大企業も注目する“オープンイノベーション”とは

作成日:2017/04/24

 

自社だけではなく外部の技術やアイデアを組み合わせた開発手法

自社だけではなく外部の技術やアイデアを組み合わせた開発手法

自社の技術だけではなく他社や大学、自治体などとコラボレーションして外部の技術・アイデアを組み合わせて新しいサービスや価値を作り出す“オープンイノベーション”。聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

 

もともとは欧米の企業から始まったものですが、日本においてもコマツなど、オープンイノベーションに取り組む企業が増えています。経済産業省もこうした動向を踏まえ、日本のオープンイノベーションに関するデータや事例を「オープンイノベーション白書」として2016年8月に発行しました。

 

オープンイノベーションという考え方は、アメリカのハーバードビジネススクールのチェスブロウ助教授が2003年に提唱しました。「オープンイノベーション白書」においても、以下のように定義を掲載しています。

 

【オープンイノベーションの定義】
組織内部のイノベーションを促進するために、意図的かつ積極的に内部と外部の技術やアイデアなどの資源の流出入を活用し、その結果組織内で創出したイノベーションを組織外に展開する市場機会を増やすことである(Henry W. Chesbrough, 著書『Open Innovation』(2003年)

※出典:オープンイノベーション協議会(JOIC)「オープンイノベーション白書」

 

ただし、オープンイノベーションでは、他社とアライアンスを組むために自社の技術やノウハウの一部を公開しなければならないため、技術流出などのリスクが気になる企業も多くあるのではないかと予想できます。とはいえ、消費者のニーズが多様化していること、製品やサービスのライフサイクルが短くなっていること、優れた技術を持つベンチャー企業が増えていることなどを背景に、こうした取り組みは進んでいます。

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大企業がオープンイノベーションに注目する理由とは

大企業がオープンイノベーションに注目する理由とは

日本の大企業では、自社のリソースのみ(もしくはグループ企業との連携)で製品やサービスの開発を行なう、いわばクローズドイノベーションのが実情です。

 

なぜ、最近では大企業にもオープンイノベーションが注目されているのでしょうか?大きな理由のひとつに、自社だけでは開発に対応しきれないケースが増えているという状況があるようです。「自社だけでは開発スピードが追いつかない」「研究開発費が高騰しており、コストを削減したい」「自社内のリソースが不足している」・・・。こうした課題を解決するために、他の企業とのアライアンスを検討する企業が出始めているようなのです。

 

中でも注目されるのが、起業したばかりのスタートアップ企業とのオープンイノベーションです。優れた技術を持つスタートアップ企業と大企業が組むことで、実は双方に大きなメリットがあります。大企業にとっては自社だけでは生まれにくい斬新なアイデアが得られ、場合によっては新規事業につながる可能性もあります。また、フットワークの軽いスタートアップ企業と組むことで開発スピードの向上につながりますし、すでに技術を持っているスタートアップ企業であれば開発コストの削減にもつながります。

 

一方、スタートアップ企業にとっても、資金の提供を受けられるほか、知名度の高い大企業とオープンイノベーションができれば、知名度向上・信頼度向上につながるというメリットがあります。企業文化が大きく違うため進め方には注意が必要ですが、このようなWin-Winの関係によって成功するオープンイノベーションは今後さらに増えてくると考えられます。

 

 

オープンイノベーションに取り組む大企業の事例

大企業がオープンイノベーションに注目する理由とは

日本でオープンイノベーションに取り組む大企業として、まず名前が挙がるのが大手建設機械メーカーのコマツ(小松製作所)ではないでしょうか?

 

コマツは成長戦略としてオープンイノベーションを推進しているほか、ICTを活用するために、有望な新しい技術を持つベンチャー企業への出資も行なっています。2015年には、自動運転分野の技術を持つ日本のベンチャー企業や、ドローンによる測量データ解析の技術を持つアメリカのベンチャー企業への出資を行ないました。さらに、東京工業大学とさまざまな技術における連携を締結するなどの取り組みも行なっています。

 

コマツとともに、オープンイノベーションに取り組む大企業として紹介されることが多いのが大阪ガスです。大阪ガスでは、通常では社外秘となるような欲しい技術の情報を「技術ニーズ」としてホームページで公開。従来のパートナーに限らず幅広く提案を受け入れています。あわせて自社の持っている技術を「技術シーズ」としてこちらも公開して、アライアンス先を募集しています。さらにホームページのほかにも、国内各所で技術マッチング会も開催しています。

 

こうしたオープンイノベーションに取り組んだ結果、大阪ガスでは新製品の開発スピードの向上や効率化を実現できた事例もあるとのことです。

 

今後のオープンイノベーションの方向性とは

オープンイノベーションに取り組む大企業の事例

オープンイノベーションのトレンドも変化しており、現在は「オープンイノベーション2.0」と言われています。従来のオープンイノベーションでは、コストや開発スピードといった面での効率化が目的だったのに対し、新しいバージョン2.0ではさらに広範囲になり、異業種と組むことで新しいビジネスモデルの構築を目指すケースや、社会的な共通課題の解決を目指すケースも多い点が特徴的です。

 

また、1対1の関係で進めることが多かったオープンイノベーションですが、多くの企業・団体や個人も参加するかたちも増えてきています。例えば、オリンパス株式会社の「OLYMPUS OPC Hack & Make Project」。このプロジェクトでは、クリエイターやユーザーもオリンパスが公開した技術を使ってアプリ開発・カメラアクセサリー制作などができます。

 

マーケティングや研究開発などでも、UX(User Experiece)が重視される時代。大企業とベンチャー企業という関係だけではなく、新しいオープンイノベーションのスタイルが今後出てくることが予想されます。

 

例えば、自治体が主体となって企業や大学などのオープンイノベーションを進めているケースもあります。横浜市ではオープンイノベーションプロジェクトを立ち上げ、アクセンチュアと2015年に連携協定を締結しました。アクセンチュアがコーディネーター役となり、企業をはじめとしたさまざまな業種のオープンイノベーションを活性化させるのが狙いです。

 

 

ご存知の通り、多様化・グローバル化する社会においては、大企業でも自社だけの技術・アイデアで新しいイノベーションを生み出すのは難しくなりつつあります。オープンイノベーションに取り組む必要性が今後も高まるのは間違いありません。

コマツや大阪ガスの事例にもありましたが、大企業であってもクローズドな環境で開発するのではなく、自らアライアンス先を積極的に探せるか、自社の技術もオープンにできるか、というところで大きな差が出てくるのではないでしょうか。

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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