【PMOの役割とは】PMとの違い(仕事内容・意味・職種)と向いている人、業務に必要な資格・スキルセットを解説!

最新更新日:2023/08/28
作成日:2022/09/05

 

クライアントがPMに求めるプロジェクトマネジメントの難易度が高まる中、PMを支える「PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)」の存在感も高まりを見せています。 PMOの役割やPMとの違い、メリット・デメリット、向いている・向いていない人材の特徴やスキルセットを紹介します。年収やなかなか聞けないPMO人材の後悔にもQ&Aを交えて解説します。

 

目次

■PMOの役割は『黒子』
(1)PMOとPMの違い
(2)複数プロジェクトの標準化や品質管理
(3)PMOを社外にアウトソースするケースも

 

■PMO業務内容別の3種類
(1)事務的な管理業務を行う「PMOアドミニストレータ」
(2)プロジェクトのクオリティ管理を行う「PMOエキスパート」
(3)プロジェクト管理全般を行う「PMOマネージャー」

 

■PMO参画のメリット
(1)プロジェクトを成功に導く客観的な視点
(2)PMの負担軽減

 

■PMO参画のデメリット
(1)現場との衝突
(2)PMOへの依存

 

■PMOに向いている人材の特徴
(1)複数のプロジェクトに関わりたい人
(2)PMとして経験が豊富な人

 

■PMOに向いていない人材
(1)プロジェクト現場にこだわる人
(2)事務作業や進行管理が苦手な人
(3)小規模プロジェクトでのPM経験に固執する人

 

■PMOに求められるスキルセット
(1)コミュニケーション能力
(2)経営センス
(3)タイムマネジメント能力
(4)プログラミング能力

 

■PMOにまつわるQ&A
(1)PMOコンサルタントはつまらない?
(2)PMOコンサルタントの年収は高い?
(3)フルリモートのPMO案件はある?
(4)PMOが持っていると有利な資格は?
(5)PMOが陥りがちな後悔とは?
(6)PMOのキャリアパスは?

 

■PMOを目指すならPMO人材の特徴やスキルセットを備えよう

 

 

PMOの役割はPMの『黒子』

プロジェクト成功のために

 

プロ人材の登録サイトなどでコンサルタント募集の案件でも目にする機会が増えた「PMO」。PMOは、PMがプロジェクトを遂行するためのさまざまなサポートを通じて、プロジェクトを円滑に進めるのが主な仕事内容でありミッションです。

 

PMが「人材」であるのに対して、PMOは「組織(部署)」を指すワードです。ただし、コンサルティング業界で「PMO」といえば「PMOコンサルタント」の人材を指すのが一般的です。

 

(1)PMOとPMの違い

PMとPMOにはプロジェクトにおける役割に違いがあります。PMは、意思決定しながらプロジェクト全体を率いるリーダー的な存在。一方、PMOは、PMのサポートを通じて、プロジェクトマネジメントの質を高める役割がメイン。

 

プロジェクトにおける必要な調整や会議のファシリテーション、各種資料作成などの事務作業や進捗状況の管理など細かな業務を担当することもあります。

 

PMOが必要とされる背景には、特に規模の大きなプロジェクトではマネジメントに必要な業務が多岐にわたることが挙げられます。もはやPMだけではプロジェクト管理しきれないケースもあるでしょう。そこでPMOがプロジェクトの進捗やコスト、課題やリスクなどの管理やその他の業務を担います。

(2)複数プロジェクトの標準化や品質管理

PMのサポート以外のPMOの役割は、複数プロジェクトの標準化や品質管理です。

 

例えば、コンサルティング会社やSIerといった企業などでは、企業内で複数のプロジェクトを日常的に抱えています。複数のプロジェクトが同時に稼働中だと、プロジェクトマネジメント手法の標準化や品質向上、人材育成が課題になりがちです。そこで、PMOが複数のプロジェクトをモニタリングし、業務プロセスなどプログラムをマネジメントすることもあります。

 

