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RPAで時代が変わる?各業界の導入事例紹介

最終更新日:2020/06/19
作成日:2017/11/20

これまで人の手で行なわれてきた業務の数々。これらはRPA(Robotic Process Automation)を機能させることで大幅な業務改善が期待できます。すでに数々の業界で RPA導入が始まっており、近い将来にはRPAの利用が当たり前になっているかもしれません。

RPAはビジネスツールの1つですから、もちろん成功することもあれば失敗してしまうこともあります。導入の前にはよく検討する必要があるでしょう。

ここでは、RPA事例やメリット・デメリットを中心にRPAが生み出す効果について詳しくご紹介します。

 

 

目次

■RPAで時代が変わろうとしている
(1)RPAでロボットがホワイトカラー業務を代行できる時代へ
(2)RPAには3つのクラスがある
(3)従来の業務システム変更との違い

 

■RPA導入によるメリットとデメリット
(1)メリット:人材不足対策
(2)メリット:コスト削減
(3)メリット:生産性の向上
(4)メリット:外部業者へのBPOが減らせる
(5)デメリット:企業のシステム全体が止まってしまう可能性
(6)デメリット:間違った作業をしてしまう可能性

 

■各業界のこれまでのRPA導入事例
(1)コンサルティングファームでのRPA導入事例
(2)金融機関でのRPA導入事例

 

■注目のRPAツールは何か?
(1)RPAツールにはいくつかのタイプがある
(2)WinActor
(3)Blue Prism
(4)UiPath

 

■今後、RPAが進む道は?
(1)行政でのRPA導入事例が大きな影響を与える可能性
(2)RPAソリューションをビジネスにする企業の増加

 

※本コラムは、2020年6月18日に「導入事例が急増!コンサルティング業界も注目するRPAのメリット・デメリット」を再構成したものです。

 

RPAで時代が変わろうとしている

(1)RPAでロボットがホワイトカラー業務を代行できる時代へ

RPAはRobotic Process Automationの略であり、主にロボットによる業務効率化のこと。従来人手が必要とされるバックオフィス業務を、ソフトウェアロボットを使って業務自動化する仕組みを作り上げる機能です。

 

ロボットによる業務自動化というと製品の製造などをイメージしがちですが、RPAはPCを使うホワイトカラーの業務を自動化します。そのため、仮想労働者(デジタルレイバー)とも呼ばれることもあります。

(2)RPAには3つのクラスがある

RPAは、主に3つのクラスに分けて考えられることが多いようです。3つのクラスとは、以下のとおり。

 

RPAクラス1:定型作業の業務自動化

RPAクラス2:一部非定型作業の自動化(イレギュラー対応もできる)

RPAクラス3:高度なタスクの自動化(業務プロセスの分析・改善もできる)

 

クラスが上がるほど、より複雑な業務の代行が可能。特にクラス3の業務になると、AI(人工知能)の学習能力によって分析や業務改善などの複雑な業務にも対応できます。

(3)従来の業務システム変更との違い

業務の自動化は業務システムの見直しでも実現できますが、RPAは概念が異なります。顧客管理業務のRPA事例をみてみましょう。

 

顧客管理システムが導入されている企業でもそれぞれのデータ、例えば顧客データのインポート作業はたいてい人の手で行ないます。また、入力作業の報告メールを送ったり、入力作業後に他のスタッフがダブルチェックしたり、人手による作業はそれなりに発生します。

業務効率化のためにシステム改修を行なったとしても、システム間のデータ移行やチェック業務などはなかなか基幹システムに組み込みにくい作業です。

 

一方RPAの場合、入力作業からチェック、報告までのプロセスすべてをソフトウェアロボットが代行します。つまり、システム変更ではカバーしきれない業務範囲も、RPAの機能で自動化できる可能性が高いというのがポイントです。システム変更ではイレギュラー対応など非定型業務の自動化が難しいケースが多いのですが、RPAならAIなどの導入で実現できるケースもあります。

