顧客ロイヤルティとは?顧客満足度との違いや向上施策を解説

最終更新日:2025/12/18
作成日:2018/08/20

市場競争が激化する中、店舗運営や事業成長において顧客ロイヤルティを高める取り組みが重要視されています。単に顧客満足が高いだけではリピートにつながらない場合に、鍵となるのが顧客ロイヤルティの向上です。

 

しかし、現場では顧客満足度との違いや本来の意味を正しく理解できていないケースも少なくありません。

 

そこで本記事では、顧客満足度との明確な違いや顧客ロイヤルティを高めるメリット・具体的な施策について詳しく解説します。具体的な向上の施策についても紹介するため、ぜひ事業戦略の参考にしてください。

 

目次

 

■顧客ロイヤルティとはどういう意味?

 

■顧客ロイヤルティの4つの指標
(1)NPS(ネットプロモータースコア)
(2)CS(顧客満足度)
(3)継続利用意向
(4)LTV(ライフタイムバリュー)

 

■顧客ロイヤルティの向上で得られる3つのメリット
(1)リピーター率が向上し解約率が減少する
(2)顧客単価が上がる
(3)新規開拓や広告費削減につながる

 

■顧客ロイヤルティ向上を目指す実践プロセス
(1)顧客ロイヤルティを数値化し現状把握する
(2)施策を決めてKPIを設定する
(3)施策を実行しPDCAを回す

 

■顧客ロイヤルティを高める施策例4選
(1)カスタマーエクスペリエンスの向上を目指す
(2)ロイヤルティプログラムを提供する
(3)顧客一人ひとりとの接点を増やす
(4)価値観を発信し共感を促す

 

■顧客ロイヤルティに関連するよくある質問
(1)「顧客ロイヤルティが高い状態」とは?
(2)ロイヤル顧客とは?
(3)マーケティングにおけるロイヤルティとは?
(4)顧客ロイヤルティとエンゲージメントとの違いは?
(5)顧客ロイヤルティとコミットメントとの違いは?

 

■まとめ

 

顧客ロイヤルティとはどういう意味?

ペンとデバイスを持つスーツの男性と、デジタル画面に表示された顧客満足度5.0と星評価

顧客ロイヤルティとは、顧客が特定の企業やブランド、商品に対して抱く信頼や愛着の大きさを指す言葉です。

 

英語の「Loyalty(忠誠心)」に由来しており、マーケティングの分野では、顧客が特定の対象に対して感じる心理的な結びつきを意味します。

 

単に商品を繰り返し購入するだけでなく、「このブランドが好きだから使い続けたい」「他社製品よりもこちらを信頼している」といった感情が伴う状態が、「顧客ロイヤルティが高い状態」といえるでしょう。

 

かつては顧客満足度(CS)が重視されていました。しかし商品やサービスに満足していても、次回購入につながらないケースが少なくありません。こうした背景から顧客ロイヤルティが注目されるようになりました。

 

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顧客ロイヤルティの4つの指標

ノートパソコンを操作しながらデータを分析するビジネスパーソン

顧客ロイヤルティを数値で計測するには、複数の指標を組み合わせる方法が効果的です。ここで、顧客ロイヤルティを測る上で効果的な4つの指標について解説します。

 

(1)NPS(ネットプロモータースコア)

NPS(ネットプロモータースコア)は、顧客がその企業や商品を他者にどの程度すすめたいと感じているかを測定する指標です。

 

一般的に「親しい友人や同僚にこの商品・サービスをすすめたいと思いますか?」という質問を行い、0〜10の11段階で評価してもらいます。

 

回答結果は、9〜10点を付けた「推奨者」、7〜8点の「中立者」、0〜6点の「批判者」の3つに分類され、推奨者の割合から批判者の割合を差し引いてスコアを算出します。

 

推奨度が高い顧客ほど、企業やブランドに対して信頼や愛着を持っている可能性があると考えられます。そのため、NPSは顧客ロイヤルティの指標の一つとして、多くの企業で活用されています。

 

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(2)CS(顧客満足度)

CS(顧客満足度)は、商品やサービスを利用した際の満足度を測る指標です。購入した商品や受けたサービスが、顧客の期待値に対してどの程度応えられたかを示します。

 

顧客満足度を測るには、アンケートを通じて「満足」「やや満足」などの選択式回答をしてもらう方法が一般的です。提供した価値が顧客の期待を満たしているかを確認する上で役立つ指標といえるでしょう。

 

ただし、満足度が高くても必ずしも継続利用や他者への推奨に直結するとは限りません。そのため、他の指標と併用して分析することが望ましいといえます。

 

