ITコンサルタントにおすすめの資格一覧!取得すべき資格や難易度も解説
最終更新日:2025/05/16
作成日:2019/05/20
「資格は評価されない」といわれるIT業界での転職。日本企業では資格よりも経験が重視される傾向にありますが、外資系企業では資格を持っていると評価されます。
ITコンサルタントとしてキャリアアップをしたり、転職をしたりするには、資格取得も視野に入れましょう。 ITコンサルタントおすすめの資格を紹介します。
目次
■ITコンサルタントになるには資格が必要?取得するメリットは?
■ITコンサルタント未経験者におすすめの資格一覧
(1)基本情報技術者
(2)CompTIA Project+
(3)TOEIC
(4)ビジネス統計スペシャリスト
■ITコンサルタント経験者におすすめの資格一覧
(1)応用情報技術者
(2)プロジェクトマネージャ(P2M)
(3)中小企業診断士
(4)PMP
■ITコンサルタントの資格試験に合格するための勉強方法
(1)市販の参考書で勉強する
(2)セミナーやITスクールに参加する
(3)地頭を鍛える
■資格取得は転職・キャリアアップに有利?日系企業と外資系企業の違い
■ITコンサルタントはやめとけと言われる理由とは
(1)幅広い業務をこなすため、多忙な印象を持たれる
(2)勉強し続けなければならない
(3)単調な作業が多い
(4)顧客とのやり取りが多い
(5)一生懸命考えた提案もボツになることがある
■ITコンサルタントも自分の指向性を考えよう
(1)資格より経験が重要視されやすい開発系プロジェクト
(2)自分の技術や経験を公開しアピールする
■経営を視野に入れたITコンサルタントのキャリアアップ
(1)情報系の資格の集大成「ITストラテジスト」、経済産業省推進の「ITコーディネーター」
(2)即評価には繋がりにくくても、取得を念頭に置いておくべき資格とは
■IT以外の知識も身に付けよう!注目度の高い技術・分野の資格
(1)ビッグデータ関連の資格
(2)AI関連の資格
ITコンサルタントとは

ITコンサルタントとは、ITを活用して企業の課題を解決する専門家です。企業の業務効率化や経営改善などを実現させるために、計画の策定からツールの導入・支援まで一気通貫で支援します。
ITコンサルタントの仕事は、企業へのヒアリングや分析から始まります。導入済みのシステムの使い方、業務フローなどをヒアリングします。集めた情報を分析したら、新たなシステムの導入やコスト削減などを提案します。
この際、顧客を納得させる説明が必須であるため、論理的思考力やコミュニケーション能力が欠かせません。採用されたプロジェクトのスケジュール・人員の管理、クオリティ維持などを徹底して行うことも、業務のひとつです。
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ITコンサルタントになるには資格が必要?取得するメリットは?

ITコンサルタントに資格は必須ではなく、持っている人だけが業務を行える「独占資格」も存在しません。
しかし、資格取得に向けて勉強するうちに、実務で使える専門知識が増えるのは大きなメリットです。ビジネスパーソンとしての評価が上がり、企業によっては昇給のチャンスも増えるでしょう。
資格保持を求人の応募条件とする企業もあるため、資格が転職時に役立つ可能性があります。キャリアアップを目指す場面では、資格取得が必要となることを把握しておきましょう。
さらに、実務経験を積みながら資格取得を目指すと、より深い知識が身に付きます。ITコンサルタントの資格取得にはさまざまな魅力があるため、目指しておいて損はありません。
ITコンサルタント未経験者におすすめの資格一覧