コンサルタントのキャリアや資質によっては、企業の戦略に基づき、最善の効果を得るためのプロジェクト運営を行う「ポートフォリオマネジメント」を担当することもあります。ITが飛躍的な進化を遂げている現代では、IT戦略を基にしたシステム開発などで、ITコンサルと協力しプロジェクトを推進するケースも多いでしょう。

(3)PMOを社外にアウトソースするケースも

PMOは、企業内でインハウスPMO組織を編成するケースの他に、ITコンサルタントなどの専門性が高い人材を擁する企業にアウトソーシングするケースも増えています。コンサルティングファームに所属するコンサルタントのほか、フリーランス人材がPMOの役割を担うこともあります。

 

PMとPMO、プロジェクトメンバー全てが同じ組織の人材になってしまうと、客観的な視点が欠けてしまったり、それまでの関係を引きずって進めづらくなったりする場合もあるからです。社外コンサルタントのPMOがプロジェクトに参画することで、かえってお互いに仕事がしやすくなることもあるのです。

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PMO業務内容別の3種類

ITプロジェクトをチェックするPM

 

PMOの業務はプロジェクトの状況によって異なるものです。PMOの資格認定などを行っている日本PMO協会では、PMOの種類と業務内容を3種類に分類しています。

 

(1)事務的な管理業務を行う「PMOアドミニストレータ」

PMのサポート役として、資料作成、進行管理、情報管理など事務的な作業を担当するPMOを「PMOアドミニストレータ」と呼びます。

 

プロジェクトの規模が大きくなると、プロジェクト内でさらにチームが編成されることもあります。チームごとのマネジメントをPM一人が行うには限界があります。PMOアドミニストレータが事務作業の管理業務や調整役を担うことで大規模なプロジェクトであってもスムーズに進行できると考えられています。

(2)プロジェクトのクオリティ管理を行う「PMOエキスパート」

複数のプロジェクトにおける環境整備やルール策定など、標準化を担うのが「PMOエキスパート」です。PMOエキスパートの存在により、複数プロジェクトの品質保持、業務の効率化につながります。

 

プロジェクトが多い環境では、PMの資質によってプロジェクトの進み具合や成果に差が出るものです。

 

PMOエキスパートはプロジェクト管理に必要なプロセスや資料を標準化し、プロジェクトごとのバラつきをおさえ、安定したクオリティを保ちます。さらにプロジェクト進行を標準化することで業務効率化につながり、リソースや予算を減らせる効果も期待できます。

(3)プロジェクト管理全般を行う「PMOマネージャー」

「PMOマネージャー」は、PMのサポート役としてだけではなく、ITプロジェクトマネージャーとして戦略の策定をはじめ、予算管理や人員管理など複数プロジェクトを統括する立場になるケースもあります。

 

PMOマネージャーはプロジェクトをスムーズに進めるために経営層とPMの間に立つことも多く、クライアントからより幅広いスキルやキャリア、経験を持つコンサルタントなどのプロフェッショナル人材が求められます。

 

 

PMO参画のメリット

スムーzなプロジェクトチーム

 

多くのプロジェクトで重用されるPMO。PMOが参画することにより具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

 

(1)プロジェクトを成功に導く客観的な視点

PMOが存在する大きなメリットは、プロジェクト成功確率が上がる点です。PMOの参画によって、さまざまなプロジェクトマネジメント手法を導入したり、PMだけではカバーしきれない部分をサポートしたりすることは実証されています。

 

一方、PMOが参画していないプロジェクトでは、プロジェクトの運営はPMやプロジェクトメンバーの属人的なノウハウと遂行能力が頼りです。うまく機能するプロジェクトもありますが、それはあくまでも「結果オーライ」のケースです。PMOがいないプロジェクトでは、品質低下などの失敗が起こりやすいといわれています。

(2)PMの負担軽減

プロジェクトマネジメントに必要な専門知識や標準策定などのノウハウを有したPMOの存在は、PMの負荷を軽減し、プロジェクトに適切な管理をもたらすことになります。PMOが実際にマネジメントの管理業務までサポートするケースであれば、他のメンバーはその分のリソースをプロジェクトに集中させることができ、プロジェクトの品質を高めることにつながるのです。

