【フリーランス入門ガイド】定義や個人事業主との違いとは?増えすぎた理由は?おすすめの仕事や獲得方法とは?

最新更新日:2022/08/19
最新作成日:2022/08/19

 

ここ数年フリーランスとして働く人が増えていますが「フリーランスとはなにか」「どんな仕事か」「自分でもなれるのか?」など疑問を持つ方も多いでしょう。あらためてフリーランスの意味やフリーランスに多い仕事やメリット・デメリットをQ&Aも踏まえて紹介します。フリーランスとして順調なスタートを切るために仕事の獲得方法や選び方、起業の手順も解説します。

 

目次

 

■フリーランスの定義
(1)個人事業主とフリーランスの違い
(2)自営業とフリーランスの違い

 

■増えすぎ?フリーランスが増えた背景
(1)働き方の多様化
(2)副業を解禁する企業の増加
(3)フリーランス向けサービスの充実
(4)DX推進に伴うIT人材への需要増
(5)リモートワークの普及

 

■フリーランスの仕事一覧
(1)ライター
(2)エンジニア
(3)コンサルタント
(4)デザイナー
(5)マーケター

 

■フリーランスが職種を選ぶ際の基準
(1)自分が興味を持つことができる仕事か
(2)自分のスキルが発揮できるか
(3)目指す水準の報酬が得られそうか

 

■フリーランスとして仕事を獲得する方法
(1)知人経由で受注
(2)企業から直接受注
(3)マッチングプラットフォームを活用

 

■フリーランスで成功するために必要な独立準備
(1)事業計画を立てる
(2)独立資金をためる
(3)開業や税務・経理業務などの手続きを行う
(4)フリーランスをサポートするコミュニティに加入する

 

■フリーランスに関するよくあるQ&A
(1)フリーランスのメリットは?
(2)フリーランスのデメリットは?やめとけといわれる理由は?
(3)フリーランスが入れる保険はどんなものがある?

 

■環境が整いつつあるフリーランスを働き方の選択肢に

 

 

フリーランスの定義

屋外で仕事をする女性フリーランス

 

「フリーランス」とは、社会的にどのように定義されているのでしょうか。フリーランスを簡単に説明すると「個人で仕事を請け負う働き方」のことです。

 

会社員との大きな違いは、フリーランスは雇用契約ではなく、業務委託契約を結ぶのが一般的で、企業や団体との雇用契約がないため「労働基準法」などの法律が適用されません。そのため、勤務時間や勤務場所などの面で自由度が高いものの、最低賃金や残業時間など、フリーランスには法律で定められたルールが適用外です。また、確定申告をはじめ、税金や保険(控除)などの手続きも自分で行なう必要があります。

 

内閣府や中小企業庁では、フリーランスとは以下の条件を満たすものと定義づけています。

①自身で事業等を営んでいる
②従業員を雇用していない
③実店舗を持たない
④農林漁業従事者ではない
※法人の経営者を含む

 

(1)個人事業主とフリーランスの違い

フリーランスとは個人事業主と同義語と誤解されがちですが、個人事業主とは開業届を提出して、個人で何らかの事業を行なう人のことや税務区分を指します。

 

フリーランスであっても事業所を法人化している場合もあります。

(2)自営業とフリーランスの違い

フリーランスと意味が似た単語として、よく使われるのが自営業。自営業も自分で事業を行なう人のことです。自営業とフリーランスの呼び分け方については、さまざまな見解がありますが、自営業は、飲食店などの実店舗を持つ人を指すのが一般的。一方で、フリーランスは自営業のように時間や場所の制約がなく、在宅でリモートワークする人も多くいます。

 

また自営業は自ら店舗で小売業を営むことが多いのですが、フリーランスは他の会社から仕事を請け負うという働き方。内閣府などもフリーランスとは「実店舗を持たない」と定義づけています。この実店舗を持つかどうかが、自営業とフリーランスの違いでしょう。

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増えすぎ?フリーランスが増えた背景

さまざまな課題と解決方法

 