ここからは、ITコンサルタント向けの資格を7種類紹介します。「未経験者向け」と「経験者向け」に分けて紹介するので、自分の経験値に合わせてチェックしてみてください。
まずは、ITコンサルタント未経験者向けの資格を、以下の3種類から紹介します。
- ・基本情報技術者
- ・CompTIA Project+
- ・ITILファンデーション
(1)基本情報技術者
基本情報技術者は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格で、ITエンジニアの登竜門と言われる資格です。
ITに関する基本的な知識に加え、経営やマネジメントに関する知識も習得できます。まずは基本情報技術者を習得し基礎を定着させて、その後に応用力の幅を広げていくことが大切です。
(2)CompTIA Project+
CompTIA Project+は、プロジェクトマネジメントの知識を評価する国際的な認定資格です。特に、小規模または中規模のプロジェクト管理に必要なスキルを証明できます。
本資格は、12ヶ月のプロジェクトマネジメント経験に相当するスキルを評価できるように設計されていて、プロジェクト管理や適切なコミュニケーション、セキュリティ対策などの基本知識を習得可能です。
(3)TOEIC
TOEICは、英語力を測ることができる国際的な資格です。一般的な資格のように合否判定されず、点数で英語力を示すため、自分のレベルを把握できます。
リスニングとリーディングがそれぞれ495点分出題され、満点は990点です。簡単なビジネス英語が理解できるレベルが600点程度とされていて、履歴書で英語力をアピールするなら最低限目指したいラインです。
ITコンサルタントとして将来的にグローバルに活躍したい人は、受けておいて損はありません。テスト内容はビジネスや日常生活で実践できる英語力が問われるため、実践力が身に付きます。
(4)ビジネス統計スペシャリスト
ビジネス統計スペシャリストは、データ分析の実践力を評価する認定資格です。社会人が頻用するExcelを用いたデータ分析技能と、分析結果を正確に理解する力を養うことができます。
データサイエンティストなどの専門家に要する技術でなく、ビジネスの実務で用いるデータ分析スキルが身に付きます。コンサルティング会社や金融機関で活きる資格だと好評です。
新卒でITコンサルタントを目指す学生や、第二新卒のうちに取得しておくと、ほかの求職者と差を付けられます。
資格を取得すると業務に直接活かせるだけでなく、データをさまざまな切り口から見ることができ、ビジネスでの視野が広がるでしょう。
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ITコンサルタント経験者におすすめの資格一覧

続いて、ITコンサルタント経験者向けの資格を以下の4種類紹介していきます。
- ・応用情報技術者
- ・プロジェクトマネージャ(P2M)
- ・中小企業診断士
- ・PMP
(1)応用情報技術者
応用情報技術者はIPAが主催する国家資格で、基本情報技術者の上位資格です。
システム開発の実務経験が豊富な人向けの試験で、独力で信頼性と生産性の高いシステムを構築することが求められます。他には、プロジェクトマネジメントやシステム監査、法務など幅広い知識が出題されます。
知名度と難易度が高いため、取得すればキャリアアップや転職に活かせる可能性が高いでしょう。
(2)プロジェクトマネージャ(P2M)
プロジェクトマネージャー(P2M)は、日本プロジェクトマネジメント協会が認定する資格です。プロジェクトの目的に合わせて期間や予算などの条件を組み立て、管理する能力を評価できます。
プロジェクトマネジメントに加えて、複数のプロジェクトを統合的に管理する「プログラムマネジメント」の知識が問われる試験です。
資格レベルによって4種類の試験があるため、入門のPMCから挑戦しましょう。
(3)中小企業診断士
中小企業診断士は、企業の経営課題を診断して解決へ導く専門家で、コンサルタントとしての能力を証明する資格とも言われています。資格があれば企業の経営改善に限らず、新規事業の計画や人材育成など幅広い分野で活躍できます。
難易度の高い国家資格であるため、取得すれば上司や顧客などから高い評価が得られるでしょう。
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『中小企業診断士の資格を取得するメリットとは?難易度なども解説』
(4)PMP
PMPは、プロジェクトマネジメントに関する知識を証明する資格で、米国PMI(プロジェクトマネジメント協会)本部が認定しています。
PMI日本支部のデータによると、本資格は世界で約157万人が取得していて、世界中で認知度が高い資格と言われています。
PMPの受験には条件があり、学歴やプロジェクトマネジメントの実務経験が定められていることに加えて、35時間の事前学習が必要です。ITコンサルタントとしてグローバルに活躍したい人に適した資格といえるでしょう。
参考:一般社団法人 PMI 日本支部|アニュアルレポート2024
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ITコンサルタントの資格試験に合格するための勉強方法