 

また、ITプロジェクトなどの場合、エンジニアとしてのキャリアを持つITコンサルタントがPMOとして参画すれば、現場との息も合いやすくプロジェクトをスムーズに進行することができるでしょう。エンジニアにとってもITコンサルタントを経てPMOコンサルタントへと進むキャリアパスは、ポジジョン、年収ともにステップアップの道の一つです。

 

 

PMO参画のデメリット

悩み 後悔 pmo

 

PMOが参画することには多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。代表的なものを見ていきましょう。

 

(1)現場との衝突

PMOとPMやプロジェクトメンバーの間には上下関係はないとされています。しかし、プロジェクトを正しく管理しようとするPMOの言動は、PMやプロジェクトメンバーに対して高圧的なものになりかねません。

 

PMOとPMを含めたプロジェクトチームメンバーが、日頃からコミュニケーションをとり、信頼関係ができていても、PMOがプロジェクトマネジメントを厳しく細かく遂行しようとすれば、現場との衝突につながる恐れがあります。プロジェクト発足と同時に募集した求人で参画が決まった、外部コンサルタントであればなおその危険性は高いでしょう。

 

また、一定の距離感を保ちながらプロジェクトを俯瞰できるのが外部から人材を調達するメリットではありますが、チームや組織としての仲間意識が希薄な状態では、かえってプロジェクトを失敗へ導いてしまうことにもなりかねません。PMOには、プロジェクトを成功させるため、チームのために動くという“黒子”としての意識が求められます。

(2)PMOへの依存

スキルや経験の豊富な人材が集まるPMOが参画すると、PMを差し置いてプロジェクト管理全般をPMOが担ってしまう場合があるようです。PMOがどのようにプロジェクトに関わるか、スタンスを明確にする必要があります。


PM自身もPMOとの業務分担を認識して、PMOに依存しすぎないことも重要です。ITプロジェクトなどの場合、PMと多くの知見を持つITコンサルタントがうまく連携を取ることも意識しましょう。

 

 

PMOに向いている人材の特徴

PMOに向きの人の得意業務


PMOに向いている人物像を思い描くと「コミュニケーション能力があり、自分の立場をわきまえることができる」人材が浮かびます。具体的にはどのような意思や経験がある人物なのでしょうか?

 

(1)複数のプロジェクトに関わりたい人

一つのPMOが、社内の複数のプロジェクトを同時にモニタリングするケースは実に多いです。これまでのキャリアで経験してきたプロジェクトだけではなく、さまざまなプロジェクトの状況を見て知見を広げたいと考えている人にはPMOに向いています。

 

PMOの業務内容はそれぞれのプロジェクトで現場をマネジメントする機会は多くありません。しかし、将来PMなどの人材育成に関わりたいと考えている人にとってPMOとしての経験が大きく役立ちます。


多くのプロジェクトを俯瞰することで、他のPMがどんな進め方をしているのかを学べる機会です。コンサルタントとして視野を広げる材料になるでしょう。

(2)PMとして経験豊富な人

PMOとしてプロジェクトに関わる場合、大規模プロジェクトでPMとして立ち回った経験が役にたつでしょう。さまざまな案件でPMを担当し、場数を踏んでいる人材であれば、PMOとして参画した際も柔軟な対応ができ、PMや周囲にとって頼りになる存在になれるはずです。

 

また、PMOには周囲に気配りができる人が向いているといわれています。ビジネスライクにスケジュールや希望を伝えるのが得意なタイプよりも、チームメンバーがつまづいた時に一緒に解決策を模索できるタイプの方がPMOコンサルタントに向いています。

 

PMとして現場に慣れていたり、プロジェクトチームが抱えやすい問題を知っていたりするほうが、俯瞰した意見を述べる立場であるコンサルタント歴が長い人材より重宝されるでしょう。

 

 

PMOに向いていない人材

PMOコンサルタント

 

