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<プロ監修>個人で起業するには?独立前に知っておきたいこと

最終更新日:2021/03/26
作成日:2016/05/17

手掛けた案件でクライアントの信頼を得て、そこからさらに次のクライアントを紹介してもらう。そんな理想的な顧客獲得の流れを掴んでいるコンサルタントからも、「起業後しばらくの間はビジネスをうまく回すことができなかった」という言葉を耳にすることがあります。

その原因に、起業前の準備が十分でなかったことを理由に挙げる起業経験者は少なくありません。

会社員コンサルタントからフリーランスのコンサルタントへ。資本金、税金、事業計画、開業届など、起業するなら知っておきたいこととはどのようなことでしょうか。いざ起業してから本業以外の業務に時間を取られ過ぎないよう、起業に必要な事前準備を確認しておきましょう。

 

目次

■「独立や起業前の準備が十分でなかった・・・」と嘆く前に

 

■起業するなら知っておきたい仕組みやお金のこと
(1)起業とは?フリーランスとは?
(2)あらかじめ必要な起業資金はいくらくらいか
(3)資金調達、補助金制度、お金の管理方法
(4)起業を成し遂げた先人からのアドバイス

 

■事業計画は「WHAT」よりも「WHY」に視点を!
(1)事業計画の策定
(2)「融資」や「税務」の知識装備

 

■心の支えはやっぱり家族。起業の前にしっかりじっくり相談を
(1)家族の理解と協力の取り付け

 

※本コラムは、2021年3月26日に「独立や起業する前に、まずやっておきたい3つのコト」を再構成したものです。

 

 

「独立や起業前の準備が十分でなかった・・・」と嘆く前に

 

コンサルタントとしてさまざまな案件を通して経験を積んだビジネスパーソンが、次のステップを目指す方法の一つに「独立」や「起業」があります。

自分のイメージしたサービスの形を表現しながら追及していけるという世界観に、独立して起業することに魅力を感じているコンサルタントは多いのではないでしょうか。ITコンサル、戦略コンサル、プロジェクトのPMやPMOなど、どの分野に従事していても共通する思いがあることでしょう。

 

当然ですが、起業した瞬間、あなたは「コンサルタント」であると同時に「経営者」にもなります。コンサルタントとして一社一社のクライアントに価値を提供し、関係性を構築することに全力を注ぐのはもちろんのこと、「経営者としての仕事」にも同じように全力を尽くす必要が生じてくるのです。

会社員時代にはなかった業務が増えるのに加えて、独立ならではの「プレッシャー」や「孤独」にさいなまれることもあるでしょう。

 

そんな事態を避けるために、独立や起業する前にやっておくべきことにはどんなものがあるのでしょうか。

 

 

起業するなら知っておきたい仕組みやお金のこと

(1)起業とは?フリーランスとは?

これまでは、「起業」というとオフィスを借りて株式会社を立ち上げるのが一般的でした。しかし現在は、個人事業主(フリーランス)という方法でもっと身軽に開業する人も増えています。では、株式会社を設立する場合とフリーランスとして開業する場合の、それぞれの特徴を確認していきましょう。

 

株式会社を設立すると、不動産や銀行との契約を締結しやすくなります企業によっては個人事業主とは業務契約を結べないという場合もあるため、株式会社の設立は、取引相手に安心を与えることができるのがメリットのひとつと言えます。

 

個人事業主(フリーランス)として起業するには、独立に必要な設備(パソコンや携帯電話などの基本的なものなど)を整えればスタートすることができます。資本金など、開業に必ずかかる大きな費用などは基本的にはありません

また、“開業届”も独立したからと言って必ずしも必要なわけではありません(届け出の有無にかかわらず、納税や確定申告(所得があった場合)義務は発生します)。しかし開業届を提出することで、青色申告ができる、社会的信用が生まれるなどのメリットもあるため、自身にとってどの選択がベストな方法かをしっかりと検討しましょう(※1)。

(2)あらかじめ必要な起業資金はいくらくらいか

前述した通り、必要な起業資金は、株式会社を立ち上げるのか、個人事業主としてスタートするのかによっても変わります。

株式会社を立ち上げるには、資本金は1円からでもスタートできますが、手続きを全て自分で済ませても、法定費用だけで20数万円の費用が掛かります。

個人事業主として今ある物資を使って起業するのであれば、極論を言ってしまえば起業そのものに対するお金は0円でスタートすることも可能です。

 

とはいえ、起業そのものはあくまでスタート地点。これから進んでいく道のりでもちろん資金は必要です。ビジネスにかかる費用とは別に、当面の生活費などもその一つ。せっかく立ち上げた自身のビジネスが立ち行かなくなってしまわないように、最初から軌道に乗るのはなかなか難しいと考えてお金の計画を立てましょう。起業するにはシビアな目が必要です。

 