ここからは、ITコンサルタントの資格試験に合格するための勉強方法を解説します。
- ・市販の参考書で勉強する
- ・セミナーやITスクールに参加する
- ・地頭を鍛える
(1)市販の参考書で勉強する
資格取得を目指す際は、参考書を用いて勉強するのが一般的です。独学であれば料金を抑えつつ、自分のペースで勉強できます。
参考書で勉強する際の注意点は、説明部分を読む時に最初から質を求めすぎないことです。参考書を開いても聞き馴染みのない用語が頻繁に出てくると、先を読み進めることができません。
最初に全てを理解できなくても、何度も読み返すうちに、段々と理解できるようになるでしょう。
インプットと組み合わせて、問題集や過去問に早めに取り掛かるのもポイントです。繰り返し問題を解くことで、得意と苦手が整理でき、勉強の効率アップにつながります。
参考書はいろいろ手を出さず、数を絞って勉強することが大切です。複数の参考書を用いると、どれも完璧に仕上げることができず、どの内容も習得できないままになってしまいます。
闇雲に勉強せずに、効率的で自分に合う勉強方法を見つけましょう。
(2)セミナーやITスクールに参加する
セミナーに参加したりITスクールを受講したりすると、効率的に知識を定着できます。プロの力を借りて、アドバイスを受けながら学べるからです。
参考書で勉強してみたものの、なかなか勉強が進まない場合には、セミナーやITスクールの利用を検討しても良いかもしれません。
ITコンサルタントに関するセミナーでは、現役のコンサルタントから直接フィードバックを受けることができます。ITコンサルタントの本質が理解でき、資格勉強の精度が向上するでしょう。
また、ITスクールでは、資格取得という目標達成のために、最短ルートのカリキュラムが用意されています。講師に直接質問できるITスクールであれば、都度疑問を残さずに学習に励めるのも魅力です。
(3)地頭を鍛える
ITコンサルタントの資格を取得するためには、地頭を鍛えることが大切です。地頭の良い人が持つ論理的思考力や直観力があれば、学習効率が上がります。
また、地頭の良さはITコンサルタントとして活躍する際に必要な要素であるため、仕事に活かせるように鍛えておきたいところです。
地頭を鍛えるには、「フェルミ推定」という方法があります。フェルミ推定は、限られた情報から答えを導き出す方法です。予想不可能な状況での意思決定や、情報が不足している時の分析に有効となっています。
コンサルタント業界の面接では、フェルミ推定の利用を求められることが多いため、対策しておきたいポイントのひとつです。
資格取得は転職・キャリアアップに有利?日系企業と外資系企業の違い

ITコンサルタントなどのプロフェッショナル人材を確保したいと考えている外資系企業の場合、資格取得は「客観的な評価基準」となっているケースも珍しくありません。
日本企業の場合は、長年培ってきたシステムがあるため、経験を積ませて、ある程度育成していくことを前提としています。
その一方で、海外の企業では有資格者を経験者とみなし、即戦力として投入していくケースもよく見られ、資格保有が採用で有利に働く傾向があるようです。
外資系企業が高く評価するのは、国際的な資格です。例えば、以下のような資格を持っていると評価される傾向があります。
<システムネットワーク関係の資格>
- ・CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)
<セキュリティー関係の資格>
- ・CCSP(Cisco Certified Security Professional)
- ・CISSP(Certified Information Systems Security Professional)
- ・GSE(GIAC Security Expert)
<Red Hat関係の資格>
- ・RHCE(Red Hat Certified Engineer)
- ・RHCA(Red Hat Certified Architect)
こうした資格は日本でも業界内で知名度が高いので、高い専門性が求められる日本企業でも、一定の評価を受けられるでしょう。
資格を評価してくれる企業は、一定のITリテラシー・ビジネスリテラシーを持つ人が多くいると考えられるため、転職先選択の判断材料の一つにもなります。
ITコンサルタント向けの資格を選ぶ際の注意点

