CxOとは?執行役員との違いや役職一覧、設置するメリット
最新更新日:2023/12/22
作成日:2024/11/20
「CxOと執行役員は、何が違うの?」「CxOにはどんな役割があるの?」
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を、
- CxOの定義
- CxOを設置するメリット
- CxOの役職一覧とそれぞれの役割
- CxO人材になるには
の順に解説します。
ハイクラスの案件獲得を目指す方や、プロフェッショナル人材として活躍したい方に役立つ記事です。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
■CxOとは?
(1)CxOと執行役員の違い
(2)日本でCxO制度が普及した背景
■CxOを設置するメリット7選
(1)意思決定が迅速になる
(2)責任の範囲が明確になる
(3)経営と業務執行の分担ができる
(4)グローバル展開が円滑になる
(5)専門性の高い人材が集まりやすくなる
(6)イノベーションが促進される
(7)リスク管理体制が強化される
■CxOの役職一覧とそれぞれの役割
(1)CEO:最高経営責任者
(2)COO:最高執行責任者
(3)CTO:最高技術責任者
(4)CIO:最高情報責任者
(5)CSO:最高戦略責任者
(6)CMO:最高マーケティング責任者
(7)CBO:最高ブランディング責任者
(8)CDO:最高デザイン責任者
(9)CKO:最高知識責任者
(10)CHRO:最高人事責任者
(11)CAO:最高総務責任者
(12)CFO:最高財務責任者
(13)CLO:最高法務責任者
(14)CCO:最高コンプライアンス責任者
(15)CISO:最高情報セキュリティ責任者
(16)CGO:最高成長責任者
(17)CPO:最高製品責任者
(18)CRO:最高リスク責任者
(19)CXO:最高顧客体験責任者
(20)CSuO:最高サステナビリティ責任者
■CxO人材になるには
(1)特定分野のスキルや実績を作る
(2)経営面の視点を持つ
(3)新規事業が多い企業で働く
(4)グローバルな視野を養う
(5)幅広いネットワークを構築する
CxOとは?
CxO(読み方:シーエックスオー)とは、「Chief x Officer」の略で、日本語に翻訳すると「最高〇〇責任者」となります。
「x」には業務や役割の名称が入り、企業の特定分野における最高責任者を総称する言葉です。本章ではCxOと執行役員の違いや、日本でCxO制度が普及した背景を解説します。
(1)CxOと執行役員の違い
CxOと執行役員は、いずれも組織内で高位の立場を示す言葉で、CxOと執行役員を兼任するケースも少なくありません。また、CxOや執行役員は、会社法上、必ず設置しなければならない立場ではないため、企業ごとに任意で指定・呼称できる点も共通しています。
CxOは企業の経営者として事業を統括する役割を持ち、執行役員は統括だけでなく事業の運営責任者として指揮を取ります。
つまり、CxOは企業の経営や事業について総合的な判断や意思決定を行なう立場、対して執行役員は特定の事業において統括・運営を行なう立場です。
(2)日本でCxO制度が普及した背景
元々CxO制度は、経営の監視役と事業の執行・統括役を明確に分ける目的で、1980年代から欧米企業を中心に導入されていました。日本においても、1990年代頃から欧米に倣ってCxO制度を導入する企業が増えています。
CxO制度の導入により、コーポレートガバナンスを強化し、スムーズな企業運営や迅速な経営判断が期待できるでしょう。ただし日本のCxO制度は、現行の会社法において特段の定めがないため、企業ごとに位置づけや役割が異なるケースもあります。
現在はソニーや日産、武田薬品、三井住友フィナンシャルグループなど、さまざまな企業がCxO制度を導入しています。グローバル化や国際競争力の向上が求められる現代では、今後もCxO制度を導入する企業は増加していくといえるでしょう。
CxOを設置するメリット7選
企業がCxOを設置することで、主に以下のようなメリットがあります。
プロフェッショナル人材として案件獲得を検討している方は、本章を参考に働き方や業務内容をイメージしてみてください。
(1)意思決定が迅速になる
CxOの設置によって、スピード感のある意思決定を実現することができます。
規模の大きな企業であるほど、経営者と現場の社員の視点や考え方にギャップがあることも少なくありません。
CxOの存在が現場と経営陣の架け橋になり、意思決定の内容に経営者目線と現場の声の両方を反映しやすくなることもメリットです。
また、各CxOは自分の専門分野に精通しているため、担当する事業に関する重要な意思決定を迅速に行なえるでしょう。
(2)責任の範囲が明確になる
