【PMOコンサルタントとは】つまらない?意味ない?キャリアに使えない?向いている人と今後の将来性・年収を解説!

最新更新日:2023/12/26
作成日:2022/04/07

 

PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)とは、「PM(プロジェクトマネージャー)」をバックアップ、サポートする組織です。また、PMOにはコミュニケーションや資料管理といったきめ細やかなタスクもあります。SIerやITコンサルタント会社からPMOコンサルタントとして転職を考える場合、どのようなスキルを磨き、どのような役割や年収を目標にすれば良いかを考察します。

 

 

目次

■PMOコンサルタントのニーズ

 

■PMOコンサルタントに期待される役割
(1)プロジェクトの取りまとめ
(2)品質と能率の向上
(3)コストマネジメントなどの経営戦略

 

■PMOコンサルタントが必要とされる理由は?
(1)低いITプロジェクト成功率
(2)人材不足の一方、大規模案件が増加

 

■PMOコンサルタントの年収は?
(1)フリーランスPMOコンサルタントの年収
(2)会社員PMOコンサルタントの年収

 

■PMOコンサルタントへ転職に有利な経験と人間性・スキル
(1)情報セキュリティマネジメント経験
(2)コミュニケーションスキルや奉仕精神
(3)幅広い視野と同時進行能力(マルチタスクスキル)

 

■PMOコンサルに関するQ&A
(1)PMOとは?何の略?
(2)PMOは何をする?
(3)プロジェクトマネージャー(PM)はどんな人?
(4)プロジェクトマネージャー(PM)ってどんな仕事?
(5)PMOコンサルはつまらない?意味ない?
(6)PMOをやりたくない場合の対処法は?
(7)PMOが使えない場合の対処法は?
(8)PMOコンサルタントのキャリアパスは?

 

■ニーズ(需要)に応えるPMOコンサルタントになろう

 

PMOコンサルタントのニーズ

チームでPMを支えるPMO

 

PMOは特定の領域のプロジェクトに限定して設置されるポジションではありません。ただしプロジェクトの規模が大きくなるにつれ、PMOの必要性が高まるので、結果的にIT関連のプロジェクトで多く設置されます。

 

そのため、PMOを必要としているのは、ITサービス事業者やSIer、ベンダーといった顧客サービス型のITプロジェクトを多数抱える大手デベロッパーのみといった印象を持たれがちです。

 

しかし、実際には一般企業のIT部門やITサービスを手掛ける事業者など、なにかしらのITプロジェクト案件を抱える組織でもPMO設立を必要としています。それに伴い、PMOを必要とするクライアントの要望を理解して任務が遂行できるPMOコンサルタントのニーズも高まりつつあります

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PMOコンサルタントに期待される役割

期待をこめた握手

 

PMは、ITプロジェクトをあらゆる方向から支援し成功に導くスキルを持ちつつ、経営課題をクリアする戦略のプロです。しかし、近年のITプロジェクトはスケールが大きく、管理すべき項目は膨大。そのため、組織やナレッジ管理、コストや品質、環境整備などプロジェクト管理のすべてを1人のPMがこなすのはリソース的に厳しいと考えられるようになりました。

 

そこで、企業内にPMOを発足させる、もしくは外部コンサルファームからPMOコンサルタントを導入する企業が増えています。

 

PMOコンサルタントは、PMのバックアップのほか、ITプロジェクトの補助や管理業務、リスクマネジメントを行います。ただし、クライアントの企業からはPMOがもたらす効果として他にも期待していることがあるものです。企業がPMOコンサルタントに期待するのは、どのような結果なのか見ていきましょう。

(1)プロジェクトの取りまとめ

PMOは業務内容が多岐にわたります。なかでも中心となる業務は、ITプロジェクトで発生する課題をクリアにするマネジメント業務です。

 

プロジェクトを阻害する要因を抽出しリスクマネジメントを行ない、デベロッパーが進行している全ITプロジェクトを横串で総合管理します。クライアント企業がPMOコンサルタントに求めるのは、こうしたプロジェクトの取りまとめです。

(2)品質と能率の向上

PMOは、PMの代わりにプロジェクトに必要なシステム開発が頓挫しないよう進行管理や調整をします。不具合発生時の原因究明や再発防止策の提案もPMOの役割です。

 

