医療システム・ITコンサルタントとは?医療コンサルとの違いや年収・スキルを解説!

最終更新日:2025/02/26
作成日:2022/06/13

 

医療コンサルタントは、コロナ禍を機に求人が増えた職種の一つです。一口に医療コンサルタントといっても、業務内容によって求められるスキルや実績は異なります。

 

今回は、「フリーコンサルタント.jp」でも需要が高い、医療系のシステム・ITコンサルタントについて詳しく紹介します。

 

 

目次

 

■医療コンサルタントと医療システム・ITコンサルタントの違い
(1)医療コンサルタントとは
(2)医療系システム・ITコンサルタントとは
(3)医療システム・ITコンサルタントを求める企業

 

■医療システム・ITコンサルタントの仕事内容
(1)IT戦略の策定
(2)システム・ツールの選定と導入
(3)プロジェクト管理
(4)導入支援とアフターフォロー
(5)医療DX推進
(6)上流工程のサポート

 

■医療システム・ITコンサルタントの年収相場

 

■医療システム・ITコンサルタントに向いている人
(1)ITトレンドやツール・ソフトの選定要件に関する知見がある人
(2)リスク・コストマネジメント能力を持つ人
(3)上層部や外部とのコミュニケーション能力が高い人
(4)常に変化する医療技術や制度に適応できる柔軟性を持つ人

 

■医療システム・ITコンサルタントになるには?
(1)医療システム・ITコンサルタントに必要なスキルと経験
(2)医療システム・ITコンサルタントの資格

 

■医療システム・ITコンサルタントは活躍中のITコンサルにおすすめのキャリアパス

 

 

医療コンサルタントと医療システム・ITコンサルタントの違い

多様な仕事がある医療業界

 

医療系コンサルタントは、医療コンサルタントと医療系のシステム・ITコンサルタントという2つの職種にわかれます

 

両者とも、医療業界で活躍するコンサルタントです。しかし、業務内容が大きく異なるため、違いを知らないとミスマッチが起こります。医療コンサルタントと医療システム・ITコンサルタントの違いについて紹介します。

 

(1)医療コンサルタントとは

医療コンサルタントの業務内容は幅広いです。代表的なものとしては、病院や医療法人の経営戦略パートナーとしての役割を果たすコンサルタントがあります。患者に寄り添い、よりよい治療を模索する医療コーディネーターとしての役割を果たすコンサルタントも一例です。

 

どちらも医療に特化した知識が必要とされ、前者は医師や診療報酬管理士・病院の医事課の責任者などからキャリアチェンジする人が多いです。必須とされる知識としては、税務や法務に関する知識、病名、診療報酬算定が挙げられます。

 

後者は、看護師、心理士、ケアマネージャーなど経験者が多い傾向です。病院や医療法人の経営コンサルタントと同じく、法務に関する知識、病名、診療報酬算定などの知識のほか、薬剤・治験などに関する知識が求められます。

(2)医療システム・ITコンサルタントとは

医療システム・ITコンサルタントは、医療系のシステムのプロジェクトを上流からサポートするコンサルタントのことです。

 

例えば、医事管理システムや医療機器システム、もしくは医業を主軸とした企業・組織で使用するITシステム・ツールの開発・導入などを扱います。扱うシステムが医療に特化しているだけで、SEやITコンサルタントと同等の技術・知見が求められます。

 

一般企業のITプロジェクトPMOコンサルタントと同じような役割と考えるとよいでしょう。

 

近年はコロナウイルスの影響で、病院などでもDX化が進み、医療業界に特化したシステム・ITコンサルタントの需要が伸びています。弊社、株式会社みらいワークスのサービス「フリーコンサルタント.jp」でご紹介する医療コンサルタント案件も、ほとんどが医療系のシステム・ITコンサルタントの案件です。

(3)医療システム・ITコンサルタントを求める企業

医療システム・ITコンサルタントを求めている企業や組織は、病院医療法人、医事システムやソフトを開発する大手ベンダー医療機器メーカーなどです。ほかには、製薬会社や医療を技術面で支える企業などで、ERPパッケージソフトやセールスフォースの導入プロジェクトを支えるコンサルタントの求人もあります。

 

