょう。コンサルタントの仕事はPDCAサイクルを社内で軌道に乗せることです。つまりPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のサイクルがしっかり回るよう企業を援助しなければなりません。ビジネスのフレームワークであるPDCAサイクルが正常に回されるようになれば、業務の効率化はさほど難しいものではないからです。

(3)社内メンバーの教育になる

外部からコンサルタントをまねいて業務改善を依頼すると、社内メンバーの教育になるという大きなメリットもあります。もちろんコンサルタントは社内メンバーを教育する必要はありませんが、社内メンバーにとってはコンサルタントがどのように改善点を浮き彫りにするのか、どんな業務改善案を提案し実行するのかをじかに見て習得するチャンスとなるのです。コンサルタントとして企業に入った時には、企業がある程度社内メンバーだけでビジネスのフレームワークであるPDCAサイクルが回せるようになることを目指して指導しながら仕事を行うと、企業にとってのメリットも大きくなるでしょう。コンサルタントは企業の業績を伸ばす助けだけでなく、企業としての質を高める助けもできるやりがいのある仕事なのです。

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コンサルタントが業務改善を行う手法

コンサルはどんな手法で業務改善を行なうのか2

(1)業務の「見える化」

コンサルタントが企業から業務改善を依頼されてまず行わなければならないこと、それは業務の可視化です。業務がどのように進められているのかを分析し、改善すべき点や問題点を把握します。ここで重要となる手法がECRSです。これは業務改善の4原則と呼ばれるもので、Eliminate(排除)、そしてCombine(結合・分離)、またRearrange(入替え・代替)、Simplify(簡素化)の頭文字をとったものです。業務改善においてECRSを行うことにより過度・過小な業務改善を防ぐことができます。まずはECRSのe、つまり排除です。業務において不必要と思えるプロセスを排除します。

例えば無駄な報告、無駄な会議、業績が伸びない営業エリアなどを排除すれば業務は効率化されコスト削減にもつながります。続いてECRSのc、結合と分離です。類似した業務を結合し、業務内で分離できるものは分離します。ここでもコスト削減が可能です。各工程の業務の類似性が高まり効率よく働くことが可能になります。さらにECRSのr、入替えと代替です。作業工程を入替えたり他のものと代替したりすることで人員を削減することができる可能性があります。片付けや準備の時間が短縮されることもあるでしょう。最後にECRSのs、簡素化になります。これまで考えてきたECRSのe、c、rのそれぞれ最も効率の良い業務の仕方を設計し導入していきます。企業の多くはコスト削減に興味を持っていますから、どのプロセスでどうやったらコスト削減が可能かについてもよく設計することが重要です。

(2)業務改善案の立案

ECRSにおいてかなり改善ポイントが特定されることでしょう。そのうえでコンサルタントは業務改善案を設計しなければなりません。ここではPDCAと共に別の手法であるOODAが重要になってきます。OODAとはビジネスのフレームワークであるPDCAを補うことができる意思決定プロセスであり、臨機応変な業務改善、効果的なコスト削減に役立ちます。OODAはObserve(観察)Orient(方向づけ)Decide(決定)Act(実行)の頭文字をとったものです。PDCAというフレームワークはしっかりと計画を立ててから行動に移すことに主眼を置いていますが、OODAの場合は計画を立てはするものの、その後の状況に応じて臨機応変に対応することに努力を傾けます。

PDCAもOODAもどちらもコンサルタントにとっては重要な考え方、フレームワークの一つであり、業務改善案には必要なものです。業務の問題点を理解した後、PDCAによって業務改善案を立案することになるでしょう。しかしPDCAのP、つまり計画を立てる時にはOODAの観察や方向づけが必要になります。コンサルタントの中にはOODAがPDCAに取って代わるものという考え方をしている人もいますが、実際にはOODAはPDCAを補完するものと考えた方が良いでしょう。このPDCAとOODAを意識して業務改善案を立案することで、企業側も実行しやすいプロセス作りが行えるでしょう。

(3)業務改善成否の評価

業務改善の立案を行い実行したなら、成否の評価を行う必要があります。これはフレームワークであるPDCAサイクルを健全に回すために不可欠なプロセスとなっています。このプロセスがないと次の業務改善を実行することができません。必ず業務改善において何が成し遂げられたのか、具体的な数値データを比較する必要があるでしょう。もし成否の評価結果でさらなる課題が見つかったのであれば、さらに業務改善計画を立て、フレームワークであるPDCAとOODAを繰り返しながらより精度の高い業務改善を実現することができるのです。中にはコスト削減の推進や仕事の質を高める全員参加型の業務改革をさらに行わなければならないケースもあります。

 

 

業務改善のためのコンサルタントの種類と選び方

業務改善のためのコンサルの種類と選び方3

(1)コンサルタントにはいくつかの種類がある

コンサルタントとひと口に言ってもいくつかの種類があることを覚えておく必要があります。コンサルタントの種類によって業務改善の手法やどのプロセスに関わっていくかが異なるからです。