(3)継続利用意向

継続利用意向とは、顧客が今後もその商品やサービスを使い続けたいと考えているかを示す指標です。アンケートなどで「次回も利用したいと思いますか」といった質問を行い、顧客の意思を直接的に確認します。

 

この指標は、顧客ロイヤルティそのものを測るものではありませんが、ロイヤルティが行動として表れる前段階のサインと捉えることができます。

 

実際の再購入率やリピート率とあわせて分析することで、顧客の離脱リスクや改善すべき接点を把握しやすくなります。

 

(4)LTV(ライフタイムバリュー)

LTV(ライフタイムバリュー)とは、一人の顧客が取引を開始してから終了するまでにもたらす価値(売上や利益など)を表す指標です。

 

「顧客生涯価値」とも呼ばれ、顧客との関係性がどれだけ収益につながっているかを把握する目的で用いられます。

 

LTVは、購入頻度や平均購入単価、取引の継続期間など、複数の要素から構成されます。そのため、ロイヤルティが高い顧客ほど長期的に取引を続ける傾向があり、結果としてLTVも高くなりやすいと考えられます。

 

LTVは個別の施策の良し悪しを直接評価するものではありません。顧客ロイヤルティ向上の取り組みが、最終的にどの程度の成果を生んでいるかを確認するための「結果指標」と位置づけられます。

 

顧客ロイヤルティの向上で得られる3つのメリット

人型アイコンが段階的に増加し上昇するグラフ

企業が顧客ロイヤルティを重視する背景には、収益の安定化やマーケティング効率の改善など、経営に直結する多くの利点があるからです。

 

顧客との絆を深めることは、単なる売上の増加にとどまらず、事業全体の持続可能性を高める効果も期待できます。

 

ここでは、顧客ロイヤルティ向上によって得られる主なメリットを見ていきましょう。

 

(1)リピーター率が向上し解約率が減少する

顧客ロイヤルティを高めるメリットの一つは、リピーター率が向上し、解約率の低下につながる点です。

 

顧客ロイヤルティの向上は、短期的な売上拡大だけでなく、中長期的に事業基盤を強化する重要な要素ともいえるでしょう。

 

ロイヤルティの高い顧客の特徴は、価格差や一時的なキャンペーンに左右されにくく、継続的に商品やサービスを利用する傾向があることです。

 

企業やブランドに対して信頼や愛着を持つ顧客は、他社への乗り換えを検討しにくくもなります。結果的に再購入が積み重なり、解約の発生を抑えやすくなるのです。

 

特にサブスクリプション型のビジネスでは、利用が継続されること自体が収益の安定につながります。

 

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(2)顧客単価が上がる

一人当たりの顧客単価が上がりやすくなる点も顧客ロイヤルティを高めるメリットの一つです。

 

企業やブランドに対して信頼や愛着を持つ顧客は、商品やサービスの価値を理解しているため、購入時の判断に迷いにくくなります。

 

その結果、必要以上に強い売り込みを行わなくても、関連商品をあわせて購入するクロスセルや、上位サービスを選択するアップセルが上手くいきやすくなります

 

顧客が感じる安心感や納得感が、追加購入につながりやすくなるといえるでしょう。

 

一回あたりの取引額が高まっていけば、長期的にも一人の顧客から得られる売上全体の拡大が期待できます。

 

(3)新規開拓や広告費削減につながる

既存顧客が新たな顧客を呼び込むきっかけになり、結果として新規開拓や広告費削減につながりやすくなる点も、顧客ロイヤルティを高めるメリットとして見逃せません。

 

企業やブランドに対して強い信頼や愛着を持つ顧客は、自身の体験を周囲に共有する傾向があります。

 

体験共有は対面の会話だけでなく、SNS上での投稿やWebサイトへのコメントといった形で広がることも珍しくありません。

 

Web上の口コミは第三者の実体験として受け取られるため、企業からの広告よりも信頼性が高い情報として受け止められやすい特徴があります。

 

体験共有により既存顧客から新規顧客へとつながる好循環が生まれると、広告費に過度に依存しない集客構造を築きやすくなります。

 

顧客ロイヤルティ向上を目指す実践プロセス

多くの評価アイコンの中から高評価の顧客を抽出する様子

顧客ロイヤルティを高めるためには、漠然とした施策を行うのではなく、現状を正しく把握し、計画的に改善を進めるプロセスが欠かせません。

 

データに基づいた分析と改善を繰り返すことで、着実な成果へとつながっていくでしょう。ここでは、顧客ロイヤルティ向上に向けた具体的な手順を紹介します。

 

