RPAがDXの成功を決める?コンサルタントが知るべき2つの関係

最終更新日 2021年6月17日(木)
作成日 2021年6月17日(木)

作成日:2021/06/17

 

RPAとは、主にホワイトカラーの人材が担っていた仕事をAIなどを活用したロボットに行なわせる、業務を自動化するシステムのこと。これまで社員が行なっていた作業を仮想ロボットが担います。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術の活用だけではなく、デジタルを駆使して新たなビジネスモデルや仕組みを創出するなど「変革」につなげること。実はこのDXにおいて、RPAが大きな役割を担うという意見もあります。

 

RPAによって業務の自動化が実現すれば、生産性向上や人件費削減などの効果が期待できます。具体的には社内システムへのデータ入力などの仕事をRPAに移行して、業務改革に取り組むパターンが多いようです。

現在、ITコンサルティング関連で注目を集めている分野であるRPA(Robotic Process Automation)。2020年度の国内RPA市場規模は前年度比26.6%増の531億6000万円、2023年度には868億円まで成長するという予測もあります(※1)。

 

RPAは働き方改革につながる技術としても、日本で大きな関心を集めています。さらに日本企業においてRPAへの関心が高まる理由が、DX(デジタルトランスフォーメーション)との関連です。

日本政府も日本企業のDX推進に取り組んでおり、RPAはDXにつながる施策としても注目されているのです。RPA分野への進出を考えるITコンサルタントにとっては、RPAだけではなくDXとの関連も理解しておくべきでしょう。そこで、ITコンサルタントが今知っておきたいRPAとDXの関連について詳しく解説します。

 

 

目次

■RPA導入が急速に進む理由とは?背景にはDX推進も
(1)RPAに取り組む企業が急増している理由
(2)RPAコンサルタントへのニーズも急増している
(3)RPA導入がDX推進につながるって本当?

 

■DX推進に向けて知っておきたい、RPA導入後に多い課題とは
(1)RPA導入後のシステム管理者が社内にいない
(2)業務プロセスの整理が不十分

 

■DX推進を見据える企業が増える中、RPAコンサルタントに求められる役割とは
(1)RPAコンサルタントは、IT技術だけではなくビジネスの知識や経験が必要
(2)RPA導入後、社内メンバーで運用管理できるための教育が必要
(3)DX推進につなげるために、わかりやすいRPA導入成果が必要

 

■DX推進のニーズが急増する今こそ、RPAコンサルタントの将来性は高い!
(1)RPAコンサルタントとして独立、起業するキャリアプランもある
(2)将来DXコンサルタントへのキャリアアップも目指せる

 

 

RPA導入が急速に進む理由とは?背景にはDX推進も

(1)RPAに取り組む企業が急増している理由

RPA導入が増えている大きな理由の一つが人材不足。特にデジタル化が遅れている業界や企業では、社員が定型作業に時間をとられることが大きな問題です。しかし「スタッフを探しても見つからない」「そもそも採用する予算がない」といった事情もあります。そこでAIなどIT技術を活用した生産性向上が急務になってきています。

 

さらに今課題となっているのが、IT活用を急速に進めたことによる「業務渋滞」。すでに多くの企業でIT技術は導入されていますが、部門ごとに戦略がバラバラというケースも見られます。全体戦略のないままITツールを導入すれば、データ統合などで追加作業が発生してしまいます。他にも、予算の都合で既存システムに機能をつぎ足してきたケースもやっかいです。こうなると、IT活用がかえって業務効率を悪くしていることになります。

◆RPAが注目される理由は、別コラムでさらに詳しく解説しています。
「なぜ今RPAが注目されるのか?業界別成功事例を踏まえて解説」

(2)RPAコンサルタントへのニーズも急増している

 

人材不足や業務渋滞といった問題を解決するため、日本でもRPA導入が急速に進んでいます。日本企業のRPA導入率を見ると2018年は22%でしたが、2020年には38%に増加。大手企業に限れば、2020年に導入率は50%を超えています(※2)。

 