まず戦略系コンサルタント。戦略系コンサルタントは問題点をあぶり出すのに長けています。なぜ業務の効率が上がらないのか全く分からない企業であったとしても、戦略系コンサルタントであれば問題点を発見し解決するための計画を提案することができるでしょう。ただし解決策を実行するプロセスには関わらないこともあります。

次に総合系コンサルタント。こちらは特有のプロセスに特化したコンサルタントではなく、問題点の把握から業務改善の実行まで幅広く網羅するコンサルタントのことです。ただし企業側がある程度問題点について把握していることが求められます。

さらに業界特化型のコンサルタントもいます。これはある特定の分野・業界に非常に詳しいコンサルタントで、その業界特有の問題や解決策に通じており問題の把握から業務改善の実行まですべてのプロセスに携わることができる人です。こうした種類について覚えておくと、自分がどんなタイプのコンサルタントになりたいかがわかるでしょう。

(2)どんなコンサルタントを目指すべきか

では企業はどのようにコンサルタントを選ぶのでしょうか。まずは自社の業界に詳しいコンサルタントを選ぶに違いありません。当然ですが、アパレル業界に詳しいコンサルタントはアパレルショップなどの業務改善に適しています。これからコンサルタントとして働きたい場合には、自分の得意分野を伸ばしつつ業務改善を提案できるようになりたいところです。

もしくは新たな分野を勉強してコンサルタントとしての幅を広げるという方法もあります。それぞれの分野で業務改善の手法も異なるので、いくつもの分野で業務改革が行えるというのは大きな強みとなるでしょう。もし、コンサルタントとしての実績があるとすれば企業としても魅力的です。しかし経験が浅いからといって的確な業務改善計画が立てられないわけではないので、それほど重視する必要はないかもしれません。

(3)コンサルタントになるためにはセミナーも利用する

これからコンサルタントになりたい方、もしくはコンサルタントとして業務を行ってみたい方は、セミナーを利用してスキルを高めることができるでしょう。セミナーでは実際にコンサルタントとして活躍している方の話を聞いて刺激を受けたり、疑問や不安を解決したりすることができるはず。

ただし単にセミナーに参加すればいいというわけではありません。セミナーに参加する目的を見失わず、常に向上心をもってセミナーに参加していけばより多くの知識や技術を吸収できます。セミナーだけでなく、Free Consultant.jpのようなサイトに実際に登録してみるのも良い方法です。

☆Free Consultant.jpを初めてご利用の方はこちら:https://freeconsultant.jp/service

 

 

業務改善は企業との協力が重要

業務改善は企業との協力が重要4

(1)業務改善計画だけでは不十分

コンサルタントとして働き始め、さまざまな手法で問題点を浮き彫りにし、業務改善計画を設計したとしてもそれだけでは不十分です。実際に設計した計画を実行しなければ業務の効率化は図れません。コンサルタントの中には全員参加型のプランを立てることで効率化を図る人もいます。全員参加型の業務改善計画は、社員各自の仕事の質を高めることによる業務の効率化です。全員参加型の場合、社員一人ひとりの負担は増えるため、社内メンバーよりも外部から来たコンサルタントの方が実行しやすい立場にあります。業務改善のプランが軌道に乗り成功を収めるために、社員に協力を仰いで全員参加型の改革を行うことで、より大きな成功を収めることができるでしょう。

最初の業務改善では全員参加型の業務改革が難しかったとしても、PDCAサイクルを繰り返していく中で変化が生じる場合もあります。社員一人ひとりが危機感を共有できる全員参加型の業務改革は高い効果を発揮することを覚えておきましょう。

(2)企業との協力で最大限の効果を

企業がコンサルタントに業務改革を依頼する場合、コンサルタントに業務を任せっきりにしてしまう傾向が見られます。しかし実際にはコンサルタントが社内メンバーと協力しながら業務改革を行わなければプロジェクトは成功しません。というのは、コンサルタントはずっとその企業にとどまるわけではないからです。社内メンバーの中にコンサルタントの意図や業務改革の内容を理解している人がいなければいずれ改革は忘れ去られ、計画は成功せずに終わってしまうでしょう。そのため、社内メンバーがプロジェクトの内容を理解し実施できるように助けることがコンサルタントに求められています。企業側も最大限の協力をすることによってコンサルタントと二人三脚での業務改革が行えるのです。

 

業務改革のためにはコンサルタントの力が不可欠

 

コンサルタントの仕事はやりがいとともに責任の伴うものです。コスト削減などの業務改革のためにはコンサルタントの力が不可欠です。これからコンサルタントとしての業務を行いたいと思っている方は、ぜひ自分の得意な業界や手法について研究して業務改革に役立ててください。

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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