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発表した「フリーランス白書 2022」によると、アンケートの回答者1254人の1/4にあたるフリーランス人材が、「開業後の期間は2年以内である」と答えています。つまり、この2年の間にそれだけフリーランスとして独立・起業した人材が増えたといえるでしょう。

 

こうした状況に対して「フリーランスが増えすぎ」という声もあります。なぜ、近年これほどフリーランス人材が増えたのか、背景を見ていきましょう。

出展:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2022」

 

(1)働き方の多様化

2018年に制定された「働き方改革関連法」により、現在国をあげて、さまざまな働き方が推進されています。働き方改革は、国が少子高齢化による働き世代減少といった課題や、育児や介護と仕事を両立させたいといったニーズの解決を目指して制定された法案です。具体的な提案として「労働時間法制の見直し」「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」などが求められています。


長年日本では「正規雇用で長時間会社内で就労する」のが、ベストな働き方だとされていました。働き方改革法案の出現により、多様な働き方が認められるようになってきています。それにより「フリーランスという働き方へのハードルが下がり、フリーランス人材が増えたのではないか?」といわれています。

(2)副業を解禁する企業の増加

働き方改革関連法の制定と時期を同じくして、厚生労働省が2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表しました。このガイドラインは、企業や働く人に向けて、現行の法律のもとで副業に取り組むポイントを解説したものです。2022年7月には改訂版も発表され「閣議においても労働者の多様なキャリア形成を促進する観点等から、副業・兼業の拡大・促進に取り組んでいくことが決定された」と明記しています。

 

このガイドライン発表を受けて、それまで社員に副業を禁止していた企業でも解禁するケースが増えています。副業をする会社員が増えたことで、フリーランス人材が急激に増えたように見えている可能性があります。「フリーランス白書 2022」でも、アンケート回答者の9.4%が副業人材だと発表されました。

 

「副業人材をフリーランスとするのか」の線引きについてはさまざまな意見がありますが、副業で得た収入額が年間20万円を超す場合は確定申告が必要です。月額にして1万7千円弱以上を副業でコンスタントに稼げそうな場合は、あらかじめ税務署に開業届と青色申告申請書を出し、副業にかかる経費を控除申請するのが一般的です。副業人材も税務上は、個人事業主となるため、フリーランスを名乗る副業人材が増えたことにつながっているでしょう。

(3)フリーランス向けサービスの充実

フリーランス向けに仕事を仲介するプラットフォームについては、ランサーズやクラウドワークスが一般的でしたが、ココナラやタイムチケットといった「スキマ時間を売る」サービスも充実してきています。こうしたフリーランス向けのサービスを展開する企業が増えたことで、フリーランスとして仕事を得やすい環境も整いつつあり、結果としてフリーランスとして活動する人材の増加につながっているといえるでしょう。

 

また、フリーランスの人が仕事場として活用できる、コワーキングスペースが全国的に増えています。事業所住所として登録が可能だったり、スペースに集うフリーランス同士で交流が持てたりといった特典もあり、利用者数を伸ばしています。「フリーランスは特別な働き方」といったイメージの払しょくにつながった面もあります。


フリーランスにとって最大の課題ともいえる確定申告や経理作業などについても、オンラインで完結するクラウド系会計ソフトなどが次々と開発され、ハードルが下がったといえるでしょう。こうしたフリーランス向けのサービスの普及と充実が、フリーランスが増えた背景にあるといえます。

(4)DX推進に伴うIT人材への需要増

現在あらゆる企業が事業にDXを活用しています。日本政府も経済産業省主導でDX推進施策が発動され、レポートの取りまとめや助成金の配布など、積極的な施策をうっています。そこで危惧されているのが、DXについて必要な知見を兼ね備えた人材の少なさです。

 

IT人材の育成については、教える側・教えられる側、双方の資質や時間がかかるといった課題があり、国をあげての急務とされています。しかし、なかなか成果が出ず、IT人材の需要に供給が追いついていないのが実情です。

 

