将来独立する方必見!「書類・資金・心構え」起業・開業の方法を伝授

作成日:2019/02/18

 

会社員としてキャリアを積みながら、将来的には独立を視野に入れている人も多いでしょう。中には「起業家になる」「独立する」という言葉を必要以上に重く受け止めてしまい、なかなか行動に移せない人も。もちろん、会社設立を軽く考えてはいけませんが、同時に重く考え過ぎてしまうのも、チャンスを逃すことにつながっります。独立・起業の不安を解消するために必要なものは“情報”です。会社設立の“リアルなトコロ”を見ていきましょう。

 

目次

■開業資金はどの程度必要?
(1)半年間の生活費は最低でも必要
(2)店舗型ビジネスの場合
(3)ネットビジネスの場合
(4)開業資金が足りない場合

 

■独立のために必要な手続きとは?
(1)会社設立をしたら「法人設立届出書」もしくは「個人事業の開業・廃業等届出書」が必要
(2)法人設立届出書について
(3)個人事業の開業・廃業等届出書について

 

■人を雇う時に気をつけるべきこと
(1)どのような形態で人を使うのか?
(2)人を雇用する時に必要なこと
(3)業務委託を交わす時に必要なこと

 

■経営者として必要な心構え
(1)現実的な事業プランを掲げる
(2)苦手なことは人に任せる
(3)資金は常に余裕を持つこと
(4)自分の名前を売る必要はない

 

■まとめ

 

 

開業資金はどの程度必要?

開業資金はどの程度必要?-1

(1)半年間の生活費は最低でも必要

起業や開業には、独立のための資金が必要です。さて、そこで知りたいのは「成功のため」「会社設立のためには」「どの程度の資金を用意するべきなのか」ではないでしょうか。もちろん携わる業種によって初期に必要な資金は大きく異なりますが、目安とするべき開業資金は「開業のために必要な設備」に加え、「半年間、利益がゼロだったとしても生活していける貯蓄」です。

 

会社設立によって必要な設備投資額などは規模や業種によって異なるものの、半年間の生活費はすぐに計算できるでしょう。

 

どのような業種であっても、ビジネスを軌道に乗せるまでには半年程度の期間は要するもの。自分が半年間生活するためにいくらかかるのか、これは独立するための準備金のひとつとして入れておくべきでしょう。

 

さて、独立と一口に言ってもさまざまなケースが考えられます。誰も雇わずに個人で独立することも可能ですし、ネットビジネスならば、さほど会社設立のための初期投資は必要ないように感じるかもしれません。しかし、会社設立直後はしばらくの間、収入ゼロの期間が続いても不思議ではありません。この思考はビジネスの失敗を想定しているわけではなく、最低限の生活ができるというリスクヘッジです。

 

思った以上の収益が見込めない期間も安心して自分のビジネスに打ち込めるように、あらかじめ生活費の確保は必要ということ。

 

会社員の時よりも収入が少ない時期もあるでしょう。しかし、その時期も決して成功が遠ざかったわけではないのです。成功のための助走期間。そう考えて、焦らずにビジネスに集中できる環境を用意しましょう。

(2)店舗型ビジネスの場合

店舗型ビジネスとして会社設立をする場合、テナントを借りるための賃料とても大きいです。賃料に加えて、顧客を呼び込むための設備投資や業態によっては広告宣伝費用も必要です。自分のビジネスに初期投資がいくらかかるのか、起業を考え始めたら早めに資料集めなどの行動を起こし、具体的な情報を収集することをおすすめします。

 

顧客に提供する商品も先行投資で確保する必要があるため、資料を集めている段階でかなり大きな資金が必要だと気がつくことでしょう。「なるべく初期投資は抑えたい」と考える、かつ商品を陳列する必要がないのならば、レンタルオフィスコワーキングスペースなどがおすすめです。これらの方法ならば、自分で店舗を借りるよりも大きく初期投資を節約することが可能です。

