RPAエンジニアの将来性とは?フリーランスや副業で稼げるのか

最新更新日:2023/12/08
作成日:2023/12/08

人手不足や働き方改革などを背景に、日本でも導入が進むRPA。これからRPAエンジニアを目指す方や現在RPAエンジニアとして活躍する方にとって、気になるのが将来性ではないでしょうか。

 

確かに「一通り企業のRPA導入が進めば、今後はRPAへのニーズが減少するのでは?」「新しい技術に取って代わられる可能性もあるのでは?」といった声も聞かれます。そこで本記事では、国内のRPA市場規模なども見ながら、RPAエンジニアの将来性や収入アップを目指す方法について、探っていきます。

 

目次

■RPAエンジニアとは?
(1)RPAとは
(2)RPAコンサルタントとRPAエンジニアの違い

 

■3つの視点でRPAエンジニアの将来性に迫る
(1)日本のRPA市場規模の将来性は?
(2)日本のRPAが抱える課題
(3)RPAのトレンド

 

■これから求められるRPAエンジニアになるためには
(1)RPAエンジニアも副業できる?副業事情とは

 

■RPAエンジニアは将来フリーランスになれる?
(1)フリーランスRPAエンジニアの業務内容・職種とは?
(2)RPAエンジニアの年収は?
(3)フリーランスになれば、大幅な収入アップの可能性も
(4)フリーランスとして独立するために必要なこととは
(5)フリーランスのRPAエンジニアが仕事を探す方法

 

■まとめ

 

RPAエンジニアとは?

オフィス

(1)RPAとは

RPAは「Robotic Process Automation」の略語で、日本語では「ロボットを使った業務の自動化」という意味です。人間がPCなどで行なっていた業務を、ソフトウェア(ロボット)に行なわせる仕組みのことを言います。一般的には経理データの登録作業など、PCで手入力していたルーティン業務をロボットに行なわせる場合にRPAがよく使われます。

 

RPAには「24時間作業が続けられる」「人的ミスが減る」「人件費を削減できる」「社員が企画など別の業務に集中できる」といったさまざまなメリットがあり、企業の生産性向上につながります。日本においても、人手不足や働き方改革などを背景にRPAの導入が進んできました。

ある調査によると、2022年時点で日本の大手・中堅企業におけるRPA導入率は約5割と言われています。ここ数年導入率は高い伸びを示しており、今後も普及が見込まれています(※1)。

※1 出典:https://www.m2ri.jp/report/market/detail.html?id=70

(2)RPAコンサルタントとRPAエンジニアの違い

RPAエンジニアRPAシステムの設計開発が主な業務。シナリオをもとにシステムを設計した上で、プログラムを作成していきます。最近ではRPA専用ツールも多く、こうしたツールを使って開発を行なうケースが増えています。またRPAを導入した後のトラブル対応など、保守・運用業務までRPAエンジニアが担当するケースもあります。

 

実作業がメインのRPAエンジニアに対して、RPAコンサルタントの場合はより上流工程の業務がメインとなります。

RPAコンサルタントはまずクライアントの課題やニーズを整理、その上でRPAの適切な導入範囲や使うべきRPAツールなどを提案していきます。業務プロセス自体に課題があれば、業務プロセスの見直しや再構築から取り組むケースもあります。またコンサルタントとして、予算管理や進捗管理などを含めたプロジェクトマネジメントについても担当します。

 

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3つの視点でRPAエンジニアの将来性に迫る

スーツ姿の男性

ここでは「RPAの市場規模」「現状の課題」「新たな技術の活用」という3つの視点で、RPAエンジニアの将来性を見ていきます。

(1)日本のRPA市場規模の将来性は?

2022年の大手・中小企業(年商50億円以上)のRPA導入率は45%と、約半数がすでにRPAを導入しているというデータもあります。しかしその一方で年商50億円未満の企業になると、RPA導入率は12%とまだ低いのが現状です(※1)。つまり今後は大企業だけではなく、中小企業のRPA導入が進むことが予想されます。

※1 出典:https://www.m2ri.jp/report/market/detail.html?id=70

 

またRPA関連サービスに参入する企業も増えています。大手コンサルファームやシステム開発会社が中心ですが、金融企業などもRPA市場に参入。2023年には中国のスタートアップ企業が日本のRPA市場に参入するというニュースが話題となりました。

