外資系コンサル流!思考整理・学習にも最適な「方眼ノート」の使い方
最終更新日:2025/11/21
作成日:2016/10/31
外資系コンサルタントの仕事術でよく紹介されるアイテムが「方眼ノート」です。限られた時間で大量の情報を整理する外資系コンサルタントは、数あるノートの中から、なぜ方眼ノートを選ぶのでしょうか?
そこで本記事では、方眼ノートが思考整理や学習に役立つ理由や、実務ですぐ活用できる具体的な使い方をわかりやすく解説します。
よりスピーディーに情報整理や思考をしたい方はもちろん、日々の仕事や勉強をもっと効率的にしたい方も、ぜひコンサルタントのノート術を参考にしてください。
目次
■なぜ?外資系コンサルが「方眼ノート」を愛用する理由
(1)情報を視覚的に整理できるから
(2)ロジカルシンキングが強化されるから
(3)手書きにメリットが多いから
■まず押さえたい「方眼ノート」基本の使い方
(1)縦・横の罫線を活用する
(2)3分割法を取り入れる
(3)大切なメモは目立たせる
(4)アイコンで情報を分類する
■コンサルタントが実践する方眼ノート術4つの具体例
(1)A4ノートを「横向き」で活用
(2)3分割法の応用|会議を記録
(3)3分割法の応用|目標設定と管理
(4)3分割法の応用|学習に利用
■方眼ノートの選び方とおすすめアイテム
(1)社内で使うなら「A4サイズ」
(2)視覚重視なら「広めの方眼」
(3)広々と書き込むなら「綴じノート」
(4)罫線の色・紙質もチェック
(5)カラーペン・蛍光ペンの併用がおすすめ
なぜ?外資系コンサルが「方眼ノート」を愛用する理由

多くの外資系コンサルタントは、単なるメモツール以上の価値を方眼ノートに見出し、愛用しています。
ここで、コンサルタントが方眼ノートを愛用する3つの理由を見ていきましょう。
(1)情報を視覚的に整理できるから
外資の現場で求められるのは、スピード感のある議論や、ブレインストーミングに対応できる瞬発力のある思考整理です。
頭の中にある思考を素早く言語化して可視化するには、方眼ノートは極めて相性の良いツールといえます。
方眼ノートの縦横に引かれた罫線はガイドとなり、無意識でも文字の頭を揃えたり、図や表をきれいに描いたりできます。
紙の上でアイデアを構造的に配置したり、複雑な問題を分解したりしやすいため、頭の中だけで考えるよりも効率的な情報の整理や思考に役立つのです。
こうした視覚的な整理のしやすさこそ、外資系コンサルタントが方眼ノートを重宝する大きな理由のひとつです。
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(2)ロジカルシンキングが強化されるから
外資系コンサルタントの業務には、物事を筋道立てて矛盾なく考え、短時間で結論に到達するロジカルシンキングが求められています。
方眼ノートが人気なのは、ロジカルシンキングの構築を助ける仕組みがいくつも備わっているためです。
例えば、縦・横の罫線によって情報の位置を揃えられるため、認知負荷が減り、思考そのものに集中しやすくなるという利点があります。
また、問題点・原因・解決策といった要素を整理する際も、マス目を使ってスペースを分ければ、一目で関係性の把握が可能です。
単なる箇条書きよりも構造的に情報を配置できるため、思考に一貫性が生まれ、複雑な要件も漏れなく整理できて、ロジカルシンキングに役立ちます。
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(3)手書きにメリットが多いから
パソコンをはじめとしたデジタルツールが業務の中心となる現代においても、多くの外資系コンサルタントは手書きの方眼ノートを重視しています。
その理由は、手を動かして書くという行為自体が、思考を深め、内容を記憶に定着させる効果を持つためです。
デジタルツールは便利ですが、入力・画面の移動・レイアウト調整といった操作が思考を細切れにしてしまうことがあります。
また、デジタルツールの画面は一度に表示できる情報量が限られているため、全体像を把握しにくい・思考が広がりにくいことにも注意が必要です。
一方で、手書きは操作コストが低く、ペンを走らせるだけで直感的に書き出せるため、思考の流れを止めずにアイデアを展開しやすいメリットがあります。
加えて、ページ全体を一度に見渡せるため、情報の関連性や優先度を直感的につかみやすい点もメリットです。
特に方眼ノートは、縦横の罫線が自然なガイドとなるため、手書きでも迷わず情報を配置できて構造化作業を直感的に行えます。
まず押さえたい「方眼ノート」基本の使い方