(3)ネットビジネスの場合

ネットに特化したビジネスならば、極論店舗を借りる必要はありません。自宅をオフィスにすることもできますし、仮に人と関わる場が必要であったとしても、やはりレンタルオフィスやコワーキングスペースで事足りる場合が多いはず。

 

「自分のオフィスをしっかりと構えたい」とどうしても考えてしまいがちですが、形を整えるよりも自分のビジネスを始動させることを優先するべきです。形にこだわってしまうと、「いつまで経っても独立できない」「起業できない」ということになりがちなので注意したい点です。

 

一度コワーキングスペースに足を運ぶのも、自分の働き方を具体的にイメージすることができて大いに参考になるでしょう。コワーキングスペースでは、男性女性を問わず多くの起業家の卵やフリーランスの人達が働いています。既にそのような働き方を選択した人たちに実際に会ったり、話をすることでご自身にとってきっと何か刺激を得られることでしょう。

(4)開業資金が足りない場合

ビジネスの種類によっては、“旬”であることがとても重要な場合もあるでしょう。会社設立のための資金が足りずにビジネスの旬を逃してしまい成功を逃すのは、本当にもったいないことです。しかし、何のキャリアもないままで銀行などの金融機関から融資を受けるのは正直難しいと言わざるを得ません。投資会社から投資してもらうのも難しいのが現実です。

 

それでも、消費者金融から融資を受けるのはできるだけ避けるのがベター。ご存知のとおり、消費者金融の金利は非常に高く、金利が高い借金を抱えながらの開業や起業はどうしても厳しいものになってしまうからです。

 

そこで有効なのが日本政策金融公庫や都道府県・市町村が行なっている創業融資制度です。これらの創業融資制度は、銀行などの金融機関よりも審査が甘く、かつ消費者金融よりも安い金利で資金を調達することが可能です。全ての起業家がこの審査に通るわけではありませんが、検討する価値は十分あります。起業や開業を志すのであれば、創業融資制度の存在は覚えておくと良いでしょう。少しでも考える余地があるのなら、今すぐに資料を請求してみても良いのでは。

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独立のために必要な手続きとは?

独立のために必要な手続きとは?-2

(1)会社設立をしたら「法人設立届出書」もしくは「個人事業の開業・廃業等届出書」が必要

 

会社設立をする時には必ず役所に届け出をしましょう。フリーランスの方も同様です。法人として起業もしくは開業するのであれば前者、あくまでも個人事業主として独立するのであれば後者の書類を役所に提出しなければなりません。届出先はいずれも税務署です。

(2)法人設立届出書について

法人設立届出書を提出する際に、もっとも大切なのは起業もしくは開業から2ヶ月以内に提出するということ。また、同時に提出しなければならない書類がいくつかあります。

・定款のコピー
・設立時貸借対照表
・株主名簿

 

これらの書類を法人設立届出書と同時に税務署に提出しなければなりません。それぞれ簡単にご説明します。

 

まず、定款とは、会社のルールを記載したものです。定款は会社法にのっとって作成しなければならず、会社法に反するルールが記載されている場合は無効になってしまうので注意が必要です。

 

定款に必要な記入項目は「事業の目的」「商号」「本社の所在地」「資本金」「発起人の氏名と住所」などです。起業することや開業することが決まっているのならば、特に悩むような項目はないでしょう。

 

続いて、設立時貸借対照表ですが、これは会社の財産を示すものです。会社のために使える現金や不動産などの財産を記入する書類です。簿記の知識がない方にとっては難しく感じたり、不安に感じるかもしれませんが、いたって簡単な書類なので不安を感じる必要はありません。もし分からない場合は税務署の担当者に確認すれば親切に対応してもらえるので、落ち着いて作成しましょう。

 

