副業のメリット・デメリットとは?事前に知っておくべき注意点も解説

最終更新日:2025/11/29
作成日:2017/05/10

 

物価高や将来への漠然とした不安から、「副業」に興味をお持ちの会社員の方は少なくないでしょう。

 

しかし、実際に一歩踏み出す際は、本業との両立や会社にバレるリスク・税金に関する疑問など、さまざまな不安がつきまとうものです。

 

この記事では、副業解禁の動きが広がる中で副業を始める前に知っておきたいメリット・デメリットや注意点と対策を具体的に解説します。

 

疑問や不安を解消し、ぴったりな副業を見つける第一歩として、ぜひ参考にしてください。

 

目次

■収入以外の目的にも注目!副業のメリット5つ
(1)収入が増加し経済的な安定につながる
(2)スキルアップや将来のキャリアにつながる
(3)人脈づくりができる
(4)将来の独立や転職の土台になる
(5)本業のオープンイノベーションにつながる

 

■さまざまな負担に注意!副業のデメリット3つ
(1)本業に悪影響を及ぼすリスクがある
(2)長時間労働になり心身の健康のリスクとなる
(3)税金・社会保険の負担が増える懸念がある

 

■副業の注意点と対策
(1)会社規定違反にならないよう規則の確認や申請をする
(2)副業の収入額に応じて適切に確定申告をする
(3)ミスマッチによるトラブルを避ける
(4)適切な契約形態を選択し契約書を交わす
(5)労働時間を記録・管理する
(6)時間と体調の管理を心がける
(7)ストレスマネジメントをしてメンタルを整える

 

■まとめ

 

収入以外の目的にも注目!副業のメリット5つ

「Position」「Career」「Skill」「矢印」の木製ブロックが積まれている、背景に資格の勉強をする女性

副業のメリットは、単に収入が増えるだけにとどまりません。

 

本業では得られないスキルや経験を積むことで、キャリアの選択肢が広がったり、新たな人脈が形成されたりする場合もあります。将来の独立や転職を見据えた準備期間としての活用も可能です。

 

ここで、さまざまな副業のメリットを具体的に見ていきましょう。

 

(1)収入が増加し経済的な安定につながる

副業がもたらす直接的なメリットは、収入源の増加による経済的な安定です。本業の給与に加えて副収入があれば、生活費を補填できたり、貯蓄や自己投資にお金を回せたりできるため、資金的な余裕が生まれます。

 

将来のライフイベントや不測の事態への備えにもなるため、精神的な安心感にもつながるでしょう。収入の柱を複数持つことで、本業の業績不振や減給といったリスクを分散する効果も期待できます。

 

(2)スキルアップや将来のキャリアにつながる

副業は、本業では得にくいスキルや経験を獲得する絶好の機会です。

 

パーソル総合研究所の調査によると、特に20代では副業で「自分のスキルが他の場所でも通用するか試したい」という目的意識が高く、自己実現や理想のキャリア形成を本業だけに頼らない傾向が見られます。

 

副業を通じて得られるスキルは、ライティングやリサーチといった専門的なものだけではありません。

 

時間管理能力やコミュニケーション能力・問題解決能力など、キャリア全般にわたって重要となるソフトスキルも得られます。

 

副業で得られた経験やスキルは、本業での営業活動やプレゼンテーションなど、さまざまな場面で役立つでしょう。

 

参考:パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査

 

(3)人脈づくりができる

副業に取り組むことで、多様なバックグラウンドを持つ人々とつながる機会が生まれる点も大きなメリットです。

 

異業種の方々との交流は、新しい視点や斬新なアイデアをもたらしてくれます。それが、本業における課題解決のヒントになることもあるでしょう。

 

また、社外の人脈が新たなビジネスにつながることもあり得ます。たとえすぐにビジネスに直結しなくても長期的に良い影響を得られることもあり、人脈は貴重な資産といえます。

 

将来的に転職や独立を考える際は、副業で築いた人間関係が強力なサポートネットワークとして機能する可能性も秘めています。

 

(4)将来の独立や転職の土台になる

将来的に独立・起業や、キャリアチェンジを伴う転職を考えている人にとって、副業はリスクを抑えながら準備を進めるための有効な手段となり得ます。

 

副業をすれば、本業で安定した収入を確保しながら、挑戦したい分野で実際に仕事を請け負えるからです。市場のニーズや自身の適性を見極めることにもつながります。

 

副業を通して実績を積み、顧客との関係性を構築しておけば、本格的に独立する際のスタートダッシュがスムーズになるでしょう。

 

