質問力を高めるメリットとは?コミュニケーションを変える鍛え方のコツ
最終更新日:2025/07/16
作成日:2016/09/06
ビジネスにおけるコミュニケーションの質は、成果や信頼関係に直結します。なかでも「質問力」は、相手の意図を正しく汲み取り、的確な判断や提案を行ううえで欠かせないスキルです。
優れたリーダーやコンサルタント、営業担当者は、状況に応じた質問を通じて本質的な課題を引き出し、会話を深め、相手の思考や意図を可視化しています。
本記事では、ビジネスパーソンにとって不可欠な「質問力」とは何か、その重要性、実際に活かせる場面、そして鍛え方のコツを解説します。

< 監修者プロフィール >
大野 晴司(おおの せいじ)
東京都立大学(現首都大学東京)卒業後、日産自動車で国内のマーケティング部門や系列ディーラーでの営業マンや本社販促部署長などを経験。中小企業診断士資格取得のために退職、2003年3月資格取得。その後、マーケティングリサーチ会社、自動車関連メーカーを経て、2008年にビズ・エキスパート株式会社を設立。神奈川・東京の中小・中堅企業の営業力・マーケティング力支援のほか、経営企画業務、新規事業支援を主な事業として活動中。また、企業向けセミナー講師なども務める。
ビズ・エキスパート株式会社:http://b-ex.biz/index.html
プロフェッショナリズムインタビュー:https://freeconsultant.jp/workstyle/w020
目次
■質問力を活かせるビジネスシーン
(1)コーチングで相手の気づきを促す
(2)チームミーティングで意見を引き出す
(3)マネジメントで部下の成長を促す
(4)コンサルティングで課題の本質を探る
(5)営業やプレゼンで相手のニーズをつかむ
(6)採用面接で応募者の本音を引き出す
(7)カスタマー対応で信頼関係を築く
■質問力を身につけるメリット
(1)相手への関心を示せる
(2)問題解決の糸口が見える
(3)必要な情報を効果的に得られる
(4)相手の思考や理解を深められる
(5)信頼関係の構築につながる
■質問の種類と特徴を知ろう
(1)オープンクエスチョン
(2)クローズドクエスチョン
(3)サトルクエスチョン
(4)過去のことを聞く質問
(5)未来のことを聞く質問
(6)肯定的な質問
(7)否定的な質問
■良い質問・悪い質問とは?具体例で学ぼう
(1)良い質問の例
(2)悪い質問の例
■質問力を高めるトレーニングのコツ
(1)常に「なぜ?」を持つ習慣をつける
(2)質問力の高い人のやり方を観察する
(3)受けた質問を振り返るクセをつける
(4)質問の切り口を増やす練習をする
(5)場数を踏む・質問することに慣れる
■質問する際のポイントや注意点
(1)質問の目的と意味を明確にする
(2)相手との関係性を意識する
(3)先入観を捨てて話を聞く
(4)軽めの質問から入る
(5)答えやすい雰囲気づくりをする
(6)傾聴力を意識して対話を深める
(7)相手の考えを否定しない
(8)フォローアップ質問を活用する
(9)専門用語を多用しない
質問力とは

質問力とは、単に疑問を投げかける力ではなく、相手との対話を深め、理解を深めるためのコミュニケーションスキルです。
自分が何を知りたいのかを明確にしつつ、相手の意図や背景に配慮しながら、的確なタイミングで適切な問いを投げかけることが求められます。
良い質問は、相手の考えを整理させたり、気づきを促したりする力を持っています。会話を一方通行にせず、双方向のやり取りを生み出すためにも、良い質問を投げかけるのは極めて重要です。
また、質問は相手への関心やリスペクトを示す手段でもあり、信頼関係の構築にもつながります。
ビジネスはもちろん、家庭や友人関係、教育の場など、あらゆる対人関係において「相手を理解しようとする姿勢」として、質問力は不可欠なスキルだといえるでしょう。
なぜ質問力がビジネスで重要なのか