多くの企業がPMOコンサルタントに、こうしたプロジェクトの品質や能率の改善を期待しているといえます。

(3)コストマネジメントなどの経営戦略

近年、多くの企業にとって、ITプロジェクトの成否はビジネス収益にダイレクトに影響する問題です。そのため、より戦略的なPMO活用を望む企業がほとんどです。

 

つまり、多くの企業がPMOコンサルタントには、コンサルタント自身やコンサルファームが保有するスキルや経験から培われた戦略を活かしてほしいと期待しています。

 

クライアント企業にとってプロジェクトの費用対効果は重要です。コンサルファームやフリーランスなど外部から契約したPMOコンサルタントはプロジェクトマネジメントのみならず、コストマネジメント面でもニーズの高まりを見せているといえるでしょう。

 

 

PMOコンサルタントが必要とされる理由は?

PMOコンサルタントが必要とされる理由は?

 

PMOコンサルタントのコンサルティング内容は、プロジェクトマネージメントそのものというケースやPMO設立の要件、リスクマネジメント、コスト管理をはじめとした経営戦略を含むケースが多いです。

 

PMOコンサルタントが必要とされる理由を紐解くと中でも、今多くの企業が抱える問題が見えてきます。

(1)低いITプロジェクト成功率

誤解されがちですが、PMOはIT領域のプロジェクトだけで必要としているわけではありません。しかし、実際にはIT領域のシステム開発などのプロジェクトマネージャーをサポートするケースが多く、PMOコンサルタントの転職では求人や案件情報はIT関連のものがほとんどです。

 

理由は、日本のITプロジェクトの成功率の低さにあります。2018年頃のデータでも成功率約50%です。企業経営に直結するITプロジェクトの成功率が、約半数程度というのは多くのITプロジェクトが目標を達成できず、失敗に終わっている証拠であり、デベロッパーやSIerにとって重大な問題です。

 

これまでのITプロジェクトを成功させるためには、優秀で実績や経験があるITプロジェクトマネージャーに任せるしか手がありませんでした。そのため、多くの企業が実力あるITプロジェクトマネージャーの確保や自社内でのITプロジェクトマネージャー育成に注力した時代もあります。

 

しかしながら、方法論を学んだだけでは資格は取れても優秀なITプロジェクトマネージャーにはなれません。常に複数の企業間で優秀な人材を取り合っている状況です。結果的にニーズは高いまま対象者が少なく「供給が追い付かないままITプロジェクトを続行させざるを得なかった」のが、日本におけるITプロジェクトの成功率の低さの原因の一つといえるでしょう。

 

こうした背景を踏まえて、台頭したのがPMOです。PMOは前面に立ってプロジェクトを率いる立ち位置ではありませんが、ITプロジェクトマネージャーに絶大な後方支援を実施し成功に導きます。PMOを設置したデベロッパーはプロジェクトの成功率を3年足らずで大きく向上させているという結果もあります。

(2)人材不足の一方、大規模案件が増加

ITプロジェクトマネージャーは慢性的な人材不足です。その一方、近年のITシステム開発は大規模なプロジェクトが増えています。このギャップを解決する手段としてPMOの強化が図られているのです。

 

あるITコンサルティング会社は、顧客サービスのためのシステム開発プロジェクトが常に数十本進行しており、一つひとつのプロジェクトに対し、ITコンサルタントを強みとするプロジェクトマネージャーを配属しています。

 

ただし、ITプロジェクトの規模や難易度によっては、ITプロジェクトマネージャーが持つスキルの限界を超えるケースがあるため、リスクマネジメントとしてPMOがチームでPMを支援しています。特にPMOコンサルタントは、規模の大きなシステム開発において、ITプロジェクトを成功させる鍵を握ります。

 

投資の大きい大規模なシステム開発や中長期プロジェクトは、成功に対してよりシビアになるものです。もはやPMOの有無は、ITプロジェクトの成否を大きく左右する重要なポイントといえるでしょう。

 

 

PMOコンサルタントの年収は?

