規模の経済とは。コスト削減ができる仕組みと4つのメリット

最終更新日 2021年8月13日(金)
作成日 2021年8月13日(金)

作成日:2021/08/12

「規模の経済」とは、定まった生産設備を使用し、生産量が増えると単位あたりの費用が減少して利益が大きくなること。このような製品やサービスはさらに規模を大きくすることで収益も増大します。

 

つまり企業は、生産するひとつの製品の製造量を増やすことでその製造コストを下げ、価格を下げ、シェアを増大して販売量を増やしていく…という動きを取り、好循環させることで利益拡大を狙います。

範囲の経済および経験曲線効果との違いや、規模の経済のメリット、デメリットをご紹介します。

 

 

目次

■範囲の経済/経験曲線効果との違い
(1)範囲の経済との違い
(2)経験曲線効果との違い

 

■4つのメリット
(1)ライバル会社が参入しにくい
(2)うまく売れれば大きな利益となる
(3)1製品あたりのコストが削減できる
(4)価格競争に強い

 

■4つのデメリット
(1)規模の不経済が起きる可能性がある
(2)生産量にムラがあると逆効果になる
(3)初期投資のコストが大きい
(4)機械の許容範囲を超えるとコストが増える

 

■具体例

 

■規模の経済に適した組織構造

 

■まとめ
規模の経済について理解を深めよう

 

■範囲の経済/経験曲線効果との違い

(1)範囲の経済との違い

生産する数を増やして製造にかかるコストを抑えるのが「規模の経済」ですが、一方で「範囲の経済」というのがあります。「範囲の経済」は英語で「Economies of scope」と表記され、製品の種類、事業を増やすことで全体のコストを下げていくことを言います。

「範囲の経済」は、ひとつの企業に事業が集約されるイメージです。

(2)経験曲線効果との違い

英語で「Experience Curve Effect」と表記される「経験曲線効果」という考え方も、規模の経済と同じくコストが下がります。規模の経済との違いは、経験値を上げていくことで効率が良くなり、コストを下げる効果が発生するという点。

 

「経験曲線効果」は経験を蓄積していくことで得られる効果なので、一定の時間を要します。

 

4つのメリット

 

企業が規模の経済を実現するとさまざまなメリットがあります。

(1)ライバル会社が参入しにくい

規模の経済の効果によって、ひとつの製品のコストが減少して競争力が高くなっている状態になると、ライバル会社が参入しにくくなります。ライバル会社は、すでにコストを抑えている企業と競争をすることになるからです。

 

つまり、ライバル会社はさらに低価格で販売するところから始めなくてはならないため、参入するメリットがあまりないということになります。

(2)うまく売れれば大きな利益となる

規模の経済は「規模の利益」とも言われ、生産する規模を拡大することで利益も大きくなります。うまく売ることができれば莫大な利益へとつながります。

 

順調なときには、現設備で生産できる限界まで利益が増え続けることも期待できます。

(3)1製品あたりのコストが削減できる

当然のことながら、1製品あたりのコストは生産量が増加すればするほど削減できます。生産する量が増えるほど、1製品の製造にかかる費用、配送費などが抑えられるためコストが削減できるのです。

 

これがまさに規模の経済のメリットです。

(4)価格競争に強い

製品の単位あたりの費用が減少し、生産する量が増えていくと価格競争に強い状態になります。生産量が多くなればなるほど安価での製品製造が実現できるようになるためです。

 

そうなれば、販売価格を低く設定することも可能になってきます。このように「規模の経済」が働いている状態が続くと、生産量が増え、販売価格をさらに下げても利益が出せるというサイクルが生まれます。

 

価格競争に強い企業は、このような流れで製品を生産、販売し続けているところが多いようです。

 

4つのデメリット

 

リットが多い規模の経済ですが、デメリットもいくつかあります。規模を大きくしすぎたり、効果を得るための初期投資が負担になったりすると実現できない可能性があります。

(1)規模の不経済が起きる可能性がある

規模の経済の効果を得るためには原則があります。実は、その効果を得られる範囲があるということです。

 

規模を拡大しすぎると増産するための新たな設備やスタッフなどが必要になり、コスト増の状態になります。つまり、「規模の不経済」が起きてしまい、非効率性が発生してしまうのです。

(2)生産量にムラがあると逆効果になる

規模の経済は、生産量に波があるような状態を繰り返しているとその効果を得られません。規模にムラがあるとコストがかかってしまい、かえって不経済な状態になります。

 

ある材料は無駄になったり、別の材料は不足したりして効率よく生産できないということもあり得ます。規模の経済の効果を期待するのであれば、ムラなく大量生産を維持することが重要です。

(3)初期投資のコストが大きい

規模の経済の効果が分かりやすい製造業などでは、大量生産できる機械などへの初期投資が非常にかかってしまいます。バランスを考えなければ赤字となるケースも考えられるでしょう。

 

初期投資のコストが大きいという面は、規模の経済のデメリットのひとつ。初期投資を回収する前に製品が売れなくなると負債を抱えてしまうリスクがあるということです。

(4)機械の許容範囲を超えるとコストが増える

生産量が増加すればするほど、コストを削減できるのが規模の経済のメリットですが、製造できる機械の許容範囲を超えると逆にコストが増えるという現象が起こります。

 

たとえば、1台で10万個製造できる製造機しかないのに、13万個作らなければならなくなったとします。

はみ出した3万個分を製造するために、もう1台製造機を購入しなくてはならなくなり、莫大な購入費用が発生してしまうのです。規模の経済の効果を最大にするためには、機械の許容範囲の最大値で製造、販売し続けなくてはなりません(実際には納期を遅らせる等の措置もありますが、ここではシンプルなケースを例に挙げています)。

 

機械の許容範囲を超えたら、機械の購入費用だけではなく、在庫費用や人件費なども必要になるということも理解しておきましょう。

 

具体例

 

 

日本における規模の経済の具体例に、自動車メーカーがあります。材料などを大量に最大限安く仕入れ、利益率を最大化して販売しています。

 

反対に、隙を突かれたのが日本の液晶パネルメーカー。日本での液晶パネルの生産量が横ばいになっていたときに、大規模な投資を続けた韓国や台湾の液晶パネルメーカーに規模の経済の効果を最大限に見せつけられ、衰退してしまいました。

またコンビニエンスストアも、日本で規模の経済の効果を活用している例のひとつ。工場で集中的に商品を製造し販売しています。

 

規模の経済に適した組織構造

 

組織構造の中で規模の経済に適しているのが「機能別組織」です。事業に集中できる機能別組織は規模の経済の効果を発揮できる組織構造になっています。

 

専門職に特化している機能別組織は経営効率が良く、事業の規模が大きくなればなるほど、規模の経済の効果を活用することができます。技術や知識を共有しながら、経験を積んでいくことでスキルを向上していける組織です。

 

まとめ

規模の経済について理解を深めよう

英語では「Economies of scale」と表記される規模の経済は、生産規模を高めていくことでコストを低減させる効果を活用します。同じようなニュアンスで使われる言葉として「スケールメリット」というのもあります。

 

規模の経済は、ライバルとの競争においても有利に働く効果があるため、企業は競争に勝つために価格を下げてでもシェアを拡げることに集中します。そして業界標準となった製品やサービスは、企業に莫大な収益をもたらしてくれるようになります。

 

利益率が向上し、事業の拡大を狙える規模の経済について理解を深め、活用してみましょう。

 

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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