週末起業でコンサルタントが独立するには?

最終更新日:2023/11/16
作成日:2023/03/22

コンサルタントとしていつか独立起業したい願望はあるものの、普段の業務が忙しくなかなか踏み切れない人もいるでしょう。「一旦会社を辞めてから独立起業に向けて準備する」という方法もありですが、収入がストップする心配があります。おすすめなのが「週末起業」。本業は平日にこなしつつ、週末だけ事業をする方法です。「コンサルタント業でも週末起業ができるのかな?」と不安な方もいるかもしれません。今回は、独立・起業を目指すコンサルタントに向けて、週末起業を始めるコツや進め方、注意点について詳しく解説します。

 

目次

■コンサルタントの週末起業が副業とは異なる理由とは
コンサルタントが週末起業をする目的は「起業体験」

 

■コンサルタントが週末起業を始めるメリット
コンサルタントとしての市場価値を知ることができる
起業家としての適性を見極めることができる
初期投資がかからない

 

■週末起業に向けて起業セミナーや創業講座に参加して情報収集

 

■週末起業はやりたいことで起業すること!

 

■コンサルタントの週末起業は、本業との両立がカギ
(1)コンサルティングの仕事が忙しすぎて週末起業に充てる時間がない
(2)勤務先が週末起業や副業をNGとしている
(3)週末起業だと、営業活動に時間をかけられない

 

 

コンサルタントの週末起業が副業とは異なる理由とは

週末起業とは、週末だけ個人事業主として働くことです。多くの企業で副業が解禁され始めた現在、一般的な会社員で週末などに副業をする人は増えていますが、企業や組織と委託業務契約を結ぶ場合は、個人事業主としての顔も持つことになります。

以前はサラリーマン起業というと、収入が減った分を補填するために始めるというイメージがありましたが、最近は「本当に起業してやっていけるかどうか」を検証することを目的とした起業体験として週末起業をする方が増えています。もちろん週末起業を収入につなげるのも、ビジネスを続けていく上で大事ですが、収入だけが目的にならないように気を付けたいところです。起業体験を通して、自分の適性や課題を明確にしましょう。

 

コンサルタントが週末起業を始めるメリット

また週末起業にチャレンジすることは、コンサルタントにとって多くのメリットがあります。主なメリットをご紹介します。

コンサルタントとしての市場価値を知ることができる

会社員としてコンサルの仕事をすれば、やはりその会社のネームバリューやブランドも影響します。でも週末起業での仕事は、これまでのコンサル経験が影響することはあっても会社名や肩書は直接影響しません。「自分自身の市場価値」を知るきっかけになるのです。

これは、社内にいるとなかなか気づけないものですが、社外に出てみることで、自分に足りないスキルなどの発見につながるでしょう。また、週末起業なら、経験のないジャンルの案件にチャレンジすることも可能です。

起業家としての適性を見極めることができる

MBA資格を持つ優秀なコンサルタントが、起業家としても優秀とは限りません。「実は起業家より会社員の方が向いている」というケースもあります。

週末起業は、いわば起業のお試し期間です。いざというとき、本業に戻るという選択肢も残しておけるのは週末起業の大きなメリットでしょう。コンサル業では資金調達でつまずくケースは少ないものの、やはり起業失敗のリスクは存在します。週末起業ならリスクを恐れず、やってみたいことにチャレンジできるというわけです。

初期投資がかからない

実は、コンサルタントビジネスは週末起業に向いています。

理由の一つとして初期投資があまりかからないことが挙げられます。一般的なビジネスでは、スタートアップ時の資金調達が課題です。コンサルタントの起業では、大きな費用として見込んでおくのは、オフィスの賃料くらいのものでしょう。最近増えているシェアオフィスを利用すれば、こうした費用もおさえられます。