そして、株主名義です。会社設立する際に資金を出してくれた人、いわゆる株主が存在する時には、出資してくれた金額に合わせた株を発行します。誰に何株発行しているのかを表にまとめたものです。

 

法人設立届出書を税務署に提出する時には、上記3つも同時に提出することを覚えておきましょう。

 

肝心の法人設立届出書に書くことは、代表者の氏名や住所など、ごく一般的なことばかりです。書くのはそう難しくありません。注意したい点は、法人名をあらかじめ決めておくことと、事業の目的をきちんと記載するといった程度。

 

また、法人設立届出書には税理士の情報を書く欄も設けられています。関与する税理士がいる場合は、税理士の氏名・住所・電話番号の情報が必要となります。

(3)個人事業の開業・廃業等届出書について

続いては、個人事業の開業・廃業等届出書についてです。法人設立届出書は、法人として起業する場合に必要な書類でしたが、個人事業の開業・廃業等届出書は個人で独立したことを税務署に知らせる書類です。そのため、幾分か法人設立届出書よりも簡略化されています。フリーランスで活動するのならば、個人事業の開業・廃業等届出書で十分と言えます。

 

注意するべきポイントは、提出期限が事業開始から1ヶ月以内となっている点です。個人事業の開業・廃業等届出書は同時に提出しなければならない書類もありません。

 

 

人を雇う時に気をつけるべきこと

人を雇う時に気をつけるべきこと-3

(1)どのような形態で人を使うのか?

法人または個人の仕事が大きくなっていくと、どうしても他の人の力を借りる必要が出てくるでしょう。問題は「どのような形で働く人を増やすのか」です。

 

大きく分けると一般的な人を雇う「雇用」と、雇用するのではなく相手との立場をあくまで対等とする「業務委託」の2つがあります。

(2)人を雇用する時に必要なこと

会社員経験がある人ならばお分かりだと思いますが、一名入社するだけで会社側はやるべきことがたくさんあります。数多くの書類を揃える必要や、各保険への手続きなどがあるからです。また、その人が働くスペースも確保しなければなりませんし、企業によっては制服なども一式揃える必要があります。給与計算や年末調整などの仕事ももちろん増えるでしょう。

 

総じて言えるのは「人を雇うと仕事が増える」ということです。起業したばかりの人は「人を雇うと仕事をしてもらえる」とばかり考えてしまいますが、雇うことによって新たな仕事も大量に生まれることを覚悟しておくべきでしょう。これは正社員として雇うケースに限りません。アルバイトやパートの方を雇う場合も同様になります。

 

例えば、人を雇う時に必要な仕事には下記のようなものがあります。

・雇用契約書を交わす
・社会保険の加入手続き
・雇用保険の加入手続き
・所得税・住民税の手続き

最低でも上記の手続きをこなさなければなりません。また、雇用した相手が働き始めたら、出勤管理やシフト管理、給与が発生するようになると、給与計算など、業務はどんどん増えていきます。行政書士や税理士を利用する場面も増えてくると思いますが、行政書士や税理士を雇ったら雇ったで、また彼らと関わるという新たな仕事が生まれます。

「人を雇うと増える仕事もある」という点も考慮しておきましょう。

(3)業務委託を交わす時に必要なこと

「なるべく仕事を増やさずに人の手を借りたい」と考えるのであれば、雇用するよりも業務委託の方が良いかもしれません。何故なら、業務委託の場合、必要なのは業務委託のための契約書くらいだからです。フリーランスの人材を使う時、または自分も相手もフリーランスの時には業務委託契約が結ばれることがほとんどですね。業務委託のメリットは、仕事が少なくなった時期には相手への発注を減らしたり無くしたりすることで、大幅にコストを下げられることです。

 

相手を会社員として雇用してしまえば、基本給が発生してしまうため、どうしても月々のランニングコストを削るのは困難です。あまり資金がない時点での起業や開業の場合、雇用よりも業務委託の方がはるかにメリットがあると言えるでしょう。

