低コスト高品質?プロ人材活用のすすめ
ビジネスコンサルティング市場はここ数年大きく成長中。特にデジタル関連では2019年に前年比で約40%増加しています(※1)。この伸びは、新規事業や業務効率化などの課題を持つ企業によるコンサルティング相談が多くなっている実態からも感じ取ることができます(弊社調べ)。
新規事業などのプロジェクトで失敗する確率を減らすには、社内リソースの負担を減らして外部のアイデアや進め方を取り入れることが重要。そのためには外部のプロフェッショナル人材による支援が不可欠。社内のリソースだけでは課題を解決できず、プロジェクトの失敗を招いてしまうかもしれません。
外部にアドバイスを求める場合、これまではコンサルティングファームへ相談する方法が主流でした。しかし、ファームへの依頼となると費用面で折り合いがつかないことも。
そこで注目されているのが、リーズナブルなのにスキルの高いフリーランスのコンサルタント、「プロフェッショナル人材」の存在です。
ただしフリーランスコンサルタントの導入経験がないと、業務でどのように使っていいかわからないという心配もあるかもしれません。
そこで多くの企業にフリーコンサルタントを導入した経験から、その知見をフル活用する方法を解説します。ご自身で起業された方、外部人材の採用も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
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フリーランスのコンサルタントってどういう人材?
フリーランスコンサルタントの主な特徴
・コンサルティングファーム出身者のほか、事業会社やIT企業出身者など多様な経験を持つ
・戦略立案や事業計画のアドバイスなど、上流工程を得意としている人材が多い
・(仕事を依頼する場合)大手コンサルティングファームより費用を抑えられることが多い(一般的にコンサルティングファームの1/2から1/3程度が相場)
・クライアントからの予算や働き方などの要望に柔軟(例:週1日から、最低1か月間など)
フリーランスのコンサルタントを起用する場合、弊社のような人材マッチングを行なっているプラットフォームを経由するのが一般的です。企業が抱えている課題やニーズをヒアリングして、最適なプロフェッショナル人材を提案するので、自分で探す負荷が減り効率的です。
また、契約や価格交渉はエージェントが窓口になるため、企業側の業務負担も少なくトラブルになりにくいのもメリット。さらに状況に合わせてエージェントがプロジェクトマネジメントを担うなど、支援体制を用意しているケースも安心材料のひとつ。
事例で見るプロ人材活用4つのポイント
一流コンサルティングファームと遜色のないスキルを持つプロフェッショナルも多い、フリーランスのコンサルタント。ただしチームで動くコンサルティングファームと、個人で動くフリーランスではプロジェクト内での立ち位置も違ってきます。フリーランスの特徴を理解して上手に活用すれば、より高い費用対効果が期待できます。
ここでは、フリーランスコンサルタントを上手に活用して費用対効果をアップさせる4つのコツを、実例をもとに解説します。
(1)経営者でもあるフリーランスのバランス感覚を活用する
ある企業では、RPA導入プロジェクトのプロジェクトリーダーという役割にフリーランスのコンサルタント人材を起用しました。
起用を決めた担当者によると、フリーランスは個人事業主としての経営者視点を持ちバランス感覚に優れているとのこと。
実際、システムに明るくない経営陣へ決裁前の説明を行なう際にも、このバランス感覚が大いに発揮されたと言います。いわばエバンジェリスト(伝道師)という役割をフリーランスが担ったというわけです。
また担当者が懸念していたのが、ベンダーや企業に所属する人材となると「過去に使用経験があったり取引があったりする特定のツールに偏るのでは?」という課題。
フリーランスなら企業に属さず経営者視点も持っているため、「業務効率化したい」という企業のニーズを最優先に考えた上で、忖度なくシステム選定のアドバイスができるというわけです。フリーランスのメリットをうまくツール選定に活用した事例です。
◆この事例は以下のページで詳しく紹介しています
「システム導入ありき」ではなく「業務改善ありき」のRPA導入(株式会社SBI証券様インタビュー)
