エンジェル投資家とは?出資を受けるメリットや流れ、選ぶポイントを解説
最終更新日:2025/07/13
作成日:2016/12/21
- 「エンジェル投資家って、そもそもどんな人?」
- 「出資を受けたいけど、信頼できるかどうかが不安…」
そんな悩みを抱えている起業家の方も多いのではないでしょうか。
ビジネス立ち上げ初期に欠かせない「資金調達」と「支援者選び」の中でも、注目されているのが起業家を個人で支援するエンジェル投資家という存在です。
この記事では、エンジェル投資家の定義はじめ、出資を受けるメリット・デメリット、探し方、資金調達までの流れをわかりやすく解説します。
さらに、相性の良い投資家を選ぶ際のポイントや、投資家から選ばれるために意識すべきポイントについても紹介します。
資金調達で出資を受けることを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■エンジェル投資家とは
(1)エンジェル投資家の役割
(2)エンジェル投資家が出資する背景
■エンジェル投資を受けるメリット
(1)返済の義務がない
(2)事業成長に役立つアドバイスが得られる
(3)人脈・ネットワークの拡大が期待できる
■エンジェル投資を受けるデメリット
(1)経営に介入される可能性がある
(2)資金調達額が少ない場合もある
(3)企業成長への強い期待に応える必要がある
■エンジェル投資家の探し方
(1)起業イベントやコンテストに参加する
(2)知人や経営者からの紹介を受ける
(3)マッチングサイトを活用する
■相性の良いエンジェル投資家を選ぶ際のポイント
(1)実績や経歴を確認する
(2)価値観が一致しているかを見極める
(3)出資後の関与スタンスを確認する
■エンジェル投資を受けるまでの流れ
(1)事業計画書やプレゼン資料の準備
(2)エンジェル投資家へのプレゼン
(3)投資条件の交渉
■エンジェル投資家に選ばれるために意識すべきポイント
(1)本気度や継続意志を示す
(2)事業の強みと成長性を端的に伝える
(3)投資家目線で出口戦略を設計する
■エンジェル投資家が出資するメリット・デメリット
(1)出資するメリット
(2)出資するデメリット
■エンジェル投資家に関するよくある質問
(1)エンジェル投資家とVC(ベンチャーキャピタル)の違いは?
(2)エンジェル投資家とのトラブルを避けるには?
(3)エンジェル投資家の成功率は?
エンジェル投資家とは

エンジェル投資家は、資金提供だけでなく、事業の成長を後押しする重要な存在です。
まずはエンジェル投資家の役割や、出資の背景について解説します。
(1)エンジェル投資家の役割
エンジェル投資家は、創業間もない企業やスタートアップに対して、自己資金を用いて出資を行う個人投資家です。
銀行融資やベンチャーキャピタルでは手が届きにくい、ビジネス立ち上げ期の企業に対して、資金的な支援を行うのが主な役割です。
多くのエンジェル投資家は、元起業家や経営者など、ビジネスの第一線で活躍してきた経験を持ち、自身の経験を活かして将来有望な起業家を後押ししたいという思いで投資をしています。
(2)エンジェル投資家が出資する背景
エンジェル投資家が出資する背景には、大きく2つの動機があります。
1つは、将来的なリターンを見込んだ投資目的です。企業が成長し、IPOやM&Aによって株式価値が上がれば、キャピタルゲイン(株式売却益)を得られる可能性があります。
もう1つは、非金銭的な動機です。自身が過去に起業家として経験した苦労をふまえ、次世代の起業家を応援したい、育てたいという想いから出資するケースも多く見られます。
リターン追求型・支援志向型など、投資スタンスは投資家によって異なるのが特徴です。
起業家としては、投資家がどのような意図を持って支援を行うのかを把握しておくことで、出資後の関係構築にも役立ちます。
エンジェル投資を受けるメリット