 

最近はRPAのニーズ拡大にあわせて、中小企業でも導入しやすい低価格のRPAツールも増えてきました。また政府も中小企業のデジタル対応を後押しするため、補助金や助成金の制度を充実させてきています。また最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する一手段として、RPAへの注目が集まっている状況です。

 

こうした状況を踏まえると、RPA市場規模の成長は今後も期待できると言えそうです。

(2)日本のRPAが抱える課題

RPAを導入する企業が増える一方、「RPAを導入したものの思ったような効果が出ていない」という声も聞かれます。

 

こうした問題が発生してしまうのは、「現場を理解しないままRPAを導入してしまった」「現場でRPAを運用できる体制になっていなかった」という原因が考えられます。またそもそもの業務プロセスに問題があったにもかかわらずRPAを導入してしまった、というケースもあるでしょう。

 

つまり今後はより業務プロセスや業務体制を理解した上でRPAを導入する姿勢が求められるでしょう。今後はRPAの新規導入とあわせ、RPA導入後の社内教育や支援、リプレイスといったニーズも高まることが予想されます。これまで以上に専門性の高いRPA人材へのニーズが高まると言えそうです。

(3)RPAのトレンド

最近はRPA にAIなどを組み込むことで、より高度な業務自動化を実現しているケースも増えています。

あるプロジェクトの事例では、Webから情報を検索して自社データベースに登録する業務にRPAを導入。ある条件に当てはまる情報のみ登録するようにしましたが、ここでAIを導入。AIが自動的に情報の優先度を判断、より効率よく必要な情報を登録できるようになったと言います。

 

今後もAIなどの技術を取り入れることで、よりRPAの可能性が広がっていくと考えられます。

 

これから求められるRPAエンジニアになるためには

男性2人が歩く姿

RPAエンジニアとしては、開発に必要なプログラミングスキルのほか、RPAツールの経験やスキルも求められます。ただしこうしたスキルは、あくまで基本です。RPAエンジニアとして今ニーズが高まっているのは、業務に関する豊富な知識を持ち、現場とやりとりができる人材です。

 

RPAは単なる業務の自動化ではなく、業務改善につなげることが目的と考えられています。そのため業務プロセスや業務における課題をよく理解した上で、設計や開発に取り組む必要があるわけです。また現場にスムーズにRPAを導入したり導入後現場のサポートをしたりするためには、やはり現場の状況について深く理解していることが求められます。

(1)RPAエンジニアも副業できる?副業事情とは

RPAエンジニアとしてよりスキルアップを目指すなら、副業にチャレンジするという方法もあります。本業では同じような案件内容、メンバーに偏りがちです。しかし副業なら、さまざまな業種・業界のRPA案件に関わることができます。また副業を通じて、将来の転職や独立に向けた人脈作りができるという点もメリットと言えるでしょう。

 

さらに副業では、システム開発の経験があればRPA未経験でもOKというケースもあります。当然ながらこうした副業案件の場合単価はそれほど高くないものの、これからRPAエンジニアを目指したいという方にとっては、RPAに関する経験を積むチャンスとも言えるでしょう。

 

RPA市場の拡大に伴い、RPAエンジニアに向けた副業の案件数も増えてきています。しかしRPA案件は業務プロセスと密接な関わりがあるため、クライアントへの常駐が求められる案件もあります。在宅やリモートワークでの副業を考えている方は、あらかじめチェックしておきたいところです。

 

また副業の場合、案件によって規模や期間に大きな差があるケースもあります。副業そのものに慣れていない方の場合、まずは小規模なRPA開発案件から始めるなど、自分に合った案件を選ぶというのも副業に取り組むポイントです。

 

RPAエンジニアは将来フリーランスになれる?

積み木

RPAに取り組もうとする企業が増える一方で、RPAに特化した人材はまだ少ないという現状があります。こうした中、RPAエンジニアとして独立してフリーランスになるというキャリアパスもあります。

(1)フリーランスRPAエンジニアの業務内容・職種とは?