(2)必要な時に必要なだけ!採用が決まるまで即戦力をスポットで活用する
スキルの高い即戦力となるプロフェッショナル人材を、スポットとして一時的に活用するケースもあります。
ある企業では経営企画などの職種で正社員を採用できるまでの間、足りない人材をフリーランスで補い解決しました。
正社員の採用となると慎重に時間をかけて行なうことが求められます。その反面、「採用が決まるまで、ビジネスを停滞させないために人材をどう確保するか」が同時に課題となります。
その課題解決に、フリーランスの「即戦力となるプロフェッショナル人材を短期間でアサインできる」というメリットをうまく生かした事例と言えるでしょう。
特にこの事例では、「フリーランスをスポットで使う場合、営業などの職種では難しいけれど財務や経営企画といった職種だったので親和性が高かった」と担当者は語っていました。職種によって向き、不向きがあるという点は、フリーランスを活用する上でチェックしておきたいポイントですね。
このケースでは、スキルの高い人材がジョインすることで、社内のメンバーに良い刺激があったと言います。フリーランスなら、一時的でも「社内の人」に近いスタンスで稼働できるというメリットもあります。フリーランスの業務の進め方を社内メンバーが間近に見ることで刺激になり、社員のモチベーションが上がる効果も期待できます。
この企業でも、実際にフリーランスの働き方や存在を初めて認識し、視野が広がった社内スタッフもいたとのことでした。
◆この事例は以下のページで詳しく紹介しています
正社員が決まらない!解決策はオンデマンドのプロ人材活用(株式会社パートナーエージェント様インタビュー)
(3)最適な人材を見つけにくいニッチな分野にフリーランスを活用する
新規事業の立ち上げでは「自社の領域とは違う分野の専門家からアドバイスが欲しい」ということも多いのではないでしょうか?とはいえ、新規ビジネスのテーマによってはニッチな分野のため、なかなか人材が見つからないこともあります。
実はこういったケースこそ、フリーランス活用に最適な機会。
あるヘルスケア企業の事例では、当初PMOを探すにあたってITに強い人材派遣会社にあたったものの、なかなか求める人材が見つからなかったそう。そこで弊社にご相談いただき、フリーランスのコンサルタントを起用することとなりました。
フリーランスは転職や独立を経ていることもあり、多種多様なスキル、経験を持つ人材が多いのが特徴。「こういう分野に強い人を探したい」という時に見つかる可能性が高いというわけです。
なおこの事例では、一般的なITベンダーに比べ、フリーランス人材は「リソースの幅が広い」と感じたと企業担当者が語っていました。
ITベンダーの場合、一般的には技術力の高い人材は多いものの、PMOのようなスキルを持ち合わせているとは限らないといいます。一方フリーランスであれば、技術力とPMOスキルをバランスよく持っているプロフェッショナル人材も登録しているため、的確なアドバイスができる人材を見つけやすいのかもしれません。
◆この事例は以下のページで詳しく紹介しています
独立プロフェッショナルのスキルの幅広さ(製薬会社様インタビュー)
(4)予算やプロジェクト内容にあわせて、人数や勤務日を指定する
フリーランスのコンサルタントと大手コンサルティングファームとの大きな違いの一つが、期間や稼働日をフレキシブルに対応できる点。
ある企業の事例では、「1名、週2日だけ稼働してほしい」という要望があり、フリーランスの活用という選択に至ったそうです。
担当者は、過去の経験から「週5日コンサルタントが常駐しても、社内担当者が時間を取れないと結局手持ち無沙汰になるのでは?」という懸念があったそう。そこでコンサルタントの稼働を週2日にすることで、社内担当者も週2日をプロジェクトに充て、バランスよくプロジェクトに集中できたと言います。
適正価格でコンサルティングが依頼でき、かつフレキシブルな対応が可能なフリーランスの上手な使い方と言えます。
◆この事例は以下のページで詳しく紹介しています
「パートナー」にも「コーチ」にもなるプロフェッショナル人材(古河ファイナンス・アンド・ビジネス・サポート株式会社様インタビュー)
エージェント選びに必要な4つのポイント
上手に活用することで、費用対効果がさらに高められるフリーランスのプロフェッショナル人材。「でもどこで見つければいいの?」という課題もあります。