RPA導入企業の急増に伴って、ニーズが高まっているのがRPAコンサルタント。2018年の時点ですでにRPAコンサルタントの求人は前年比約6倍、最高提示年収3,000万円という調査結果もあります。

 

この背景には、RPAコンサルタント不足という問題があります。日本でRPAが注目されはじめたのは、ほんの数年前。つまりRPA導入経験を持ち、IT技術に精通したコンサルタントはまだ多くありません。高度な知見を持つRPAコンサルタントを、企業が取り合う状況となっています。

 

またRPAと言えば単純な定型作業を自動化する目的がメインでしたが、最近はAIを活用してロボットが自己学習、さらに生産性を高めるケースもあります。こうなるとAIなどの知識を持つ、専門性の高いRPAコンサルタントが求められています。

 

RPA導入ビジネスを手掛ける企業の増加も、コンサルタント不足に拍車をかけています。これまでRPA案件を扱うのは、主にSIerやコンサルティングファームでした。しかし最近は金融機関や人材会社など、他の業種からRPA関連ビジネスに参入するケースが増えています。

(3)RPA導入がDX推進につながるって本当?

経済産業省が作成した「DX推進ガイドライン」(※3)では、DX推進において経営面での取り組みと合わせて「基盤となるITシステムの構築」が必要と記載しています。

 

実はこのDX推進に必要な「ITシステム基盤の構築」において、RPA導入が大きく役立つ可能性があります。RPAでは、まず社内の業務プロセスを整理して、可能なところからITシステムを導入して業務自動化を目指します。つまりRPAを導入するにあたって「社内にどんなデータが存在しているのか」「どんなIT製品がどの部門で稼働しているのか」といった状況を整理できます。

 

これにより、将来のDX実現に向けて活用できそうなデータや製品が把握できます。あわせて将来のDX実現に足りないものも見えてくるのではないでしょうか。RPA導入により、いわば企業の「DX現状」を整理できるというわけです。

 

またRPA導入プロジェクトは社内メンバー育成につながる一面もあります。RPA導入プロジェクトに社内メンバーが参画すれば、社内メンバーがデータの管理やAI技術、IT活用などの知識と経験を得る機会となります。これによって、将来DX推進を担える人材育成につながるというわけです。

 

さらに人材面では、社内リソースの確保につながる効果も期待できます。RPAを導入すれば、これまで社員が行なっていた定型業務を、仮想ロボットへ移行できますよね。さらにAI搭載型ロボットであれば、AIの自己学習機能によりさらに生産性が向上、社員のリソースに余裕が生まれるわけです。

 

DXは「デジタルトランスフォーメーション」という名の通り、自動化や効率化だけではなく「デジタルによる変革」が求められます。社員が定型業務に充てていた時間をクリエイティブな業務へシフトできれば、DXの実現に役立つと考えられます。

 

業務プロセスや現状の社内システムを整理できるという部分と、DX推進に向けた体制を組みやすくなる部分。この2つにおいて、RPAとDX推進は、深い関連性があると言えます。

 

 

DX推進に向けて知っておきたい、RPA導入後に多い課題とは

 

DX推進の第一段階としての役割も担うRPA。RPAによって業務のデジタル化で大きなメリットが出れば、さらにDXを推進しやすくなります。特にRPAは人件費削減など、効果がわかりやすいのもポイントでしょう。

 

しかしRPA導入で業務効率化やコスト削減を目指したものの、実際にはRPA導入後も課題が残ってしまったというケースもあります。RPA導入企業に行なわれた調査によれば、83%が「RPA導入後も課題がある」と回答しています。その理由については「人材・組織体制が不十分」「期待していたほどの効果が出ていない/投資効果がわからない」という回答が上位に来ています(※4)。このあたりをもう少し詳しく見ていきましょう。

(1)RPA導入後のシステム管理者が社内にいない

RPAによる業務効率化が実現しても、RPAの管理ができていないと重大な問題につながる可能性があります。

例えばRPAロボットを放置してしまうことで、第三者が不正にロボットを操作してしまい情報漏洩につながるリスクもあります。

 

