フリーランスが申請できる持続化給付金とは?他の給付金等もご紹介
最新更新日:2024/02/28
作成日:2024/02/28
- 「フリーランスは持続化給付金を申請できる?」
- 「給付金を受け取るときに注意すべきことは?」
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- ・持続化給付金の概要
- ・フリーランスが申請できる給付金等の種類
- ・フリーランスが給付金等を申請するメリット・デメリット
- ・申請時の注意点
の順に解説します。
少しでも多く追加資金が欲しいと希望しているフリーランスの方に役立つ記事です。ぜひ最後までご覧ください。
目次
■フリーランスが申請できる「持続化給付金」は受付終了(2024年2月現在)
(1)持続化給付金とは?
(2)持続化給付金は終了している
■フリーランスが活用できる給付金等の種類(2024年2月現在)
(1)小規模事業者持続化補助金
(2)ものづくり補助金
(3)IT導入補助金
(4)事業承継・引継ぎ補助金
■フリーランスが給付金等を申請するメリット4選
(1)返済の必要がない
(2)使用用途が自由
(3)素人でも申請しやすい
(4)人材・設備投資に使える
■フリーランスが給付金等を申請するデメリット3選
(1)申請に手間がかかる
(2)申請が通らないことがある
(3)給付金等の数が減少してきている
■フリーランスが給付金等を申請する際の注意点
(1)申請の期限
(2)給付金等の対象
(3)申請の不備
フリーランスが申請できる「持続化給付金」は受付終了(2024年2月現在)
「持続化給付金ってそもそも何?」「フリーランスでも申請できるの?」といった疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
まずは持続化給付金の概要や申請期間について解説します。
(1)持続化給付金とは?
持続化給付金とは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた事業者が事業継続の下支えとして国から支給されたものです。
中堅・中小企業や小規模事業者は200万円、個人事業主(フリーランスを含む)は100万円を上限に受け取ることができ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、事業等の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者が対象でした。
受け取った給付金は、農業、製造業、飲食業、俳優業など、さまざまな業界の事業全般に使用できます。
(2)持続化給付金は終了している
持続化給付金の申請期間は2020年5月1日~2021年2月15日であり、現在受付は終了しています。
2024年現在、他に申請できる給付金等を後述しますので、フリーランスでも受け取れる給付金・補助金制度を探している方は参考にしてください。
フリーランスが活用できる給付金等の種類(2024年2月現在)
現在「持続化給付金」の申請期間は終了しているため新規で申し込みはできません。しかし条件を満たせば、下記のような給付金や補助金制度を利用できる可能性があります(利用を検討する際は、締切日にご注意ください)。
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
- IT導入補助金
- 事業承継・引継ぎ補助金
本章ではフリーランスが利用可能な給付金・補助金制度の種類や詳しい内容をご紹介します。
資金繰りに悩んでいるフリーランスの方は、ぜひチェックしてください。
(1)小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」は、商工会議所の管轄地域で事業をしている小規模事業者が申請できる補助金制度。
自社の販路開拓に必要な経費について、50〜200万円の補助金が受け取れます。
補助対象者は、以下の条件を満たす法人やフリーランス、特定非営利活動法人です。
- ・小規模事業者(「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」において小規模事業者の条件を満たす事業者)であること
- ・資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
- ・直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
- ・商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること(商工会議所会員・非会員問わず応募可能)
- ・持続化補助金(一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択を受けて、補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を、原則本補助金の申請までに受領されたものであること