企業が直接フリーランスのコンサルタントを探すとなると、業務負担も増え時間もかかるので現実的ではありません。多数のフリーランス人材とのネットワークを持つプラットフォームやエージェントを使うのが基本です。
日本でもビジネスコンサルティング市場の伸びにあわせて、フリーランスのコンサルタントを扱うエージェントも少しずつ増えてきました。
そこで、フリーランスのプロフェッショナル人材を探す上で、プラットフォームやエージェントを検討する際に見ておくべきポイントを解説します。
(1)フリーランス登録者数
登録者数が多ければいいわけではありませんが、やはり少なすぎると希望のプロフェッショナル人材は見つけにくくなります。ある程度の規模で人材を確保しているエージェントを選びたいところです。また、どんな企業へ導入実績があるかについても確認しておきましょう。中には特定の業界や領域に強いエージェントもあります。
(2)登録者の属性やキャリア
登録しているフリーランスの属性やキャリアも重要です。
希望するスキルとアンマッチのフリーランス人材が登録しているプラットフォームやエージェントでは、希望する人材と出会うことができません。例えばIT系に強いエージェントの場合、実際にはコンサルタントよりエンジニア系スキルを持った人材が多いケースもあります。ニーズに合うキャリアのフリーランスが登録しているかのチェックは大切です。
(3)対象エリア
フリーランスのプロフェッショナル人材は都市部に集中して在住しているため、地方企業にとっては活用できる機会が少ないという悩みもあるようです。地方企業の場合、自社のあるエリアで人材を探せるか確認しておきたいですね。
こうした問題を解決するため、地方企業と都市部のプロフェッショナル人材をマッチングするサービスもあります。都市部で働きながら副業で地方を支援したい人材が登録する「Skill Shift」。
プロフェッショナル人材の中には、出身地など「地方を支援したい!」と考えている人も実は多く存在します。地方への転職を検討している人材が集まる「Glocal Mission Jobs」というサービスもあり、都市部の人材がさまざまな形で地方企業を支援するケースが増えています。
(4)支援体制
フリーランスのスキルも重要ですが、プラットフォームやエージェントがどのような支援体制を敷いているかというところも、プロジェクトの進行に大きく影響します。
人材紹介側の役割と言えば、営業担当がクライアント窓口となってフリーランスの選定や紹介を行なうのが一般的。しかし、なかには元コンサルファーム出身の人材紹介会社社員がプロジェクトマネジメントを担当し、クライアントのコンサルタントのつながりを円滑にするといった支援策も用意している場合もあります。
知名度の高い一流コンサルティングファームなら大規模プロジェクトに対応できますし、優秀なコンサルタントがチーム制で支援するというメリットがあります。一方で中小企業から見れば、予算の都合などで依頼しづらいのも事実。「高いコストをかけて失敗したらどうしよう?」「適正価格かどうか判断できない」といった悩みもあることでしょう。
そこでフリーランスのコンサルタントを活用するという新たな選択肢についても、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。実際にフリーランス活用企業からは「金額も妥当だし、予想以上の効果があった」という声があがっています。
事例でご紹介した通り、フリーランスならではのメリットをうまく使ってフリーランスを上手に活用する企業も増えています。新規事業やRPAなどのプロジェクトにフリーランスを起用する事例のほか、採用が決まるまで一時的にプロフェショナル人材の手を借りるといった使い方もあります。「こんな使い方があったとは!」と驚くほど、斬新な活用例が日々生まれています。
「こんな人材いないかな?」「予算や期間、ビジネスの進め方で課題がある」という時、フリーランスのプロフェッショナル人材の活用が活路を見出すきっかけになるかもしれません。
※1出典:国内コンサルティングサービス市場予測を発表(IDC)
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ46448620
(株式会社みらいワークス)