エンジェル投資は、単なる資金提供にとどまらず、起業家にとって多くのメリットをもたらします。
ここでは、エンジェル投資を受けることで得られる代表的なメリットを解説します。
(1)返済の義務がない
エンジェル投資を受けるメリットの一つは、返済義務が発生しないことです。銀行からの融資と異なり、毎月の返済が発生しないため、資金繰りに余裕を持ちやすくなります。
創業初期は売上が安定せず、借入による返済負担が成長の足かせとなるケースも珍しくありません。
その点、エンジェル投資のような株式による資金調達であれば、返済を気にせずに事業へ資金を再投資できます。
たとえば、プロダクトの改良や人材の採用、マーケティングの強化など、将来の成長を見据えた投資に積極的に取り組めます。
特に立ち上げ段階の企業にとっては、資金の柔軟な使い道が確保できることは、大きなアドバンテージとなるでしょう。
(2)事業成長に役立つアドバイスが得られる
エンジェル投資家からの出資は、資金提供だけでなく、経営面での支援も受けられる点が魅力です。
多くの投資家は、自ら起業や事業運営を経験しており、その中で培った実践的な知見をもとに経営面でのサポートをしてくれる場合もあります。
たとえば、資金調達の進め方、営業戦略の設計、チームビルディングの方法など、創業フェーズで直面しやすい課題に対して具体的なアドバイスを提供してくれるでしょう。
実際に現場で試行錯誤した経験からの言葉は説得力があり、起業家にとって貴重な学びの機会となります。
(3)人脈・ネットワークの拡大が期待できる
エンジェル投資家とつながることで、ビジネスに役立つ人や情報を紹介してもらえるチャンスが広がります。
多くの投資家は、他の起業家や経営者、大手企業とのネットワークを持っており、紹介を通じて商談や業務提携、採用といった新たな機会が生まれる場合も少なくありません。
たとえば、投資家の紹介でパートナー企業と協業が実現し、販路拡大やブランド認知の向上につながった事例もあります。
また、著名なエンジェル投資家からの出資実績は、第三者からの信頼につながり、次回以降の資金調達でもポジティブな材料として評価されやすくなります。
こうしたネットワークの広がりは、スタートアップの成長スピードを加速させる強力な後押しとなるでしょう。
エンジェル投資を受けるデメリット

エンジェル投資は多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。
ここでは、出資を受ける際に知っておきたいリスクや懸念点を整理して解説します。
(1)経営に介入される可能性がある
エンジェル投資を受ける際の懸念点のひとつが、経営への関与が強まる可能性です。
投資家は出資に対するリターンを意識しており、事業の方向性や意思決定に対して意見を述べる場合もあります。これは、「より成功の確率が高い選択をしてほしい」という理由があるからです。
特に出資比率が高い場合は発言力も強まり、起業家の思いや判断と食い違い、衝突が生じることもあるでしょう。
そのため、出資を受ける前に投資家がどの程度関与したいのかを確認し、価値観や期待のすり合わせをすることが重要です。
(2)資金調達額が少ない場合もある
エンジェル投資のデメリットは、1件あたりの調達額が比較的少ない傾向があることです。
日本のエンジェル投資家の平均投資額は約508万円とされており、自己資金から出資するという特性上、大型資金の確保には限界があります。
実際、出資レンジは数百万円〜数千万円が一般的とされ、ベンチャーキャピタル(VC)や金融機関からの融資と比べると、資金規模が小さくなりがちです。
そのため、プロダクト開発や全国規模でのマーケティングなど、多額の資金が必要な場合は、複数の投資家から出資を受けたり、VCや公的融資と組み合わせたりする工夫が求められます。
※参考:RIETI(独立行政法人経済産業研究所)「日本の起業家と起業支援投資家およびその潜在性に関する実態調査」
(3)企業成長への強い期待に応える必要がある
エンジェル投資を受けると、出資に見合う成長・成果を期待されるプレッシャーが伴います。
投資家はリターンを見込んで出資しているため、スタートアップにはスピード感ある成長を求める傾向があります。
そのため、投資家の期待と自身の成長戦略にズレがあると、心理的な負担になることもあります。
期待に応える姿勢は重要ですが、出資後も自社の軸を持ち、必要に応じて投資家と冷静に対話を重ねることが求められます。
エンジェル投資家の探し方