- ・「卒業枠」で採択され事業を実施した事業者ではないこと
また、「小規模事業者持続化補助金」には、「インボイス特例」の枠が設けられています。2023年10月から開始したインボイス制度により、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者は補助上限額を50万円上乗せできます。
インボイス制度の影響で売上に影響が出ているフリーランスは、補助を受けられないかチェックしておきましょう。
なお、申請受付の締切は2024年3月14日(木)予定(変更の場合有)です。
※事業支援計画書(様式4)発行の受付締切は、原則2024年3月7日(木)。
申請を検討したい方は締切にご注意ください。
※出典:https://s23.jizokukahojokin.info/
(2)ものづくり補助金
「ものづくり補助金」は、全国中小企業団体中央会が実施する補助金制度。
商品・サービスの開発や雇用拡大、DXなど、生産性の向上に取り組むための設備投資等を支援してもらえます。
製造業、卸売業、サービス業、小売業など、さまざまな業種の法人やフリーランスが対象です。
直近の公募スケジュールは以下の通りです。
17次:令和6年2月13日(火)17時申請開始 ~ 令和6年3月1日(金) 17時締切
18次:令和6年3月11日(月)17時申請開始 ~ 令和6年3月27日(水) 17時締切
ものづくり補助金総合サイトにて、随時情報をチェックしてください。
※出典:https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html
(3)IT導入補助金
「IT導入補助金」は、中小企業やフリーランスの経営課題に必要なITツールの導入資金を支援してもらえる制度。
独立行政法人中小企業基盤整備機構および中小企業庁の監督のもと、TOPPAN株式会社が事務局として管理・運用しています。
「IT導入補助金」は、受発注や決済、会計などのソフト・ツールや、PC、タブレット、プリンターといった機器の購入費に充当できます。
申請可能な枠と補助を受ける目的は以下のとおりです。
申請できる枠 | 補助を受ける目的 |
通常枠(A・B類型) | 自社の課題に合うITツール等の導入 |
デジタル化基盤導入枠 |
会計・受発注・決済・ECソフトの導入に特化した労働生産性の向上(デジタル化基盤導入類型)
複数の中小企業や小規模事業者が連携してITツール導入による生産性の向上を図る(複数社連携IT導入類型) |
セキュリティ対策推進枠 | セキュリティ対策強化によるサイバーインシデント防止 |
商流一括インボイス対応類型 | インボイス制度に対応したITツール(受発注システム)の導入 |
フリーランスで業務効率化などを目的にITツールを導入するなら、ぜひ「IT導入補助金」の申請を検討してみましょう。
※出典:https://it-shien.smrj.go.jp/
(4)事業承継・引継ぎ補助金
「事業承継・引継ぎ補助金」は、中小企業庁の事業承継・引継ぎ補助金事務局が実施する補助金制度。
中小企業や小規模事業者の事業承継(事業再編・統合を含む)にかかる経費の補助を受けられます。
「事業承継・引継ぎ補助金」は主に以下の事業や型に分かれており、最大800万円の補助金が受け取れます。
- ・経営革新事業(創業支援型、経営者交代型、M&A型)
- ・専門家活用事業(買い手支援型、売り手支援型)
- ・廃業・再チャレンジ事業
事業承継や再編・統合に大きな経費がかかり、資金繰りに悩んでいる方は申請を検討することもおすすめです。
※8次公募は2024年2月16日(金)17時で締め切られています。
フリーランスが給付金等を申請するメリット4選
フリーランスが給付金や補助金を申請するメリットは主に以下の4つです。
- ・返済の必要がない
- ・使用用途が自由
- ・素人でも申請しやすい
- ・人材・設備投資に使える
給付金等を申請するかお悩みの場合は、本章を参考にしてみましょう。
(1)返済の必要がない
給付金や補助金は、基本的に返済が不要であるものが多いです。
資金繰りに困った場合は、給付金等だけでなく金融機関等から融資を受ける選択肢もあります。しかし、借り入れ後は滞りなく返済をする必要があるため、不安要素が多く借り入れを諦めてしまうケースも多いでしょう。
また、給付金や補助金は、融資と異なり返済を考慮する必要がないので、自分の事業に集中しやすいこともメリットです。
給付金や補助金は、借りる際の信用面や返済の不安が大きく、融資を諦めた人におすすめの選択肢です。
(2)使用用途が自由
給付金や補助金は、使用用途が自由なものが多いこともメリットです。
また、使用用途について「IT」や「事業承継」などある程度の使途は定められていても、その範囲であれば柔軟に利用できる場合も多くあります。