 

 

RPA導入によるメリットとデメリット

(1)メリット:人材不足対策

高齢化社会に突入しつつある日本。すでに、飲食業界やコンビニ業界では深刻な人材不足なのはご存知でしょう。これらの業界では、外国人労働者の力を借りなければ、もはやまともなサービスや製品が提供できずに、店が機能しないことも増えてきました。

今は一部の業界のみが人材不足かも知れませんが、近い将来、今は人が足りている業界でも人材不足の問題が深刻になっていくと予測されています。

 

そこで、「仮想従業員」ともいえるRPAが導入されることによって、オペレーションを行なう人材を増やす必要がなくなり、人材不足により生じる課題の解消につながるかもしれないのです。

また、人手が足りず慢性的に長時間労働になっている職場では、RPAツールの力を借りることで、長時間労働を解決できる可能性も秘めています。

 

つまり、「働き方改革」の解決策の1つとしてもRPAの機能は期待されているのです。定型業務に限らず業務を代行できるのがRPAの大きな特徴なので、「担当者がいないと業務が回らない」という属人的な業務にも対応できます。

(2)メリット:コスト削減

件費がネックになっていて利益が伸び悩んでいる企業は少なくありません。多くの経営者が「できるだけ人件費を抑えたい」と考えていることでしょう。

 

RPAによって業務が自動化されることにより、業務量が多く残業になってしまっていたケースなどを改善することができ、その分の費用を削減することができます。

また、企業が持つ基幹システムを改修するのに比べると、低コストでRPAを導入できるケースが多いようです。

(3)メリット:生産性の向上

RPAはソフトウェアロボットによる業務代行のため、人と比べて心理面・健康面などを配慮せずに利用することが可能です。システムを稼働させるだけならば、極端に言えば24時間365日稼働させることもできるでしょう。対応できる業務量が大幅にアップします。

 

また、人と比べて失敗が少なくなるのもメリットのひとつでしょう。AIを伴うRPAは学習能力があるため、無駄なプロセスを省いたり、イレギュラー対応ができるようになったりとRPA導入後も生産性アップにつながっていきます。RPA導入によって、作業に従事していた人材を営業など他の業務にシフトできるようにもなるでしょう。リソースを増強することで、製品の生産性アップにつなげている導入事例もあります。

(4)メリット:外部業者へのBPOが減らせる

部業者へ業務プロセスをアウトソースするBPO(Business Process Outsoursing)を採用している企業が、RPAツールによって社内で対応できるようになるかもしれません。外注していた製品のコストを減らせる可能性もありますし、情報漏洩などのリスクを低減できるメリットも。情報漏洩へのリスク管理意識は今後も高まっていくと予測されていますので、その観点からもRPAツールの導入は有効と考えられています。

(5)デメリット:企業のシステム全体が止まってしまう可能性

さまざまなメリットがある一方、RPAにはデメリットもあります。最も懸念されるのはシステム障害によりRPAが機能停止してしまうと、企業活動自体がストップしてしまうということです。システム障害は人的トラブルによるケースもあれば、災害などによるケースも考えられます。

 

万が一の時に備えて手動マニュアルを用意すべきですが、ソフトウェアロボットが代行している複雑な業務をいきなり人手でまかなうのは厳しいでしょう。また、業務プロセスの分析・改善をRPAに任せすぎると、従業員が業務プロセスを把握しきれない状況に陥ってしまいます。こうしたデメリットはありますが、やはりRPAは従来のシステム開発やアウトソーシングとは違ったメリットが大きく、企業の導入が進んでいます。

(6)デメリット:間違った作業をしてしまう可能性

RPAツールで業務をシステム化した場合、ロボットはあくまで指令通りの作業を続けます。そのため、仮に間違った指令を出してしまうと、そのミスに気づかないまま延々と同じ間違った作業を自動化で行なってしまうのです。

