PMの役割とは?プロジェクト成功に必要なスキルと仕事内容を解説

最終更新日:2025/09/27
作成日:2019/05/24

目次

■PMとは?仕事の基本理解
(1)PM(プロジェクトマネージャー)の定義
(2)プロジェクト全体の責任者としての役割

 

■PMの仕事内容
(1)プロジェクト計画の策定
(2)チームの編成と管理
(3)進捗・品質・コストの管理
(4)課題管理とリスク管理

 

■PMと他職種との違いを整理
(1)PL(プロジェクトリーダー)との違い
(2)SE(システムエンジニア)との違い
(3)PdM(プロダクトマネージャー)との違い

 

■PMに求められるスキル
(1)マネジメントスキル
(2)コミュニケーションスキル
(3)リーダーシップ
(3)問題解決能力

 

■PMに向いている人の特徴
(1)複数のタスクを同時並行で管理できる人
(2)コミュニケーション能力が高い人
(3)リーダーシップを発揮できる人
(3)問題解決力・判断力を備えている人
(3)新しい技術や知識を学び続けられる人

 

■PMが取得すると有利な資格
(1)PMP資格(Project Management Professional)
(2)プロジェクトマネージャー試験(情報処理技術者試験)
(3)ITストラテジスト試験

 

■PMのキャリアパス

 

■PMの需要と将来性

 

■ まとめ

 

PMとは?仕事の基本理解

資料をプロジェクターに写しプレゼンする様子

PM(プロジェクトマネージャー)は、プロジェクトの成功に責任を持つ重要な役割です。

 

この役割がどのような責任を負い、チームやステークホルダーとどのように関わるのかを理解することで、プロダクトマネージャーの必要なスキルや立ち位置を把握できます。以下では、PMの定義や具体的な業務内容を詳しく解説します。

 

PM(プロジェクトマネージャー)の定義

PMは、プロジェクトの立ち上げから計画、実行、監視・コントロール、終結までの全プロセスを統括し、成果物の品質(Quality)、コスト(Cost)、納期(Delivery)の管理を行う責任者です。

 

さらに、顧客や経営層、チームメンバーなどステークホルダーと連携し、円滑にプロジェクトを進める役割も担います。

 

プロジェクト全体の責任者としての役割

PMは単なる進行管理者ではなく、プロジェクトの最終責任者です。計画通りに進行している場合はもちろん、問題が発生した際には意思決定や計画変更の判断を行い、チームを正しい方向に導きます。

 

顧客や経営層には進捗報告を行い、チームには方向性を示すリーダーとして働きかけます。権限と責任を両立させる、非常に重要なポジションです。

 

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PMの仕事内容

ビジネスパーソンのグループ

PMは、プロジェクトが始まる前の計画策定から、実行段階でのチーム管理や進捗管理、リスク対応、そしてプロジェクト完了まで、常に全体を俯瞰しながら円滑な運営を支える役割を担います。

 

ここでは、その代表的な仕事内容をフェーズごとに具体的に見ていきます。

 

プロジェクト計画の策定

プロジェクトの成功を大きく左右するのは、初期段階で策定される計画の質です。

 

PMはまず、プロジェクトの目的やゴールを明確にし、成果物として何を提供するか(スコープ)を定義します。そのうえで、必要なタスクを洗い出して構造化(WBS作成)し、各タスクのスケジュールを策定します。

 

さらに、必要な人員やスキルを見積もって体制を組み、全体の予算を算出。計画はプロジェクト進行中の道標となるため、関係者との合意形成を図りながら、実現可能で具体的なものにすることが重要です。

 

チームの編成と管理

PMは、メンバーのスキルや経験を考慮し、目標達成に最適なチームを作り、責任範囲を明確にします

 

プロジェクトが始動した後は、チーム全体のパフォーマンスを最大化するために働きかけ、定期的なミーティングで情報共有を促進します。

 

また、メンバーのモチベーション維持やチームとしての一体感を醸成するのも、円滑なプロジェクト運営には欠かせません。

 

進捗・品質・コストの管理

実行フェーズでは、計画と実績を常に比較し、管理することがPMの中心業務です。 WBSやガントチャートを用いてタスクの進捗状況を監視し、計画からの遅延がないか確認します。

 

同時に、成果物の品質が要求水準を満たしているか、予算が計画通り執行されているかもチェックします。 問題が発生した場合は原因を分析し、計画修正やリソース再配分など迅速に対策を講じます。