(1)顧客ロイヤルティを数値化し現状把握する

顧客ロイヤルティ向上を目指すうえで、最初に取り組むステップは現状を客観的に把握することです。現在のロイヤルティの状態が分からなければ、どの課題を優先すべきか判断できず、施策の方向性も定まりません。

 

顧客ロイヤルティは感覚的に捉えられがちですが、改善を進めるためには数値として可視化することが重要です。

 

NPSやアンケート調査などを活用すると、顧客が企業やブランドに対してどのような評価や感情を持っているかを把握しやすくなります。

 

(2)施策を決めてKPIを設定する

現状把握によって顧客ロイヤルティの課題が見えてきたら、次に行うのは課題に対応する施策を選定しKPIを設定することです。

 

施策を検討する際は、接客品質の見直しやサポート体制の改善・情報提供の方法の工夫など、顧客体験に影響を与える要素に目を向けましょう。

 

目的は施策を増やすことではなく、顧客ロイヤルティ向上につながる行動を絞り込むことにあります。

 

あわせて、施策の効果を確認するためのKPIを設定します。KPIは最終的な成果を測る指標ではなく、施策が想定どおり機能しているかを途中で確認するための目安です。

 

適切なKPIを設定することで、取り組みの方向性が正しいかを検証しやすくなり、次の改善につなげやすくなります。

 

(3)施策を実行しPDCAを回す

施策実行後は、設定したKPIの達成度や顧客の反応を定期的に振り返りましょう

 

顧客ロイヤルティの向上は短期間で成果が表れにくく、一度の取り組みで正解にたどり着くとは限らないため、PDCAを回すことが重要です。

 

想定した効果が得られていない場合は、施策の内容や対象とする顧客接点を見直す必要があります。うまくいかなかった理由を分析し、次の改善につなげましょう。

 

施策の実行と検証、改善を繰り返すことで、顧客ロイヤルティ向上の取り組みの精度は少しずつ高まっていきます。結果を踏まえて再び現状把握に立ち戻ることで、顧客との関係性を継続的に強化していけるでしょう。

 

 

顧客ロイヤルティを高める施策例4選

家族でタブレット画面を見ながら情報を確認する様子

ここまで、顧客ロイヤルティ向上に向けた考え方と実践プロセスを整理してきました。実際の取り組みでは、把握した課題や自社の状況に応じて、適切な施策を選択していくことが重要です。

 

そこでここからは、顧客ロイヤルティ向上に効果的とされる代表的な4つの施策例を紹介します。

 

(1)カスタマーエクスペリエンスの向上を目指す

顧客ロイヤルティを高める施策例の一つは、カスタマーエクスペリエンス(CX:顧客体験価値)の向上です。

 

カスタマーエクスペリエンスの向上とは、商品やサービスの購入前から利用後のサポートに至るまで、顧客が企業と接する一連の体験を見直し、価値を高めていく取り組みを指します。

 

企業やブランドに対する信頼感や安心感の構築には、カスタマーエクスペリエンスの向上が欠かせません。

 

例えば、申し込みや購入のしやすさ・利用時の分かりやすさ・問い合わせ対応のスムーズさなど、顧客との接点ごとに生じる不便や不満を減らす事例が挙げられます。

 

顧客視点で体験全体を捉え継続的に見直すことで、長期的な顧客ロイヤルティ形成を後押しする施策として機能するでしょう。

 

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(2)ロイヤルティプログラムを提供する

ロイヤルティプログラムの提供も顧客ロイヤルティを高める施策例の一つです。利用頻度や購入金額に応じて特典を設け、継続的な利用を後押しする仕組みをつくります。

 

ポイント制度や会員ランク制度などが代表的ですが、重要なのは特典そのものではありません。利用を重ねることで得られるメリットを明確にすることで、顧客に「選び続ける理由」を提供する点にあります。

 

ロイヤルティプログラムは、顧客との関係を短期的な取引で終わらせず、長期的な関係へとつなげる役割を果たします。

 

自社のビジネスモデルや顧客の利用特性に合わせて設計することで、ロイヤルティ形成を支える施策として機能しやすくなるでしょう。

 

(3)顧客一人ひとりとの接点を増やす

顧客一人ひとりとの接点を意識的に増やす取り組みも、顧客ロイヤルティ向上施策として取り入れられています。

 

これは単に接触回数を増やすことではありません。顧客理解を深めるためのコミュニケーションを積み重ねていく施策を指します。

 

例えば、アンケートや問い合わせ対応を通じて得られた声に丁寧に向き合い、顧客の状況やニーズに応じた情報提供を行います。すると顧客に「自分のことを理解してくれている」という信頼感が生まれるでしょう。

 

