PMP資格とは?試験の勉強方法や意味ないと言われる理由を徹底解説

作成日:2025/04/15

  • ・「PMPとはどんな資格なんだろう?
  • ・「PMP資格はどんな勉強方法があるの?

 

このような疑問をお持ちではありませんか?

 

本記事ではそんな疑問の解決に役立つ内容を、以下の順に解説します。

 

  • PMP資格の受験資格や難易度など
  • PMP資格取得のメリット
  • PMP資格の勉強方法

 

本記事を読めば、PMP資格の魅力や勉強方法が分かり、試験を受けるイメージが掴めます。ぜひ参考にしてみてください。

 

目次

■PMP資格とは

 

■PMP資格の概要
(1)PMP試験の受験資格
(2)PMP資格の難易度

 

■PMP資格の合格に必要な勉強時間

 

■PMP資格の勉強方法
(1)参考書・問題集で独学する
(2)通信教育・動画を活用する
(3)オンラインスクールを受講する

 

■PMP資格を取得するメリット
(1)社内での評価が上がる
(2)年収アップが狙える
(3)グローバルで通用するスキルが身に付く
(4)転職時に有利に働く
(5)人脈が広がる

 

■PMP資格に関するよくある質問
(1)プロジェクトマネージャー資格との違いは?
(2)PMP資格に受かる気がしない場合は、どのように対策すべき?
(3)PMP資格が意味ないと言われる理由は?

 

■まとめ

 

PMP資格とは

オフィスで腕を組むビジネスマン

PMPとはProject Management Professionalの略で、米国PMI(プロジェクトマネジメント協会)本部が認定しているプロジェクトマネージャーに関する国際資格です。

 

プロジェクトマネジメントに関する経験、教育、知識などを測り、プロフェッショナルとして活躍することを目的としています。

 

PMP資格はプロジェクトマネジメントのスタンダードな資格として幅広く認知されていて、ITや建設、コンサルをはじめ、多くの業界で注目されています。

 

PMP資格の取得により、プロジェクトマネジメントにおける体系的な仕事の進め方が身に付き、業務の効率化を実現できます。

 

PMP資格は、スキルの証明になり、専門性の高さをアピールできる点が魅力です。資格認定後は、名刺に資格名称を記載できます。

 

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PMP資格の概要

デスクでペンを持ちノートに書き込む人物

PMP資格の概要について、以下にまとめました。

 

  • ・試験内容:プロジェクトマネジメントの知識(人・プロセス・ビジネス環境の3領域)
  • ・試験形式:CBT
  • ・試験日程:通年実施
  • ・受験場所:テストセンター、自宅受験
  • ・PMI会員の受験料(税込):1回目 405ドル(60,681円)、2回目 275ドル(41,203円)
  • ・PMI非会員受験料(税込):1回目 575ドル(86,152円)、2回目 375ドル(56,183円)
  • ・合格ライン: 60%正答(106問/175問)
  • ・合格率:非公開

 

※2025年3月時点。1ドル149.83円換算。
※引用元:PMP試験概要

 

PMP資格は、ITやシステム開発におけるプロジェクトマネジメントに限定せず、プロジェクトマネジメント全般の知識が問われます。

 

受験料は一般的な資格と比べると高額であるため、受験時のプレッシャーは大きいでしょう。自信を持って試験に臨めるよう、しっかりと対策しておくことが大切です。

 

PMP試験の受験資格

PMPの受験資格として、学歴とプロジェクトマネジメントの実務経験が定められています。以下の2つのカテゴリーのどちらかに該当する必要があります。

 

<カテゴリー1>

  • ・最終学歴:4年制大学、大学院修士課程、大学院博士課程
  • ・プロジェクト実務経験: 36ヶ月以上

 

<カテゴリー2>

  • ・最終学歴:高等学校、短期大学、専門学校、高等専門学校
  • ・プロジェクト実務経験: 60ヶ月以上

 