 

課題管理とリスク管理

プロジェクト進行中には、予期せぬ課題や問題が必ず発生します。 PMは、発生した課題を管理表などで一元管理し、内容や重要度、担当者を明確にして、解決まで追跡します。

 

さらに、将来起こりうる潜在的なリスクを事前に洗い出し、影響度を評価して予防策や対応策を準備しなければなりません。

 

これにより、問題発生時の影響を最小限に抑え、プロジェクトの安定した進行を支えます。

 

☆あわせて読みたい
『PMとPMOの違いとは?役割や仕事内容、求められるスキルを比較』

 

PMと他職種との違いを整理する

首をかしげる男女5人

PMの役割をより深く理解するためには、関連する他職種との違いを明確にすることが有効です。

 

特に、プロジェクトリーダー(PL)、システムエンジニア(SE)、プロダクトマネージャー(PdM)は、業務内容が近接していて、混同されやすい職種です。

 

ここでは、それぞれの職種の責任範囲やミッションの違いを整理し、PM独自の立ち位置と専門性を理解できるように解説します。

 

PL(プロジェクトリーダー)との違い

PLは、プロジェクトチーム内で技術的なリーダーシップを発揮し、メンバーのタスク管理や指示出し、日々の進捗管理を主に担当します。つまり、チームの「現場運営」を担う役割です。

 

一方、PMはプロジェクト全体の成功に対する最終責任を負い、スケジュール、予算、人員、リスク管理、ステークホルダーとの調整など、プロジェクト全体を管理します。

 

PLの現場指導に加え、プロジェクトの戦略的意思決定を行う点で、PMの立ち位置はより上位にあります。

 

SE(システムエンジニア)との違い

SE(システムエンジニア)は、システム開発の技術的専門家であり、要件定義、設計、開発、テストなどの実務を担当します。 言い換えれば、システムの「作り手」としての役割を担います。

 

これに対してPMは、プロジェクト全体の「管理者」として、技術だけでなく予算やスケジュール、リソース、ステークホルダーとの調整まで幅広く管理します。

 

PMにも技術的知見は求められますが、個別の技術課題の解決ではなく、プロジェクト全体をビジネスとして成功させるのが主たるミッションです。

 

PdM(プロダクトマネージャー)との違い

PMとPdMの大きな違いは、責任対象と時間軸にあります。

 

PMは、決められた期間と予算の中で、特定の成果物を完成させる「プロジェクト」の成功に責任を持ちます。プロジェクト完了とともに役割も終了します。

 

一方、PdMは、製品やサービスといった「プロダクト」のライフサイクル全体に責任を持ち、市場での成功や事業価値の最大化をミッションとします。

 

PMが「How(いかに作るか)」に注力するのに対し、PdMは「What(何を作るか)」や「Why(なぜ作るか)」を軸に戦略を考える点で大きく異なります。

 

 

PMに求められるスキル

豆電球を手にするビジネスパーソンと上向き矢印、向上のイメージ

プロジェクトを成功に導くPMには、単なる技術的知識だけでなく、多岐にわたるソフトスキルが求められます。

 

ここでは、PMが特に身につけておくべき代表的なスキルを具体的に解説します。

 

マネジメントスキル

マネジメントスキルは、PMにとって最も核となる能力です。プロジェクトの目標達成に必要なあらゆる要素を、統合的に管理する力を指します。

 

具体的には、進捗管理、コスト管理、品質管理といった基本的なQCD管理に加え、スコープ管理、人的リソース管理、リスク管理など、多岐にわたる業務を適切に調整する能力が含まれます。

 

これらを総合的に扱い、プロジェクトを計画通りに円滑に推進する力が、PMには欠かせません。

 

コミュニケーションスキル

PMは、顧客や経営層、チームメンバー、他部署、協力会社など、多くのステークホルダーと日々やり取りを行います。

 

そのため、状況を分かりやすく伝え、適切な意思決定を促す能力や、チームメンバーの目標理解とモチベーション向上を支援する力、利害関係者間の調整・交渉力など、高度なコミュニケーションスキルが求められます。

 

相手の立場や意図を正確に理解し、信頼関係を築きながらプロジェクトを円滑に進めることが、PMの重要な役割です。

 