また、RPA導入時のメンバーが異動してしまうと、RPAに任せている業務のフローやルールといった情報を引き継げない事態も起こるかもしれません。RPAがどんな条件で稼働しているかという情報がわからなくなる、いわゆる「ブラックボックス化」してしまうリスクです。

 

ブラックボックス化してしまうと、RPAの業務にトラブルがあってもすぐに問題に気づけません。またトラブルに気づけても社内で対応できる人がいないため、業務が停止してしまうといった事態になることも考えられます。

 

ある損害保険会社の事例では、あえてRPA未経験の社員にRPA導入プロジェクトを任せたそう。これも、RPA導入には現場の業務に対する理解が必須と考えているからです。RPAは企業の重要な業務を担うことも多く、停止させないためにも社内対応できる体制が必要です。

(2)業務プロセスの整理が不十分

定型業務だと思っていたものが、実は人による柔軟な判断をしていたということもあります。これではRPAを導入しても、効率化につながりません。RPAはあらかじめ決められたルールに基づく仕事は得意ですが、人のように柔軟な対応は難しいのが現状です。

 

また外部システムと連携する場合も要注意。社外のシステムがアップデートなどでインターフェイスが変わり、RPAが動かなくなることも。現場を把握していない人がトップダウンでRPA導入を決めてしまうと、運用を最適化できず課題に直面することが多いようです。

 

こうした課題はDX推進を目指す上でも問題となりうるため、早めに解決しておきたいところ。つまりRPA導入だけではなく、運用やその先にあるDXを想定して最適化できるかがポイントです。

 

 

DX推進を見据える企業が増える中、RPAコンサルタントに求められる役割とは

 

RPAコンサルティングとしての仕事自体は、基本的にITコンサルタントと大きな違いはありません。ヒアリングによる情報収集を経て課題を明確化。課題に対するソリューションを提案して、導入支援まで行なうのが基本です。

 

しかしDX推進を見据えた企業が増える中、最近はRPAコンサルタントに求められる役割に変化が見られます。ここでは、今RPAコンサルタントに求められる役割について、3つのポイントで解説します。

(1)RPAコンサルタントは、IT技術だけではなくビジネスの知識や経験が必要

RPA導入後「効果が出ない」という問題が起こる大きな理由が、業務プロセスの理解が不十分ということ。

現場の業務を理解して業務改革につながるポイントを見いだせるかどうか。このあたりの洞察力がRPAコンサルタントには必要です。

つまりIT技術だけではなく、ビジネスや業務、経営に関する知識や経験が求められています。また現場の情報を集めるためのコミュニケーションも、RPAの成功を左右する重要なポイント。そのため高いコミュニケーションスキルが求められます。

 

RPAが注目されはじめた頃は、システムやツールの導入に関するサービスが中心でした。そのためSEやITエンジニアがRPA導入を担当するケースが多かったようです。しかしRPAが普及してきた現在では、業務プロセスの見直しや最適化なども含め「どうすれば業務に大きな改革が実現できるか」という視点が必要となっています。

 

このビジネス感覚は、実はDXでも重要です。DXは単純にIT活用だけではなく、ビジネスモデルや組織を一変させるほどの変革がミッション。RPA以上にビジネスに関する知識やスキルが要求されるというわけです。

(2)RPA導入後、社内メンバーで運用管理できるための教育が必要

「社内に管理者がいない」という課題をクリアするためには、社内でRPA運用体制を作る必要があります。

そこでRPAコンサルタントに求められているのは、教育スキル

企業としてはRPAコンサルタントが運用を見越して、情報やノウハウを社内メンバーに引き継いでもらいたいと考えるわけです。ここは一般的なITコンサルタントに求められるスキルとやや異なるポイントと言えます。

 

社内メンバーの教育は、もちろんDX推進においても不可欠。DXでビジネスモデルや組織の変革につなげるには、社内だけでも外部だけでも成功しません。企業内の事情に精通している社内メンバーと、幅広い知識と経験を持つ外部人材の両方がタッグを組んで取り組む必要があります。