数多くのシステムが混在しているIT業界には、マイナーな資格も数多くあります。
よほど転職先のターゲットを絞らない限りは、マイナーな資格が採用に有利に働くということは、ほぼありません。マイナー資格を闇雲に数多く取得したとしても、キャリアアップにも繋がらず、転職活動では無意味になるケースもあるのです。
一般的に、マイナーな資格取得に時間と費用をつぎ込むことは、できるだけ避けるべきです。自分がどのような資格を取得すべきなのかは、経験者からの情報のほか、Webなどで試験の情報を収集して判断すると良いでしょう。
資格認定の主催者側が知名度を上げる努力をしていないような資格試験は、避けたほうが賢明です。しかしながら、世間的にマイナーとはいっても、業界の一部では高い評価を受けている資格も存在します。
ある程度、転職先を絞り込んでも良いというITコンサルタントは、そうした資格にチャレンジしてみる価値はあります。
既に資格を持っている方は、プロ人材向けの求人を探してみると良いでしょう。
ITコンサルタントはやめとけと言われる理由とは

ITコンサルタントは高年収が狙える、達成感や責任感が大きい業務であるなど、さまざまなやりがいがある仕事です。その一方で、「やめとけ」というネガティブな声も一部あります。
ここからは、ITコンサルタントがやめとけと言われる理由を解説します。
- ・幅広い業務をこなすため、多忙な印象を持たれる
- ・勉強し続けなければならない
- ・単調な作業が多い
- ・顧客とのやり取りが多い
- ・一生懸命考えた提案もボツになることがある
ネガティブな声を事前に確認して、納得した上で業務を行うと後悔が少なくなります。
(1)幅広い業務をこなすため、多忙な印象を持たれる
ITコンサルタントは幅広い業務をこなす場面があり、多忙な印象を持たれてしまいます。
特に少人数でのプロジェクトの場合、1人への業務負担が増えてしまい、残業が増えることが多いでしょう。トラブルが起きると少人数で対応しなければならず、手が回らなくなってしまう可能性があります。
しかし近年では、テレワークを導入する企業が増え、以前と比べると働きやすい環境が整っています。
プロジェクトに参画していない時期は、まとまった休暇を取ることが可能なので、企業の制度を上手く活用して、心も体も休ませながら働くことが大切です。
(2)勉強し続けなければならない
ITコンサルタントは、働きながら勉強を続けなければなりません。IT業界の情報は移り変わりが早いため、新しい情報を習得し続ける必要があるからです。
ITコンサルタントは業務が多忙な中、並行してインプットすることが負担に感じてしまう可能性があります。
ただし、どのような業界・職種に進んでも、資格取得や技術習得が求められることが多いため、ITコンサルタントだけが継続的な学習をしなければならないというわけではありません。
(3)単調な作業が多い
ITコンサルタントの業務は、想像している以上に単純な作業が多い可能性があります。ITコンサルタントと聞くと、華やかで目立つ仕事をイメージしてしまいがちですが、中身を見るとそうではない部分も多いです。
例えば、顧客が依頼してきた目的を叶えるために、現状の把握や情報収集などを徹底して行う必要があります。その業務は表に立つことはなく、コツコツと取り組むことがほとんどです。
人前に出て仕事をしたり、プロジェクトを動かしたりするだけが業務ではないことを理解しておきましょう。
(4)顧客とのやり取りが多い
ITコンサルタントは顧客とのやり取りが多く、大変と言われることがあります。プロジェクトは顧客の要望に応えることが目的で、情報収集や確認の頻度が増えてしまうからです。
顧客の依頼内容が変わったりトラブルが起きたりしても、柔軟に対応しなければなりません。
顧客の要望を叶えるために試行錯誤していると、残業が増えてしまうこともしばしばあります。
(5)一生懸命考えた提案もボツになることがある
ITコンサルタントの業務では、一生懸命考えた提案がボツになってしまうことがあります。最終決定権は顧客にあるため、的確な提案をしても通らない可能性があります。時には、納得できない方向に業務が進むこともあるでしょう。
自社が主体となってサービスを提供したい場合、事業会社の方が向いている可能性が高いです。
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ITコンサルタントも自分の指向性を考えよう