実務経験は、複数のプロジェクトが重複する場合、ダブル・カウントすることはできません。実務経験は、申請を行う日から8年以内のプロジェクトが対象です。

 

これらの条件とあわせて、プロジェクトマネジメントに関する35時間の事前学習が受験資格として設定されています。

 

PMP資格の難易度

PMP資格の合格率は非公開となっていて、難易度を数値で測りにくいのが現状です。

 

受験するためにプロジェクトマネジメントの実務経験が3年以上必要であることから、現場で活躍する人向けの高度な知識が求められることが予想されます。さらに、試験時間が230分と長丁場であるため、集中力も必要です。

 

これらの理由が、PMP資格の難易度が高いと言われる理由だと考えられます。

 

 

 

PMP資格の合格に必要な勉強時間

本を積み真剣な表情でパソコンの見る男性
PMP資格の合格には、100時間程度が必要と言われています。1日1時間勉強すると、3ヶ月から4ヶ月程かかることになります。

 

ただし、勉強時間は学習効率や事前の知識によって異なります。仕事と両立させるためには、勉強時間の多さにこだわらず、実践的な問題を解くことが重要です。効率的に勉強できれば、100時間かけなくても合格できるでしょう。

 

PMP資格の勉強方法

積み重ねられた本の上で光る電球

PMP資格に興味が湧いていても、勉強方法のイメージが掴めない方がいるかもしれません。ここからはPMP資格の勉強方法として、以下の3点から解説します。

 

  • ・参考書・問題集で独学する
  • ・通信教育・動画を活用する
  • ・オンラインスクールを受講する

 

1点ずつ確認するので、自分に合う勉強方法を見つけていきましょう。

 

参考書・問題集で独学する

PMP資格の勉強には、参考書や問題集で独学する方法があります。独学は、自分のペースでコツコツと学べる点が魅力です。ここではおすすめの参考書や問題集を2点紹介します。

 

PMBOK

PMBOKは、プロジェクトマネジメントのノウハウや手法を体系的に学べるガイドブックです。プロジェクト管理が管理エリアとプロセスなどの項目に分かれていて、インプットやアウトプット、ツールと技法などが体系的に学べる点が魅力です。

 

アメリカのPMIが1987年にガイドブックで発表した後に徐々に知られていき、現在では世界標準のガイドブックとして定着しています。PMBOKは4年に1度改訂されているため情報が新しく、安心して学べるでしょう。

 

☆あわせて読みたい
『PMBOK第7版での変更点とは?第6版との違いや試験への影響を簡単に解説』

 

PMP試験合格虎の巻

「PMP試験合格虎の巻」は、PMP資格取得を目指す参考書です。参考書では、PMBOKガイドだけでは理解しにくい内容を分かりやすく解説しています。実際の試験を想定した合計435問の模擬試験が載っているのも魅力です。

 

本書とPMBOKをあわせてインプットを行い、章ごとに確認問題に取り組みましょう。一通り学んだ後は、模擬試験に挑戦すると良いでしょう。

 

通信教育・動画を活用する

PMP資格の勉強には、通信教育や動画教材を活用する方法があります。通信教育や動画教材は、移動時間や待ち時間などを活かして学べる点が魅力です。

 

動画教材やイラストの多いスライドが用いられていて、難しい内容も頭に入ってきやすいでしょう。

 

Udemy

Udemyは世界中の講師と受験生をつなぐオンライン学習のプラットフォームです。プログラミングやAI、ビジネスなど、さまざまなスキルを習得できます。

 

動画形式で視覚から学べるため、知識が頭に入りやすくなっています。頻繁にセールを行っていて、1講座ずつ気軽に購入できるのも魅力です。

 

PMIは、試験対策に焦点を当てた学習コースの教材をUdemyに提供しています。PMBOKの知識エリアごとに学習のポイントを整理しているため、自習用の補助教材として利用してみましょう。