罫線をただの目安として使うだけでなく、思考を整理するためのフレームワークとして活用することで、方眼ノートは強力な思考ツールに変わります。
ノートのポテンシャルを最大限に引き出すには、基本的な使い方を押さえましょう。
(1)縦・横の罫線を活用する
方眼ノートを効果的に使う基本は、「思考を整えるガイド」として縦と横の罫線を活用することです。
外資系コンサルタントは、罫線によって情報の位置が自然に固定され、分類・比較が直感的にできるという点を重視しています。
方眼ノートの縦のラインには列を揃える役割があり、横のラインは階層づけに便利です。
罫線を活用して構造化されたノートは、後から見返しても、論点のつながりを一目で把握できるようになっています。理解スピードの向上にもつながるでしょう。
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(2)3分割法を取り入れる
外資系コンサルタントの間で広く実践されている方眼ノートの使い方が、紙面を3つの領域に分けて使うフレームワーク「3分割法」です。ノートのページに縦に2本の線を引き、スペースを3つに区切って使用します。
例えば、「事実」「解釈」「行動」のように、3つの領域それぞれにテーマを設けて書き込むと、物事を多角的に捉えやすくなります。
3分割法は思考の整理を助けるだけでなく、タスク管理や議事録作成にも応用できるため、ぜひ活用してください。
(3)大切なメモは目立たせる
メモは記録するだけでなく、後から活用することにも価値があります。そこでおすすめしたい方眼ノートの使い方が、大切なメモを目立たせることです。
重要な情報やキーワードは、丸で囲んだり下線を引いたりして、視覚的に強調しましょう。各ページに日付やテーマを記入しておくと、後から必要なメモを素早く探し出せます。
方眼ノートのメモは、将来の自分にとって重要な情報資産であるという意識を持ち、記録していきましょう。
(4)アイコンで情報を分類する
情報を素早く識別し、効率的に整理するためには、アイコンの活用も効果的です。方眼ノートのマス目は、小さな記号やアイコンを描き込むのに適しています。
次の例を参考に、自分なりのアイコンルールを事前に決めておくと良いでしょう。
- ・「ToDo」にチェックボックス
- ・「重要なアイデア」に星印
- ・「疑問点」にはクエスチョンマーク
アイコンを書くだけのシンプルな方法ですが、文字だけのメモよりも情報の種類が一目で判別できます。見返した際に要点を素早く把握するのにも役立つでしょう。
コンサルタントが実践する方眼ノート術4つの具体例

方眼ノートの基本的な使い方を理解したら、次は実際のビジネスシーンでどのように応用されているのかを見ていきましょう。
外資系コンサルタントは、会議の記録からプロジェクト管理、自己学習に至る様々な場面で、方眼ノートを戦略的に活用しています。
(1)A4ノートを「横向き」で活用
外資系コンサルタントの中には、A4の方眼ノートを横向きに使い、ページ全体を広いキャンバスとして扱う方法を取り入れる方がいます。
横向きにするメリットは、視界が左右に広がり、時系列の流れや複数の要素を並べて比較する作業がしやすくなることです。
方眼のマス目をガイドにして情報を並べていくと、関係性や因果のつながりが自然と見えやすくなり、複雑な内容も一枚に整理できます。
特に、ロードマップ作成、競合比較、タスク整理などの全体像を一望しながら考えたい場面に向いている活用例です。
(2)3分割法の応用|会議を記録
会議の議事録を作成する際、前述の3分割法が非常に便利です。外資系コンサルタントの方には、「決定事項」「課題」「次のアクション」の3つに分けて会議のメモを取っている方がいます。
例えば、ノートを見開きで使い、左ページに議論のポイント、右ページに対応策と自分のタスクを書き出すといったやり方です。
この形式のメリットは、記録が発言の羅列だけになりにくいこと。次に何をすべきかまで一目で把握でき、会議の記録を行動へとつなげられます。
(3)3分割法の応用|目標設定と管理
個人の目標設定やキャリアプランニングの管理をするツールとして、方眼ノートを活用している方もおり、そこでも3分割法が役立っています。
例えば「目標」「現状の課題」「具体的な行動計画」の3つに分けて書き込むことで、達成までのプロセスが構造的に見える化されます。
ポイントは、「課題」の欄で何がボトルネックになっているのか、原因を具体的に掘り下げて明らかにすることです。事実と主観を切り分けながら課題を特定すれば、次に取るべき行動が自然と明確になります。
また、ノートを定期的に見返せば、進捗を客観的に確認でき、必要に応じて軌道修正も行いやすくなるでしょう。
(4)3分割法の応用|学習に利用
新しい知識やスキルを効率的に習得する上でも、方眼ノートは優れた学習ツールとなります。
多くの外資系コンサルタントは、学んだ内容を「要点」「疑問点」「応用例」といった3つの切り口で整理し、インプット・理解・実践の流れを1ページの中で完結させています。
このとき、方眼の罫線を利用して図や表を交えながら情報を構造化するのがポイントです。単に書き写すよりも理解が深まり、記憶に定着しやすくなります。
また、復習の際には、理解度に応じて色分けをしたり、重要なキーワードを囲んだりする方も多くいます。情報が視覚的に整理され、必要なポイントを効率よく再確認できます。
方眼ノートの選び方とおすすめアイテム

