チャネルの意味とは?チャンネルとの違いや種類、戦略への活かし方

最終更新日:2023/12/26
作成日:2022/05/13

 

マーケティング用語として「チャネル」という言葉を耳にしたことがある人も多いでしょう。しかし、チャネルの具体的な意味やマーケティングにおけるチャネルの種類など正確に説明できる人は少ないのではないでしょうか。こちらの記事ではチャネルの意味やチャンネルとの違い、マーケティング領域の主なチャネルの種類などについて、詳しく解説していきます。

 

 

目次

 

■チャネルの意味とは

 

■チャネルとチャンネルの違い

 

■マーケティング領域の主なチャネル3種類
(1)流通チャネル
(2)販売チャネル
(3)コミュニケーションチャネル

 

その他のマーケティングチャネル3種類
(1)マルチチャネル
(2)クロスチャネル
(3)オムニチャネル

 

■流通チャネルの4段階
(1)0段階チャネル
(2)1段階チャネル
(3)2段階チャネル
(4)3段階チャネル

 

■チャネル戦略の構築手順4つ
(1)ターゲッティング
(2)販売チャネルの決定
(3)チャネルの段階を検討
(4)コミュニケーションチャネルの設定

 

■チャネルを活用し顧客獲得を目指そう

 

 

チャネルの意味とは

チャネルの意味とは

 

チャネルとは、マーケティング用語で集客を行うための媒体(流入経路)を指す言葉です。多くの顧客を集め、売上をあげるために、小売店やECサイト、インターネット広告やSNSなどがチャネルとして活用されています

 

チャネルの数が多いほど多くの集客につながりますチャネルごとの集客力を分析することによって、より効果的な集客にも活用できるでしょう。

 

 

チャネルとチャンネルの違いとは

チャネルとチャンネルとの違いについて考えるビジネスマン

 

チャネルもチャンネルもどちらも「channel」を語源とする言葉で、意味は「データの通り道」です。発音以外に違いはありません。本来の意味は「海峡」や「水路」ですが、「通信路」といった意味もあります。

 

チャネルはどちらかといえば論理的な通信路を指すケースが多いですが、チャンネルはテレビのダイヤルのような物理的なイメージをもたれる傾向があります。

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マーケティング領域の主なチャネル3種類

チャネル3種類を使ったマーケティングの結果

 

マーケティングで使用される主なチャネルとして、「流通チャネル」「販売チャネル」「コミュニケーションチャネル」の3種類があります。顧客を標的市場に導くことがそれぞれのチャネルに課せられた使命です。

 

マーケティング領域の主な3種類のチャネルについてそれぞれ解説していきます。

 

(1)流通チャネル

流通チャネルとは、生産者から最終的な販売者の間にある流通の手段や経路のことです。直接生産者が販売するケースや販売されるまでに運送業者や管理業者、卸売業者などさまざまな流通チャネルを通るケースも存在します。

 

しかし、流通チャネルには0段階から3段階までの4つの段階があり、段階が増えれば増えるほど中間マージンがかかるため、生産者の利益が少なくなります。

(2)販売チャネル

販売チャネルとは、商品を販売する場所や方法のことです。たとえば、BtoC企業の場合、小売業店舗やECサイトなどが販売チャネルです。

 

販売チャネルには、消費者を対象にビジネスを行うBtoC企業だけでなく、企業向けにビジネスを行うBtoB企業にも存在します。BtoB企業の場合、直接取引や代理店経由での販売、展示会を利用するといったケースもあります。

(3)コミュニケーションチャネル

コミュニケーションチャネルとは、企業が消費者へ自社の商品やサービスに関する情報を伝えるための手段を指します。

 

以前はテレビCMや雑誌・新聞・ラジオなどがメインでしたが、近年ではホームページやインターネット広告・SNSなど、さまざまな新しいコミュニケーションチャネルが存在します。

 

コミュニケーションチャネルは、企業から消費者へメッセージを送るだけでなく、消費者からのメッセージを受け取る役割も果たしています。

 

 

その他のマーケティングチャネル3種類

マーケティング領域の主なチャネル3種類

 

マーケティングチャネルの形態として他に「マルチチャネル」「クロスチャネル」「オムニチャネル」などもあります。

 

一つ一つのチャネルについて、詳しく解説していきます。

(1)マルチチャネル

マルチチャネルとは、消費者に対して複数のチャネルを提供する形態です。たとえば実店舗での販売以外にも、ECサイトや訪問販売、通信販売などを行っているケースがマルチチャネルに該当します。

 

ただし、各チャネルが独立していてそれぞれの管理システムは分断されているスタイルのチャネルがマルチチャネルと呼ばれています

 

顧客情報や在庫管理は連携されていないため、顧客からすると好みやポイントカードなどの情報が引き継がれていないといった問題点があります。それにより企業にとっても販売機会を損失したりブランディングが困難だったりといったデメリットがあります。

 

しかし、マルチチャネルを利用すると消費者との接点が増えるため、それだけ集客をアップする効果が期待できるでしょう。

(2)クロスチャネル

クロスチャネルもマルチチャネルと同様に、消費者に対して複数のチャネルを提供するケースを指します。ただし、マルチチャネルと異なり、顧客や在庫管理システムなどによって、必要な情報が一元管理されている形態を指します。

 

複数のチャネルを統合的に管理可能で、企業・消費者の双方にとってメリットが多い形式ですが、実店舗とECなどチャネルごとに売上や顧客の獲得争いが起きやすいというデメリットもはらんでいます。

