コンサルとマーケティングの違いは?転職で迷ったときの選び方ガイド

最終更新日:2025/10/17
作成日:2019/02/13

転職を考えるとき、「自分にはどの職種が合っているのだろう」と迷うことは少なくありません。

 

特に、企業の成長に関わる仕事として人気の高いコンサルタントとマーケターは、一見似ているようで、実際にはアプローチや求められるスキルが大きく異なります。

 

この記事では、両職種の違いをわかりやすく整理し、「どっちの道が自分に向いているか」を考えるための判断材料を紹介します。

 

目次

■コンサルタントとマーケターの仕事内容とは?
(1)コンサルタントの仕事概要
(2)マーケターの仕事概要

 

■コンサルとマーケティングの違いとは
(1)目的の違い
(2)業務範囲・関わるフェーズの違い
(3)関わる相手・チーム体制の違い
(4)求められるスキルセットの違い
(5)向いている人の特徴の違い
(6)働き方・ワークスタイルの違い
(7)キャリアパスの違い
(8)年収・待遇の違い

 

■コンサルかマーケティングか転職で迷ったときの選び方
(1)どんなやりがいを求めるかで決める
(2)自分の強みを軸に考える
(3)キャリアの出口から逆算する

 

■未経験から転職を目指すには
(1)コンサルを目指す場合
(2)マーケティングを目指す場合

 

■まとめ

 

コンサルタントとマーケターの仕事内容とは?

未来を表す曲線を指で描く男性

コンサルタントとマーケターは、いずれも企業の成長を支援する仕事ですが、そのアプローチや関わる領域は大きく異なります

 

ここでは、コンサルタントとマーケターの具体的な仕事内容や、求められるスキルを詳しく見ていきましょう。それぞれの仕事の特徴を知ることで、自分に向いているキャリアや、転職先を選ぶ際の参考にできます。

 

コンサルタントの仕事概要

コンサルタントの仕事は、企業が抱える経営課題を明確にし、その解決策を提案・実行支援することです。

 

まず、経営陣や現場担当者へのヒアリングやデータ分析で現状を把握し、課題の仮説を立てます。その後、戦略を策定し経営層へ提案します。

 

プロジェクトによっては、提案が現場で実行される段階まで関与するケースもあります。

 

扱うテーマは、経営戦略や業務改善、組織改革、IT導入など多岐にわたり、分析力や論理的思考力に加え、コミュニケーション能力やマネジメント力も必要です。

 

マーケターの仕事概要

マーケターの仕事は、自社の商品やサービスが市場で持続的に売れる仕組みを作り、実行しながら改善を重ねることです。

 

まず、市場調査や競合分析、顧客データの解析を通じてターゲットを明確化し、提供する価値を設計します。

 

その上で、広告やSNS運用、コンテンツマーケティング、イベントなどの施策を実行し、営業や商品開発部門など社内と連携しながら進めます。施策後は効果を測定しPDCAサイクルで改善を重ねます。

 

マーケターは売上やブランド価値に直接貢献する役割を担うため、戦略的思考に加え、実行力や柔軟な対応力も必要です。

 

コンサル登録遷移バナー

 

コンサルとマーケティングの違いとは

握手をするビジネスパーソンの手元

コンサルタントとマーケターは、どちらも企業の成長を支援する役割を担いますが、目的・関わる領域・アプローチの仕方・求められるスキルなど、あらゆる面で違いがあります。

 

それぞれの特徴を理解することで、自分の強みや志向に合ったキャリアを選ぶ判断材料になるでしょう。

 

目的の違い

コンサルタントの目的は、クライアント企業の経営課題を明確にし、論理的根拠に基づいた解決策を提案することです。

 

課題は売上向上だけでなく、コスト削減や業務効率化、新規事業の立ち上げ、組織改革など幅広く、場合によっては提案の実行や進捗管理まで関わります。

 

一方、マーケターは自社の商品やサービスが市場で持続的に売れる仕組みを作り、売上や利益の最大化を目指します

 

市場や顧客のニーズを分析し、施策を実行・改善することで、事業の成長に直接貢献します。

 

課題解決が目的のコンサルタントに対し、マーケターは具体的な事業成果の創出を追求する点が大きな違いです。

 

業務範囲・関わるフェーズの違い

コンサルタントは、特定の課題解決のために組成されるプロジェクト単位で業務を行います。

 

プロジェクトは数ヶ月から1年程度の期間が一般的で、課題の特定から戦略立案、場合によっては実行支援まで、上流から下流まで一気通貫で関わります。プロジェクトが終了すれば、その企業との関与も一旦終了となるケースが多いです。

 

対してマーケターは、自社の事業活動に継続的に関わり続けます。

 

製品開発の初期段階から、プロモーション、販売後の顧客との関係構築まで、事業のライフサイクル全体が業務範囲です。

 