ビジネスにおいて質問力は、単なる情報収集の手段ではなく、成果を引き出すための戦略的なスキルです。適切な問いかけによって、相手の意図や状況を正確に把握し、認識のズレを防ぐことで、業務の効率化や的確な意思決定を支えます。
また、質問を通じて相手への関心を示すのは、信頼関係の構築に直結します。誠実な問いかけは相手の発言を促し、対話の質を高める効果があります。
さらに、自分自身や相手の思考を可視化し、整理するプロセスとしても機能するため、課題発見や問題解決においても極めて有効です。
質問力はコミュニケーションの土台となるだけでなく、マネジメント・営業・プロジェクト推進など、あらゆるビジネスシーンで成果を左右する重要なビジネススキルといえるでしょう。
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質問力を活かせるビジネスシーン

質問力は、会議やプレゼン、顧客対応、マネジメントなど、さまざまなビジネスシーンで重要な役割を果たします。適切な問いかけは、意思決定を助け、信頼関係を築き、課題解決の糸口にもなります。
ここでは、代表的なビジネスシーンにおいて質問力がどのように活かされるのかを見ていきましょう。
コーチングで相手の気づきを促す
コーチの役割は、答えを直接伝えるのではなく、相手の中にある考えや答えを引き出すことです。
状況に応じた適切な問いかけを通じて、相手は自身の課題を客観的に見直し、新たな視点や行動のヒントを得ます。
こうした質問の積み重ねが、相手の自己理解や行動変容を後押しします。
チームミーティングで意見を引き出す
チームミーティングにおいては、参加者が主体的に意見を出しやすい雰囲気づくりが鍵となります。そのためには、発言のきっかけとなる問いかけが有効です。
アイスブレイクとして軽い質問を用いたり、意見を引き出すためのオープンな質問を活用したりすることで、メンバーは安心して自分の考えを話せるようになります。
意見に対するリアクションも丁寧に行い、否定せずに受け止める姿勢が、活発な議論とアイデアの共有につながります。
マネジメントで部下の成長を促す
マネジメントにおいては、一方的な指示やアドバイスではなく、部下が自ら気づき、行動に移せるよう導く問いかけが重要です。
たとえば、「どのように取り組んでみたいですか?」や「その原因は何だと思いますか?」といった質問は、内省を促し、主体性を引き出すのに役立ちます。
適切な質問は部下の自信を育て、より高い成果を目指す意欲にもつながるでしょう。
コンサルティングで課題の本質を探る
コンサルティングでは、クライアントの抱える問題の本質を見極める力が求められます。その際、表面的な情報だけでなく、背景や構造に踏み込むための質問力が不可欠です。
多角的な視点から問いかけを行い、課題の根本原因を引き出すことで、より実効性のある提案や解決策につなげられます。
丁寧なヒアリングと鋭い質問によって、クライアントに新たな視点や気づきをもたらすのも可能になります。
営業やプレゼンで相手のニーズをつかむ
営業やプレゼンテーションの場では、相手のニーズを正確に把握することが成果に直結します。効果的な質問を活用すれば、表面的な要望だけでなく、相手の課題や潜在的なニーズまで掘り下げられます。
質問を通して相手との信頼関係が築かれ、相手も自身のニーズをより明確に理解できるようになります。これにより、提案の説得力も高まり、成果につながりやすくなります。
採用面接で応募者の本音を引き出す
採用面接では、限られた時間の中で応募者の本音や人物像を把握する必要があります。そのためには、表面的なやりとりではなく、応募者がリラックスして話せるような雰囲気をつくり、深掘りする質問を意識する点が大切です。
たとえば、「前職で最もやりがいを感じたのはどんなときでしたか?」といった質問は、面接中にその人の価値観や行動特性を知る手がかりとなります。
応募者の真の姿を引き出す質問をすれば、ミスマッチを防げて適切な人材採用につながるでしょう。
カスタマー対応で信頼関係を築く
カスタマー対応では、顧客の不満や課題を的確に把握し、解決へ導くための質問力が求められます。
特にクレーム対応の場面では、感情に配慮しながらも、問題の本質を探るための丁寧な質問が欠かせません。顧客の発言をしっかりと受け止め、背景にある事情や意図を汲み取る姿勢を見せることで、信頼関係を築けます。
的確な質問を通じて顧客の期待に応えられれば、満足度の向上やリピートにもつながります。
質問力を身につけるメリット