ここからは、エンジェル投資家を探すための代表的な手段と、それぞれの特徴について解説します。
(1)起業イベントやコンテストに参加する
エンジェル投資家と出会う方法の一つに、起業イベントやビジネスコンテストへの参加があります。
これらの場には、新たな投資先を探しているエンジェル投資家が、審査員や観客として参加しているケースが多く、事業計画を直接プレゼンできる貴重なチャンスです。
自社事業の熱意や将来性を上手く投資家に伝えられると、出資につながる可能性があります。
イベントによっては交流会が設けられており、名刺交換や意見交換を通じて、関係構築を図ることもできます。
(2)知人や経営者からの紹介を受ける
エンジェル投資家を探す方法の一つに、知人や経営者からの紹介があります。
信頼できる人物を通じたつながりは、エンジェル投資家との関係構築において有利に働きやすく、初対面でも一定の信用を得やすいのが特徴です。
特に、過去に出資を受けた経験のある起業家や、投資家と関係の深い経営者からの紹介は、有力な出会いのきっかけとなるでしょう。
ただし、紹介を通じて出会える投資家のタイプやスタンスも、紹介者の属性や関係性に大きく左右されます。
そのため、紹介元との信頼関係や、事前の情報収集が成功の鍵となります。
(3)マッチングサイトを活用する
エンジェル投資家を探す方法の一つに、マッチングサイトの活用があります。
起業家と投資家が互いのプロフィールや条件をもとに、オンライン上で効率よくマッチングできるのが特徴です。
あらかじめ投資家の情報を確認できるため、自社に合った出資者を比較・検討しやすいというメリットがあります。
ただし、中には、経験の浅い投資家や、不利な条件を提示する「ダークエンジェル」と呼ばれる人物が含まれているケースもあります。
マッチングサイトを利用する際は、運営会社の信頼性や登録投資家の実績をしっかり確認するようにしましょう
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相性の良いエンジェル投資家を選ぶ際のポイント

信頼できるエンジェル投資家と良好な関係を築くには、出資前の相性確認が欠かせません。
ここでは、自社に合ったエンジェル投資家かどうかを判断するためのチェックポイントを紹介します。
(1)実績や経歴を確認する
エンジェル投資家の支援スタイルや信頼性を判断するためには、これまでの投資実績や経歴を確認することが欠かせません。
どのような企業に出資し、事業がどう成長したのかや、投資家自身のビジネス経験や専門知識をチェックしましょう。公式サイトやインタビュー記事、出資先の声などから客観的な情報を集めると安心です。
なかには不誠実な投資家も存在するため、安易に話を進めず慎重に見極めるよことが大切です。
(2)価値観が一致しているかを見極める
投資条件だけでなく、事業に対する理解や共感があるかどうかも、投資家を選ぶうえで重要な判断軸です。
起業家が描くビジョンや価値観に対する理解が不十分だと、出資後の方向性にズレが生じ、信頼関係が崩れる恐れがあります。
特に創業初期は、数字よりも「なぜその事業に取り組むのか」といった熱意や意義が評価されやすい段階です。
面談やピッチ時には、起業家としての思いや背景を丁寧に伝え、相手の反応から価値観の一致度を見極めることが大切です。
(3)出資後の関与スタンスを確認する
出資前に、出資後どのような関わり方を希望しているかを確認しておくことも重要です。
エンジェル投資家の中には、資金提供にとどまる人もいれば、経営や意思決定に深く関与したいと考える人もいます。
このスタンスの違いを把握せずに出資を受けると、経営方針や意思決定を巡って意見の衝突が起きる可能性があります。
投資契約書や株主間契約では、投資家の関与範囲や意思決定権の有無が定められる場合もあるため、契約内容も含めて事前にしっかり確認しておきましょう。
出資前の段階で期待や価値観をすり合わせることで、出資後も良好な関係を築きやすくなります。
エンジェル投資を受けるまでの流れ