顧客との接点を継続的に持つと、企業側も課題や改善点に気づきやすくなるというメリットもあります。

 

(4)価値観を発信し共感を促す

企業やブランドの価値観を発信し、顧客の共感を得る取り組みも、顧客ロイヤルティ向上の施策として欠かせません。

 

商品やサービスの機能や価格だけでなく、「なぜその事業を行っているのか」「どのような姿勢で顧客と向き合っているのか」を伝えることが重要です。

 

価値観の発信は、特別なメッセージを一度伝えれば完了するものではありません。

 

WebサイトやSNS・メール・顧客対応など、日々のコミュニケーションの中で一貫した考え方を示し続けるようにしましょう。それにより、少しずつ共感が積み重なっていきます。

 

共感は企業やブランドに対する信頼や愛着を育む上、他社との差別化にもつながります。

 

顧客ロイヤルティに関連するよくある質問

Q&Aの立体文字が配置されたビジュアル

最後に、顧客ロイヤルティについて理解を深めるために、よくある質問とその回答をまとめました。

 

似たような用語との違いや意味を確認し、マーケティングにお役立てください。

 

(1)「顧客ロイヤルティが高い状態」とは?

顧客ロイヤルティが高い状態とは、顧客が特定の企業やブランドに対して強い信頼や愛着を持ち、競合他社へ移ることなく継続的に商品やサービスを利用している状態を指します。

 

たとえば、「家電製品はこのメーカーのものしか買わない」と決めている場合などは、そのブランドに対する顧客のロイヤルティが極めて高いといえます。

 

心理的な信頼と行動面での継続性が両立していることが特徴です。

 

(2)ロイヤル顧客とは?

ロイヤル顧客とは、企業に対して高いロイヤルティを持ち、継続的に商品やサービスを購入してくれる優良顧客のことです。継続購入に加え、企業との関係を前向きに築こうとする点が特徴です。

 

彼らは単に売上に貢献するだけでなく、周囲への推奨を行ったり、企業に対して建設的なフィードバックを提供したりするパートナーのような存在でもあります。

 

(3)マーケティングにおけるロイヤルティとは?

マーケティングにおけるロイヤルティとは、顧客が企業やブランドに対して示す信頼や愛着を指し、短期的な売上ではなく、長期的な関係性を重視する考え方です。

 

LTV(顧客生涯価値)の最大化を目指すうえで、重要な戦略的概念として位置づけられます。

 

なお、マーケティングの文脈では、顧客ロイヤルティのほかにも、従業員ロイヤルティやブランドロイヤルティ、ストアロイヤルティといった概念が用いられる場合があります。

 

(4)顧客ロイヤルティとエンゲージメントとの違いは?

エンゲージメントとは、顧客と企業との親密さや絆の深さを表す言葉です。ロイヤルティとの違いは、評価の視点や指標の性質にあります。

 

一般的にロイヤルティは「愛着」や「忠誠心」といった感情的な結びつきを重視し、NPSなどのアンケート調査で測定されることが多いです。

 

一方、エンゲージメントはSNSでの「いいね」やWebサイトへのアクセス頻度など、顧客の能動的な行動に関与する度合いを指す傾向があります。

 

定義は文脈により重なる部分もありますが、エンゲージメントは顧客ロイヤルティより「行動を通じたつながり」に焦点を当てた概念といえるでしょう。

 

(5)顧客ロイヤルティとコミットメントとの違いは?

顧客ロイヤルティとコミットメントは重なる部分もありますが、重視する視点が異なります。

 

コミットメントは「責任」や「約束」といった意味合いが強く、マーケティングにおいては「その関係を維持しようとする意思の固さ」を指します。

 

顧客ロイヤルティが感情的な愛着を含むのに対し、コミットメントはより理性的・契約的な継続意思を示す場合に使われるのがポイントです。

 

ただし、高いロイヤルティの結果として強いコミットメントが生まれるという関係性でもあります。

 

まとめ

握手のアイコンと人のネットワークを表現したビジュアル

顧客ロイヤルティとは、顧客が企業やブランドに抱く信頼や愛着のことであり、事業の安定成長に欠かせない要素です。

 

単なる顧客満足とは異なり、継続利用や推奨といった行動につながる関係性の深さを示しています。

 

NPSなどの指標を用いて現状を数値化し、顧客体験の向上やロイヤルティプログラムの導入といった施策を継続的に行うことが重要です。

 

既存顧客との関係を深めることは、リピート率の向上や新規顧客の獲得など、多くのメリットをもたらします。自社の課題に合わせた施策を検討し、顧客ロイヤルティ向上に取り組んでみてください。

 

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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)

 

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