ロジックツリーの作り方4STEP!6つのメリットもご紹介
作成日:2021/08/06
ロジックツリーとは、フレームワークの1つです。事柄の分析や問題の原因特定、目標設定、課題解決など論理的に考えるときに使います。
ロジックツリーを使いこなすことで、物事のメカニズムや全体構造を把握して問題解決に活かすことができるのです。
論理的に考える手法を身に付けるためのロジックツリーについてご紹介します。
目次
■ロジックツリーとは
(1)ピラミッドテクスチャーとの違い
■ロジックツリーをつくるメリット6つ
(1)問題点の全体が把握しやすい
(2)チームで問題点を共有しやすい
(3)どの時点で問題が発生したか見つけやすい
(4)問題の原因を追究しやすい
(5)解決策を講じやすい
(6)何をすべきか優先順位がつけやすい
■ロジックツリーの作り方4STEP
(1)問題が発生したら「Whatツリー」を作成する
(2)問題の原因追究に「Whyツリー」を作成する
(3)問題の解決策に「Howツリー」を作成する
(4)目標を達成するために「KPIツリー」を作成する
■ロジックツリー作成のポイント7つ
(1)パソコンか手書きか決める
(2)MECEを前提として考える
(3)問題や全体の定義をはっきりさせる
(4)仮説思考を身につける
(5)左右は関連性を意識する
(6)縦の順序を整列させる
(7)終点は具体的な行動にする
■まとめ
ロジックツリーを使いこなして論理的思考力を鍛えよう
ロジックツリーとは
(1)ピラミッドテクスチャーとの違い
ピラミッドテクスチャーとは、ロジカルシンキングで用いるフレームワークの1つです。ピラミッドの頂点に結論を書き、その下部に根拠となることをピラミッド状に図示します。
ピラミッドストラクチャーは、根拠から構成されており、何かを説明したり説得したりするときに使用されることが多く、上下関係は結論と根拠です。
一方でロジックツリーは、要素を分解していき、検討したり思考したりするときに使用されることが多く、左右はグループと構成要素の関係となります。
ロジックツリーとピラミッドテクスチャーとの違いを知り用途によって使い分けましょう。
ロジックツリーをつくるメリット6つ
ロジックツリーをつくることで問題点全体を把握、チームで問題点を共有、どの時点で問題が発生したか、問題の原因を見つけやすい、解決策を見つけやすい、優先順位がつけやすいの6つのメリットがあります。
それぞれのメリットについて1つずつ詳しく確認していきましょう。
(1)問題点の全体が把握しやすい
何か問題が生じたとき、ロジックツリーを使うことでいろいろな視点における解決方法を考えることができます。また複数の人で解決策を考える場合にも認識や前提条件のズレを減らすことができるのです。
せっかく時間をかけて課題解決方法を考えて実行したにもかかわらず、見落としがあって多大な損失をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
ロジックツリーを使うと問題の原因をシンプルに細分化して書き出していくので、問題点の全体が把握しやすくなり、問題に対して多くの視点から解決策を見出すことができます。
(2)チームで問題点を共有しやすい
チームで問題解決をする場合、人によってとらえ方がさまざまで、認識や前提条件のズレが生じる可能性があります。
ロジックツリーを用いて可視化できるということはチーム間で共有することもできるということです。
ロジックツリーを使って問題点を整理してチームで共有することで、ズレを最小限に抑えることができます。
(3)どの時点で問題が発生したか見つけやすい
問題が生じたとき、どの時点で問題が発生したかを見つけることは容易ではありません。
もし課題解決に有効だと思われることを1つずつつぶしていく方法で解決しようと考えていたら、途中で大きな見落としがあった場合、取り返しのつかないことになってしまいます。
ロジックツリーを使うことで問題が生じた原因を要素で掘り下げて考えていくので、どの時点で問題が生じたのか見つけやすくなるのです。
(4)問題の原因を追究しやすい
ロジックツリーを使って問題の原因となっている事柄を要素ごとに分解して書き出します。シンプルに分解することで、問題の原因となっている具体的なことが追究しやすくなるのです。
もしもロジックツリーを使わずに解決方法を考えたとしたら、ありがちな方法ばかりになってしまい効果的な解決先を見落としてしまうリスクがあります。
(5)解決策を講じやすい
ロジックツリーを使って分解していくと問題の原因にあたる事柄がパッと見て誰でも把握できるように整理されています。また見落としがちな解決策も見つかりやすくなるので、想定していなかったことに気がつきやすくなるのです。
チーム内でロジックツリーを共有することで、チーム全員で問題点の全体を把握することができて、解決策を講じやすくなります。
(6)何をすべきか優先順位がつけやすい
ロジックツリーで解決策を得られることで、何をすべきか優先順位がつけやすくなるメリットがあります。
全体が把握できた状態で解決策が見出されているので、どの解決策が効果が大きいか、簡単に取り組めるのかなどといった基準で優先順位がつけやすくなっているのです。
ロジックツリーの作り方4STEP
ロジックツリーの作り方には「Whatツリー」「Whyツリー」「Howツリー」「KPIツリー」の4つのステップがあります。
ロジックツリーはやみくもにツリーの形にすればいいということではありません。それぞれの種類や目的を理解して使うことで問題解決につながることが可能です。それぞれのツリーの目的を見ていきましょう。
(1)問題が発生したら「Whatツリー」を作成する
Whatツリーとは、要素分解ツリーとも呼ばれます。