CxOを設置することで特定分野での責任者が明確化され、混乱を未然に防ぎやすくなることもメリットです。CxOとして配置された方は特定の業務領域に関する責任者であり、管理すべき範囲も定められています。
もしCxOを配置していない組織でトラブルが発生した場合、責任の所在が明確でないと解決まで時間がかかるケースもあります。CxOの設置により、トラブル発生時にも、その領域のCxOが責任者として問題解決を行なうことが可能です。
また、CxOは担当する分野のプロフェッショナルであるため、迅速かつ効率的に対応できることも強みといえるでしょう。
(3)経営と業務執行の分担ができる
CxO制度の導入によって、経営と業務執行を分担し、効率的に両者を進められることもメリットです。
CxO制度がない企業では、取締役に管理業務が集中し、問題解決や意思決定のスピードが落ちるケースもあります。CxOを設置することで、経営面の監視や統括は取締役、より現場に近い環境で業務を執行するのは各CxOが対応する…などのように分担が可能になります。
よって健全かつスピーディーに企業経営を行なうためには、CxOの設置が有効です。
(4)グローバル展開が円滑になる
海外展開を進める企業において、CxOの存在は国際的な事業運営の強みとなります。欧米企業ではCxO制度が一般的であるため、グローバルビジネスにおける共通言語として機能するでしょう。
また、各国・地域の事情に詳しいCxOを配置することで、現地のビジネス慣習や規制への対応がスムーズになります。グローバル戦略の立案から実行まで、一貫性のある体制を構築できます。
(5)専門性の高い人材が集まりやすくなる
CxO職の存在は、高度な専門性を持つ人材にとって魅力的なキャリアパスです。明確なポジションと権限が示されることで、優秀な人材の採用や定着率の向上につながります。
組織内でも、専門職としてのキャリア形成が見えやすくなり、社員のモチベーション向上に寄与するでしょう。各分野のエキスパートが集まることで、組織全体の専門性も高まっていきます。
(6)イノベーションが促進される
各分野のCxOが持つ専門知識や経験を活かし、新しい価値創造への取り組みが活発化します。異なる専門分野のCxOが協業することで、部門を超えた革新的なアイデアが生まれやすい環境が整います。
さらに、CxOが持つ業界ネットワークを活用することで、外部との連携やオープンイノベーションも推進しやすくなるでしょう。変化の激しい市場環境において、競争優位性の確立に貢献します。
(7)リスク管理体制が強化される
各領域のCxOが専門的な見地からリスクを評価・管理することで、より精緻なリスクマネジメントが可能です。市場動向や技術革新、法規制の変化など、さまざまな観点からのリスク分析が実現します。
部門横断的なリスク情報の共有も円滑になり、早期の対策立案や実行が可能になります。企業価値の保護と向上に向けた、より強固な経営基盤を構築できます。
CxOの役職一覧とそれぞれの役割
CxOの役職には、主に以下の20種類が挙げられます。
- CEO:最高経営責任者
- COO:最高執行責任者
- CTO:最高技術責任者
- CIO:最高情報責任者
- CSO:最高戦略責任者
- CMO:最高マーケティング責任者
- CBO:最高ブランディング責任者
- CDO:最高デザイン責任者
- CKO:最高知識責任者
- CHRO:最高人事責任者
- CAO:最高総務責任者
- CFO:最高財務責任者
- CLO:最高法務責任者
- CCO:最高コンプライアンス責任者
- CISO:最高情報セキュリティ責任者
- CGO:最高成長責任者
- CPO:最高製品責任者
- CRO:最高リスク責任者
- CXO:最高顧客体験責任者
- CSuO:最高サステナビリティ責任者
プロフェッショナル人材として案件獲得を目指す方は、CxOとして経営に携わることも検討してみてください。
(1)CEO:最高経営責任者
CEO(Chief Executive Officer)は、最高経営責任者を指す言葉です。会社のトップとして経営全般を指揮し、最終的な意思決定をします。
CxO制度を導入している日本企業では、CEOが代表取締役社長と兼任していることも多いです。会社の代表者として、経営や業務の戦略やビジョンを策定する、あるいは経営上の重要な判断を下すといった役割があります。
(2)COO:最高執行責任者
COO(Chief Operating Officer)は、最高執行責任者として業務の執行部門を統括する役職を指します。
CEOが立案した業務戦略の執行責任者であり、CEOに次いで会社のNo.2として配置しているケースが多くあります。CEOが企業の経営全体を統括するのに対して、COOは業務の執行に必要なプロセスの立案やオペレーションの構築を行なう役職です。
(3)CTO:最高技術責任者