フリーランスのRPAエンジニアも、プロジェクトの開発メンバーとして参画するケースが一般的です。

 

また最近では国内外でさまざまなRPAツールがあります。そのため、エンジニアとしてRPAツールのセールスを支援するというポジションもあり、この場合RPAツールの導入に向けた提案が主な業務となります。単なるシステム開発業務に留まらず、クライアントとコミュニケーションを取りながら課題解決に向けた提案ができるところが魅力です。

 

またフリーランスの場合、より上流工程も含めてRPAプロジェクトを任されるケースもあります。こうしたケースでは要件定義やRPAツール選定など、RPAコンサルタントに近いポジションを求められることもあります。

 

つまりフリーランスの場合、RPAエンジニアとしての設計や開発といった実作業だけではなく、提案やコンサルティングなどにもチャレンジする機会があるわけです。業務の幅が広がることで、RPAエンジニアとして将来のキャリアアップにつながりやすいと言えるでしょう。

(2)RPAエンジニアの年収は?

ある調査によれば、RPA業務を行なう正社員の平均年収約543万円(※2)と言われています。一般的なITエンジニアの年収が約477万円のため、やや高いという状況です。これはRPAと言う分野がまだ新しく、RPAに精通しているエンジニアが多くないことが大きな理由です。

※2 出典:https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/RPA%E3%81%AE%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%83%BB%E6%99%82%E7%B5%A6

(3)フリーランスになれば、大幅な収入アップの可能性も

今後RPA導入企業の増加に合わせて、RPAエンジニアの年収もさらに上がっていくことが想定されます。しかしさらなる年収アップを目指すのであれば、フリーランスとして独立することも考えたいところでしょう。

 

独立してフリーランスになれば、高度なスキルが求められる単価の高い案件にチャレンジする機会も生まれます。また社員と違って副業(複業)などの制限もありません。副業(複業)にも取り組むことで、収入アップが期待できるというわけです。

 

フリーランスのRPAエンジニア向け案件の相場は、およそ月間単価50~90万円と言われています。もし、さらに単価の高い案件を目指すなら、RPAエンジニアからRPAコンサルタントにキャリアアップすることも検討したいところです。より上流工程を担うコンサルタントの方が当然求められるスキルも高度。そのため単価も大幅に高くなり、収入アップが期待できます。

 

実際にフリーランスのRPAコンサルタント向け案件は、高単価のものが増えています。例えばあるRPAプロジェクトマネージャーの案件では、月間単価は100~120万円以上もちろんこうした案件に参画する場合、技術力だけではなくRPAプロジェクトマネジメントの経験や、プロジェクトをリードできるコミュニケーションスキルが求められます。

(4)フリーランスとして独立するために必要なこととは

フリーランスのRPAコンサルタントとして独立する場合、やはり大手コンサルティングファームとの差別化についても考えておく必要があります。例えば特定の業界や業種の経験が多く、業務プロセスを深く理解しているというのは、大きな強みになりうるでしょう。

 

また大手コンサルティングファームのように提案するだけではなく、現場に入り込んで導入後のサポートまで伴走するというスタンスも、差別化につながる可能性があります。将来の独立を考えるなら、できるだけ早いうちに自分の得意分野や強みを意識しておくことが大切です。

(5)フリーランスのRPAエンジニアが仕事を探す方法

フリーランスとして独立する場合、「営業活動が大変では?」「仕事をどうやって探せばいいのか?」というのも気になるところではないでしょうか。最近はフリーランスと企業をマッチングするエージェントも多く、フリーランス向け案件も増えています。

 

RPAの市場規模を考えると、フリーランスとして独立した後も、しっかりしたスキルと経験があれば、営業活動に悩むことは少ないでしょう。

 

まとめ

人手不足や働き方改革、DX推進といった社会的な背景もあり、今後も成長が見込まれているRPA分野。RPAの専門人材であるRPAエンジニアへのニーズもここ数年は高くなっている状況です。つまり今後もRPAエンジニアの将来性は高いと言えるのではないでしょうか。

 

しかし、その一方で求められるRPAエンジニアの姿には、変化が起こってきています。将来性の高いRPAエンジニアになるためには、プログラミングなどの開発スキルだけではなく、業界や業務に関する知識、AIなど新たな技術の知識などが必要とされてきています。こうしたスキルを磨いて今後もニーズの高いRPAエンジニアになっていくためには、多くのRPAプロジェクトを経験していくことが大切です。

 

また今後より将来性のある人材となり収入アップも目指すには、やはりRPAエンジニアからRPAコンサルタントへのキャリアアップも考えるべきでしょう。そのためにはより高度なコンサルティングスキルや知見を磨いていくことが求められます。

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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