 

オンラインスクールを受講する

PMP資格取得のために、オンラインスクールを受講するのもひとつの手です。オンラインスクールは、講師のサポートを受けられる点や、PMP資格合格までのカリキュラムが一通り組まれている点が魅力です。

 

PMP資格は35時間以上の事前学習が受験資格とされているため、必ず合計学習時間を確認しておきましょう。

 

ここからは、2つのオンラインスクールを紹介します。

 

E-PROJECT

E-PROJECTとは、プロジェクトマネジメント関連の研修を提供する企業です。通学講座、eラーニング、法人研修を通じて、個人・法人へのサポートを行っています。

 

E-PROJECTでは「PMP受験対策講座」と題して、eラーニングで35時間公式研修を提供しています。教材は、PMIが提供する公式のオンデマンドコースです。本コースには、1,200問以上の練習問題、受験サポートなどが含まれています。

 

I-Think

I-Thinkとは、プロジェクトマネジメントに関する研修やコンサルティングを提供する企業です。

 

I-Thinkが提供するPMP試験対策講座では、担当講師によるクラス制を採用しています。1日7時間を5日間、合計35時間を学ぶ講座でオンライン形式で学びます。

 

PMIのトレーナー研修を受けて合格した実績を持つ、優秀な講師7名が在籍しているので、安心して講座を受けられます。自己学習中はメールで質問できるため、独学よりも効率的に学べるでしょう。

 

PMP資格を取得するメリット

オフィスの前で笑顔で立つ男女2人のビジネスパーソン

難易度が高いPMP資格を取得するメリットは、どれだけあるのでしょうか。ここからは、PMP資格を取得を取得する5つのメリットを解説します。

 

  • ・社内での評価が上がる
  • ・年収アップが狙える
  • ・グローバルで通用するスキルが身に付く
  • ・転職時に有利に働く
  • ・人脈が広がる

 

社内での評価が上がる

PMP資格を取得すると、社内評価が上がる可能性があります。

 

資格を取得することで、プロジェクトマネジメントの体系的な知識が身に付きます。

 

それによって、プロジェクトマネージャーとしてキャリアを構築する基礎が固まるでしょう。業務の中でスキルを活かすことができ、社内で評価される可能性が高まります。

 

PMP資格の取得は、プロジェクト全体の質を上げることにもつながります。プロジェクトマネージャーの知識が豊富であることで、プロジェクトのコスト削減や業務の効率化などに良い影響を与えられます。

 

その結果、プロジェクトの成功率が高まり、上層部や部下から信頼を得られるでしょう。

 

年収アップが狙える

PMP資格を取得すると、年収がアップするというメリットがあります。企業によっては、資格を取得すれば手当を受け取れる可能性があるからです。

 

PMP資格は難易度が高い上に、国際的に認知されているため、取得すれば多くの企業から高評価を得られるでしょう。

 

資格取得を通してスキルアップした結果、年収が上がる可能性もあります。実務経験を積むことを重視しながら、資格取得にも挑戦することが大切です。

 

日本でPMPを保有するプロジェクトマネージャーの年収は、62,331ドルというデータが出ています。これは日本円に換算すると約930万円で、PMPを保持するプロジェクトマネージャーはかなり年収が高いことが分かります(2025年3月時点)。

 

国税庁による調査では、令和5年度の日本の平均年収は460万円となっているため、その差は明らかです。

 

参考:PMI|Earning Power: Project Management Salary Survey—Thirteenth Edition (2023)

参考:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」

 

グローバルで通用するスキルが身に付く

PMP資格を取得すると、グローバルで通用するスキルが身に付きます。PMP資格は、プロジェクトマネジメントスキルを国際基準で測っているためです。

 

PMP資格は世界の145万人が保有する資格です。グローバルプロジェクトに参画する上で、特に重視されています。

 