ここからは、エンジェル投資家から出資を受けるまでの一般的な流れをわかりやすく解説します。
(1)事業計画書やプレゼン資料の準備
エンジェル投資家から出資を受けるには、自社の事業を正確に伝える資料の準備が不可欠です。中でも、事業計画書やプレゼン資料は投資判断に直結する重要な資料となります。
以下のポイントを押さえて、簡潔かつ説得力のある資料を整えましょう。
- ・ビジョン
- ・ミッション
- ・ビジネスモデル
- ・市場規模・成長性
- ・顧客層
- ・差別化ポイント
- ・資金使途
- ・売上、利益予測
わかりやすく読みやすい構成を心がけ、プレゼンの練習も並行して行うことが大切です。
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『起業資金調達のための“事業計画書”の作り方』
(2)エンジェル投資家へのプレゼン
プレゼンは、資金調達において、起業家の魅力とビジネスの将来性を直接伝える重要な機会です。
創業初期のスタートアップは実績が乏しい分、起業家自身のビジョンや熱意が投資判断の大きな材料になります。
自社が解決したい社会課題や、市場を選んだ理由など、事業の背景や想いまでしっかり伝えることが大切です。
また、質疑応答では自信を持って対応し、誠実な姿勢で信頼関係の構築を意識しましょう。
(3)投資条件の交渉
プレゼンで投資家の関心を得られた場合は、具体的な投資条件の交渉に進みます。
この段階では、以下のような項目を中心に話し合いが行われます。
- ・投資額と実行時期
- ・株式の持分比率
- ・経営に関する意思決定にどの程度関与するか
- ・契約形態(投資契約、株主間契約、総数引受契約など)
投資家の関与範囲や持株比率によっては、経営の自由度や意思決定のスピードに影響が出る場合もあります。提示された条件を読み込み、自社の方針と照らし合わせて慎重に判断しましょう。
不明点があれば、弁護士などの専門家への相談も検討し、冷静に交渉を進める姿勢が大切です。
エンジェル投資家に選ばれるために意識すべきポイント

ここでは、エンジェル投資家から出資を受けるうえで、起業家が特に意識すべき3つのポイントを解説します。
(1)本気度や継続意志を示す
エンジェル投資家は、事業内容だけでなく起業家の人間性や覚悟を重視するため、事業に本気で取り組む姿勢を示しましょう。
創業初期の出資は回収リスクが高いため、熱意や粘り強さが信頼構築のカギとなります。
特に、困難な局面でも逃げずに行動できるか、長期的に事業を継続する覚悟があるかといった点は、投資判断において非常に重要です。
過去の挑戦エピソードや、起業に至った背景なども含めて、自分の想いや価値観を伝えると、信頼される人物像として印象づけやすくなります。
プレゼンや面談では、「この人に託したい」と思わせる熱意と言葉の重みが求められます。
(2)事業の強みと成長性を端的に伝える
エンジェル投資家から選ばれるためには、一目で伝わる資料設計を意識しましょう。
彼らは限られた時間の中で多くの投資案件に目を通しているため、短時間で魅力を伝えられることが重要です。
具体的には、市場規模や成長性、収益モデル、競合との差別化ポイント、自社独自の強みを、定量・定性の両面から整理して伝えましょう。
たとえば「〇年以内に売上〇倍」「市場シェア〇%の獲得を目指す」といった数字に裏付けられた目標を提示すると、説得力が高まります。
また、プレゼン資料は複雑になりすぎないように構成し、図解やチャートを効果的に使って要点が直感的に伝わるように工夫しましょう。
(3)投資家目線で出口戦略を設計する
プレゼンでは、投資家に「この企業ならリターンが見込める」と思わせる出口戦略を明確に示しましょう。
エンジェル投資家にとって、将来どのようにリターンを得られるか(=出口戦略)は、投資判断の重要な要素です。
IPOやM&Aの可能性、資金使途から逆算した成長戦略など、どのタイミングでどのように利益を得られるかを具体的に示す必要があります。
「5年以内にIPOを目指す」「〇社との提携によるバイアウトを見込む」など、明確な選択肢があると安心材料になります。
出口戦略が曖昧なままだと、投資家はリスクを感じてしまいます。現実的かつ筋の通ったストーリーを提示することが、資金調達成功の鍵です。
エンジェル投資家が出資するメリット・デメリット