 

もしも、人間が同じ作業をしていたのなら、作業途中でミスに気付き修正することもできるでしょう。しかし、ロボットがミスに気づくことはありえません。そのため、最初の指令や情報が間違っていた場は、大幅な時間ロスになってしまうこともあるのです。

 

また、RPAツールでは業務がすべてシステム化されるため、プログラムを組んだ担当者以外からは作業のプロセスが見えなくなってしまう可能性もあります。

そうならないように、RPAを利用する際には業務フローをきちんとマニュアル化しておくこと情報の共有化が必要です。

 

 

各業界のこれまでのRPA導入事例

(1)コンサルティングファームでのRPA導入事例

大手コンサルティングファームでも、企業のRPA導入支援に取り組むケースが増えています。例えば第一生命では2016年10月からデロイトトーマツコンサルティング合同会社、アクセンチュア株式会社と共同でRPAの実証実験を実施。その後、全社業務へ導入開始しました。第一生命では、主に支払査定関連業務などの事務作業に関して、RPAを活用しているそうです。

 

このプロジェクトにおいて、コンサルティングファームは業務プロセス分析のほか使用するRPA製品の選定、検証などを行なう役割を担っています。アクセンチュアは他にも三井住友海上火災保険でもRPAの全社導入を支援しており、金融業界のRPA支援実績を増やしています。

(2)金融機関でのRPA導入事例

2017年9月、三菱UFJフィナンシャル・グループが業務自動化技術を導入して、約9,500人相当の仕事量を削減する方針を発表したことが大きな話題となりました。

 

三菱UFJでは、住宅ローンの手続きなどの人が行なうPC業務をRPA利用によって自動化することを目指し導入されました。大幅な業務フローをカットできる代表的なRPA事例の1つとして覚えておきたいところです。

 

三菱UFJがこのような大胆な改革を行なえたのは、2014年から実証実験に取り組んでいたからです。実証実験のデータから時間の削減が見込めることがわかり、本格運用に踏み切りました。ちなみに、三菱UFJではRPAを利用した理由を「人員削減のためではなく、現在の従業員には他のサービス業務などを担ってもらう」と説明しています。

 

人手による業務が多い金融機関では、ソリューションの1つとしてRPA導入を表明するところが増えています。地方銀行の「七十七銀行」やネット銀行の「住信SBIネット銀行」も、ちょうど三菱UFJの報道と同じタイミングでRPAの導入を表明していました。このように、特定の業界からRPAが普及していくと予測されています。

 

 

注目のRPAツールは何か?

(1)RPAツールにはいくつかのタイプがある

まず最初に決めるべきことは、デスクトップ型サーバー型かという点です。デスクトップ型は、それぞれのPCにRPAをインストールします。一方、サーバー型はサーバー自体にRPAをインストールするため、集中管理することが可能。複数のパソコンで利用できるため、サーバー型の方が使い勝手は上です。しかし、初期費用が高いというデメリットもあります。

 

そして、もう1つ注目するべき選択肢は凡庸型特化型かについてです。

凡庸型はあらゆる操作を自動化できるため、設定作業さえ終わらせれば、大幅なビジネスパフォーマンスのアップが期待できます。しかし、設定に時間がかかることと、仕様変更の際には大幅なメンテナンスが必要というデメリットがあります。

一方、特化型は人事や経理などの特定の業務だけに対応するRPA。凡庸型と比較すると非常にシンプルなため使いやすいメリットがあります。ただし、特定の業務にしか対応できないのは、やはりデメリットになる可能性を含んでいるでしょう。

