会社顧問の報酬はどれくらい?その役割とは

最終更新日:2023/12/14
作成日:2022/05/16

 

会社を運営するうえではさまざまな役職、役割が設けられています。その中の一つ「顧問」は会社の中ではやや異質な存在といえるかもしれません。顧問の役割のひとつに「会社の相談役」が挙げられますが、社長や副社長といった役員の相談に乗って、会計や労務、人事や経営などについて適切なアドバイスをもたらすことがその役割です。そんな顧問の報酬相場はどれくらいなのでしょうか?今回はさまざまな角度から顧問という役職について見ていきます。

 

目次

 

■内部顧問のケース

 

■弁護士のケース

 

■税理士のケース

 

■会社顧問の在り方は時代に沿って変化している

 

 

内部顧問のケース


企業が顧問と契約する場合、やはり会社の内情をよく理解した人物に任せた方が適切な相談ができるでしょう。このような理由から、顧問はかつてその企業に勤めていた人材や現在も勤務している人材であることが多いです。

 

一例としてはかつて代表取締役を務めていた人物が、役職を辞するとともに顧問になるというケースが挙げられます。いわば彼らはその企業に関してはプロフェッショナルとも言える存在。この会社はどういう仕事を行なっているか、この企業は今どういった問題を抱えているか、といったことを知り尽くしています。

 

そうした人物に随時相談に乗ってもらうことで会社経営を軌道に乗せやすくなるかもしれませんが、必ずしも顧問を置く必要はありません。顧問というポストを用意するかどうかは会社に委ねられています。

 

こうした背景から、顧問の報酬や任期などについては明確なルールは存在していません。たとえば報酬額や就任期間などの規定もありません。顧問の人事については社長や副社長の裁量に委ねられる部分が大きいようです。

 

また、ほかの役員と同様に常勤で務めるなら必ず報酬を払わなければいけませんが、非常勤契約の場合は無報酬でも問題ありません

 

かつて会社に貢献した人物であっても、たまにしか会社に姿を見せないのであれば賃金を支払う義務はないのです。しかし明確なガイドラインが存在しないため、内部顧問に関しては相場もほとんど決まっていないと言って良いでしょう。

 

社長や副社長などの人事権を持っている人物が、内部顧問に対してどれくらいお金を払おうと考えるか、それ次第で報酬額は決まるのです。内部顧問の報酬をどうするかについてはしばしば問題になります。

 

しかし、残念ながら不祥事が起きてしまった場合、企業が契約している顧問の高報酬が取り沙汰されることもあり、また、会社の秘匿情報にアクセスできる存在でもあるため、顧問に支払う報酬額は慎重に決める必要があります。

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弁護士のケース


 

内部顧問に対して外部顧問は、会社の外からアドバイスをもたらす存在です。これについては法務や経理のプロフェッショナルが務めているケースが多いようです。また、経営のアドバイスを行なうプロフェッショナルも見逃せません。

 

まずは法務のプロフェッショナルである弁護士が挙げられます。会社経営が滞りなく行なわれているのであれば、トラブルなどはほとんど起こりません。しかし、時には顧客や取引先と何らかのトラブルが生じて訴訟にまで発展することも十分に起こり得ます。

 

また、最近では労働環境が問題になることも多く、残業代などの問題で社員が訴訟を起こすケースもあります。そのようなときにあらかじめ契約している弁護士がいれば、スムーズに係争事案に対応できるでしょう。

 

弁護士の顧問報酬については基本的に月額で支払います。5万円前後の費用をかけている企業が多いようです。というのも、かつて企業が弁護士と契約を結ぶ際には5万円の報酬を上限とする、というガイドラインが存在したことが影響しているようです。

 

現在では、日弁連がこうしたガイドラインを撤廃しているので、弁護士自身が自由に顧問料を設定することができます。少しでも顧問契約を結びやすくするために顧問料を安く設定している弁護士も存在しますが、それでも3万円程度が相場です。

 

引き受けている仕事の幅もそれぞれで、月何回か会社を訪問し、法務関係の相談を行なう程度にとどめている弁護士も少なくありません。

 

また、自身が強い分野の相談は引き受けるものの、綿密な調査を行なわなければ回答できない事案については引き受けないもしくは、別途費用を請求される可能性もあるようです。

 

たとえば大規模な訴訟案件が発生し、弁護士に民事裁判の弁護を依頼したいとなった場合、やはり裁判用の依頼費がかかってしまうでしょう。

 

もっとも、あらかじめ顧問契約を結んでいる弁護士に個別案件を依頼した場合は、費用を優遇してくれるケースもあります。

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税理士のケース


 

続いては会計のプロフェッショナルとも言える税理士の報酬について見ていきましょう。

 

会社を経営するうえでは法人税や固定資産税などさまざまな税金を支払わなくてはいけません。また、会社会計についても経理を担当する社員だけでなく、プロフェッショナルに相談したうえで明朗な運営を心掛けたいところです。

 

そのほかにも、定期的に行なわれる税務調査など、税理士の方に立ち会ってもらえば心配は少なくなります。

 

このようなメリットから、多くの会社が税理士と顧問契約を結んでいます。需要も高いので報酬もその分高くなりがちのように思えますが、実際の相場はどうなっているのでしょうか。

 

税理士の顧問料は企業の年商によって変えられるケースが多いようです。たとえば年商の少ない会社の顧問契約は、月額1万円程度で収まる場合がほとんどです。

 

一方で年商が億を超えるような会社からの依頼だと、その分契約料も高くなります。月額5万円程度で契約する税理士がほとんどで、さらに年商が高くなればそれ以上に多くの契約料を請求する税理士もいます。

 

仕事量にかかわらず年商ありきで報酬を決めている税理士がほとんどのようですが、中には仕事量で報酬を決めている税理士もいます。

 

とはいえ、大企業になればなるほど行なうべき業務も増えていくので、自然と相場通りの報酬になるのが自然と言えるでしょう。税理士によっては月ごとの契約にせず、年単位で契約を行なっている人も少なくありません。

 

月ごとの契約にするといつでも税務上の問題に関して相談ができますが、年単位での契約ではそこまでのことはできません。では、何をするのかというと、申告書の作成です。

 

会社では年度末に決算報告や確定申告を行ないます。また、会社によっては消費税の申告や年末調整を行なう必要があるでしょう。税理士はその申告書を提出するべき時期に仕事をします。

 

必要なときに必要なだけ仕事をしてもらえる点にメリットを感じ、こうした契約を結んでいる会社も少なくはないようです。

 

 

会社顧問の在り方は時代に沿って変化している

 

日本において年功序列や終身雇用といった古い慣習が廃れるようになって久しくなりますが、顧問契約のあり方についても考え方は進化していきます。会社を経営し顧問というポストを置く際は、経営状況と照らし合わせながらどれだけの報酬を払うか、そしてその顧問が果たして会社に必要なのか、ということを吟味しながら人事を行なう必要があります。

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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