そこで、DX推進に長けた人材がフリーランスとして独立し、企業の垣根を越えて複数の企業のプロジェクトを手掛けるケースが増えています。フリーランスのITエンジニアやITコンサルタント・DXコンサルタントといったIT人材は、仕事を選べる立場にあり、経済的にも安定している状況です。企業に所属するIT人材がフリーランスとして独立するケースが後を絶ちません

(5)リモートワークの普及

2019年末より世界的に猛威を振るうコロナウイルスの影響で、2020年から日本国内でもリモートワークが急速に普及しました。結果として、出社にこだわらない働き方が見直され、フリーランスへの注目度も上昇したと考えられます。

 

また、リモートワークにより、通勤時間がなくなったことで時間に余裕がうまれ、スキマ時間に副業を始める人材が増えたこともフリーランスが増えた要因とみられています。

 

 

フリーランスの仕事一覧

フリーランスマーケター

 

具体的にフリーランス人材の仕事として選ばれる仕事と報酬などの特色を見ていきましょう。

(1)ライター

パソコン一台で仕事が完結するライターは、フリーランスとして働きやすい仕事の一つです。さまざまな専門職につく人が、副業として知識を活かした執筆活動で稼ぐケースも目立ちます。

 

ライターの収入は、当人の力量やスキルによって大きな差があります。執筆物を提供する媒体は、Webメディア・広告・出版物・雑誌・本と多岐に渡りますが、ライター本人のネームバリューや媒体の運営元によっても報酬が異なります。


ライターは、報酬の換算方法に特徴があります。時給で報酬が決まる場合もありますが、プロジェクトや1文字単位で報酬が支払われるのが一般的です。

(2)エンジニア

フリーランスのエンジニア向けの案件は在宅型の案件もありますが、プロジェクト現場に常駐が求められるケースが多いです。案件の規模によって収入に差がでますが、プロジェクトへの稼働率や成果によって報酬が決定する場合があります。

 

企業に所属するエンジニアの平均年収は400万~1000万円くらいだといわれています。一方、フリーランスのエンジニアの平均年収は700万円以上といわれており、エンジニアはフリーランスのほうが会社員より圧倒的に収入面では有利といえるでしょう。


また、フリーランスのエンジニアが参画できる案件は、プロジェクト全体を通して業務にあたるものもあれば、特定の部分の業務を切り出して参画できる案件もあります。案件の内容や契約形態を選べるといった自由度の高さもフリーランスになるエンジニアが多い理由の一つでしょう。

(3)コンサルタント

現在、フリーランスのコンサルタントを求める企業が非常に多いです。これには、多くのコンサルタントを束ねるSIerやコンサルティングファームなどでも専門分野に特化した実績を持つコンサルタントの育成に苦労している背景があるからです。特に求められる分野はIT系プロジェクトのPMOコンサルタント、SAPコンサルタント、ITコンサルタントなどです。

 

一般的に大手ベンダーなどに所属する会社員コンサルタントの年収は400万円~、SIer・コンサルティングファームに所属するコンサルタントの年収は600万円~が相場といわれていますが、フリーランスのコンサルタントへの報酬は100%稼働と仮定して80万~130万程度提示されることが多く、特に専門性の高いSAPコンサルタントでは月額報酬230万円といった案件もあります。


プロジェクトへの関わり方や工程、勤務形態などは案件によってばらつきがあるので一概にはいえませんが、コンサルタントこそフリーランスとして独立したほうが、自由度も報酬も満足できる案件に出会える可能性が高いです。

(4)デザイナー

さまざまな分野のデザイナーも、フリーランスとして独立する人が多い職種です。以前は紙媒体やグラフィックデザイナー、服飾系、プロダクト系のデザイナーでフリーランスとして活躍する人が多い傾向でした。最近のフリーランス業界の主流としてWebデザイナー、ゲームデザイナー、UI/UXデザイナーといったITに特化したデザイナーの活躍が目覚ましいです。

 