いわば、助走期間として副業を活用することで、より確実性の高いキャリアプランを描けるのです。

 

☆あわせて読みたい
『【監修】会社員からフリーランスになる時の注意点9ポイント!』

 

(5)本業のオープンイノベーションにつながる

副業のメリットは、個人だけでなく企業側にもあります。その一つが、本業の企業でオープンイノベーションを促進する可能性を秘めていることです。

 

オープンイノベーションとは、自社だけでなく社外の知識や技術・アイデアを積極的に取り入れ、革新的な価値を生み出す考え方です。

 

実際、副業で得られた新しい知見やスキルが、本業で活かされるケースは少なくありません。外部の視点が社内に持ち込まれることで、「外の専門性を取り入れるのは有益だ」という認識が広がる場合もあるでしょう。

 

結果として、企業が「自社だけで何とかしよう」とする自前主義からの脱却につながる可能性もあります。

 

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さまざまな負担に注意!副業のデメリット3つ

メリットとデメリットのブロックをシーソーに乗せているビジネスパーソンの手元

副業には多くの魅力がある反面、見過ごせないデメリットも存在します。

 

特に、時間的・体力的な負担が増える点や、本業への影響、そして税金や社会保険といった金銭面の管理が複雑になる点は注意が必要です。

 

このようなデメリットを事前に理解し、適切に対処することが、副業を成功させるための鍵となります。ここで、副業を始める前に知っておくべき3つのデメリットを見ていきましょう。

 

(1)本業に悪影響を及ぼすリスクがある

1つ目のデメリットは、副業に多くの時間と労力を費やすことで、本業のパフォーマンスが低下するリスクがある点です。

 

副業で疲労が溜まったり睡眠不足になったりすると、日中の集中力や業務効率の低下を招く可能性があります。

 

また、本業の就業時間中に副業の連絡に対応するなどの職務専念義務に違反する行為は、会社からの信頼を損なう原因になりかねません。

 

(2)長時間労働になり心身の健康のリスクとなる

副業の2つ目のデメリットは、総労働時間が長くなり、心身に悪影響を及ぼす懸念があることです。

 

プライベートな時間や休息時間を削って副業に没頭すると、知らず知らずのうちに心身の疲労が蓄積し、健康を損ないかねません。

 

ワークライフバランスが崩れると、家族との時間が減ったり、趣味を楽しめなくなったりと、生活の質そのものが低下する可能性もあります。

 

(3)税金・社会保険の負担が増える懸念がある

3つ目のデメリットは、副業で得た所得が一定額を超えると税金の負担が増えることです。

 

会社員の場合、副業での所得(収入から経費を引いた金額)が年間20万円を超えると、原則として確定申告をして税金を納めなければなりません。申告を怠ると追徴課税などのペナルティが課される場合があります。

 

社会保険については、個人事業主として副業をする場合、通常は追加の保険料は発生しません。

 

一方で、副業先でアルバイトとして雇用され、週20時間以上の勤務など社会保険の加入条件を満たす場合には、その会社での加入義務が発生するケースもあります。

 

副業は短時間勤務が多いため、実際に加入が必要となるケースは多くありませんが、念頭に置いておきましょう。

 

参考:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人

 

副業の注意点と対策

就業規則の書類の上に「?」マークのプレートが置いてある

副業は収入増加やスキルアップにつながる一方、会社とのトラブルや税務上の問題など、いくつかのリスクも伴います。

 

リスクを事前に把握して適切な対策を講じれば、安心して副業のメリットを享受できます。ここで、副業を始める前に知っておきたい注意点と具体的な対策を確認しましょう。

 

(1)会社規定違反にならないよう規則の確認や申請をする

副業を始める前にまず重要なのが勤務先の就業規則を確認することです。企業によっては副業を全面的に禁止していたり、許可制や申告制を導入していたりする場合があります。

 

会社の規則を知らずに副業を始めてしまうと、服務規律違反として懲戒処分の対象となるリスクも考えられます。

 

特に、本業と競合する事業内容の副業や、企業の機密情報が漏洩する可能性のある副業は、厳しく制限されるケースが多いです。

 

就業規則を確認し、必要であれば人事部などに相談の上、申請などの正式な手続きを踏んでから始めるようにしてください。

 

(2)副業の収入額に応じて適切に確定申告をする

副業で得た年間の所得(収入から経費を引いた金額)が20万円を超える場合、会社員であっても確定申告をしましょう。適切に確定申告をするには、日頃から副業に関する収入と経費を正確に記録しておくことが重要です。

 

確定申告の時期に慌てないよう、領収書や請求書などの書類はきちんと保管し、普段から手続きの下準備をしておきましょう。

 