PMOには、いかにもコンサルタント然とした上からものをいうタイプより「プロジェクトメンバーの一人」といった意識で細かい所に気が付く人の方が向いています。ほかにも、PMOに向いていない人材の代表的な特徴を知っておきましょう。

 

(1)プロジェクト現場にこだわる人

PMOの業務は複数のプロジェクトを同時進行させることが珍しくありません。一つ一つのプロジェクトにじっくり取り組むスタンスだとずれが生じるでしょう。

 

PMやITコンサルタントにくらべ、プロジェクト現場に入る機会が少ないため「プロジェクトの現場でリーダーとして活躍しないと意味がない」と考えている人は、むしろPMとしてプロジェクト進行に注力していくべきでしょう。

(2)事務作業や進行管理が苦手な人

PMOは基本的にPMをサポートするスタンス。PMの業務をフォローして、いかにプロジェクトを円滑に進めるかがPMOのタスクです。裏方のような立場に徹するのが得意な人のほうが向いています。


レポーティング業務や進行管理業務がメインとなり、プロジェクト全体の統括はPMに任せるケースも多いです。後方支援としての業務が苦手だったり「つまらない」と感じたりする人はPMOには不向きです。具体的にはデータ集計やドキュメント作成などの事務作業が苦手な人、スケジュール管理などの進行管理が得意ではない人は、PMOでは活躍しづらいかもしれません。

(3)小規模プロジェクトでのPM経験に固執する人

PMとして経験豊富でも、小規模プロジェクトの経験しかないと、大規模プロジェクトでのPMOの役割、立ち回りについて理解できていない場合があります。基本的にPMOは、大規模プロジェクトに設置されることが多いです。特に、外部のコンサルティングファームにPMOコンサルタントを外注するケースは、それなりのビッグプロジェクトといえます。

 

スキルセットや実績が十分であっても、大規模プロジェクトで必要とされるPMのサポートについて理解が浅いと「プロジェクトチームのお客様」といった立場になりかねません。PMのうちからできるだけ大きなプロジェクトへの参画を希望したり、OJTがしっかりある案件でPMOデビューを図ったりするのが良いでしょう。

 

ただし、外部からPMOコンサルタントを招くような大規模プロジェクトの場合、PMOコンサルタントへの期待値が大きく、OJTが用意されていない場合も多いです。「OJTがなくても求められるパフォーマンスを理解・実行できる人」として招かれている自覚が必要です。

 

 

PMOに求められるスキルセット

組織図を俯瞰する外部PMO

 

PMOコンサルタントを目指す人の中には、PMOに初めてチャレンジする人もいるでしょう。PMやエンジニアとして十分な経験があってもPMOに向いているかどうか不安な人もいるでしょう。

 

PMOコンサルタントにはどのようなスキルセットが求められるのでしょうか?自分の長所に当てはまれば安心して参画できますし、弱点だと感じるスキルがあれば自己研鑽に努めましょう。

 

(1)コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、コンサルタント全般に求められるものですが、PMOには一層必要とされるでしょう。PM、プロジェクトメンバーとのコミュニケーションはもちろん、クライアント企業との交渉や進捗報告などもPMOの重要な任務です。時には、自分自身も外部の人間であるにもかかわらず、プロジェクト進行に必要なリソースについて外部企業の選定や連携などにも率先して参加しなくてはなりません。

 

プロジェクトの品質を安定させ、スムーズに進行させるために、チームとメンバー一人ひとりのタスクやスケジュールを注視し、問題点があれば指摘、解決に導く力も求められます。

リスクマネジメント能力や進捗管理力も必要ですが、メンバーが相談しやすい雰囲気やヒアリング能力といったきめ細かいコミュニケーション能力がプロジェクト成功のカギとなるでしょう。

(2)経営センス

コンサルタントである以上は、企業の経営状況や事業戦略を俯瞰し、問題点を洗い出せる経営センスが求められます。PMOは設定された目標を達成するために設置される組織ですが、目標設定から参画する場合にも経営センスが必要とされるでしょう。

 