CTO(Chief Technical Officer)は、最高技術責任者として技術部門のトップに配置される役職です。
企業の運営や業務における技術戦略の策定や、新しい技術の導入、運用プロセスの構築などを行ないます。新しい製品・システムの開発や、技術プロジェクトの指導などがメインの業務です。
(4)CIO:最高情報責任者
CIO(Chief Information Officer)は、会社の情報管理部門のトップである最高情報責任者を指します。
企業の経営に必要な情報運用やデータベース管理などを行ないます。企業の情報技術戦略の策定や、情報管理システムの運用、セキュリティ整備などが主な業務です。
(5)CSO:最高戦略責任者
CSO(Chief Strategy Officer)は、企業経営の戦略的方針の策定・実行プロセスの構築における最高戦略責任者です。
CSOは会社単位だけでなく、グループ全体の中長期的な経営計画や戦略の立案も担当します。企業が置かれている環境や市況、競合の調査も行ない、今後の経営について方針を定める役割があります。
(6)CMO:最高マーケティング責任者
CMO(Chief Marketing Officer)は、マーケティング部門の最高責任者として、企業全体のマーケティング部門を統括します。
自社の製品やサービスのプロモーション、顧客開拓、ロイヤリティ向上など、あらゆるマーケティング戦略を立案する役職です。
(7)CBO:最高ブランディング責任者
CBO(Chief Branding Officer)は、企業全体のブランディングを指揮・統括する役職です。
取り扱っている商品やサービスだけではなく、広告や企業ロゴのデザイン、新ブランドの企画・開発なども担います。
(8)CDO:最高デザイン責任者
CDO(Chief Design Officer)は、最高デザイン責任者を指す言葉で、デザイン領域の業務を統括する役職です。
製品、サービス、企業のウェブサイト、アプリケーションのデザインやUIに関する企画、開発、改善を主導します。
(9)CKO:最高知識責任者
CKO(Chief Knowledge Officer)は、最高知識責任者として企業内のノウハウや知識の共有・活用を促進する役職です。
CKOには、社員一人ひとりが持つノウハウを組織全体で共有することで、企業全体の価値向上を目指す役割があります。社内トレーニングプログラムなど、教育領域の開発や知識データベースの構築などが主な業務です。
(10)CHRO:最高人事責任者
CHRO(Chief Human Resource Officer)は、HR(人事)領域のトップである最高人事責任者を指す言葉です。
企業の重要な経営資源の1つである「ヒト」に関する戦略を立案し、企業価値の向上を目指します。人材採用戦略や人材教育プログラムの企画・策定、人事制度の改革、労働法にもとづく就業規則等の整備などを行ないます。
(11)CAO:最高総務責任者
CAO(Chief Administrative Officer)は、最高総務責任者として、企業の管理部門の業務執行や統括を行なう役職です。
CAOの業務内容は、株主総会や取締役会に関する業務や、組織内の文書管理、内部監査など多岐にわたります。バックオフィス部門を横断的に取りまとめ、指揮することが主な役割です。
(12)CFO:最高財務責任者
CFO(Chief Financial Officer)は、最高財務責任者を指す言葉です。
企業の財務データ管理、資金調達など、財務領域の経営戦略の立案や執行をする役職です。予算管理や財務報告、コスト管理など、経営や事業に関する資金の管理業務を統括します。
(13)CLO:最高法務責任者
CLO(Chief Legal Officer)は、企業の法務面における最高責任者です。
法務分野の業務全般において責任を持ち、組織内の法務問題の検討や改善、処理などを主導します。コンプライアンスの強化や法改正に伴う対応も業務に含まれます。
(14)CCO:最高コンプライアンス責任者
CCO(Chief Compliance Officer)は、企業のコンプライアンス部門を統括する最高責任者です。
法令遵守の体制構築や内部統制システムの整備、従業員への倫理教育プログラムの実施などを担当します。企業倫理やリスク管理の観点から、組織全体の健全性を維持・向上させる役割を果たします。
(15)CISO:最高情報セキュリティ責任者
CISO(Chief Information Security Officer)は、組織の情報セキュリティ戦略を統括する責任者です。
サイバーセキュリティ対策の立案・実施、セキュリティインシデントへの対応、社内のセキュリティ教育などを担当します。デジタル資産の保護と、事業継続性の確保に向けた取り組みを主導します。
(16)CGO:最高成長責任者