現在、IT系企業で求人が多いUI/UXデザイナーは会社員だと平均年収が600万円ほどです。一方、フリーランスのUI/UXデザイナーは、報酬はプロジェクトごとに提示されるケースもありますが、案件ごとに単価は異なるものの、週5日勤務で月額報酬70~90万円程度提示される案件が多いです。平均すると年収750万円~1000万円超えといったところでしょう。


また、デザイナーの案件で多いのが「週2日勤務で40万円」「週3日勤務で60万円」といった勤務スタイルの求人です。同じ期間に複数のプロジェクトに参画することで、自己研鑽・報酬の面で満たされた働き方ができそうです。仕事から離れて自分の時間を大切にしたいという人にとっても、IT系のフリーランスデザイナーはおすすめの職業です。

(5)マーケター

前項の「フリーランスに多い職種ランキング」でお伝えした通り、フリーランスで活躍するマーケターも少なくありません。フリーランスのマーケターは自社コンテンツや自社業界だけでなく、広い分野に精通している必要性があるため、社内に新しい風を取り込みたい企業、新規事業を企画する企業には欠かせない存在です。

 

会社員のマーケターの年収は平均500万円ほどですが、フリーランスのマーケターの報酬を見てみると月額報酬60万~100万円ほど提示する求人が多いです。常駐型より週1~3日勤務のスポットでの参画を求める企業がほとんどですが、いくつかのプロジェクトに並行して参画すれば年収1000万円超えも夢ではありません。

 

フリーランスが職種を選ぶ際の基準

仕事を探すフリーランス

 

勤務先での担当部署・職務を活かしてフリーランスになる人がほとんどですが、中には全く別の職種で独立・起業を目指す人もいます。フリーランスになるためのスキルを教えるスクールなども開講されているので、どの職種でフリーランスを目指すか参考にしてみるのもよいでしょう。フリーランスとして活動する職種を選ぶ基準を紹介します。

 

(1)自分が興味を持つことができる仕事か

フリーランスの入り口として、ライターやマーケターのお手伝いとなる調査業務などは、専門スキルがない人でも始められる仕事として知られています。しかし、案件自体に興味が持てなかったり、続けていきたいと思えなかったりするようでは、長続きせず、求められる水準の任務が遂行できないこともあるでしょう。

 

自分が興味を持てるポイントが案件にあるかどうかしっかり見極めて引き受けましょう。

(2)自分のスキルが発揮できるか

フリーランスとして仕事を獲得するとき、一番の武器になるのが実績です。自分のスキルや経験を発揮できる仕事かどうか、というのも仕事を選ぶ上で重要です。たとえば、営業職が長い人は営業資料作成の案件に参加したり、士業資格を持つ人は専門分野での記事執筆をしたりするなどもスキルを発揮したフリーランスの働き方としておすすめです。


経験やスキルを活かして案件を獲得し、フリーランスとしての実績を積み上げていきましょう。

(4)目指す水準の報酬が得られそうか

一部の高スキルを必要とする案件以外は、フリーランスとして駆け出しの頃はなかなか高い報酬が期待できないものです。しかし、報酬はやりがいと仕事の出来に反映されるものです。自分のスキルや時間を安売りしすぎるのはおすすめできません。

 

あらかじめ一定の報酬水準を定め、それ以上の単価の仕事を引き受けるように心がけましょう。自分の決めた水準以上の仕事を獲得するには、何が必要か、どのようなスキルを磨いたらよいか、などがおのずと見えてくるでしょう。

 

フリーランスとして仕事を獲得する方法

話し込むエージェントト登録者

フリーランスとして仕事を獲得するには、まず自分から手を上げることが必要です。よほどの著名人などではない限り、黙っていても仕事が入ってくるような状態にはなかなかならないものです。フリーランスはどのように仕事を見つければよいか方法を紹介します。

(1)知人経由で受注

現在活躍するフリーランス人材が駆け出しのころに仕事を受注した方法として一番耳にするのが、知人や友人などのネットワークを通じて仕事を紹介してもらう方法です。これまで培った人脈ネットワークをフル活用しましょう。