質問力を高めると、対人関係や問題解決力、コミュニケーションの質にも大きな違いが生まれます。
ここでは、質問力を身につけることで得られる主なメリットについて、具体的に見ていきましょう。
相手への関心を示せる
質問をする行為は、相手に興味や関心があるのを示すものです。これにより、相手は「自分の話をきちんと聞いてくれている」と感じ、安心感を抱きやすくなります。
また、相手への関心を示すと、好意や共感を得られ、心の距離を縮められます。
ただし、一方的な質問攻めではなく、相手の話をよく聞き、適切なタイミングで質問を投げかけるようにしましょう。
問題解決の糸口が見える
高い質問力は、論理的な思考の起点にもなります。
問題の構造を把握し、「なぜその問題が発生したのか」「どこに課題の本質があるのか」といった問いを通じて、原因の特定や解決策の方向性を導き出せるようになります。
的確な質問は、表面的な対処ではなく、根本的な解決への第一歩となるのです。質問の質が、思考の深さと直結する場面も少なくありません。
必要な情報を効果的に得られる
質問力が高い人は、相手から本質的かつ有用な情報を効率的に引き出せます。目的を明確にし、論理的に整理された質問を行うことで、無駄のない情報収集が可能となります。
また、想像力を働かせて相手の立場や状況を推測しながら質問すると、相手の言葉の裏にある意図やニーズまで掘り下げられます。これは、ヒアリング力の向上や提案力の強化にも直結すると言えるでしょう。
相手の思考や理解を深められる
効果的な質問は、相手の思考を整理・活性化させる手段でもあります。
「どうしてそう思ったのか?」「他にどんな選択肢があるか?」といった問いかけは、相手に内省を促し、理解を深める手助けとなります。論理的に構成された質問は、相手に新たな視点を提供し、想像力を広げるきっかけにもなります。
このような対話は、お互いの理解を深め、より実りあるコミュニケーションへとつながります。
信頼関係の構築につながる
質問力は、対話のなかで相手の価値観や考え方を尊重する姿勢を示す手段でもあります。適切な質問を通じて相手に寄り添い、深く理解しようとする姿勢は、強い信頼関係を築く基盤となります。
特に、想像力をもって相手の状況を汲み取り、論理的に意図を明らかにしていくプロセスは、単なる情報交換ではなく「人と人との関係」を深める重要な役割を果たします。
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質問力が高い人に共通する特徴とは?

質問力とは、相手の考えや状況を引き出し、対話を深めるための重要なスキルです。質問力が高い人には、以下のような特徴があります。
- ・表情・声のトーン・言葉の選び方から情報をキャッチできる
- ・物事の構造や背景をロジカルに考えられる
- ・相手が答えやすい形で問いかける
- ・相手に気づきを促す姿勢を持っている
こうした要素を兼ね備えた人は、質問力を「聞く力」ではなく「対話をデザインする力」として活用し、円滑なコミュニケーションや的確な問題解決につなげているのです。
質問の種類と特徴を知ろう