なお、コンサルタントが週末起業のためにシェアオフィスを選ぶとき、会議室が併設されているかもチェックしましょう。たとえば、経営コンサルタントが顧客と打ち合わせをする場合、経営やビジネスに関する悩みを聞くことになります。つまりカフェなど人が多い場所は不向きです。顧客と自分だけでじっくり話ができるスペースがあった方が仕事がしやすいでしょう。

コストをおさえるためにオフィスを構えず自宅で起業する方法もありますが、自宅住所を見込み顧客など不特定の人にさらすことになります。そのため、週末起業であっても、自宅とは別にビジネスの拠点となる場所を設けておきたいところです。

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週末起業に向けて起業セミナーや創業講座に参加して情報収集

 

自身のビジネスに関する知識は豊富でも、個人として独立起業するときの知識はあまり多くないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、まずは一般的な起業セミナー創業講座に参加して、ビジネスの立ち上げ方や、起業の流れについて情報収集するのがおすすめです。

「事業計画の作り方なんて、今さら聞く必要はない」という方もいるかもしれませんが、起業セミナーの内容は、事業計画やビジネスモデルの作り方だけではありません。起業セミナーの種類にもよりますが、例えばマーケティング、セルフブランディング、資金調達方法、保険・税金・雇用に関する知識など、起業に関するノウハウや情報をまとめて得ることができます。

 

もちろん起業セミナーの内容は、基礎的なことがメインです。でも起業に関することが一通り学べますし、週末起業のような小規模の起業向けの内容がほとんどです。

中には高額な起業塾やセミナーもありますが、値段が高ければ高いほど有効というわけでもありません。自治体などが実施している講座や、創業手帳が実施しているセミナーの中には無料で受けられるものもあります。こうした低価格もしくは無料の起業セミナーでも、十分メリットはあるはず。

週末起業に特化した講座、例えば週末起業実践会が実施している「週末起業大學」週末起業の進め方やタイムマネジメント術など、週末起業に特化した内容になっています。週末起業の始め方に不安がある方は、こうした講座を利用するのも一つの方法です。

※詳細:週末起業大学(週末起業実践会):https://www.shumatsu.net/

また起業セミナーや起業フォーラムなどのイベントに参加することで、創業を目指す仲間と出会える点も大きなメリット。さまざまな業界・年代の人が起業セミナーに参加しています。中にはユニークな資格を持った人がいるかもしれません。

また最近では女性限定の起業講座というものもあります。女性同士のネットワークを広げたい、女性向けビジネスで起業したいという場合は、女性限定講座を利用するというのもひとつの方法かもしれません。

 

起業セミナーや講座で広がったネットワークは、起業後のビジネスに役立つこともあります。経営コンサルタントとして起業する場合、起業セミナーや講座の参加者が自分の顧客になる可能性も高いですよね。また周囲に起業を目指す仲間が多ければ、自分の起業に対するモチベーションもアップするはずです。

 

 

週末起業はやりたいことで起業すること!

 

リスクを減らすため、本業と同じ仕事で週末起業をスタートする方法もありますが、これでは週末起業を楽しめず、モチベーションを高く保てない可能性が高いでしょう。週末起業は極端に言えば、どんなことで起業しても自由。つまり「いつかやってみたかった」というテーマにチャレンジする機会なのです。これも副業との大きな違いです。

 

例えば釣りが趣味の経営コンサルタントが、釣り関連の経営コンサルに特化してみるというのも一つの方法。自分の好きなこと、やりたいことと自分のスキルや資格、経験を組み合わせたビジネスを考えてみてはいかがでしょうか?

 

コンサルタントの仕事で培ったスキルや経験を活かし、コンサルティングではない別の仕事で週末起業するのももちろんアリです。一人ではなく他のコンサル仲間と一緒に新規ビジネスを立ち上げるというケースもあるかもしれません。サラリーマンの週末起業は、本業をしながら取り組むのでどうしても挫折しやすいところもあります。だからこそ、モチベーションを保てるよう、楽しみながらできることにチャレンジしましょう!