また、プロジェクトのゴールとしての目標自体は一貫したものであっても、プロジェクト進行中の状況によっては、その間に達成すべき新たな目標が生まれるものです。こうしたプロジェクトの過程で生まれる目標の一つひとつが、クライアント企業にとってプラスになるものか否か、コストパフォーマンスやチームへの影響などを分析・判断するのもPMOの経営センスにかかっています。

(3)タイムマネジメント能力

PMOはプロジェクトの質を向上・担保するのが重要な役割ですが、もう一つ死守しなくてはならないのが納期です。チーム全体のスケジュールをハンドリングできるタイムマネジメント能力は必要とされます。

 

タイムマネジメントをしっかり行うことで、プロジェクトの中で円滑に業務が進んでいない部分や人物の洗い出しにもつながります。課題を見つけ、支援方法を検討し、納期を順守するための一手をチームメンバーと模索することで、チーム全体の絆やパフォーマンス向上にもつながるでしょう。

(4)プログラミング能力

原則としてPMOは、IT関連のプロジェクト以外にも設置されることもあります。しかし、現在PMOが設置されるプロジェクトは、IT関連の大規模プロジェクトであることがほとんどです。

 

チームメンバーとしてプロジェクトの中核を担うのは、エンジニアであるケースも多いです。基本的なプログラミングを理解していなければ、指示が出せなかったり、エンジニアの意見を企業のトップに伝えられなかったりといった矛盾が起こりがちです。近年、SE出身のPMOコンサルタントが増えているのは、プログラミング能力によるところもあるでしょう。

 

 

PMOにまつわるQ&A

QA

 

PMOコンサルタントについて寄せられた疑問にQ&A形式で紹介します。

 

(1)PMOコンサルタントはつまらない?

どの仕事にもいえることですが、仕事が面白いか、つまらないかは本人の考え方や環境によります。ただし、外部からPMOコンサルタントとして参画する場合、クライアント企業との上下関係があったり、プロジェクトチームメンバーからもお客様として扱われたりすることはあるでしょう。

 

また、PMやSEとしての経験が長いと、何となく疎外感を味わう場面や自分の力を発揮しきれていないと感じることもあるかもしれません。言語化能力や文章力、ファシリテーション能力を求められる場面もあり、IT人材として長くコンサルティング業界に携わってきた人ほど、前職とのギャップを感じやすい場面もあるでしょう。

 

しかし、案件の内容や企業のサービス、報酬額など、自分にとって譲れない基準を満たした案件に参画するのであれば、多少の不満は自分で解決すべきです。外部の人間だからこそ、企業の経営戦略やプロジェクトを俯瞰できる面は重宝され、達成感も感じられるでしょう。自分にとって最優先事項は何なのかしっかり見極め、PMOコンサルタントという立場を最大限に生かす意識が必要です。

(2)PMOコンサルタントの年収は高い?

企業の規模やPMOコンサルタントとしての業種にもよりますが、会社員のPMOコンサルタントの平均年収は700万円弱といわれています。現在の日本のビジネスシーンでは高年収の部類といってもいいでしょう。

 

一方、フリーランスのPMOコンサルタントは年収1000万円程度が相場。フリーランスの場合、可動状況によっては、いくつかの案件を並行できるので、メインのほかに副業として安い単価の案件を積み上げることで想像以上の年収をたたき出すことも可能です。

(3)フルリモートのPMO案件はある?

結論から申し上げると、フルリモートのPMO案件は存在します。フリーランスのコンサルタントと地方に本社を置く企業のマッチングを行うサイトなどでは、日本全国から優れたPMOコンサルタントを募集するケースが目立ちます。

 

しかし、PMやチームメンバー、クライアント企業や外部企業との、コミュニケーションやきめ細やかなタスク管理・スケジューリング・コスト管理などがPMOの役割です。フルリモートではチームのモチベーションや問題が把握しづらい面はあるかもしれません。

 

関連ポジションとは密に連絡を取る、フルリモート契約であっても時には出社するなどの工夫ができるとよいでしょう。

(4)PMOが持っていると有利な資格は?