ITコンサルタントとして活躍するために、資格や経験をどのようにアピールすると有利に働くのか気になるところです。ここからは、ITコンサルタントの指向性について解説します。
(1)資格より経験が重要視されやすい開発系プロジェクト
一般的にIT技術といっても、システムの開発系の資格よりもインフラ系の資格のほうが求人では高く評価される傾向があるのは、外資系でも日本の企業でも同じです。
また、開発系の場合は、資格よりも経験や実績が重要視される傾向が強いようです。「TOEICの得点だけで直接的に英語能力の判断ができない」という話と同様に、資格だけでは現場で求められている能力を量れないという話があります。
一方でインフラ系の場合は、資格から「現場でそれ相応の操作体系がこなせるであろう」とある程度判断できるというわけです。このことから、「評価される資格」という観点で考えると、インフラ系の資格は有効と言えるかもしれません。
そのような中でも、特にITコンサルタントへ転職する場合などは、開発系かインフラ系かを問わず、IT関連の資格保有が有利に働くケースもあるはずです。
たとえば一企業の一部門に長く在籍していたというだけでは、たとえその人のIT技術が高くとも、客観的にITコンサルタントとしての能力を評価するのは難しいものがあります。
しかし、何か取得している資格があった場合は、そこから一般的な知識や能力の評価とすることができるのです。
さまざまなシステムを相手にするITコンサルタントの場合、特殊な技術や独自のシステムに特化した経験を積んだ人材よりも、一般的に幅広い知識や能力が求められる傾向にあります。
特定分野に対して高度な知識よりも、柔軟に相手のシステムに対応できる人材がITコンサルタントには求められているというわけです。
(2)自分の技術や経験を公開しアピールする
エンジニアとして自分のスキルや技術を活かした転職がしたいと考えている人は、一般化している技術や知識を持っていることをアピールするよりも、資格取得によって自分の技術や経験を公開しアピールしていくほうが良いでしょう。
最近では、開発技術であればGitHubなどを活用してオープンソースとして公開したり、プロ人材を募集しているサイトに登録する方法もあります。
そうした方法を使って、独自のスキルをアピールしたことがキャリアアップに繋がったというケースも多くあります。より専門的な資格も存在するので、自身の方向性に合っているかどうか調査し、取得を目指すのも良いでしょう。
転職を考えるうえで、特定の業界内でピンポイントで評価されている資格は、守備範囲は狭いですが一つの狙い所になるかもしれません。
たとえば、ISMS審査員資格は、マイナーですが特定の業界で評価を受けている資格です。
医療情報の電子化に関係するプライバシー保護やセキュリティー確保について定められている法律に関する資格で、まずISMS審査員補という、情報技術分野の実務経験が必要な資格を取得しなければなりません。
求人数は少ないものの、業務内容とマッチしていれば、好待遇が見込めるでしょう。
経営を視野に入れたITコンサルタントのキャリアアップ