☆あわせて読みたい
『【副業の確定申告】いくらから?やり方は?しないとどうなる?』

 

(3)ミスマッチによるトラブルを避ける

副業を長続きさせるには、自分のスキルや興味・ライフスタイルに合った仕事を選ぶことが大切です。

 

「稼げるから」という理由だけで安易に選んでしまうと、作業が苦痛になったり、期待したほどの収入が得られなかったりして、早期に挫折する原因となります。

 

途中でプロジェクトを放棄してしまったり、納期遅延を招いたりすると、副業先の企業に迷惑をかけることにもなりかねません。業務委託契約だと、状況によっては損害賠償が発生するケースもあるでしょう。

 

自分に合った副業を選ぶには、自己分析を行い、自分の得意なことや好きなこと・本業で培った経験・副業に割ける時間などを洗い出してみましょう

 

その上で、いくつかの候補を比較検討し、無理なく続けられそうなものから試してみてください。

 

(4)適切な契約形態を選択し契約書を交わす

個人で副業の仕事を受ける際は、発注者との間で契約内容を明確にしておくことがトラブル防止の鍵となります。

 

特に業務委託契約を結ぶ場合は、口約束で済ませず、必ず書面で契約書を交わすようにしてください。

 

契約書を交わしていない場合、次のようなトラブルなどが発生しやすくなります。

 

  • ・業務範囲や納期の認識違いによる追加作業の押し付け
  • ・報酬の減額
  • ・報酬の未払い
  • ・著作権の帰属を巡るトラブル など

 

契約書には、業務の具体的な内容・成果物の仕様・納期・報酬額と支払条件・著作権の帰属といった重要事項を明記してもらうようにしましょう。

 

契約内容を事前にしっかりと確認し、双方が合意した上で業務を開始することで、「言った、言わない」の争いや報酬の未払いといったリスクを大幅に減らせます。

 

(5)労働時間を記録・管理する

副業を行う際は、自分自身で本業と副業それぞれの労働時間を正確に記録し、管理する習慣を身につけましょう。

 

本業と副業・兼業の労働時間は、労働基準法上、通算して考える必要があります。労働時間の合計が法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超えた部分については、割増賃金の支払い対象です。

 

時間外労働の上限規制も適用されるため、知らないうちに法律に違反してしまわないように注意しましょう。

 

参考:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン

 

(6)時間と体調の管理を心がける

副業を始めたら、無理のないスケジュール管理と、十分な睡眠・休息の確保を心がけましょう。

 

自由時間が減ると生活リズムが乱れやすく、時間管理が曖昧なままだと本業と副業の作業が重なり、睡眠を削る原因になります。

 

慢性的な睡眠不足は、集中力や判断力の低下、ミスの増加、体調不良につながり、本業のパフォーマンスにも悪影響です。

 

副業の目的は生活を豊かにすること。健康を損なえば本末転倒です。

 

定期的にスケジュールと体調を振り返り、必要に応じて作業量や締め切り、稼働時間の配分を見直しましょう。週ごとに「これ以上は無理しない」ラインを決めておくことも大切です。

 

☆あわせて読みたい
『フリーランスのスケジュール管理法を紹介!アプリや仕事管理のコツも』

 

(7)ストレスマネジメントをしてメンタルを整える

心身の健康を維持しながら副業を続けるには、意識的なストレスマネジメントが不可欠です。

 

副業は、新たな挑戦や人間関係・納期へのプレッシャーなどの精神的なストレスを伴うことがあります。本業のストレスに加えて副業の負担が重なると、メンタルヘルスに不調をきたす可能性も否定できません。

 

例えば、次のような自分なりのストレス解消法を見つけておくことが重要です。

 

  • ・週末は完全に仕事から離れてリフレッシュする時間を作る
  • ・趣味に没頭する
  • ・信頼できる人に話を聞いてもらう など

 

自分の心の状態を定期的に見直し、無理を積み重ねる前に早めにケアする習慣を身につけておきましょう。

 

まとめ

自宅でパソコン作業するビジネスマンの手元

副業は、収入アップだけでなく、スキルアップや人脈形成、将来のキャリア形成といった多岐にわたるメリットがあります。

 

一方で、本業への影響や長時間労働による健康リスク、税金・社会保険の負担増加といったデメリットも見過ごせません。

 

トラブルを避けて副業を成功させるには、メリットとデメリットを理解し、会社の規定確認や確定申告の実施、適切な副業選びといった対策を講じましょう。

 

不安を解消し自分に合った副業を見つけて、新たな一歩を踏み出してください。

 

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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

 

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