(3)DX推進につなげるために、わかりやすいRPA導入成果が必要

RPAの導入成果が見えづらい状況では、その先のDX推進に取り組むのが難しくなります。RPAコンサルタントには長期的な視点も大切ですが、短期・中期の視点で経営層にわかりやすい成果を出すことが求められています。

 

具体的には「社員の残業時間が〇時間減」「人件費などのコストが〇割減」といった成果なら、経営層にわかりやすいでしょう。どの部分からRPAに取り組めば成果が見えやすいのかを見極めることも、今コンサルタントに求められるスキルと言えます。

 

 

DX推進のニーズが急増する今こそ、RPAコンサルタントの将来性は高い

 

RPA導入企業の増加や今後のDX推進の流れを見ると、当面RPAコンサルタントへのニーズが高いことが予想されます。こうした将来性の高さから、ITエンジニアやSEなどの業種から、RPAコンサルタントへ転職するケースも出てきています。

 

またRPAコンサルタントは現状人材が不足しているため、コンサルティングファームなどの企業は積極的に採用を進めています。そのためAIやRPA関連の業務経験が未経験でも転職できるチャンスも増えてきました。これからRPAコンサルタントへの転身を考えている方にとっては、追い風が吹いていると言えます。

(1)RPAコンサルタントとして独立、起業するキャリアプランもある

コンサルティングファームに転職するだけではなく、独立、起業するというキャリアプランもあります。すでにフリーランス向け案件においても、RPA関連の案件は増加傾向。大企業のRPA案件がメインですが、今後は中小企業の案件なども増えてくることが予想されます。そのため大手SIerやコンサルティングファームより、低コストで小回りの利くフリーランスにRPA案件を担当してほしいというニーズも高まってくると思われます。

 

RPAコンサルタントとしてのスキルアップを目指す場合、資格の取得も考えたいところ。日本では、NTTデータが開発したRPAツール「WinActor」技術者認定資格があります。「WinActor」は国内有数のRPA製品で、2018年には導入企業数が3000社以上。導入企業数は今も増えていて、5000社を超えると言われています。

 

「WinActor」製品に限った認定資格ですが、RPAの基本から学びたい方に向いている資格ではないでしょうか。

(2)将来DXコンサルタントへのキャリアアップも目指せる

日本のDXの現状は、まだまだ世界に比べて遅れていると言われます。つまり、今後もDXに取り組む日本企業が急増することが想定されます。

ここで問題として浮上するのが、DXを扱えるコンサルタントの不足。RPAコンサルタントにとって大きなチャンスのひとつです。

 

上述したようにRPAは「DX実現に向けた第一段階」という役割もあります。つまりRPA導入経験をうまく生かすことで、DXコンサルタントとしてキャリアアップできる可能性もあります。

RPA導入プロジェクト経験で得たAIなどの専門知識も役立ちますが、それだけではありません。RPA導入時の業務プロセスの見直しや改善に携わった経験は、DXプロジェクトにおいても大きな武器となります。

 

 

 

人材不足の深刻化や働き方改革の推進が進む中、あらゆる企業が「少ない労働力でどう生産性を上げるか?」という課題に向き合う状況になってきました。つまり今後もRPA導入を検討する企業が増えることは間違いないでしょう。

 

一般的なITコンサルタントと比べて、より高度な専門知識と経験が求められるRPAコンサルタント。収入アップも目指せる、将来性の高い職種と言えます。

 

またRPAコンサルティングで得た経験をもとに、DX案件も扱えるコンサルタントも目指せるのも注目点。ただしDXコンサルティングでは、より即戦力が求められます。単にRPA案件のコンサルティングをこなすだけではなく、なるべく早い段階でDXにも関連した実務経験を積むことが大切です。

 

<参照>
※1:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2599
※2:https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=391
※3:https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf
※4:https://www.toolhouse-vxc.com/special/rpa-research201808/result-1/

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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