 

 

コンサルタントの週末起業は、本業との両立がカギ

 

初期投資がおさえられるなど、スタートしやすいコンサルタントの週末起業。一方で大きなデメリットが自分の時間がなくなるということ。本業と週末起業をどうやって両立するかは大きな課題と言えます。そこで、本業との両立をする上で特に気を付けたいポイントを3つご紹介します。

(1)コンサルティングの仕事が忙しすぎて週末起業に充てる時間がない

そもそも本業が忙しすぎて週末起業している余裕がない・・・という方も多いかもしれません。また男性も女性もワークライフバランスを大切にする時代、本業と週末起業に追われてしまうと、家庭に問題が生じるかもしれませんね。実際のところ、本業と同じようなコンサルティング案件を、いきなり週末起業で請け負うというのは厳しいでしょう。週末起業ではまず本業に支障のない範囲でできるコンサルティングから始めるのがおすすめです。

 

例えば最近では数時間や1日単位で外部コンサルの意見が欲しい、といういわゆる「スポットコンサル」という仕事も登場しています。スポットコンサルの中には、直接対面ではなく電話やチャットなどの方法でリモートコンサルティングをするものもあります。これなら、週末起業でも仕事がしやすいのではないでしょうか。またコンサルタントとしての経験・知識を活かして、コラムなどの執筆を請けるパターンもあります。週末起業に力を入れすぎて本業や生活に支障が出ないよう、週末起業にあう案件や仕事を選びましょう!

 

なお、経理など仕事以外のタスクは、外部サービスを使って効率化を図ることをお勧めします。小規模事業者でも手軽に使えるクラウドサービスが充実しています。

(2)勤務先が週末起業や副業をNGとしている

サラリーマン起業の場合、勤務先が週末起業・副業を許可しているかという点も重要です。働き方改革が進む中で副業を解禁する企業も増えていますが、まだまだ日本では発展途上のようです。週末起業は収入があれば企業からは副業扱いにされますので、事前に勤務先の就業規則などをチェックしておきましょう。

 

では会社が副業NGだった場合、サラリーマン起業をあきらめるべきでしょうか?

 

こんなときは、ボランティアとしてフリーのコンサルタントの活動をするという方法もあります。プロフェッショナル人材が社会貢献のために自分のスキルを無償で提供する「プロボノ」という存在が、今注目されています。収入にはならないため、厳密に言えば週末起業とは違いますが、疑似的な起業・創業体験はできます。

 

プロボノ活動を通じて、会社以外の場所で自分の力を試すことができたり、新たな環境・メンバーで仕事ができる機会になります。実際にアクセンチュアなど、CSR活動の一環として社員にプロボノ活動をさせる企業もあります。こうした社外の活動は本業にも良い影響を与える可能性もあります。副業NGの場合でも、プロボノ活動ができるか一度会社に確認してみましょう。

(3)週末起業だと、営業活動に時間をかけられない

コンサルタントが週末起業を始めるとき、心配なのが「どうやってクライアントを見つけるか」という点。なかなかゼロから新規の顧客を探すというのは大変です。かといって本業でつきあいのある顧客を個人で契約するのは当然NG。

 

自分自身でWebサイトやSNSなどを活用し情報発信して専門家としての地位を確立していけば、顧客の方からコンタクトが来る可能性もあります。あまり営業活動を心配しすぎず、さまざまな手段を有効活用して楽しみながらチャレンジしてみましょう。

 

まとめ

 

コンサルタントの起業は、どうしても「営業活動が大変」というイメージがあるかもしれません。でもコンサルタントとしての経験・スキルがしっかりあって、セルフブランディングができていれば大丈夫。週末起業を経て本格的に独立起業した後も、弊社のようにフリーのコンサルタントに案件を紹介するサービスを利用できます。今はマッチングサービスが充実していますので、営業に時間をかけるより仕事そのものに注力していきましょう!

 

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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