年収増加

 

PMOコンサルタントの年収は需要と同様に高いのでしょうか?手掛ける案件の規模にもよりますが、フリーランスか組織に属しているのかによっても年収に大きな差がありそうです。

(1)フリーランスPMOコンサルタントの年収

フリーランスPMOの月額報酬の相場感は、60万~170万円程度です。プロジェクトの内容や、どのくらいの工数が必要な案件か、クライアントの規模感などにもよりますが、月額100万くらいが基準といえるかもしれません。

 

単純に考えても年収1000万円以上は狙えるでしょう。

(2)会社員PMOコンサルタントの年収

社内のPMO組織やコンサルファームなどに所属しクライアント企業の外部PMOコンサルタントとして勤務している場合、収入は案件ごとの報酬ではなく給料として支払われます。

 

年齢や企業規模、役職やスキルによって差はありますが、こうした社内PMOコンサルタントの場合は600万円~800万円程度の年収を提示される事が多いです。一般的な会社員の平均年収からみれば、まずまずな金額ですが、もっと上を目指して転職活動中の人は武器になるスキルを身につけておくと良いでしょう。

 

 

PMOコンサルタントへ転職するなら?

PMOコンサルタントへ転職するなら?

PMOコンサルタントを目指す人に比較的多い、転職のキャリアパスは、30代前半あたりまでにデベロッパーで数十名規模のプロジェクトリーダーを務め、その後PMOコンサルタントとして転職するケースです。

 

ITコンサルタントやセキュリティエンジニアなど、さまざまなIT関連の専門家からPMOを目指す人が増えています。SIerやベンダーなどからPMOコンサルタントへの転職を狙う場合、どのような戦略やキャリアが必要とされるのでしょうか。

 

PMOはITプロジェクトを支援する立場です。過去にITプロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを任された経験がある人材は即戦力として評価されやすいでしょう。

 

転職に必要な要素を「経験」「スキル」「資質」の3点から考えると、やはりプロジェクトマネージメントを手掛けた経験は認められるでしょう。ほかにはどのようなスキルや経験・知識があるとPMOコンサルタントへの転職が有利なのでしょうか?

(1)情報セキュリティマネジメント経験

現在、特に情報セキュリティ業界は、PMOの需要が高いです。情報セキュリティに関するスキルやセキュリティエンジニアの経歴があると市場評価はかなり高いでしょう。

 

なかでも業務アプリケーション開発のセキュリティエンジニアなどの経験は、顧客との複雑な業務要件定義が発生するため、ERP市場で活躍が期待できるキャリアといえます。

(2)コミュニケーションスキルや情熱

現場のITプロジェクトマネージャーと密に連携を取り、適切に対応できるコミュニケーションスキルも重要です。

 

資質の面から言えば、PMOは決して表舞台に立ってメンバーを率いていくような存在ではなく、メンバーのために環境を整え、黒子に徹してひたすらITプロジェクトをサポートする立場です。

 

大手コンサルファーム同様、顧客サービス精神とITプロジェクトマネージャーを育成する情熱が必要とされるかもしれません。

(3)幅広い視野と同時進行能力(マルチタスクスキル)

デベロッパーでは、一般的にITプロジェクトマネージャーは同時に1件のプロジェクトにしか携われません。これに対し、PMOコンサルタントは同時に多種多様なITプロジェクトを管理・分析・支援を行います。

 

ここで必要となるのが、ITプロジェクトマネージャーよりも幅広い視野です。ITプロジェクトマネージャーは、深く一つのベクトルに仕事が向かうイメージですが、PMOコンサルタントは広く横にベクトルが向かうイメージです。 同時に複数案件を進行させるスキル、いわゆるマルチタスクスキルが必要とされるでしょう。

 

PMOコンサルに関するQ&A

マウスとQ&A

 

「PMOコンサルタント」に関するQ&Aを整理します。

(1)PMOとは?何の略?

PMOとはプロジェクトマネージメントオフィス(Project Management Office)の略です。PMはプロジェクトマネージャー(Project Manager)個人を表すのに対し、PMOは組織やPMOに所属する人材、コンサルタントを指す傾向があります。

(2)PMOは何をする?

PMOはPMのバックアップのほか、ITプロジェクトの補助や管理業務、リスクマネージメントを請け負います。プロジェクトがスムーズに進行するよう見守り、必要と思われるサポートに徹する「PMをバックアップする立場」と考えるとよいでしょう。

(3)プロジェクトマネージャー(PM)はどんな人?