PMIの調査によると、2030年までに計2,500万人のプロジェクト専門家が新しく必要になると言われています。つまりPMP資格を取得すれば、今後市場価値が上がるといえるでしょう。

 

参考:一般社団法人PMI日本支部|アニュアルレポート2023

参考:PMI|人材のギャップを減らす

 

転職時に有利に働く

PMP資格を取得すると、転職時に有利に働くメリットがあります。PMP資格の取得難易度は高いと予想されていて、高いスキルの保有が証明できるからです。国際的なプロジェクトに関わることが多い企業であれば、特に高評価につながるでしょう。

 

PMP資格は、IT業界だけでなく、建設業界やコンサル分野など高度な業務に役立つため、業界を変える転職をする際にも役立ちます。

 

人脈が広がる

PMP資格を取得すると、人脈が広がる可能性があります。

 

PMP資格の受験条件には、研修への参加が必須である上に、資格取得後にも勉強会やセミナーへ参加しなければなりません。参加者は共通点のあるキャリアを構築する同志であるため、絆が生まれやすいでしょう。

 

他にも、PMP資格保持者のコミュニティ活動は盛んに行われていて、情報交換が活発です。PMP資格を取得したメンバーが揃う集まりは、新しい人脈が広がりやすい環境と言えます。

 

☆あわせて読みたい
『【監修】PM必見!プロジェクトのタイムマネジメント!マネージャーが知るべき基本』

 

PMP資格に関するよくある質問

頭の横に疑問符が浮かぶ女性

最後にPMP資格に関するよくある質問を紹介します。細かい疑問を解決していきましょう。

 

プロジェクトマネージャー資格との違いは?

PMP資格とプロジェクトマネージャー資格の大きな違いは、活用できる業界が異なることです。

 

PMP資格はプロジェクトマネジメントに関する業務全般に活かせる知識が身に付く国際資格である一方で、プロジェクトマネージャー試験はシステム開発プロジェクトに関する知識が問われる国家資格です。

 

また、試験の実施頻度にも違いがあります。PMP資格の試験は通年開催されていて、受験資格が細かく設定されています。一方でプロジェクトマネージャー試験は年1回の開催となっていて、受験資格は設定されていません。

 

PMP資格に受かる気がしない場合は、どのように対策すべき?

PMP資格の難易度の高さから、「受かる気がしない」と悩む方がいるようです。実務経験を過信してしまったり暗記を優先してしまったりすると、内容の理解が上手くできない可能性があります。

 

試験まで3〜4ヶ月時間がある場合、プロジェクトマネジメントの基礎から徹底して学びましょう。基礎がある程度固まった上で、演習問題を行うことで知識が定着しやすくなります。

 

内容が難しくて合格が見えてこない場合は、Udemyなどの動画教材や通信教材を利用してみるのもひとつの手です。自分の経験や知識、性格にあわせて、教材を選びましょう。

 

PMP資格が意味ないと言われる理由は?

PMP資格を取得しても意味ないと言われるのは、汎用的な知識が問われることが一因でしょう。

 

PMPはIT業界やコンサル業界などに特化している訳ではなく、プロジェクトマネジメント全般を学ぶものです。しかし、実務をこなす上で活躍するには、業界の専門知識を別で習得する必要があります。

 

PMP資格を取得すれば業界の知識が身に付くという訳ではないため、意味がないと言われている可能性があります。

 

☆あわせて読みたい
『ITスペシャリストが担う専門分野、役立つ14種の資格とは』

 

まとめ

PMP資格は、プロジェクトマネージャーに関する汎用的な知識が身に付く国際資格です。難易度の高い資格とされているため、社内での評価が上がったり転職時に役立ったりするメリットがあります。

 

またPMP資格の勉強方法は、独学や通信教育、オンラインスクールなど幅広いため、本記事を読み自分に合う方法を見つけていきましょう。

 

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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

 

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