ITコンサルタントに欠かせない経営の知識を身に付けるためには、どのような資格を取得するべきなのか気になる方がいるかもしれません。
ここでは、経営を視野に入れたITコンサルタントのキャリアアップについて解説します。
(1)情報系の資格の集大成「ITストラテジスト」、経済産業省推進の「ITコーディネーター」
ITコンサルタントでも、事業計画からの立案を意識している高度なプロ求人などでは、転職に際して国家資格のITストラテジストなどの資格取得が求められるケースもあるでしょう。
ITストラテジストの資格の保有者は、「専門的知識等を有する労働者」として、労働基準法において特例扱いの対象となります。ITストラテジストは、業界内でも経験を積んだ人が受験する資格として知られており、合格者の平均年齢も高めです。
また、中小企業の経営上の課題解決を担うようなITコンサルタントでは、経済産業省推進資格のITコーディネーターという民間資格も一定の評価があります。
特定の資格を保有していると試験の一部を免除される制度があるため、資格取得者の約半数が、高度情報処理技術者や中小企業診断士、税理士、公認会計士などの専門資格を併せ持つことが多いようです。
すでに中小企業診断士などの専門スキルの資格を取得している方は、キャリアアップのためにITコーディネーターの資格を取得するのも良いでしょう。
(2)即評価には繋がりにくくても、取得を念頭に置いておくべき資格とは
IT技術と経営を結びつける資格として、プロジェクトマネジメントに関する国際資格であるPMP資格や、サプライチェーンマネジメントを担うSCM検定、全社的リスクマネジメント体制を構築する知識が求められるCRM資格などがあります。
これらの資格は、経営を視野に入れたキャリアアップを考える場合には取得を考えておくのも良いでしょう。
ITコンサルタントとしては持っておいて当然と見られるかもしれないため、中小企業診断士などと合わせて、いずれかの段階での取得することをおすすめします。プロ人材を求めているサイトに登録する際などは、できるだけ記載しましょう。
ただし、PMP資格やSCM検定、CRM資格にしろ、日本企業の求人や採用時の評価としてどの程度活用されているのかというと、少々疑問があります。
もちろん、それぞれに知名度があり有益な資格なので、社員の取得を推進している企業も多いものの、IT技術者として日本でその資格を活かした転職を考えるとなると難しいかもしれません。
逆にいえば、取得していなくともあからさまに不利になるケースは少ないと言えそうです。

IT以外の知識も身に付けよう!注目度の高い技術・分野の資格

IT技術に特化した資格はもとより、注目度の高い分野や技術の資格取得も、転職や昇進・昇格のために有利になる可能性があります。
(1)ビッグデータ関連の資格
近年では、ビッグデータの利用が一般化されていく中で、統計に関する資格にも注目が集まっています。
たとえば、ビッグデータ分野ではHadoop関連の資格があります。すでに導入している企業や運用を検討している企業に対しては、エンジニアとしてHadoop関連の資格を保有することは良いアピールになるでしょう。
統計などの全般的な資格としては、専門統計調査士がアピールにつながります。日本では、統計調査士と専門統計調査士の二つに合格する必要があり、統計データの利用の高度な専門知識を持っていると評価されます。
これらの資格も、中小企業診断士などの資格と合わせて取得しておくと、活躍の場がさらに広がります。
(2)AI関連の資格
今後は、人工知能分野の技術者不足が予想されており、AI関係の資格試験も増えてきています。たとえば、AIやディープラーニングの基礎知識・リテラシーを習得できるG検定、生成AIについて学べる生成AIパスポートなどが有名です。
実際にどのように評価されるかは未知数な部分もありますが、IT技術者としての転職に際して、自分の興味をアピールする際に役立ちます。
最新技術に近い資格は、試験が英語のみである場合も珍しくありませんが、英語が苦にならず、外資系の企業に転職を考えている方にはおすすめです。
まとめ
ITコンサルタントとして働きたいなら、自分のキャリアデザインや希望を明確にして、そこから取得するべき資格などを検討しましょう。
転職でキャリアアップを目指して資格取得を考えている方は、当然できるだけ上位資格の取得を目指すべきです。上位の資格であれば、実務経験がない場合でもそれなりの評価が期待できます。
しかし、資格ではなく高いコミュニケーション力や問題解決力を重視する企業もあります。
元々コンサルティングの経験や知識があり、IT系の資格を保有している方がITコンサルタントとして転職する際には、その経験や知見に付け加える形でIT関連の資格を取得し、自分の技術や知識、そして望んでいるキャリアの方向性をアピールするのがおすすめです。
ご自身が目指す方向性に合わせアピールすべきポイントを洗い出し、不足しているスキル・知識を補うためや、長所をより強く押し出すために、上手に「資格」を活用しましょう。
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