(3)オムニチャネル

オムニチャネルとは、複数のチャネルをシームレスに繋ぎ合わせた形式です。スマホの普及によって市場のベーシックへと進化しつつあるチャネルです。マルチチャネルやクロスチャネルでは、チャネルがそれぞれ独立していますが、オムニチャネルは、すべてのチャネルを統合、連携した状態のため顧客はチャネルの違いを意識せずに購買行動を起こせます。


顧客からするといつでもどこでも好きな時に、一定のサービスが提供されるためストレスが少ないのがメリットです。企業からしても、チャネルを横断して1人の顧客の行動データが分析できるので各チャネルのニーズを正しく判断し、売上につなげられます。

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流通チャネルの段階

ステップの確認

 

 

流通チャネルには、0段階~3段階までの4つの段階があります。段階とは、顧客と企業間に存在する流通業者の数などを示しています。

(1)0段階チャネル

0段階チャネルとは、生産者がそのまま自分で商品を販売する直販のビジネスモデルのことです。0段階チャネルは、中間マージンを取られず利益を最大化できます。ただし、流通範囲が狭まることがデメリットと考えられていました。

 

インフラ整備が十分ではなかった時代、生産者が直販する0段階チャネルでのビジネスが基本でした。しかし、大量生産や大量販売の時代へと移り変わったことで、さまざまな流通チャネルが生産者と消費者の間に介在するようになりました。

 


しかし、SNSやフリーマーケットアプリなどの台頭により、生産者と消費者の直接取引が増えている傾向があります。たとえば、農家や漁師といった第1生産者がアプリを通じ、遠く離れた地域に住む消費者に直接商品を販売するなどといったビジネスモデルも存在します。

(2)1段階チャネル

流通チャネルにおける1段階チャネルとは、生産者が小売店舗に商品を納品し、小売店で商品を販売するビジネスモデルのことです。1段階チャネルでは、生産者は自社で管理や運搬を行い、直接小売店に納品して商品の販売を依頼します。

 


小売店は直接メーカーから商品を仕入れることになるため、低価格での販売が実現でき、消費者にとってもメリットが大きいです。直販するより広い消費者に販売できるため、生産者からしても0段階チャネルよりビジネスが広がるメリットがあります。

(3)2段階チャネル

流通チャネルにおける2段階チャネルとは、生産者と小売店舗の間に卸売業者が介在しているビジネスモデルのことです。

 

スーパーマーケットを例にすると、さまざまな商品を大量に販売するため、商品の種類ごとに卸売業者が仕入れを行い、スーパーマーケットへ入荷するスタイルが一般的です。生産者視点だと卸売業者とスーパーマーケットの2ヵ所にマージンが発生している状況です。

 


生産者の立場からすると「ますます広範囲にビジネスを拡大できる」、スーパーからすると「仕入れなどの重要な業務をマーケティングに優れた卸売業者に任せられる」といったメリットがあります。

(4)3段階チャネル

流通チャネルにおける3段階チャネルとは、生産者が小売店舗の間に複数の卸売業者が介在しているビジネスモデルのことです。

 

近年では3段階チャネル形式のビジネスは少なくなりましたが、現在でも文房具や車、医薬品などは3段階チャネルで販売されるケースがあります。

 

 

チャネル戦略の構築手順4つ

チャネルの構築手順

 


マーケティングにおいてチャネルの活用は非常に効果的です。しかし、効率的なャネル戦略には、基本的な手順に沿って戦略を構築する必要があります。チャネル戦略で必要な4つの構築手順を見ていきましょう。

 

(1)ターゲッティング

一般的なマーケティング戦略を立案する場合と同様に、まずは自社商品のターゲットを明確にするのが第1手順です。ターゲットが若い女性の場合と高齢の男性の場合では、それぞれリーチしやすいチャネルが異なります。

 

そのため、明確なターゲッティング後にチャネルを選定し、ターゲット層の価値観に合わせたアプローチが最も訴求力を発揮します

(2)販売チャネルの決定

第2段階は、販売チャネルを検討することです。ターゲット層に合わせた販売チャネルを選び、同時に必要なコストなども踏まえて必要な段階も検討します。

 

直販の場合は販売チャネルも限られるため、幅広い販売チャネルで商品を販売したい場合には直販よりも上の段階を選ぶのがおすすめです。

(3)チャネル段階を検討

販売チャネルを決める際、同時に段階の決定も必要です。0段階から3段階までの4つの段階のうち、もっとも利益を最大化できる段階を検討していきましょう。

 


基本的に、段階が増えるだけ中間マージンが抜かれるため、商品の価格も上がり、消費者が手を出しにくくなります。そのため、ターゲットにとって求めやすい価格を設定できるかどうかも踏まえて段階を決定するのがよいでしょう

(4)コミュニケーションチャネルの設定

最後にコミュニケーションチャネルを決定していきましょう。多種多様なコミュニケーションチャネルですが、近年では大企業から個人の生産者までスマートフォンのアプリに力を入れています。

 

ECサイトと連動したスマートフォンのアプリをインストールしてもらうことにより、キャンペーンや新商品のお知らせなどのメッセージを効果的に顧客に届けられたり、顧客の要望や商品への評価を直に反映させられたりといった企業・消費者双方にメリットがあります。

 

チャネルを活用し顧客獲得を目指そう

チャネルの活用

 

チャネルとは、販売者が消費者と接点を持つためのものです。実店舗だけでなくECサイトや広告など複数のチャネルを活用することにより、より多くの顧客を集めて売り上げを伸ばしていけるでしょう。

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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