医療業界のシステムやITツール導入、開発、運用プロジェクトに関わった実績があれば、割と転職しやすく、フリーランスのコンサルタントとして参画案件も選べる傾向です。医療系の案件は新規事業や新規導入などのプロジェクトも多いですが、既存ツール・システムの保守・運用管理事業も少なくありません。

 

医療技術の研究や開発は日進月歩で発展しており、診療報酬は4年に1度改定されるなど、医療に関するシステム・ツールには、機能の追加や修正が常に必要です。そのため、医療系に特化したシステム・ITコンサルタントは、安定的に案件を獲得できるでしょう。専任の技術者やコンサルタントを常駐させる企業もあれば、プロジェクトごとに募集をかける企業もあります。

 

 
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医療システム・ITコンサルタントの仕事内容

医療システム・ITコンサルタントとは、主にどのようなシステム・ツールを使用し、どのような企業・組織で就労するのでしょうか?仕事内容について詳しく紹介します。

(1)IT戦略の策定

医療機関や関連企業の経営陣との綿密な対話を通じて、組織が直面している課題や将来のビジョンを明確化します。経営戦略に基づき、中長期的なIT投資計画、システム構築のロードマップ、必要な人材育成計画などを含む包括的なIT戦略を立案

 

デジタル化による業務効率化、患者サービスの向上、経営の可視化など、具体的な成果指標も設定します。

(2)システム・ツールの選定と導入

医療機関の規模や特性、予算に応じた最適なシステムやツールを選定します。

 

電子カルテシステム、医事会計システム、画像管理システム(PACS)など、医療現場で必要不可欠なシステムの導入を支援します。既存システムとの連携や互換性の検証、セキュリティ要件の確認、ベンダー選定なども重要な業務です。

(3)プロジェクト管理

システム導入における投資対効果(ROI)の算出や、詳細な予算管理を行います。プロジェクトの進捗状況を常に把握し、リスク管理や問題解決に迅速に対応

 

また、医療機関のスタッフやベンダー企業との円滑なコミュニケーションを図り、プロジェクトの成功に向けて関係者の調整役を担います。

(4)導入支援とアフターフォロー

新システムの導入時には、医療スタッフへの研修プログラムを企画・実施します。具体的には、運用マニュアルの整備や、システムの操作方法の指導を行います。

 

導入後も定期的な運用状況の確認、システムの性能評価、改善提案などを継続的に実施。システムの安定稼働と効果的な活用を支援します。

(5)医療DX推進

紙カルテのデジタル化、オンライン診療システムの導入、AI・IoTの活用など、医療現場のデジタル化を推進します。

 

業務プロセスの見直しやワークフローの最適化を図り、医療の質の向上と効率化を実現。また、データ分析基盤の構築により、エビデンスに基づく医療の実践をサポートします。

(6)上流工程のサポート

要件定義や基本設計など、システム開発の初期段階から参画します。医療現場の業務フローを詳細に分析し、現場のニーズを的確にシステムに反映させます。

 

また、法規制やガイドラインへの準拠性を確認し、コンプライアンスを確保。システムの全体アーキテクチャの設計や、将来的な拡張性も考慮した提案を行います。

 

 

医療システム・ITコンサルタントの年収相場

 

医療システム・ITコンサルタントの年収相場は、弊社、株式会社みらいワークスの案件を参考にすると、100%稼働と仮定して月額報酬70万~160万円ほどです。平均すると、100万~120万円程度と考えるとよいでしょう。

 

1年間フルに稼働するとした場合、平均1200万~1400万円強程度の年収が期待できます。

 

コンサルタント本人の実績や業務内容だけでなく、取り扱うツールやソフトの難易度によっても提示される報酬や年収は大きく異なる傾向です。医療分野ははじめてでも、ERP、特にSAPコンサルタントの実績があれば高収入が見込めるでしょう。

 

 

 

医療システム・ITコンサルタントに向いている人

医療システム・ITコンサルタントに向いている人

医療システム・ITコンサルタントに向いている人としては、以下のような特徴が挙げられます。

(1)ITトレンドやツール・ソフトの選定要件に関する知見がある人

最新のテクノロジーやデジタルソリューションに精通し、医療機関のニーズに合わせた最適なツールを見極める目が求められます。そのため、クラウドコンピューティング、IoT、AI、ビッグデータ分析など、先進技術の特徴や導入効果を的確に判断できる人が向いているでしょう。

 