リーダーシップ

PMのリーダーシップは、単なる指示出しではなく、チーム全体を目標に向かって能動的に牽引する力です。 プロジェクトのビジョンや目標を明確に示し、メンバー全員が同じ方向を向いて行動できるよう導きます。

 

また、個々の能力や自主性を引き出しながらチームの一体感を醸成し、困難やトラブル発生時には冷静に判断しつつ率先して行動する姿勢が、プロジェクトの成功には欠かせません。

 

問題解決能力

プロジェクトでは仕様変更や技術課題、メンバー間の対立など、さまざまな問題が発生します。

 

PMには、これらの問題の本質を的確に見抜き、解決策を導き出す能力が求められます。 現状の分析から課題特定、原因追及、複数の解決策の比較検討、最適な手段の選択と実行まで、一連のプロセスを冷静に行う力が必要です。

 

事実に基づいた判断と迅速な行動により、プロジェクトを危機から救い、計画通りに推進させる役割を果たします。

 

PMに向いている人の特徴

虫眼鏡で人のシルエットが描かれた積木をのぞく

PMという職種は、単なる管理者ではなく、プロジェクトの成功に向けて多方面に働きかける総合的な役割を担います。

 

ここでは、PMとして活躍する上で特に重要となる人物像を具体的に紹介します。

 

複数のタスクを同時並行で管理できる人

PMは、進捗管理・予算管理・品質管理といった業務だけでなく、チームマネジメントや顧客対応など、同時並行で取り組むべき仕事が非常に多い立場です。

 

そのため、優先順位をつけながら効率的に複数の業務をこなせる力が求められます。

 

特に、個別のタスクに集中しすぎず、プロジェクト全体を俯瞰し、相互の影響関係を把握できる人は、PMとして力を発揮しやすいでしょう。

 

コミュニケーション能力が高い人

PMはプロジェクトの中心的なハブとなり、顧客、経営層、チームメンバー、外部パートナーなど、幅広いステークホルダーと関わります。

 

単に「話が上手い」だけでは不十分で、相手の意図を正確に理解した上で、自分の考えを論理的にわかりやすく伝える力が必要です。

 

意見が対立する場面で冷静に調整したり、交渉の場で双方が納得できる落とし所を見つけたりできる人は、PMに非常に向いています。

 

リーダーシップを発揮できる人

PMにとってのリーダーシップとは、ただ指示を出すのではなく、チームを同じ目標に向かって導く力を意味します。

 

明確なビジョンを共有し、メンバー一人ひとりの力を引き出しながら、チーム全体のモチベーションを高めていくことが求められます。

 

特に、トラブルや困難に直面したときに、先頭に立って責任を持ち、冷静に判断して道筋を示せる人は、強い信頼を得られるPMとなるでしょう。

 

問題解決力・判断力を備えている人

プロジェクトでは、計画通りに進まないことがむしろ当たり前であり、想定外の問題が日常的に発生します。

 

その際に、状況を的確に分析して原因を突き止め、実行可能な解決策を導き出せる問題解決力が不可欠です。

 

さらに、時間や情報が限られた状況でも、最善の選択を下す迅速な判断力が求められます。困難をピンチではなく挑戦の機会と捉え、冷静かつ粘り強く対応できる人は、PMに向いています。

 

新しい技術や知識を学び続けられる人

特にIT業界のPMには、急速に変化する技術やマネジメント手法に追随し続ける姿勢が必要です。技術の専門家になる必要はありませんが、プロジェクトに関わる技術の概要を理解し、エンジニアと建設的な会話ができる程度の知識は必要です。

 

また、効率的なマネジメント手法や新しいフレームワークを積極的に学び取り入れれば、プロジェクト成功の可能性を高められます。

 

学習意欲が強く、変化を楽しめる人は、PMとしての市場価値を長く維持・向上させることができるでしょう。

 

☆あわせて読みたい
『チームプロジェクトを成功させるためPMに必要なチーム管理スキルとは?』

 

PMが取得すると有利な資格

開いたノートと積みあげられた書籍

プロジェクトマネージャーとして活躍するうえで、資格は絶対条件ではありません。しかし、資格を持つことで客観的なスキルの証明になり、転職や昇進の場面で有利に働くケースがあります。

 

さらに、資格取得の過程では体系的に知識を学べるため、実務での判断力やマネジメント力の強化にもつながります。

 