周囲に「フリーランスになりたい」「仕事を探している」といったことを伝えておけば、意外なところから仕事を紹介してもらえることもあります。また、自分がフリーランスとして活動しようと思っている業種に関するセミナーや交流会に顔を出してつながり作りに励むのもおすすめです。

(2)企業から直接受注

フリーランスとして独立後も前職での所属先や取引先と契約し、企業から直接仕事を受注する人もいます。実績やスキルに自信がある人はスタートアップ企業やサービスに自ら営業をかけるのもよいでしょう。


また、求人情報サイトの中にもフリーランスと直接「業務委託契約」を結びたい企業も案件情報を掲載している場合があります。こうしたものに応募してみるのも一つの手です。企業から直接受注したものは、ポートフォリオや職務経歴書に実績として記載しやすいというメリットもあります。正規雇用は難関である大手企業のプロジェクトであっても、フリーランスなら参画しやすい場合があります。積極的に自分を売り込みましょう。

(3)マッチングプラットフォームを活用

手軽に案件を探せるクラウドソーシングサイトを使うのも一つの方法です。ただし、クラウドソーシングサイトで扱う案件は単価が安く、手数料が高いというデメリットがあることも理解しておきましょう。専門知識やスキルを必要としない仕事内容も多いので、興味がある職種にチャレンジしたいなら、こうしたプラットフォームで腕試しをするのもよいでしょう。

 

高度なスキルを生かして高単価の案件を見つけたいなら、職種やジャンルに特化したプラットフォームやマッチングエージェントがおすすめです。こうしたプラットフォームやマッチングエージェントの多くは専任のアドバイザーがいます。人材ごとにマッチした案件を紹介するサービスの他、より案件を獲得するためにアドバイスを受けられるなど、フリーランス活動全般につながる支援が受けられる場合もあります

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フリーランスで成功するために必要な独立準備

事業計画や貯蓄について考えるフリーランス人材


仕事を受注する以外にも、フリーランスとして活動するのに欠かせない準備があります。抜かりなく計画的に準備を進めることで活動の幅や規模も定まってくるでしょう。フリーランスになる前に必要な独立準備を4項目に分けて紹介します。

(1)事業計画を立てる

フリーランスとして成功をつかむスタートラインとして、事業計画を立てましょう。

起業計画は簡単にはまとまらないものです。「どんな顧客がいてどんな仕事で収入を得るのか?」「毎月どのぐらいの収入を見込むのか?」などは、ざっくりと思い描いておきましょう。取り組むうちに現実的に足りないものや必要なスキル、独立にかかる費用などが見えてきます。

(2)独立資金をためる

職種によっては開業にさほど費用がかかりませんが、副業ではなく、本業フリーランスとして独立開業するなら、毎月安定した収入が得られる保証はありません。しばらく仕事が少ない可能性もあるため、半年分くらいの生活資金は貯めておきたいところです。


また、貯金をしながら、開業助成金や補助金で利用できそうなものはないか、調査を始めましょう。こうした助成金は、独立のための資本がいくらあるかも審査要件です。しっかり独立資金を貯めている人は、計画性と経営者感覚があると評価され、独立する側に有利な条件の助成金の審査に通りやすい側面があります。

(3)開業や税務・経理業務などの手続きを行なう

個人事業主として事業を始める場合、開業届の提出が必要です。法人を立ち上げてひとり社長になる場合は、法人化の手続きも別途必要になります。また、年金や保険なども個人事業主と法人それぞれ仕組みが異なりますので、事前にチェックしておきたいところです。

 

働く場所をどこにするかも具体的に検討しましょう。コンサルタントならオフィスを設けず自宅やカフェなど好きな場所で働けますが、シェアオフィスやコワーキングスペースなどもおすすめです。


また、フリーランスになれば経理業務も自ら行う必要があります。クラウド会計ソフトを使って、経理処理を簡単に安く済ませることもできます。初めから順調な事業運営ができそうであれば税理士と契約することも考えておきましょう。

(4)フリーランスをサポートするコミュニティに加入する

フリーランスとは「孤独」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。個人で事業を行なう責任は、会社員と比べて大きいのは事実ですが、フリーランス同士で交流できたり協力し合えたりするコミュニティに参加しておくのもおすすめです。たとえば

といった団体が知られています。こうしたコミュニティは、仕事やビジネスシーン・業界のトレンドなどの情報発信はもちろん、悩みの解決や友人作りにも役立ちます

フリーランスに関するよくあるQ&A

Q&A

 

よく耳にするフリーランスにまつわるQ&Aをまとめました。

 

(1)フリーランスのメリットは?