質問力を高めるためには、まず「どんな種類の質問があるのか」を知っておくのが大切です。質問にはさまざまな形式があり、それぞれに適した使いどころがあります。
ここでは、代表的な質問の種類とその特徴、効果的な活用方法について見ていきましょう。
オープンクエスチョン
オープンクエスチョンは、相手が自由に答えられる質問形式で、対話を深めたいときに効果を発揮します。たとえば、「どう感じましたか?」「なぜそう思ったのですか?」といった質問は、相手の価値観や背景、感情を引き出せます。
回答の幅が広いため、相手の思考や意図を想像力を働かせて理解する手助けにもなります。
ただし、目的が曖昧だと話が拡散しやすいので、質問の意図を明確にしたうえで使うのがポイントです。
クローズドクエスチョン
クローズドクエスチョンは、「はい」か「いいえ」など、選択肢が限定された質問です。事実確認や意思決定を求める場面に適しており、短時間で明確な回答を得たいときに有効です。
クローズドクエスチョンは、対話の流れをコントロールしたいときや、論理的に情報を整理する際に役立ちます。
ただし、相手の考えを深掘りするには不向きなため、他の質問形式と併用するのが望ましいでしょう。
サトルクエスチョン
サトルクエスチョンは、相手に質問されていると意識させずに、自然な流れで本音や深層心理を引き出す質問技法です。たとえば「多くの人はこの点で悩むようですが、あなたはどうですか?」といった、仮説を含んだ問いかけが該当します。
相手に安心感を与えつつ、心理的な抵抗を和らげる効果があり、まだ信頼関係が十分に築けていない相手との対話で有効です。想像力と観察力を活かしながら、相手の反応を丁寧に見極める必要があります。
過去のことを聞く質問
過去の出来事に関する質問は、相手の経験や価値観、判断基準を知るための有効な手段です。
「これまでにどんなことを経験してきたのか」「どんな場面で成果を出してきたのか」などを尋ねることで、相手の強みや課題へのアプローチ方法が見えてきます。
<具体例>
- ・「これまでで一番うまくいったプロジェクトは何でしたか?」
- ・「以前、同じような状況に直面したことはありますか?」
このタイプの質問は、信頼関係を築くきっかけにもなりやすく、自然な流れで話を深めることができます。特に初対面の相手や、これまでの経緯を知りたい場面で重宝されます。
未来のことを聞く質問
未来志向の質問は、相手の目標や意欲、価値観を引き出すのに適しています。「今後どうなりたいか」「どんな成長を望んでいるか」といった問いかけは、本人の内面にある思いを可視化するのに役立ちます。
<具体例>
- ・「この仕事を通じて、どんな力を身につけたいですか?」
- ・「理想的な働き方は、どんなものだと思いますか?」
また、ビジョンを共有することで対話の方向性が明確になり、相互理解を深めることができます。コーチングやキャリア面談、目標設定の場面などでも多く活用される質問形式です。
肯定的な質問
肯定的な質問は、相手の強みや可能性に目を向けてもらうことで、前向きな思考を引き出す効果があります。
「何ができそうか」「どんな工夫が考えられるか」といったポジティブな切り口は、建設的な対話を生みやすく、行動を後押しするきっかけにもなります。
<具体例>
- ・「今より良くするために、どんな工夫ができそうですか?」
- ・「あなたの強みを活かすには、どんな方法がありそうですか?」
特に問題に直面しているときや、改善策を考える場面で効果的です。相手に安心感を与え、自信を持たせたいときにも活用できます。
否定的な質問
否定的な質問は、あえてネガティブな切り口から問いかけることで、問題点や課題を明確にし、相手に気づきを促すための手法です。
「なぜうまくいかなかったのか」「何が足りなかったのか」などの問いは、現状の見直しや改善点の洗い出しに役立ちます。
<具体例>
- ・「なぜこの方法ではうまくいかなかったのでしょうか」
- ・「この取り組みに足りなかった点は何だと思いますか?」
ただし、投げかけ方によっては相手を責めているように聞こえることもあるため、タイミングや語調には十分な配慮が必要です。冷静に状況を見つめ直したいときや、行き詰まりを打破したい場面で効果を発揮します。
良い質問・悪い質問とは?具体例で学ぼう