エンジェル投資は起業家だけでなく、出資する側の投資家にとってもさまざまなメリットとリスクが伴います。
この章では、エンジェル投資家が出資を行う際のメリット・デメリットについて解説します。
(1)出資するメリット
エンジェル投資家にとって最大のメリットは、出資先企業の成長によって得られるキャピタルゲイン(株式売却益)です。
企業がIPOやM&Aを達成すれば、投資額以上の大きなリターンを得られる可能性があります。
また、起業経験や専門知識を活かして、若手起業家を支援したいと考える投資家も多く、社会貢献や次世代育成へのやりがいを感じられる点も、エンジェル投資の大きな動機となっています。
さらに、日本ではエンジェル税制の対象となる投資であれば、一定条件を満たすことで所得税の控除など減税措置が受けられるのも魅力のひとつです。
(2)出資するデメリット
エンジェル投資には、リターンを得るまでに長い時間を要するというデメリットがあります。
IPOやM&Aといった出口戦略が実現するには、数年から10年以上かかるケースもあり、短期での資金回収は現実的ではありません。
さらに、スタートアップへの出資は倒産や経営難のリスクが高く、最悪の場合は投資額がすべて失われる恐れもあるのです。
このように、エンジェル投資はハイリスク・ハイリターンな選択肢であり、損失のリスクを十分に理解した上で行う必要があります。
エンジェル投資家になるには?

エンジェル投資家になるには、まず余裕資金を確保し、リスクを正しく理解した上で、実践的な知識を身につけましょう。
エンジェル投資はハイリスク・ハイリターン。万が一資金を失っても、生活に支障が出ない範囲で行うことが大前提です。
そのうえで、業界動向やビジネスモデルへの理解、起業家の資質を見極める目も求められます。また、エンジェル税制や契約の仕組みなど、法務・税務の基礎知識も不可欠です。
実際に活動を始める際は、マッチングプラットフォームや起業イベントに参加し、経験を積みながらネットワークを広げていくことが重要です。初めての場合は、少額投資からスタートし、徐々に判断力を磨くとよいでしょう。
エンジェル投資家に関するよくある質問

ここからは、エンジェル投資家に関するよくある質問に回答していきます。
(1)エンジェル投資家とVC(ベンチャーキャピタル)の違いは?
一言で言えば、エンジェル投資家は「個人が自らの判断で支援する投資家」、VCは「組織的に資金を運用するプロ集団」です。
エンジェル投資家は、個人の資金でスタートアップや創業初期の企業に出資する個人投資家です。
自己判断でスピーディーに投資を決定できる点が特徴で、起業家への助言やネットワークの提供など、経営に深く関与するケースもあります。
一方、VC(ベンチャーキャピタル)は法人として投資家から資金を集めて運用しており、より多額の出資を行う傾向があります。
投資判断には複数の関係者が関与するため、審査や意思決定に時間がかかることも珍しくありません。また、VCはハンズオフ型で、経営に深く関与しないケースも多く見られます。
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『起業家の強い味方?ベンチャーキャピタルの現在動向』
(2)エンジェル投資家とのトラブルを避けるには?
エンジェル投資家とのトラブルを防ぐには、出資前のリスク確認と契約内容の精査が欠かせません。
まずは、投資家が反社会的勢力と関係がないか、投資経験が十分かを必ず確認しましょう。
さらに、契約内容の確認も重要なリスク対策です。投資契約や株主間契約には、投資家の関与範囲や意思決定への影響などが明記されている場合があるため、自社の経営方針と食い違いがないかを確認しましょう。
必要に応じて弁護士や会計士などの専門家を活用することで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
(3)エンジェル投資家の成功率は?
エンジェル投資とはハイリスク・ハイリターンな投資手法であり、その成功率は決して高くありません。
一般的に、エンジェル投資の成功率は1%程度と非常に低く、良くても10%程度と言われています。
これは、投資対象が創業初期のスタートアップであるため、事業の頓挫や倒産リスクが非常に高いことが主な要因です。
まとめ

エンジェル投資は、資金提供だけでなく、事業成長を後押しするパートナーとの出会いでもあります。
調達額の限界や経営への介入といった注意点もありますが、信頼できる投資家との関係構築や明確なビジョンの提示により、事業の成功の確度は高められます。
資金調達の選択肢の一つとして、エンジェル投資を前向きに活用し、自社に合った成長戦略を描いていきましょう。
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