医療情報の機密性を確保しながら業務効率化を実現する必要があるため、セキュリティ要件やコンプライアンス基準を踏まえたシステム選定の知識を持つ人材も適しています。

(2)リスク・コストマネジメント能力を持つ人

医療システムの導入には多くのリスクと費用が伴うため、プロジェクトにおける潜在的なリスクを事前に予測し、適切な対策を講じられる人が求められます。予算管理や資源配分を適切に行い、費用対効果の高いプロジェクト運営を実現する能力が必要となることから、経営的視点を持つ人材も向いています。

 

さらに、医療現場における重要性を理解し、システム障害や情報セキュリティインシデントなどの緊急事態に備えた事業継続計画(BCP)の策定ができる人材が求められます。システムダウンタイムの最小化や患者データの保護を最優先事項として捉えられる人物が適任です。

(3)上層部や外部とのコミュニケーション能力が高い人

医療システムの導入には、多くのステークホルダーとの調整が必要です。そのため、病院経営陣、医療スタッフ、ITベンダー、行政機関など、多様な関係者と円滑なコミュニケーションを図れる人材が求められます。

 

また、専門的な内容を扱う場面が多いことから、技術用語を分かりやすく説明する能力があり、各関係者の要望や懸念事項を丁寧に聞き取り、適切な解決策を提示できる人が向いています。

 

加えて、複雑なプロジェクトを円滑に進めるため、進捗状況や成果を効果的に報告し、関係者間の合意形成を促進する調整力を持つ人材が適しています。

(4)常に変化する医療技術や制度に適応できる柔軟性を持つ人

医療分野では技術革新や制度改正が頻繁に行われるため、最新の動向に応じたシステム更新や改善提案ができる人材が求められます。診療報酬改定や個人情報保護法の改正など、制度変更が多い環境であることから、システム対応を迅速に行える適応力のある人が向いているでしょう。

 

また、医療のデジタル化が急速に進展する状況において、新たな医療技術や治療法の導入に合わせてシステムの拡張や機能追加を提案できる先見性と、継続的な学習意欲、柔軟な思考力を持つ人材が適任です。

 

 

医療システム・ITコンサルタントになるには?

キャリアパスとして医療システム・ITコンサルタントを思い描いている人には、どのようなスキルや実績、資格が求められているのでしょうか?

(1)医療システム・ITコンサルタントに必要なスキルと経験

医療システム・ITコンサルタントに求められるスキルは、第一にシステム・ITコンサルタントとしての実務経験や技術です。新規事業や導入などの上流工程から関わるプロジェクトには、ITトレンド、ツールやソフトの選定要件などの知見も求められます。

 

「コンサルタント」として参画するからには、リスク・コストマネジメント能力と上層部や外部と渡り合えるコミュニケーション能力も求められます。

(2)医療システム・ITコンサルタントの資格

医療システム・ITコンサルタントを名乗るのに必須資格は特に存在しません。しかし、近年医療系のシステム・ITに関する知識を証明するのに有効だとして注目を集めているのが「情報化認定コンサルタント」です。病院経営や医療とITをつなぐ力を試されます。

 

ただし、「情報化認定コンサルタント」は、医療コンサルタントとしての能力を証明できる「医業経営コンサルタント」を取得後に挑戦できる資格です。医業に関する知識を証明する医業経営コンサルタント、医療のIT分野の知識を証明できる「情報化認定コンサルタント」の2資格をセットで目指すのが良いでしょう。

 

ほかにも、多くのITコンサルタントが保有している「応用情報技術者試験」や「ITコーディネータ」などの資格は、取得しておくと有利です。

 

 

医療システム・ITコンサルタントは活躍中のITコンサルにおすすめのキャリアパス

 

「医療コンサルタント」というと、病院経営コンサルタントや患者と医師の間に立ち治療に関するコンサルティングを行うコンサルタントを思い浮かべがちですが、最新医療機器やIT化が進む病院運営をサポートする「医療システム・ITコンサルタント」の需要も高いです。

 

一件難しそうな印象を受けますが、医療業界は安定した将来性と収入が見込めるため、システム・ITコンサルタントの経験がある人にはおすすめのキャリアパスの一つです。手始めに医療システム・ITコンサルタントの案件を扱うマッチングエージェントに話を聞いてみるのもよいでしょう。

 

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(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 
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