また、この機会に所得税や住民税、法人税、消費税などの税の仕組みのほか、年金や健康保険などの社会保険の仕組みを学びなおしておくこともおすすめです。起業、独立すれば、全て自分で手続しなければなりません。税理士や社会保険労務士にお願いすれば代行してくれますが、それもスタート早々にその費用を捻出できる余裕があればのお話です。

(3)資金調達、補助金制度、お金の管理方法

独立を決めたら資金の貯蓄を開始することはもちろんですが、クラウドファンディング、エンジェル投資家や補助金の活用など、さまざまな資金調達方法があります。

見切り発車ではいけませんが、準備万端に整うまで待っていてはチャンスを逃してしまうこともあるかもしれません。時は金なり。時間も有効に使えるよう、外部の力も上手に活用しましょう。

◆こちらもどうぞ◆

起業資金をクラウドファンディングで集めたい!そのために必要な準備とは?
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(4)起業を成し遂げた先人からのアドバイス

ここでは、実際に起業を経験したフリーコンサルタントのアドバイスをご紹介します。

 

―開業時の資金管理のポイントは?

お金の管理は、AboutではなくJustに捉えなければならない点ですね。

お金のことを二の次にして独立し必要なものから順番に支払い、収入もままならない中気付いたら貯金も底を尽いた…などと言うことは、絶対に避けなければなりません。

独立後もきちんと生活が送れるように、当面の事業資金に加え、できれば半年間の生活資金を蓄えた上で独立することをおすすめします。

 

特に30~40代で独立する場合、配偶者がいたり子供の養育費が必要であったり、住宅ローンを抱えていたりと何かと生活費がかさむ時期です。生活費がショートしてしまうと、家庭環境や家族関係にも悪影響を及ぼします。その結果「貧すれば鈍する」で仕事に集中することも出来なくなってしまうので、そこは十分注意してください。

 

―事業資金についてのアドバイスは?

開業に必要な開業資金と、開業後に事業を維持するために必要な運転資金も、想定外の出費で一気に貯金を食い潰してしまうことが多いです。

少なくとも開業後半年を見通した上で、開業資金と運転資金に分けて出費が予想される費用項目とその金額を綿密に洗い出す必要があります。

 

具体的な開業資金は以下の通り。
・株式会社設立の場合の法定費用
・事務所を構える場合、事務所にかかる契約費用
・仕事に必要なパソコン、プリンタ、タブレット、各種通信インフラ、デスク、椅子、キャビネットなどの事務機器
・名刺、パンフレット、ホームページなどのツール作成費 など

 

運転資金は以下の通り。
・事業を維持するための通信費、賃貸料、水道光熱費
・営業活動に伴う交通費、会食費、会費 など

 

事業資金の負担が少ないと言われるフリーコンサルタントであっても、開業から半年間に係る出費は、実際には数百万円は覚悟するケースが多いと思います。

 

―事業資金が足りない時は?

事業資金の不足を補うものとして、金融機関や公的機関の融資を活用する方法もありますが、審査も厳しく、融資を受けられたとしても返済の義務を免れることは出来ないので、活用の判断は慎重に行なうべきでしょう。

 

そのほかの手段として、公的機関の助成金や補助金を活用する方法があります。返済の義務がないお金なので、条件が揃うのであれば検討する価値はあります。ただし、融資以上に審査が厳しいことは覚悟してください。

また、クラウドファンディング個人投資家を利用する方法もありますが、これにはある程度の知識と事業の将来性が求められます。安易に考えるのは危険だと思います。

 

実際のところ親族からの出資や融資に頼る人も多いようですが、独立開業を目指すのなら、事業資金は自分自身の力で調達するくらいのモチベーションは持ちたいものですね。

 

―実際の資金管理のポイントは?

開業時に必要な資金は、事業資金としては開業資金運転資金、それに加えて生活資金です。

 

必要資金を貯蓄・調達する時には、事業資金と生活資金の区別を意識する必要はありませんが、開業以降は事業資金と生活資金を明確に区別して管理する必要があります。

その目的は予算管理を明確にするためが第一ですが、税務において必須事項になるのであらかじめ理解しておく必要があるのです。

 

例えば、株式会社を設立する場合、開業資金の多くは会計上の資産として計上運転資金の多くは会計上の仕入原価・販売管理費に当たるため、必ず出費を証明する領収書などが必要になります。

生活資金は役員報酬から給料として引き当てることになります。この区分けを怠ると、初年度の決算で大混乱を招くことになるので、必ず実行しなければなりません。

 

個人事業主でも、確定申告時には事業収支と個人収支を明確に分けることを求められますので、いずれの場合にも必ず事業資金と生活資金を個別に管理する必要があります。

具体策としては、それぞれの資金の金融機関の口座を分けることに尽きます。そして、安易に口座間の資金移動はしないことです。

 

また、株式会社を設立してまもなくは、法人名義のクレジットカードすら作ることが難しくなりますので、一時的に個人名義のクレジットカードを流用することになります。

その際、普段使っている個人名義のクレジットカードを流用するのではなく、事業用として新規に個人名義のクレジットカードを作っておくことをおすすめします。

独立直後の収入のない状態では個人名義のクレジットカードを作ることも難しくなるようなので、必ず開業前に実行しておいてください。

 

 

事業計画は「WHAT」よりも「WHY」に視点を!

