新規事業立ち上げのリスクを減らせる!プロ人材の活用とは?

作成日:2020/09/11

コロナ禍による人々の生活スタイルや社会構造の変化によって、今までのビジネス戦略の見直しを迫られ、新規事業にチャレンジしている方もいらっしゃるでしょう。新規事業の成功率を上げるポイントの一つが外部人材の活用。これまでさまざまな企業へプロフェッショナル人材を紹介してきた経験をもとに「人材活用」という視点から、新規事業の失敗リスクを低減させる方法についてお伝えします。

 

目次

■新規ビジネスの立ち上げ失敗事例から学ぶ
(1)大企業の新規ビジネス立ち上げ失敗事例
(2)スタートアップ・ベンチャー企業の新規ビジネス立ち上げ失敗事例
(3)中小企業の新規ビジネス立ち上げ失敗事例

 

■新規事業プロジェクトでつまずく2つの原因
(1)戦略/準備不足
(2)スピード

 

■新規事業プロジェクトに外部のプロ人材が最適な3つの理由
(1)「プロジェクト期間中だけ」など短期間でアサインできる
(2)戦略立案や企画の経験とスキルを持っている
(3)ノウハウを社内に蓄積させることができる

 

 

新規ビジネスの立ち上げ失敗事例から学ぶ

 

そもそも新規事業の成功率は低く「イチローの打率より低い」なんて言われることもあります。あのAppleやGoogleでさえ、新規事業に挑戦して失敗した経験があるくらいなので成功がいかに難しいかがよくわかります。こうした過去の失敗から、学べることもきっとたくさんあるはず。

 

 

そこで「大企業」「スタートアップ・ベンチャー企業」「中小企業」という企業タイプ別に、新規ビジネスに参入したものの失敗してしまった事例をまとめてみました。

 

もちろん、該当しない場合もありますが、大きく

・資金力
・スピード感

の2つが要因として考えられます。

(1)大企業の新規ビジネス立ち上げ失敗事例

資金に余裕があって社員数が多い大企業でも、新規事業を成功させるのはなかなか難しいのが現実です。その理由は主に2点。

 

・参入に慎重になりすぎてしまう
・ステークホルダーが多く調整に時間がかかる

 

その結果、参入が遅れ競合他社がシェアを拡大してしまうのです。

 

特に日本の大企業は、新規事業を社内で立ち上げた経験が少ないために、参入に慎重になりすぎてしまうことも多いようです。ビジネス戦略の企画に時間をかけすぎたため、参入のタイミングを逃してしまうほか、他部署やステークホルダーからのブレーキがかかり参入のタイミングが大幅に遅れるなどによって、準備が整った段階ではすでに競合他社がシェアを拡大していた…ということもあるのです。

 

規模が大きい大企業では、資金力があるため外部のコンサルティングファームに依頼することも多いですが、プロセスに慎重になるゆえ、参入スピードの部分が失敗につながりやすいのではないでしょうか。

(2)スタートアップ・ベンチャー企業の新規ビジネス立ち上げ失敗事例

スタートアップやベンチャー企業に対して、「イノベーションにつながる企画が得意で、スピード感もあって新規ビジネスに参入しやすい」というイメージを持つ方も多いかもしれません

しかし、一方でこうした企業が直面する課題が、資金や人材の余力の少なさ。資金調達して始めるときとは異なりますが、スピード感はあるが先立つものがないという状況は往々にしてあるものです。

 

・ビジネススピードが速いゆえに、事業の優先順位が途中で変わる
・資金や人材に余裕がないゆえに、優先順位の高いところに投下される

 

その結果、やむを得ず新規ビジネスのクローズを選択せざるを得なくなるのです。

 

メイン事業をさらに成長させなければいけない中で、新規ビジネスを立ち上げようとすると大きな壁に直面してしまいます。

実際にあるベンチャー企業ではいくつか新規ビジネスを企画して、事業を拡大しようとしていました。ところが経営上の判断でメイン事業を優先させることとなり、やむを得ず新規ビジネスをクローズさせたそうです。

(3)中小企業の新規ビジネス立ち上げ失敗事例

中小企業では経営者の影響力が大きく意思決定のスピードが早い反面、企画の精査が不十分なケースもあるようです。

 

・社内に戦略立案の専門知識を持つ人材がいない
・企画の精査が不十分のまま事業参入

 