CGO(Chief Growth Officer)は、企業の持続的な成長戦略を担う責任者です。
新規事業開発、市場参入戦略の立案、収益構造の最適化など、企業の成長機会を特定・推進します。既存事業の拡大と新規領域への展開を通じて、企業価値の最大化を図ります。
(17)CPO:最高製品責任者
CPO(Chief Product Officer)は、製品開発全般を統括する責任者です。
製品戦略の立案、開発ロードマップの策定、顧客ニーズの分析に基づく製品改善などを担当します。市場競争力の高い製品ラインナップの構築と維持を推進します。
(18)CRO:最高リスク責任者
CRO(Chief Risk Officer)は、企業全体のリスク管理を統括する責任者です。
事業リスクの特定・評価・対策立案、危機管理体制の構築、リスク関連の報告体制整備などを担当します。組織の持続可能性を確保するため、包括的なリスク管理を実施します。
(19)CXO:最高顧客体験責任者
CXO(Chief Experience Officer)は、顧客体験の最適化を統括する責任者です。
顧客接点の設計、サービス品質の向上、カスタマージャーニーの改善などを担当します。顧客満足度の向上とロイヤルティの構築に向けた施策を展開します。
(20)CSuO:最高サステナビリティ責任者
CSuO(Chief Sustainability Officer)は、企業のサステナビリティ戦略を統括する責任者です。
ESG戦略の立案・実行、環境負荷低減施策の推進、サステナビリティレポートの作成などを担当します。社会・環境面での企業価値向上に向けた取り組みを主導します。
CxO人材になるには
CxO人材を目指したい方は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 特定分野のスキルや実績を作る
- 経営面の視点を持つ
- 新規事業が多い企業で働く
- グローバルな視野を養う
- 幅広いネットワークを構築する
本章ではCxO人材になりたい方がやっておくべきことをご紹介します。
CxOのキャリアを検討している方や、ハイクラスの案件獲得転職を狙う方は参考にしてください。
(1)特定分野のスキルや実績を作る
CxOは特定の分野や領域に精通している人材が、任されることの多いポジションです。そのためCxOを目指すなら、自分の専門知識やスキルを磨き、実績を積むことが大切です。
CxO人材クラスの案件獲得を目指している方は、自分の業務経験や強みを生かし、専門性を高めておきましょう。
(2)経営面の視点を持つ
CxO人材を目指すなら、分野ごとの専門知識だけでなく、経営者目線で会社や業務について考える力を養っておきましょう。
CxOは経営者と現場の社員の橋渡し役になるポジションです。そのため、経営層目線での思考や提案は、経営者の信頼獲得にもつながり、CxO就任につながりやすくなるでしょう。
また、経営層の立場で物事を考える能力は、CxO就任後の執行業務にも生かせるはずです。CxO人材を目指している方は、経営者に必要な知識や考え方を学んでおきましょう。
(3)新規事業が多い企業で働く
新規事業が多い企業での就業経験が豊富な方は、CxOを任せてもらえる可能性があります。
CxOは新しい事業を1から立ち上げ、運用、拡大することが求められるポジションだからです。新規事業プロジェクトでの経験やスキルがあれば、CxOとして就任後も活躍できるでしょう。
将来CxOを目指す方は、新規事業や社内企業に関する業務経験を積むことをおすすめします。
(4)グローバルな視野を養う
海外での就業経験や、国際的なプロジェクトの経験は、CxO人材としての価値を高めます。異なる文化や商習慣への理解、多様な価値観への柔軟な対応力は、グローバル展開を進める企業で重宝されます。
海外MBA取得や、多国籍チームでの業務経験は、国際感覚を磨く有効な手段です。語学力の向上と併せて、グローバルスタンダードのビジネス手法も習得しましょう。
(5)幅広いネットワークを構築する
業界内外の人脈形成は、CxO人材として不可欠な要素です。異業種交流会への参加や、専門分野のコミュニティでの活動を通じて、多様な関係者とのネットワークを築きます。
専門家や有識者とのつながりは、最新トレンドの把握や新たな事業機会の発見にも役立ちます。業界団体での活動や登壇機会も積極的に活用しましょう。
まとめ
CxOとは「Chief x Officer」の略で、日本語訳は「最高〇〇責任者」です。
「x」には業務や役割の名称が入り、特定分野のトップとなるポジションを指します。CxO人材を目指す方は、自分の専門性や経営者に必要な知識を深め、新規事業の立ち上げや運用経験を積んでおきましょう。
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