方眼ノートを使いこなすには、ただマス目のあるノートを選べばいいわけではありません。紙質やマス目の大きさ、あわせて使う文具によって、思考の整理スピードや書きやすさが大きく変わります。
ここで、方眼ノートを選ぶ際のポイントとおすすめのアイテムを紹介します。
(1)社内で使うなら「A4サイズ」
方眼ノートを選ぶ際、まずは自分の使い方に応じたサイズを確認しましょう。
社内のデスクワークや会議での使用が中心であれば、十分な筆記スペースを確保できるA4サイズがおすすめです。思考を広げたり、多くの情報を一枚の紙にまとめたりするのに適しています。
一方で、外出先での打ち合わせや移動中にメモを取ることが多い場合は、カバンに収まりやすいA5サイズやB5サイズが便利です。
「ロイヒトトゥルム1917」の方眼ノートは、A4サイズよりも小さく、ビジネスバッグに入れて持ち運びやすいと評価されています。
(2)視覚重視なら「広めの方眼」
方眼のマス目の大きさも、ノート選びにおける重要な基準の一つです。
マインドマップや図解などを用いて、視覚的にアイデアを整理することを重視するなら、マス目が広めの方眼ノートを選びましょう。文字や図形を大きく自由に描けるため、思考の流れを妨げません。
反対に、細かい文字で多くの情報を書き込みたい場合や、グラフを正確に作成したい場合は、5mm方眼のような標準的なマス目か、これより細かいマス目が適しています。
どのようなメモを取りたいかを具体的にイメージし、自分の筆記スタイルに合った方眼の間隔を選びましょう。
(3)広々と書き込むなら「綴じノート」
意外かもしれませんが、ノートの製本方法も使い勝手に大きく影響するため、確認しましょう。
見開きでページを広々と使いたい場合は、中央にリングがない「無線綴じ」や「糸綴じ」タイプのノートがおすすめです。
ページを180度フラットに開けるため、見開き全体を一つのキャンバスとして扱うことができ、思考が分断されません。
一方で、ページを切り離したり、順番を入れ替えたりする可能性があるなら「リングノート」が便利です。ページの片面だけを使いたい場合も、リングノートなら簡単に360度折り返せます。
(4)罫線の色・紙質もチェック
快適な筆記体験を追求するなら、罫線の色や紙質もチェックしましょう。
罫線は思考のガイドとして機能しますが、色が濃すぎると書いた文字や図の視認性を妨げることがあります。グレーや薄いブルーの罫線であれば、主張が強すぎません。
紙質はペンの滑り具合やインクの裏抜けに直結します。ペンが紙の上をなめらかに走るような書き心地を重視するなら、原料に化学パルプ100%を用いた上質紙の方眼ノートを選びましょう。
書き心地の良さで高評価を得ている人気のアイテムは、「MOLESKINE(モレスキン)」や「ツバメノート」の方眼ノートです。
(5)カラーペン・蛍光ペンの併用がおすすめ
方眼ノートの機能を最大限に引き出すには、ボールペンや万年筆だけでなく、カラーペンや蛍光ペンも併用しましょう。
タスクの優先順位や情報のカテゴリ、重要度などに応じて色分けするルールを設けると、ノートの視認性が格段に向上します。
色分けの一例として、外資系コンサルタントの間では思考整理やメモ取りに青ペンを使う習慣もよく知られています。
青色に期待できる効果は、興奮を鎮め、心身をリラックスさせること。このリラックス効果によって集中力が高まり、学習効率が向上するといった見解もあります。
重要なキーポイントや優先度の高いタスクを書くときに青色のペンを使ってみるのも良いでしょう。
まとめ

外資系コンサルタントが方眼ノートを活用するのは、情報を素早く整理し、論理的に考え抜くためのツールとして非常に優れているからです。
縦横の罫線を使った整然とした書き方や、3分割法のようなフレームワークは、議事録・タスク管理・学習など、あらゆるシーンで効果を発揮します。
方眼ノートは特別なスキルがない方も今日から取り入れられる、シンプルで強力なツールです。
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