その結果、収益化が見込めず事業を断念する結末に。

 

ある中小企業では経営者が独断で企画を立て、新たな顧客を開拓しようとしました。ところが企画の精査が不十分で具体性に欠けていたため、うまくいかなかったそうです。

 

別の中小企業では新たにネット広告事業に参入したものの、最終的に収益化が見込めず続行を断念したと言います。

 

戦略や企画の立案には、フレームワークなどの専門知識が求められます。こうしたスキルを持つ人材が社内にいないという問題が、中小企業のボトルネックかもしれません。

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新規事業プロジェクトでつまずく2つの原因

 

過去の失敗事例を見ていくと、敗因は大きく2つに分類できます。

・戦略/準備不足
・スピード

(1)戦略/準備不足

新規事業のビジネス戦略を立てるには、スキルと経験が求められます。一般的に新規事業などを手掛ける戦略系コンサルタントは、課題解決のためにさまざまなフレームワークを駆使。例えば新規事業プロジェクトでは、PEST分析SWOT分析などのフレームワークがよく使われます。

 

こうしたフレームワークを使わないまま戦略を立ててしまうと、他社との差別化調査が不十分、収益化の検討に漏れがあった…というように、抜け漏れの多いビジネス戦略になりがちです。

もちろんフレームワークだけではなく、戦略立案にはさまざまなノウハウや経験が求められます。そのため、社内に最適な人材がいない場合は専門人材に依頼することが、結果的に近道となります(ナビに頼って目的地に向かうイメージ。ナビ=専門のプロフェッショナル人材)。

新規事業では、現状の市場だけではなく新たな市場を開拓して、新しい顧客を獲得したいケースが多いでしょう。こうした市場の拡大のためには、市場調査やニーズ分析、コンセプトづくりといったさまざまな準備が必要になってきます。

 

しっかり市場調査したはずなのにニーズとズレていたという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。これは新規事業の立ち上げノウハウを持つ専門人材が社内にいないため、準備が足りていなかったことが原因と言えるでしょう。

(2)スピード

一方で、時間をかけすぎるのも失敗の要因の1つ。

大企業の事例にあったように、企画段階で慎重になりすぎてしまうと、せっかく新規事業に挑戦しても好機を逃してしまいます。テクノロジーの進化が早い昨今では、市場調査をしてから時間が経過しすぎてしまうと、せっかくの戦略も市場とマッチしなくなってしまうケースもあります。

 

・社内ベンチャーや社内起業制度は、新規事業に向かない?

 

「戦略/準備不足」という敗因を突き詰めていくと、「新規事業に関わるスキルやノウハウを持つ人材がプロジェクトにいない」ということが根本的な原因として挙げられるのではないでしょうか。

とはいえ予算の都合もあり、なかなか外部のリソースには頼りづらいかもしれません。そこで、社内ベンチャーや社内起業などの制度を設ける企業も多いようです。

 

社内ベンチャーや社内起業の場合、中堅人材に経営者視点を持たせるなどスキルアップにつながる点ではメリットがあります。その反面、新規事業の成功率で見ると、社内ベンチャーや社内起業という制度は社員にとってむしろマイナスになる可能性もあるのです。

 

その原因は2つ。

 

1)社内メンバーの多くは起業や新規事業の経験がなく、専門スキルを持っていないため
2)社内の考え方や取り組み方に固執してしまいがちなため

 

普段の仕事に関わるスキルと、社内ベンチャーや社内起業に関わるスキルは全く異なります。社内で評価の高い中堅人材が、新規事業の戦略に必要なフレームワークを熟知しているわけではありません。また、社内メンバーだけで構成されたプロジェクトでは、社内の視点で企画や戦略を立案してしまうため、どうしても新しいイノベーションにつながりにくい面があります。

 

つまり新規事業の人材不足を解決するためには、社内だけではなく外部の人材をうまく利用することが必要です。「そうは言ってもコンサルファームに依頼するほど予算がない」という場合は、フリーのコンサルタントを起用することを検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

新規事業プロジェクトに外部のプロ人材が最適な3つの理由

 

外部からとにかくスキルと経験を持つ専門人材を集めればうまくいくわけではなく、やみくもに外部から専門人材を集めても、失敗の原因になってしまいます。

新規事業プロジェクトの課題を解消する方法は、前述した既存社員のアサイン(社内ベンチャー)以外に3つあります。

 