それでは代表的な注目のRPAを厳選してご紹介します。

(2)WinActor

https://winactor.com

まずはWinActor。デスクトップ型とサーバー型の両方が用意されていますが、最大の特徴は日本語に完全対応している点でしょう。NTTグループが発表しているRPAで、ソフトウェア操作を学習してPCを自動操作できる機能を持つので、業務の自動化が実現でき作業時間とコスト削減が可能です。また広範囲のソフトウェアが対象なので、汎用性が高いのが特徴です。プログラミングのスキルも必要ないため、多くの人にとって使いやすいRPAと言えそうです。

(3)Blue Prism

https://www.tjsys.co.jp/system/blue-prism/index_j.htm

次は東芝が提供しているBlue Prism。RPAツールとしては、かなり歴史が古く15年以上前からRPAを提供しています。まさにRPAの世界的リーダーと言えそうです。Blue Prismはサーバー型で、セキュリティが高いのが大きな特徴。ドラッグ&ドロップで比較的操作が簡単だと高い評価を得ています。

(4)UiPath

https://www.uipath.com/ja/

世界2,700社以上にRPAツールを提供した実績を持っているUiPathサーバー型とデスクトップ型の両方に対応しています。日本国内にもUiPathを利用している企業はすでに900社以上あり、多くの業界から信頼されているRPAツールと言えるでしょう。ワークフローのシナリオ化が、ドラッグアンドドロップすることで容易に出来るので、パソコンに不慣れな人でも直感で操作しやすいという特徴を持っています。

 

 

今後、RPAが進む道は?

(1)行政でのRPA導入事例が大きな影響を与える可能性

政はデジタル化が遅れ、業務効率促進が最も必要な機関。一般社団法人日本RPA協会では、中央官庁や自治体の業務効率化と人材育成を支援する「RPA行政支援プログラム」を開始しました。

主に、データ処理やWebシステム構築・運用等の業務で導入予定となっています。まだ認知度はそれほど高くないRPAですが、今後さらに多くの業界でRPAが浸透することは間違いないようです。

(2)RPAソリューションをビジネスにする企業の増加

数々の企業の導入事例が増える中でRPAソリューションをサービスや製品としてビジネス化している企業は、少子高齢化も相まって今後増加していくと予想できます。とくにIT業界はRPA市場への注目が高いため、近い将来、RPAの導入が当たり前になっているかもしれません。

 

ソフトバンクはRPAソリューションの分野への本格的な参入をすでに発表しています。

ソフトバンクではすでに社内でRPAの利用を開始し、月間9,000時間分の仕事を効率化したという成功実績をあげています(※参照1)。この成功データならびに失敗したデータを活用し、他社と共同開発したRPAツール「Synch Roid(シンクロイド)」の提供を開始(※参照2)。これは導入サポートなどもソフトバンクで実施するというサービスです。今後もコンサルティングファームをはじめ、さまざまな企業がRPA関連サービスに参入することが予想されます。

※参照1:https://news.mynavi.jp/article/20171020-a044/
※参照2:https://www.softbank.jp/biz/rpa/synchroid/

 

 

ソフトウェアロボットがホワイトカラー業務を代行して業務効率化の効果が期待できるRPA。IT企業の業務簡略化だけではなく、人材不足や長時間労働といった問題の解決にもつながるため、今後も働き方改革の実現策として大きく注目されていくことでしょう。三菱などの金融機関を中心にRPAの導入はすでに本格化しており、コンサルティングファームも導入支援に力を入れています。

これまでのRPA事例からは、業務改善が成功したという話がある反面、「RPAを利用したのにあまり効果がなかった」という失敗事例があることも事実です。

すべての企業の悩みを解決するわけではありませんが、それでも一度は「RPAを導入するべきかどうか」の判断を前向きにする価値はあるのではないでしょうか。

また、RPAと同じようにERP(Enterprise Resources Planning。経営資源計画を実行するためのソフトウェア)にも注目が集まっています。劇的な業務効率を目指すのであれば、RPAと同時にERPの利用も検討すると良いかもしれません。併用に成功すれば大幅なビジネスパフォーマンス力のアップが期待できます。

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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