プロジェクトマネージャー、PMは「プロマネ」と略されることもあります。プロジェクト計画・遂行におけるリーダーです。

 

現在は情報システム管理の資格名とも知られているため、ITプロジェクトのマネージャーと思われがちですが、IT分野以外のプロジェクトでもマネージャーはPMと呼ばれます。

(4)プロジェクトマネージャー(PM)ってどんな仕事?

PMは、プロジェクトをあらゆる方向からマネージメントし成功に導き、経営課題をクリアするのが仕事です。計画の立案から人材、資金の調達やプロジェクトの進行管理などが注目されがちですが、資料の作成やプロジェクトの運営実績の分析も大切な仕事の一つといえるでしょう。

 

しかし、最近は人間関係を含む組織管理やナレッジ管理、コストや品質の保守、環境整備などプロジェクト管理のすべてを1人のPMがこなすのはリソース的に厳しいと考えられています。

(5)PMOコンサルはつまらない?意味ない?

PMOコンサルタントがつまらないかどうかは「人によるところが大きい」というのが正直なところです。PMOコンサルタントはプロジェクトがスムーズに運営・進行できるよう裏方に回り俯瞰する必要があるため、つまらないと感じる人もいるでしょう。

 

基本的には「プロジェクトの取りまとめが好きな人が向いている」仕事です。映画製作に例えると、PMが監督ならPMOはプロデュースが主な仕事といえるかもしれません。プロジェクト進行が順調な場合、PMOは活躍する機会が少ないものです。「つまらない」と感じるときは、スムーズなプロジェクト運営ができている可能性もあるでしょう。

 

また、ITプロジェクトの平均規模の拡大やプロジェクト成功率の低さから、PMOの需要は年々のびています。需要の伸び率や案件の多さから見ても、PMOに意味がないとは考えづらいです。

 

コンサルタントの個人的な経験やスキルとしてもPMOへの参画は大きな意味があります。

(6)PMOをやりたくない場合の対処法は?

PMOという職種は、人によって向き不向きがあります。向いていない・やりたくないと判断した場合は、別のプロジェクトでバリューを発揮するのも一つ。

 

しかし、PMO経験は中長期的なキャリア形成を考える上で大きな財産になる可能性が高いです。可能な限りチャレンジすることをおすすめします。

(7)PMOが使えない場合の対処法は?

自社のPMOが使えないと感じる場合は、PMO採用の理由を振り返ってみましょう。ビジネスシーンで「使えない」と感じるのは「期待を上回る働きをしていない」と言い換えられます。

 

しかし、そもそもPMO発足前の期待が「定まっていない」「PMOに伝わっていない」などの状況だと、PMOをただの雑用係のように扱ってしまい、本来の能力を発揮できていないのかもしれません。

 

また、PMOはあくまでも縁の下の力持ち。PMOが期待したほど活躍していないように感じるときはそれだけプロジェクトがうまくいっている可能性もあります。

 

それでも自社のPMOが使えないと感じるケースでは、解決するにはリソースやコストが足りていないか、PMO本人の力量不足や当初の期待とのミスマッチが考えられます。配置換えや契約更新について慎重に検討する必要があるでしょう。

(8)PMOコンサルタントのキャリアパスは?

PMOコンサルタントのキャリアパスは、

  • ①ITベンダーやコンサルティングファームで、よりハイレベルなポジションにつく
  • ②取引先、もしくは自社のコンサルタントとして契約する
  • ③フリーランスのPMOコンサルタントとして独立する

 

などが考えられます。「どのキャリアパスがよいか」は、人によって異なりますが、いずれにしてもPMOコンサルタントは将来性が高い職種だといえるでしょう。

 

 

ニーズ(需要)に応えるPMOコンサルタントになろう

PMOコンサルタント 転職成功

 

現在、PMOに特化したコンサルファームが台頭し、従来の大手コンサルファームのITコンサルタントやベンダー、SIerなどからPMOコンサルタントへ転職する人も増えています。プロジェクトマネジメントの経験が求められますが、チームリーダーとして経営戦略やリスクマネジメントを学んだ方なら、挑戦してみるのも一つの手です。

 

また、PMOコンサルタントになるには、大手コンサルファームの採用動向や業界情報に詳しいプロ人材サービスの利用もおすすめです。まずはフリーコンサルタント.jpに登録してみてはいかがでしょうか。 

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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