特定の期間で完結するのではなく、常に市場や顧客の変化を捉えながら施策の改善を繰り返す、終わりなき活動である点が大きな特徴と言えます。

 

関わる相手・チーム体制の違い

コンサルタントが主にコミュニケーションをとる相手は、クライアント企業の経営層や役員、事業部長といった意思決定者です。

 

企業の将来を左右する重要な課題について議論を交わし、提言を行います。社内では、アナリストやシニアコンサルタント、マネージャーなどで構成されるプロジェクトチームで活動します。

 

一方、マーケターは社内外の多様な関係者と連携して業務を進めます。社内では営業、商品開発、デザイナー、エンジニアなどと密に協力し、社外では広告代理店、制作会社、メディアなどのパートナー企業と協業します。

 

また、調査やイベントなどを通じて、エンドユーザーである顧客と直接接する機会も多くあります。

 

☆あわせて読みたい
『コンサルタントのやりがいとは?業務内容や目指す方法まで解説』

 

求められるスキルセットの違い

コンサルタントには、複雑な課題を整理し論理的に解決策を導く分析力や問題解決能力が求められます。

 

また、経営層との議論が多いため、説得力のあるプレゼンテーション力や状況に応じた柔軟なコミュニケーション力も重要です。加えて、プロジェクトの進行管理やチーム調整など、プロジェクトマネジメント能力も求められます。

 

一方、マーケターには、市場や顧客のニーズを正確に把握し施策に落とし込む分析力や企画力が必要です。施策実行後はデータに基づく改善を繰り返す実行力や改善力も欠かせません。

 

また、社内外の関係者と連携する調整力や協働力に加え、トレンドや消費者心理の変化を敏感に捉え、柔軟に施策を修正する適応力も求められます。

 

向いている人の特徴の違い

コンサルタントに向いているのは、知的好奇心が強く、複雑な課題に論理的にアプローチすることにやりがいを感じる人です。

 

短期間で成果を出すプレッシャーにも強く、俯瞰的に情報を整理して仮説を立て、結論を導く力が求められます。

 

一方、マーケターはトレンドや消費者心理に敏感で、新しい情報を積極的に取り入れるのが好きな人に向いています。

 

自分の施策が数字として成果に表れることに喜びを感じ、PDCAを回して改善を続けられる人が活躍します。事業を自分ごととして捉え、柔軟に戦略を修正できる主体性も重要です。

 

働き方・ワークスタイルの違い

コンサルタントの働き方の特徴は、プロジェクトベースである点です。数か月単位でクライアントやテーマが変わり、場合によってはクライアント先に常駐して業務を行います。

 

多様な業界の経営課題に短期間で深く関われ、濃密な経験を積める一方で、プロジェクトの繁忙期には長時間労働が求められることもあります。

 

一方、マーケターは自社の事業に所属し、中長期的な視点で業務に取り組みます。

 

基本は自社オフィスでの勤務となり、施策のスケジュールに応じた繁閑の波はあるものの、コンサルタントに比べると、ワークライフバランスは調整しやすい傾向があります。

 

一つのプロダクトやサービスの成長に、継続的に関われる点も大きな魅力です。

 

キャリアパスの違い

コンサルタント経験者は、ファーム内で昇進してパートナーを目指す道があります。

 

事業会社の経営企画や幹部候補としての転職、PEファンドやスタートアップでの経営参画や、独立してコンサルティング会社を設立する選択肢も考えられます。

 

マーケターは、社内で昇進してマーケティング部門の責任者やCMOを目指すのが一般的です。

 

さらに、特定領域のスペシャリストとして専門性を高めたり、条件の良い同業他社・異業種への転職、フリーランスとして独立したりするキャリアパスもあります。

 

 

年収・待遇の違い

賃金構造基本統計調査によると、コンサルタントの平均年収は約903万円でした。

 

一方、厚生労働省の職業情報提供サイト「Job Tag」によると、Webマーケティング職の平均年収は690.7万円です。

 

Webマーケターが担う企画立案や戦略策定などの業務は、厚生労働省の職種分類の「企画事務員(事務職・企画・調査担当)」に含まれ、一般的なマーケティング職も同じ分類に入るため、年収水準はWebマーケティング職と近い値と考えられます。

 

国税庁の調査では、令和6年の日本の平均年収は約478万円となっています。どちらも平均年収よりは高水準ではありますが、およそ200万円の差が生まれるため、より高年収を目指す人にはコンサルタントが向いています。

 

参考:令和6年 賃金構造基本統計調査「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
参考:Webマーケティング(ネット広告・販売促進)- 職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)
参考:令和6年分 民間給与実態統計調査

 

☆あわせて読みたい
『コンサルタントの独立後のキャリアパスは?年収相場や成功・失敗例まで解説』

 