一般的にPMOコンサルタントは、資格より実績が重視される職種です。しかし、外部から参画を狙う場合、名刺に記載できる資格は大きな武器になるでしょう。特に、フリーランスの場合は、実績や能力の裏付けのためにも資格をいくつか取得しておきたいものです。

 

フリーランスのPMOコンサルタントにおすすめの資格として有名なのは、日本PMO協会(NPMO)が実施している認定資格制度「PMOスペシャリスト認定資格(NPMO認定PMO-S(TM))」と国際的に知名度が高い「PMP(Project Management Professional)」です。どちらも、受験資格が厳しくテスト内容や必須講義もハードルが高い試験ではありますが、取得しているとPMOとしての武器になります。

 

また、近年プロジェクトの現場は海外、PMOは国内といった国際的な案件も増えています。プロジェクトのチームメンバーと円滑なやり取りができる英語力を示せるtoeicスコアがあると、なおよいでしょう。

(5)PMOが陥りがちな後悔とは?

PMOコンサルタントから「やりたくない」「つまらない」といった不満が出るのは、往々にして人間関係が発端となっていることが多いです。人間関係が不満の根源だと気づかず、PMOに参画したこと自体を後悔し「二度とPMOをやりたくない」という人もいるようです。

 

一般的にPMOを必要とするほどの大きなプロジェクトでは、クライアントから依頼を受けた大手コンサルティングファームのマネージャーレベルの人材がPMO業務に当たります。この場合、チームメンバ―は素直にPMOの提案や指示を受け入れるでしょう。

 

しかし、PMOコンサルタントがインハウスだったり、フリーランスだったりする場合、反発を表に出したり、社内でのポジション・肩書にこだわったりしてPMOコンサルタントに従えないメンバーが出てきやすい側面があります。

 

PMOコンサルタントも肩書にこだわりすぎると、チームメンバーに質問できなかったり、業務を抱えすぎたりして身動きが取れなくなるような事態に陥りがちです。こうした事態に陥らないためにも参画直後から、チームメンバーと積極的にコミュニケーションをとるよう意識しましょう。

 

また、PMO内で気軽に質問できる人材を見つけておくことも大切です。そのためには、業務が忙しい時でも、チーム内の仲間の様子を伺ったり積極的に手伝ったりといった、人間らしい気遣いが大切です。

(6)PMOのキャリアパスは?

PMO人材のなかでも、PMOアドミニストレータがPMOエキスパートになり、いずれはPMOマネージャーとしてPMO全体を指揮するというキャリアパスが一般的です。最終的には、所属するコンサルティングファームのPMO部隊のトップを目指したり、就業先で顧問として招かれたりというキャリアパスもあるようです。

 

もちろん独立・起業をするPMOも増えています。多くの企業でPMOが設立されている現在、フリーランスのPMO人材として活躍も可能です。人間関係の軋轢や企業間のパワーバランスに邪魔されず、職務を全うできる立場としてフリーランスのPMOコンサルタントは、多くの企業に大変重宝されています。

 

いずれにしろ「PMOコンサルタントは一生食うに困らない」といわれています。将来性重視でコンサルタント職にチャレンジするのであれば、PMOはおすすめの職種です。

 

 

PMOを目指すならPMO人材の特徴やスキルセットを備えよう

ミッション・ビジョンのもとでいきいき働く人達

 

ビジネスシーンでは、日々多くのプロジェクトが進行しています。同時にプロジェクトの大規模化、技術の進歩、ITの劇的かつスピーディーな進化、非正規雇用の増加やオフショア開発の急増など、プロジェクトの難易度を上げる要素が増加しています。

 

こうした環境のなか、PMをサポートし、プロジェクトを成功に導くPMOの存在感が高まっています。今後もさらにPMOを導入する企業は増え、おのずとPMO案件の数も増加すると見られています。PMOへの転職や参画を目指す人は、PMOの役割やメリット・デメリットだけでなく「自分がPMO向きな人材の特徴にあっているか」も見極める必要がありそうです。

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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