◆大手のコンサルティングファーム

豊富なスキルを持つコンサルタントたちがプロジェクトをけん引してくれますが、高額の費用がかかることは覚悟する必要があります。資金力のある企業であればコストをかけて挑戦することもできますが、そもそも新規事業は成功することの方が少ないです。プロジェクト費用がかかりすぎると、コストを回収できないリスクが高まります。

 

◆即戦力人材の中途採用

「この際だから社員を増やそう!」と新たに採用を行なう場合、募集から採用まで時間がかかってしまうというデメリットがあります。特に参入するタイミングが重要な新規事業では、採用に時間をかけすぎるのは致命的です。

 

◆フリーのプロ人材

コンサルティングファームや即戦力の中途採用が持つ課題を解決する人材として、フリーランスのプロフェッショナル人材という選択肢があります。

フリーランスは、新規事業プロジェクトを担う上で必要な、下記の「3つの条件」をクリアしているのです。

(1)「プロジェクト期間中だけ」など短期間でアサインできる

コンサルティングファームに委託する場合、基本的に数人のチームを組んでプロジェクトを進めていくため、トータルコストが膨らみがち。またあまりに規模の小さい案件だとそもそも請け負ってもらえない、というケースもあります。

一方、フリーランスのプロフェッショナル人材なら、1人だけアサインすることも可能です。また「プロジェクト期間だけ」というように、短期間のアサインも可能。短期間ならその分コストが抑えられる可能性も高くなります。

例えば「新規事業を立ち上げるまでは手を借りたいけれど、その後は社内で対応したい」というケースにも対応できます。委託期間や人数、働き方などさまざまな面で柔軟に対応できるところは、フリーランスのプロフェッショナル人材ならではのメリットと言えるでしょう。

 

先の見えない新規事業の場合、いきなり拡大路線ではなくまずは小さな規模で進める「リーンスタートアップ」という進め方もあります。

こうしたケースにも、フリーランスならではの対応のしやすさ。「常駐だとコストがかかるので、週2日だけ相談したい」という要望にも柔軟に対応できます。事業がスタートし、しばらく経過してから勤務時間を拡大したいという要望を叶えられるのは、チームではなく1人からアサインしやすいフリーランスのプロ人材を活用する大きなメリットです。

(2)戦略立案や企画の経験とスキルを持っている

リーランスの方は、大手コンサルティングファームで実績を積んだ方も大勢います。独立できるだけのスキルを備えており、新規事業の企画や戦略を立てるためのフレームワークなど、専門的な知識を持つ方が多いのも特徴です。

またフリーランスの方々は職種や業種もとても幅広いので「新規事業では新しい市場へ参入したいので、業界経験がある人に頼みたい」という照準を絞った相談にも対応しやすいメリットがあります。

 

実際にフリーランスを導入したクライアントからは、「異業種の人材がプロジェクトに関わることでイノベーションにつながった」という声もあがっています。

(3)ノウハウを社内に蓄積させることができる

大手コンサルティングファームに委託すると、基本的に主導権は外部のコンサルタントが握ることになります。ここで課題になりやすいのが「戦略立案やプロジェクト進行などのノウハウが社内に残らない」という点。新規事業の勝率を上げていくには、1つの新規事業を立ち上げて終わりにせず次につなげていく必要があります。

 

フリーランスのプロフェッショナル人材は柔軟な対応ができるので、プロ人材側が現場に入り込み、社内にナレッジやノウハウを伝えながらプロジェクトを進めるというやり方も可能です。

こうした進め方なら、例えば「戦略立案に必要なフレームワークの使い方」などのノウハウも社内に残すことができます。事業を進めるとともにプロのスキルを学べる機会になるので、社内のモチベーションを高める効果も期待できます。

 

 

人々の行動や考え方がコロナ禍によって大きく変化している今、従来の事業を続けていくだけでもリスクがあるという声もあります。アフターコロナに向けて、新分野への参入や新規顧客の開拓など、イノベーションに挑戦する姿勢はあらゆる企業に求められているでしょう。

新規事業の成功率は高くありませんが、失敗のリスクを減らすために外部人材、特にフリーランスのプロフェッショナル人材の活用を検討してみるのも一つの方法です。

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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