ここでは、PMを目指す人やキャリアをさらに広げたい人にとって取得を検討する価値が高い代表的な資格を紹介します。

 

PMP資格(Project Management Professional)

PMP資格は、米国の非営利団体であるPMI(Project Management Institute)が認定する、プロジェクトマネジメントに関する国際資格です。

 

プロジェクトマネジメントの知識体系である「PMBOKガイド」に基づいており、受験には一定の実務経験が必要です。国際的な知名度が非常に高く、特にグローバル案件や外資系企業でのキャリア形成において強力な武器となります。

 

世界標準のスキルを持つことを証明できるため、キャリアの選択肢を大きく広げられる資格です。

 

☆あわせて読みたい
『PMP資格とは?試験の勉強方法や意味ないと言われる理由を徹底解説』

 

プロジェクトマネージャー試験(情報処理技術者試験)

プロジェクトマネージャー試験は、日本の情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験の一つです。

 

情報処理技術者試験の中でも高度区分に位置づけられ、ITプロジェクトの責任者として、計画から終結までを適切に運営できる能力が問われます。特に国内IT業界における評価が高く、多くの企業で信頼性のある資格として認知されています。

 

論述試験も含まれるため、知識だけでなく、経験を踏まえた論理的思考力や実務力を示すことができる点も特徴です。

 

ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験は、同じくIPAが実施する国家試験で、情報処理技術者試験の最高峰に位置づけられる難関資格です。

 

プロジェクト管理という枠を超え、経営戦略に基づいたIT戦略の立案や事業全体を成功に導く力が求められます。取得すれば、単なるプロジェクトの管理者ではなく、企業の成長に寄与する戦略的な人材であることを証明できます。

 

PMとしてのキャリアをさらに上流工程へ発展させたい人にとって、大きなステップアップとなる資格です。

 

PMのキャリアパス

ビジネスパーソンが階段をあがる足元

PMとしての経験を積むことで、次のステップとして多彩なキャリアの道が開かれます。

 

例えば、より大規模かつ複雑で難易度の高いプロジェクトを率いるシニアPMや、複数の関連プロジェクトを統括するプログラムマネージャーへのキャリアアップが挙げられます。

 

プログラムマネージャーは、単に案件を管理するのではなく、組織全体の戦略目標を実現するための司令塔としての役割を担います。

 

また、プロジェクトマネジメントの知識や経験を活かし、組織全体のマネジメント手法を標準化したり、プロセス改善を推進するPMO(Project Management Office)に携わる道もあります。

 

さらに、培ったマネジメントスキルや業界知識を武器に、ITコンサルタントとして企業の課題解決を支援したり、ゆくゆくはCTO(最高技術責任者)やCIO(最高情報責任者)といった経営層に加わるキャリアも目指せます。

 

 

PMの需要と将来性

外で向こう側を見つめるビジネスパーソンの後ろ姿

現代のビジネスにおいて、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進は欠かせない要素となっており、それに伴い、ITプロジェクトの数も急増しています。

 

こうした状況で、複雑化・大規模化するプロジェクトを確実に成功へ導けるPMの存在は、企業にとってますます重要になっています。

 

実際、優秀なPMは常に不足しており、多くの企業が高待遇で採用したいと考えています。AIやIoTといった先端技術を活用する案件も増えており、PMは「技術とビジネスをつなぐ存在」として、求められる場面がますます広がっていくでしょう。

 

もちろん継続的な学習は不可欠ですが、努力に見合うだけの将来性と安定性が期待できるのがPMの魅力です。長期的にキャリアを築きたい方にとって、非常に有望な職種と言えます。

 

☆あわせて読みたい
『【PMOの将来性】仕事内容と存在意義とは?キャリアパスを解説!』

 

まとめ

オフィスで手を合わせて円になって立っているビジネスパーソン達

PM(プロジェクトマネージャー)は、計画策定からリスク対応、チームのマネジメントまで幅広く担い、プロジェクトを成功に導く責任者です。

 

PLやSEとは異なる視点とスキルが必要であり、マネジメント力やコミュニケーション力、リーダーシップなど総合的な能力が求められます。

 

PMは大きな責任を伴う役割ですが、その分、成長やキャリアの広がりを実感できる魅力的な仕事です。将来を見据えてスキルを磨き、経験を積み重ねていけば、自分らしい働き方や新たなキャリアの扉を開くことができるでしょう。

 

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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

 

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