質問する力を高めるためには、良い質問と悪い質問の違いを正しく理解しなければなりません。良い質問は相手の思考を深め、新たな気づきを促す一方で、悪い質問はコミュニケーションの妨げになる恐れもあります。
ここでは、具体例な質問の例文を通して質問力を上げるポイントを見ていきましょう。
良い質問の例
相手の思考を深め、新たな気づきを促す質問の例を紹介します。
たとえば、「この目標が達成できたら、具体的にどのような状態になっていると思いますか?」という質問は、目標達成後の具体的なイメージを引き出し、相手の思考をよりクリアにします。
また、「この課題に対して、どのような解決策が考えられますか?」という質問は、問題の本質に迫り、相手自身の内にある解決策を探る助けとなります。
さらに、「あなたが最もやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?」という質問は、相手の価値観やモチベーションの源泉を理解するのに役立ちます。
良い質問は、単に情報を集めるだけでなく、相手のレベルに合わせて適切な深さや角度を調整し、対話の質を高める点がポイントです。質問の効果を最大化するために、要点を簡潔にまとめた質問文を意識すると、相手も答えやすくなります。
悪い質問の例
悪い質問とは、相手が答えに困ったり、質問の意図が曖昧だったりするものを指します。これらの質問は、対話の流れを止めてしまったり、相手に不快感や警戒心を与えたりするため、ビジネスにおける信頼構築を妨げかねません。
たとえば、「御社って何をしてる会社でしたっけ?」といった、自分で簡単に調べられる内容を尋ねる質問は、準備不足や関心の薄さを印象づけてしまいます。
また、「この件はどうなってるんですか?」「あれもこれも気になりますけど…」のように、質問が長すぎて要点が定まらない場合、相手は何を答えるべきか迷ってしまいます。
さらに、「それって、意味ありますか?」といった否定的な聞き方は、防御的な反応を引き起こし、建設的な対話を妨げてしまいます。
質問する際は、相手の状況や関係性に応じて適切なレベルで問いかけるのが大切です。また、質問の要約力を意識して端的に整理し、相手が回答しやすいように心がけましょう。
質問力を高めるトレーニングのコツ

質問力を高めるには、日々の意識と継続的なトレーニングが欠かせません。どんな小さな場面でも疑問を持つ姿勢や、効果的な質問の方法を身につけることが、実践力アップにつながります。
ここからは、質問力を磨くために具体的にどんなトレーニングを行えばよいのか、そのコツを見ていきましょう。
常に「なぜ?」を持つ習慣をつける
質問力アップの基本は、何事にも「なぜ?」と疑問を持つ習慣をつけることです。
日常や仕事で当たり前に感じる内容でも「なぜそうなるのか」「どうしてそうするのか」を自問し続けると、物事の本質を捉える力が養われます。
こうした探求心は、質問の切り口を広げ、論理的に考える力を高める土台となります。
質問力の高い人のやり方を観察する
周囲の質問上手な人の話し方や質問のタイミングを意識的に観察しましょう。
上司や先輩、メディアの司会者など、質問力に優れた人のやり方を真似ると、相手や場面に応じた適切な深さや配慮のある質問やテクニックを自分のものにできます。
その際、相手の反応も注視し、どんな質問が効果的かを分析するのもポイントです。
受けた質問を振り返るクセをつける
自分が受けた質問を思い返し、良かった点や答えづらかった点を整理する習慣をつけましょう。
こうした振り返りによって、相手にとって答えやすい質問の要素を把握できます。これは、質問の質を要約して理解し、自分の質問スタイルを磨くことにもつながっていくでしょう。
質問の切り口を増やす練習をする
5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)などのフレームワークを使って、多角的に質問を考える練習が効果的です。
質問の引き出しを増やすために、良い質問リストを作成したり、ビジネスフレームワークを活用したりするのもおすすめです。
論理的に質問を組み立てる力が鍛えられ、相手の理解度や状況に合わせた質問がしやすくなります。
場数を踏む・質問することに慣れる
実際に多くの場で質問を投げかけ、経験を積むことも重要です。場数を踏んで質問に慣れ、自然に相手が答えやすい質問を選べるようになります。
さらに、相手の表情や声のトーンなど、言葉以外の情報を読み取りながら質問する力も養われます。
こうした経験は、質問力のみならず、コミュニケーション全体のスキルアップにもつながります。
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質問する際のポイントや注意点