ある事に対して何か問題が発生した時、要素を段階的に分解することで網羅的に把握することができるのです。それぞれの要素について検討したり、比較したりすることができます。
この手法は、市場分析や顧客を分類するときに役立ちます。たとえば、会社の売り上げや経費など要素ごとに可視化することで、どこに問題があるか考えることができるのです。
(2)問題の原因追究に「Whyツリー」を作成する
Whyツリーとは、原因追求ツリーとも呼ばれ発生した原因を掘り下げていきます。
何か問題が発生したとき、その原因は1つとは限りません。そこでロジックツリーを使い想定できる原因について可能な限り書き出して、根本的な原因を見つけます。
Whyツリーでありとあらゆる原因を書き出すことで、解決したい問題がどの原因に相当するのか照らし合わせて、解決方法を考えることができるのです。
(3)問題の解決策に「Howツリー」を作成する
Howツリーとは、問題解決ツリーとも呼ばれます。
何か問題解決したいことに対して、すぐに思いつく解決方法だけでは本当にその解決策なのか、他に解決策はないのか考える必要があります。
Howツリーを使い、想定できる解決方法について書き出していくことで真の解決策を探しましょう。
Whyツリーと照らし合わせてつくることも可能です。
(4)目標を達成するために「KPIツリー」を作成する
KPIツリーは、問題解決ツリーにさらに細かい目標・指標を追加したものです。
KGI(重要目的達成指数)の大きな目標を構成している要素をツリー型に分解していきます。分解した要素からKGIを達成するために、重要な要素であるKPI(重要業績評価指数)を見出します。KPIは複数設定することが可能です。
各KPIに数値目標を記載して進捗を管理します。目標を達成したいときはKPIツリーを作成しましょう。
ロジックツリー作成のポイント7つ
ロジックツリーを作成するには問題を整理するなどのコツが必要です。7つのポイントをおさえればスムーズに作成することができます。
どのようなポイントをおさえればロジックツリーがスムーズに作成できるのか、一緒に見ていきましょう。
(1)パソコンか手書きか決める
ロジックツリーを作成するときは、パソコンで作成することをおすすめします。
パソコンで作成したほうが考えを深めながら書き直しやすく、またメールなどでも送信できるのでメンバーで共有するときなどにスムーズです。
ロジックツリーを作成するときは、ExcelやPowerPointを使うことをおすすめします。Excelは、Smart Artという機能を使うと簡単に作成可能です。PowerPointは、図形と矢印を駆使して作成しますが、Smart Artよりもデザイン性が高く見栄えがいいメリットがあります。
(2)MECEを前提として考える
ロジックツリーを作成するときは、MECEになっているか常に確認することが大切です。
MECEになっているというとは、モレやダブリがないということです。たとえば、性別による分類の場合、女性・男性となります。
もしモレがあったら不足が生じることになり、ダブリがあったら余分な重なりが生じることになってしまうのです。
MECEにすることでモレやダブリがなく、効率よく問題点を書き出すことができます。
(3)問題や全体の定義をはっきりさせる
ロジックツリーを作成するときは、問題や全体の定義をはっきりさせましょう。
問題や全体の定義がはっきりしていないとロジックツリーにズレが生じて何を解決したらいいのかわからなくなってしまいます。
問題によって解決方法の手段が変わってくるので、注意が必要です。
(4)仮説思考を身につける
仮説思考を身につけることで、要素を分解するときにどんな切り口で行なえばいいのか迷うことなくできます。
仮説思考とは、限られた時間と情報の中で思考を繰り返すことで結論を導き出すこと。
ロジックツリーをつくるとき、原因の仮説や結果を予測する仮説を立てることができれば、切り口をスムーズに思いつくことができるのです。
(5)左右は関連性を意識する
左右の関連性を意識するために、包有関係や因果関係を意識しましょう。
包有関係とは、要素分解ツリーがあり右の要素と左の要素が同じになります。たとえば、全体の人口は、女性の人口と男性の人口の合計となるので両者の関係は包有関係といえるのです。
因果関係とは、原因追求ツリーがあり右の要素が原因、左の要素がその原因の結果である関係性です。たとえば、運動不足の原因がインドア派であるとした場合、インドア派自体が運動不足であるため因果関係があるとは言えないのです。
(6)縦の順序を整列させる
要素を分解したとき、複数の要素に分解されることも多々あるので、要素の縦の順序を整列させることを意識しましょう。
要素を整理する手法として、内部/外部要因で分類するイン/アウト、単発要素/継続要素で分類するフロー/ストック、有形/無形の有訴で分類するハード/ソフトがあります。
これを押さえておくことで、スムーズな問題解決につながるでしょう。
(7)終点は具体的な行動にする
ロジックツリーで問題に対する要素を書き出していくことで、解決策を具体的にすることができます。
もし問題の原因を中途半端にしてしまったら、具体的な解決策につながりません。原因に対してSo How?と問い続けて落とし込んでいくことで、解決策を具体的な行動につなげることができるのです。
なるべくすぐに取り組める具体的な行動にまで落とし込みましょう。
まとめ
ロジックツリーを使いこなして論理的思考力を鍛えよう
ロジックツリーとは、フレームワークの1つ。
この記事ではロジックツリーをつくるメリット、作り方、作成のポイントについてご紹介しました。何か問題が生じて解決したいとき、ロジックツリーを使いこなすことで解決策を見出しましょう。
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)