 

ただし、業務委託の関係はあくまで対等ということを忘れてはいけません。自分に都合の良い使い方ばかりをしてしまうと、相手の側から仕事を断られることも十分に考えられます。雇用した相手に仕事を断られることは、余程のことがないかぎりありえませんが、業務委託の場合、待遇次第では仕事を断られても仕方ないといえるでしょう。

 

 

経営者として必要な心構え

経営者として必要な心構え-4

 (1)現実的な事業プランを掲げる

「起業したい」「独立したい」と考えるくらいですから、頭の中には成功へのプランが用意されているのは当然です。しかし、理想論にならないように気をつけたいところ。良い仕事をしていればビジネスになるわけではありません。経営者が事業を継続していくためには、現実的なプランを立てて、かつ長期的に物事を考えていくべきです。

なるべく早くビジネスの結果を出したいのはもちろんですが、すぐに結果が出なくても諦めないこと。しかし、同時にプランの変更や見切りも行なっていかなければなりません。

 

臨機応変な対応こそが、何よりも経営者に求められることです。経営者としてキャリアを積むと、まだ「頑張るべき」「見切るべき」の判断が徐々に的確になっていきますが、最初のうちはこの臨機応変な対応こそが難しく感じるかもしれません。

(2)苦手なことは人に任せる

経営者はオールマイティな存在である必要はありません。何でも自分でこなす必要はないのです。「この件に関しては、自分よりも彼の方が適任」と思えるものがあれば、どんどん仕事を任せてしまいましょう。もちろん人を使えばお金は発生しますが、大幅に時間は短縮できますし、クオリティの高い結果も得やすくなります。人を使うべき場面でお金を惜しんでいるようでは、会社はいつまでも大きくならないままです。

経営者が考えるべき大きな物事の1つは、「誰に何を任せるか」です。

(3)資金は常に余裕を持つこと

資金面に不安要素があると、できることに縛りが生じてしまいます。「本当はここにもっとお金をかけたいのに」と考えながら、第2のプランを遂行しても仕事に身が入らないのは当然です。ビジネスのために使う資金は常に余裕を持ちたいものです。

「経営者のもっとも大きな仕事は金策」という言葉さえあります。実際に仕事を動かすのは他の人達に任せてしまい、経営者である自分は彼らが仕事をしやすいように資金面の不安を取り除く。そのような考えも心の片隅には置いておくべきでしょう。

(4)自分の名前を売る必要はない

経営者を志す人の多くは「広く認められたい」という気持ちを持っています。その気持ちから出る行動や言動が、周りからは「自己主張の強い人」と見られてしまうこともあります。しかし、自己主張ではお金を稼げないことを心に留めておきましょう

名前を売るのであれば、経営者自身の名前ではなく会社の名前や商品の名前を売ることの方が重要です。もちろんブランディングやセルフブランディングもビジネス戦略の1つですが、自分の名前を売ることは最優先事項ではないのではないでしょうか。経営者が何よりも優先するべきことは、ビジネスを軌道に乗せることであり、利益を生み出すことです。その手段の1つとしてブランディングやセルフブランディングがあるわけで、それらは決して目的ではないのです。

 

 

 

経営者を目指す人はたくさんいます。しかし、その中で実際に起業や開業できるのは一握りでしょう。実際に起業や開業できた人の共通点は、独立への意志が固いことと行動力を持ち合わせていることです。キャリアも大事ですが、キャリアだけで独立できるわけではありません。

もちろん、起業や開業をしただけでは成功とは言えませんが、経営者として自分のビジネスをスタートさせることは、あなたの夢の第一歩。必要な書類、資金、資料、心構え・・・これら全てを揃えればあなたはすぐにでも独立できます。「独立への準備が整った」と考えられる時期がやってきたら、是非、また読み直していただければ幸いです。願いが叶うことを応援しています。

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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