(1)事業計画の策定

事業を立ち上げる際、まず作成するのがこの事業計画です。「そんなのは当たり前」と思う方も多いかもしれませんが、あらためて事業計画を見直してみましょう。

その事業計画は、本当に今後の“道標”になってくれるものに仕上がっているでしょうか?

 

コンサルが事業計画を作り込んでいく過程では、「コンサルタントとして自分がクライアントに提供できる価値は何か?」、「独自性のある良質なサービスは何なのか?」といった「何?」という部分に視点を合わせてしまいがちです。

 

もちろん「何のコンサルタントをするのか」という説明は必要であり、それも間違いではありませんが、事業の根幹となる計画を作る際には、「何をするのか(WHAT)」を設定する前に「なぜそれをするのか(WHY)」という視点で考えるのがおすすめです。

「自分は“なぜ”独立するのか?」「“なぜ”その領域のコンサルタントを目指すのか?」といった「なぜ?」を考えることに意味があり、それを事業計画に盛り込むのです。

自分が本当にやりたいこと、やるべきことは何か。起業するには、自分の根底にある考えにしっかり耳を傾けることが必要です。

 

起業する前に、事業計画の作成を通して“なぜ”を突き詰めて考えることで、いざ独立や起業し壁にぶつかった時に、毎回「なぜ自分は起業したのか?」と、一番シンプルな軸に立ち返ることができます。そしてそれは、必ず事業や今後の人生の歩み方の“道標”となるはずです。

(2)「融資」や「税務」の知識装備

起業した場合、まずやらなければならないのは金融機関での法人口座の開設です。そしてもう一つ、「融資」についても知っておいた方が良いでしょう。融資に関しては、フリーランスのコンサルタントで独立して起業するには必要ではないと思えるかもしれませんが、情報収集しておくことをおすすめします。

会社員時代は、融資といえば住宅ローンくらいしか必要がなかったと思いますが、「事業融資」となると住宅ローンのようにはいきません。融資先も「日本政策金融公庫」「信用保証協会を通した銀行融資」「地方自治体」など多岐にわたるとともに、補助金や支援制度など、知っておかないと損をする内容もあります。

今すぐには必要なかったとしても、今後の事業継続や事業拡大に際し「融資」が必要となった場合、予備知識がないと思わぬ時間や手間を要する可能性があります。フリーランスや個人事業主として起業するために必要な知識として蓄えておきましょう。

 

そして「税務」。これまで税について詳しく学んだ経験がない場合は、ぜひ起業前の手続きとともに税務の知識を付けておくことをおすすめします。

事業にかかる税金は法人事業と個人事業で大きく異なりますこれは起業する際の事業形態を判断する上でも重要な材料となり、節税の考え方についても、知識があるかないかは大きな差を生みます

そのあたりは税理士事務所を活用するというケースも多いとは思いますが、最低限の税務知識を得ておくことは、事業を継続していく上で非常に大切です。起業前に勉強する機会を設けましょう。

 

 

心の支えはやっぱり家族。起業の前にしっかりじっくり相談を

(1)家族の理解と協力の取り付け

会社員から独立、起業して経営者になると、さまざまなプレッシャー、そして「孤独」が押し寄せてきます。

事業会社を興すのであれば共同設立者やパートナーと複数人で起業することもありますが、コンサルタントとして独立する際は、ほとんどの場合がフリーランスとして一人で起業する場合が大多数でしょう。

特に起業当初は仕事の引き合いがないために孤独感を覚えることもあるかもしれません。そんなとき「家族の支え」は非常に大きな力となります。

 

しかし、起業する時の一つのハードルとして「家族からの反対」があるのはよく聞く話。だからこそ事前には相談しにくいと思う人も少なくないのかもしれません。でも考え方を変えてみれば、その家族の反対もあなたのことを想っての反対であることに気づくでしょう。

家族はチームです。起業の既成事実を作ってから家族に相談するのではなく、起業前に家族に独立や起業の相談をしてみましょう。会社員として働いている段階から、副業として活動をスタートし、実績を積んでいくのも家族が安心できる材料の一つになるかもしれません。

 

 

副業や週末起業なども登場し、働き方の多様化が進む今。起業や独立が一部の人のものであった時代は終わりを告げました。個人事業主として開業届を提出しフリーランスになる人、法人格を立ち上げる人など、さまざまな方法で自分が望む形で働く人が増えています。

独立や起業には思い切りやタイミングも必要ですが、だからといって準備や計画を怠っては成功への道は遠のいてしまいます。フリーランスや個人事業主として独立や起業を考えているならば、一度立ち止まり「独立や起業の前に今やるべきこと」を改めて整理してみましょう。

 

<参照>
※1:https://itpropartners.com/blog/13858/

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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