用途が自由な給付金や補助金制度を活用すれば、売上や生産性の向上のためにさまざまな選択肢を検討できるはずです。自分の事業やビジネスモデルに合う給付金や補助金を探し、申請してみましょう。
(3)素人でも申請しやすい
給付金や補助金の多くは、初心者でも申請しやすいのがメリットです。
給付金や補助金の申請フローはマニュアルが完備されていることが多く、特別な資格や知識がなくても問題ありません。慣れていない人でも、マニュアル通りに手順を踏めば問題なく申請ができるはずです。
このように、申請までのハードルが低いことが給付金・補助金のメリットです。
(4)人材・設備投資に使える
給付金・補助金は人材や設備への投資など大きなお金がかかるものにも使えます。
特にフリーランスの場合は資金調達の選択肢が少なく、人材や設備など大きなコストがかかる分野に資金を回せず悩むこともあるでしょう。
ビジネスの拡大や生産性の向上のためには、雇用や設備拡充が不可欠なケースも少なくありません。フリーランスとしてさらに事業を大きくしていきたいのであれば、給付金や補助金制度を積極的に活用していきましょう。
フリーランスが給付金等を申請するデメリット3選
フリーランスにとってメリットの多い給付金・補助金制度ですが、以下のようなデメリットがあることも事実です。
- ・申請に手間がかかる
- ・申請が通らないことがある
- ・給付金等の数が減少してきている
本章でご紹介するデメリットを事前に把握した上で、給付金や補助金の申請手続きを検討しましょう。
(1)申請に手間がかかる
給付金・補助金制度の申請はマニュアルがあるとはいえ、手間がかかるのはデメリットです。場合によっては、経営・事業計画書などを作成して申請書と一緒に提出が求められることもあります。
例えば「小規模事業者持続化補助金」の申請には、指定された様式での「経営計画書兼補助事業計画書」や「事業支援計画書」などが必要です。
手続きに慣れてしまえばスムーズに進められますが、今まで申請したことがないと時間がかかってしまうかもしれません。
(2)申請が通らないことがある
給付金や補助金は申請が通らないケースもあるため注意が必要です。
給付金等の制度は要件が細かく定められている場合が多く、条件を満たしていない場合は利用できない可能性があります。
「手間をかけて申請したのに給付を受けられなかった…」とならないためにも、事前に条件や必要書類を念入りにチェックしておきましょう。
(3)給付金等の数が減少してきている
経済産業省による「持続化給付金」の申請受付が終了しているように、給付金等の制度は年々減少しています。
特にフリーランスなど小規模事業者向けの給付金は、法人・企業向けのものに比べて数が少なく、給付対象も限られる場合があります。
現在受付している給付金制度も、今後終了してしまうリスクがあるため、給付を希望する方は早めに申請しましょう。
フリーランスが給付金等を申請する際の注意点
フリーランスが給付金等を申請するときは、以下のような注意点があります。
- ・申請の期限
- ・給付金等の対象
- ・申請の不備
給付金・補助金の申請をスムーズに進めるためにも、あらかじめ本章の内容に目を通しておきましょう。
(1)申請の期限
各給付金・補助金制度には申請の期限がある点には注意が必要です。
毎年公募を行っている給付金・補助金制度であっても、2〜3ヶ月で申請を締め切ってしまうこともあるため、期日は確認しておきましょう。
また、申請には住民票の写しや直近の確定申告書など書類が求められるため、スケジュールに余裕を持って準備を進めることが大切です。
(2)給付金等の対象
給付金・補助金を申請する場合は、フリーランスも対象なのかをあらかじめ確認しましょう。
本記事でご紹介した制度は、どれも中小企業および、フリーランスを含む小規模事業者を対象としています。しかし中には法人のみが対象で、フリーランスは申請できないものも存在するため、注意が必要です。
フリーランスが給付の対象外なのに申請してしまうと、手続きにかかった時間を無駄にしてしまいます。給付金・補助金制度をリサーチする場合は、まずフリーランスも申請可能かをチェックしておきましょう。
(3)申請の不備
申請の手続きを進める際は、書類等に不備がないか入念に確認することが大切です。提出後に不備が見つかると、それが原因で申請を受け付けてもらえない場合があります。
もし給付金等の申請に不安がある場合は、税理士など専門家に相談するのも良いでしょう。
「不備が多く申請に間に合わなかった」ということがないためにも、計画的に手続きを進めるのがおすすめです。
まとめ
本コラムでは持続化給付金の概要や、フリーランスが申請できる給付金・補助金制度をご紹介しました。もしあなたが事業の資金繰りに悩んでいるなら、本コラムで紹介したフリーランス対象の給付金・補助金制度を検討してみましょう。
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(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)