コンサルかマーケティングか転職で迷ったときの選び方

ジグソーパズルに「MARKETING」の文字

コンサルタントとマーケターの違いを理解した上で、自分に合った職種を選ぶには、自己分析が欠かせません。具体的にどのように考えればよいのか、順に見てみましょう。

 

どんなやりがいを求めるかで決める

企業のトップマネジメントと向き合い、第三者の立場から経営課題を解決する点に達成感や知的刺激を感じるなら、コンサルタントが向いています。

 

多様な業界の難しい問題に挑戦し、自身の思考力を武器に価値を提供することにやりがいを感じるタイプは、コンサルタントとして活躍できるでしょう。

 

一方、特定のプロダクトやサービスに深く関わり、市場や顧客と向き合いながら事業を成長させるプロセスそのものを楽しみたいなら、マーケターが適しています。

 

自分のアイデアや施策が、売上という数字に反映されることに喜びを感じるかが一つの判断基準です。

 

自分の強みを軸に考える

自身の強みを客観的に分析するのも重要です。

 

抽象的な事象を整理し、論理的に考え仮説を検証する力があれば、コンサルタントとして活かせます。

 

一方、人の心理や時代の流れを読み取り、データから洞察を得る力や創造性が強みであれば、マーケターとしての活躍が期待できます。

 

これまでの経験で能力が発揮され、成果につながった場面を振り返ると、強みの発見につながります。

 

キャリアの出口から逆算する

5年後、10年後にどのようなプロフェッショナルになりたいかを考えるのも、非常いに重要です。

 

経営全般に携わる立場を目指すなら、多様な企業の経営課題に触れ、俯瞰的な視点を養えるコンサルタントの経験が有利です。

 

一方、特定の事業分野でプロダクトやブランドを成長させる専門家を目指すなら、マーケターとして事業に深くコミットする経験が近道となります。

 

長期的なキャリアビジョンから逆算して、今どちらの経験を積むべきかを判断しましょう。

 

 

未経験から転職を目指すには

ビルの前で腕を組み遠くをみつめるビジネスパーソン

コンサルタントやマーケターは専門性の高い職種ですが、未経験からでも転職の道は開かれています。

 

ただし、どちらを目指すかによって、準備すべきことやアピールポイントは異なります。ここでは、それぞれの職種への転職アプローチを見てみましょう。

 

コンサルを目指す場合

未経験からコンサルタントを目指す場合、最も重視されるのは論理的思考力です。選考ではケース面接が行われ、課題に対してその場で解決策を論理的に説明する能力が試されます。

 

書籍やWebサイトでフレームワークを学ぶだけでなく、転職エージェントの模擬面接などを活用し、実践的に練習することが不可欠です。

 

また、現職での実績を語る際には、単なる成果だけでなく「どのような課題に対して、どのように仮説を立て、行動し、結果がどうなったか」という思考プロセスを明確に説明できるかが重要です。

 

こうした準備を積めば、大手や有名コンサルティングファームへの転職も十分に可能です。

 

☆あわせて読みたい『コンサルタントの転職!若手のうちに意識しておきたいこと』

 

マーケティングを目指す場合

未経験からマーケターを目指す場合、践的なスキルと学習意欲を示すのがカギです。特にWebマーケティングは個人でも学習や実践がしやすく、未経験者にとって入りやすい分野です。

 

例えば、自分でブログやSNSアカウントを運用してアクセス解析を行ったり、Web広告の運用や関連資格を取得したりすることで、具体的な行動力を示せます。

 

こうした実績をポートフォリオとして提示すれば、未経験でも熱意とポテンシャルを効果的にアピールできます。

 

求人を探す際は、研修制度が整った企業や未経験者歓迎の事業会社を中心に検討するとよく、大手や有名企業も選択肢として十分に考えられます。

 

☆あわせて読みたい
『【監修】マーケティング未経験者が求人に応募する前に知っておきたいマーケティングの仕事』

 

まとめ

会話をする3人のビジネスパーソン

コンサルタントとマーケターは、どちらも企業の成長に関わる重要な職種ですが、目的や関わる領域、求められるスキル、キャリアの広がり方には大きな違いがあります。

 

どちらの道を選ぶかは、仕事に求めるやりがい、自身の強み、将来のキャリアビジョンの3つの軸で考えるのが重要です。

 

どちらの職種も、それぞれ異なるやりがいと成長機会を提供してくれるため、自分に合った道を選ぶことが、後悔のないキャリア選択につながるでしょう。

 

→→転職を検討中の方はコンサルネクストで無料登録
→→フリーランスの方はこちらからコンサル登録

(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

 

コンサル登録遷移バナー

 

◇おすすめ記事◇
マーケティングと経営の違いを再確認!真に必要なコンサルとは