ここまでの内容をふまえて、実際のコミュニケーションで活かせる質問のコツや注意点を整理しておきましょう。
ちょっとしたポイントを意識するだけで、質問の質がぐっと上がり、実践の場でも自信を持って使えるようになります。
質問の目的と意味を明確にする
質問を投げかける前に、その目的や意味(=質問の“定義”)を自分の中で整理しておきましょう。
何を知りたいのか、相手にどんな反応を求めているのかを明確にすると、無駄な遠回りを避け、的を射た質問ができるようになります。
逆に目的が曖昧なまま質問すると、相手は意図をつかめず、的確な回答が得られにくくなります。
相手との関係性を意識する
質問の内容やトーンは、相手との関係性に大きく左右されます。
初対面や関係性が浅い相手には、無理に深掘りせず、まずは安心感を持ってもらえるような柔らかい質問から始めましょう。
信頼関係ができてからこそ、相手の内面に踏み込んだ質問が効果を発揮します。
先入観を捨てて話を聞く
質問の本質は、「相手を理解しようとする姿勢」にあります。
あらかじめ答えを決めつけたり、自分の意見に当てはめて話を聞くのではなく、先入観を捨てて、相手の立場や視点に立つよう意識しましょう。
相手の発言を丸ごと受け止める傾聴力が、より深い対話を生み出します。
軽めの質問から入る
どんなに話しやすい相手でも、突然深い質問をされると戸惑うものです。
最初は「最近忙しいですか?」「今日はどうやって来られたんですか?」のような、ちょっとした雑談レベルの質問からスタートするのがベターです。
段階的に質問のレベルを上げていくと、自然な流れで本題に入れます。
答えやすい雰囲気づくりをする
質問をする際は、言葉そのものだけでなく、聞く姿勢や場の空気感も大切です。
適度な相槌やアイコンタクト、うなずきなどを交えながら話を聞き、相手に「しっかり聞いてもらえている」と感じてもらえる環境を整えましょう。
相手が安心して話せる雰囲気をつくるのが、本音や本質的な意見を引き出すカギになります。ちょっとした配慮や反応が、信頼感を高めるきっかけになるでしょう。
傾聴力を意識して対話を深める
相手の言葉を聞くときは、ただ「聞く」のではなく「聴く」姿勢を持ちましょう。言葉の奥にある感情や背景を読み取る意識が大切です。
話の要点を整理したり、相手の言葉を要約しながら返したりすることで、「理解されている」と相手が感じ、より深い会話が生まれます。これも質問力を支える大切なルールのひとつと言えるでしょう。
相手の考えを否定しない
どんなに意見が違っても、相手の答えを頭ごなしに否定しないことが、信頼関係の前提となります。
仮に自分と異なる考えだったとしても、「そういう考え方もあるのですね」と受け止める言葉を挟むと、相手の心を閉ざさずにすみます。否定せずに受け入れるだけで、より本音を引き出す対話が可能になります。
フォローアップ質問を活用する
相手が答えた内容に対して「もう少し詳しく教えていただけますか?」「それはいつ頃の出来事でしたか?」といった「フォローアップ質問」をすることで、対話の深度が一気に増します。
相手の言葉に興味を持っている姿勢が伝わり、信頼関係の構築にもつながります。会話のキャッチボールを意識するのがポイントです。
専門用語を多用しない
特定の業界用語や英語表現を無意識に使うと、相手が意味を理解できず会話が噛み合わないときがあります。
専門用語が必要な場合でも、やさしい言葉に言い換える配慮が求められます。
たとえば「PDCAを回す」という表現を、「計画して行動し、改善するサイクルを意識する」と言い換えるなど、相手に合わせた工夫が重要です。
まとめ

質問力は、単なる情報収集の手段ではなく、相手との信頼関係を築き、思考を深め、より良いコミュニケーションを実現するための重要なスキルです。
質問によって相手の本音や価値観を引き出すことで、より本質的な課題解決や意思決定にもつながります。
質問力は、ビジネスの現場はもちろん、転職活動やフリーランスとしての独立・案件獲得など、キャリア形成の場面でも大きな武器になります。クライアントと信頼関係を築く上でも、相手のニーズや期待をくみ取る質問力は欠かせません。
日々の対話の中で質問力を意識的に鍛え、実践で活かしていくことで、あなたのキャリアや人間関係に確かな変化が生まれるはずです。
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