フリーランスのメリットは、基本的に個人単位で働ける自由度にあるでしょう。プロジェクトやクライアントの考え方・契約内容にもよりますが、働く時間も場所も基本的には自分次第です。会社員のように固定された人間関係に悩むことも少なくなるでしょう。こうしたことからフリーランスはワークライフバランスを実現しやすい働き方として注目されています。

また、最近はフリーランス人材が仕事を獲得しやすく、クライアント側も発注しやすくなったことで仕事の幅が広がり、さまざまな職種でフリーランスにチャレンジしやすくなりました。案件数も多いため、クライアント企業は自社の案件を目立たせるために報酬単価を上げざるを得ないといった環境になっており、フリーランスでも経済的な安定を実現しやすい社会になってきています。

(2)フリーランスのデメリットは?やめとけといわれる理由は?

フリーランスは、法人化している場合を除き、基本的に自分で健康保険組合や年金、確定申告などの手続きを行なわなければなりません法改正などの度に基準や方法に細かい変化があり、戸惑うこともあるでしょう。税理士などに丸投げしたり法人化して、担当者を雇うことも可能ですが、それにはそれなりの資金が必要です。

 

また、フリーランスでも満足できる報酬単価の案件を獲得しやすい世の中になってきてはいるものの、時には仕事が見つからなかったり、このコロナ禍の影響で従来の獲得方法では仕事が獲得できなくなったフリーランス人材がいたりすることも事実です。こうした不測の事態があるからこそ一部では「フリーランスはやめとけ」とささやかれているのかもしれませんね。


フリーランスとして成功したい強い意志があるなら「しっかり備えること」や「多少の浮き沈みに動じない強い心を持つこと」「フリーランスとしての本業以外にも働けるスキルを持つこと」などが必要かもしれません。

(3)フリーランスが入れる保険はどんなものがある?

まず、個人事業主として独立したての時は、健康保険は国民健康保険に加入するのが一般的です。ただし、職種によって専門の国民健康保険組合が存在し、職種に特化したメリットや健診が受けられる場合があります。

 

IT系のライターやデザイナーの多くが加入しているのが「文芸美術国民健康保険組合」です。ほかにも各士業資格の人が加入できる国民健康保険組合があります。

 

また、近年注目を集めているのが会員になることでフリーランスでも社会保険と厚生年金に加入が可能なフリーランス人材げんていのコミュニティです。ただし、条件や制約もあるため各自でお問い合わせください。

 

もう一つ忘れてはならないのが、労災を受けるための雇用保険です。一般的に個人事業主や代表取締役社長は雇用保険には入れません。しかし、フリーランス人材でも万が一業務中にケガや病気を発症した場合、労災認定を受けられる特別措置があります。令和3年9月よりIT系フリーランス人材も加入できるようになったので、気になる人は問い合わせてみましょう。

出典:文芸美術国民健康保険組合

出典:厚生労働量 労災補償  令和3年9月1日から労災保険の「特別加入」の対象が広がりました

 

環境が整いつつあるフリーランスを働き方の選択肢に

良い環境で仕事をするフリーランス人材

 

さまざまな社会情勢や広がる多様性の影響で自分らしい働き方を実現するために、フリーランスになる人が増えています。努力や準備なくしてフリーランスで成功できるとはいかないものの、仕事を探せるプラットフォームやコミュニティ、加入しやすい健康保険など、フリーランスを取り巻く環境が整備されています。

こうした情報を集めつつ、フリーランスになる準備を進めてみてはいかがでしょうか。

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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