【フリーランス PMO】年収は?必要なスキルや資格は?つまらない?メリット・デメリットも解説
最新更新日:2023/06/28
作成日:2022/07/28
多くの企業が必要とするPMOですが、フリーランスと会社員では報酬単価やメリット・デメリットが異なります。求められるスキルや大手企業の条件とマッチングしやすい資格もご紹介します。また、一部で囁かれる「フリーランスコンサルタントがPMO案件に参画してもつまらない?」といった疑問にQ&Aでお答えします。
目次
■PMOの職種
(1)PMOアドミニストレータ
(2)PMOエキスパート
(3)PMOマネージャー
■フリーランスコンサルタントがPMO案件に参画するメリット
(1)1案件当たりの報酬が高い
(2)参画案件を選択可能
(3)しがらみがない
(4)多様な経験の蓄積ができる
(5)ワークライフバランスの向上
■フリーランスコンサルタントがPMO案件に参画するデメリット
(1)難易度が高い案件が多い
(2)契約が更新されない可能性がある
(3)クライアント企業と関係性が作りづらい
(4)自己管理の負担
■フリーランスのPMOコンサルタントに必要なスキル
(1)コミュニケーション能力
(2)経営センス
(3)高度な問題解決能力
(4)自己管理・自己啓発能力
■フリーランスのPMOコンサルタントに必要な資格
(1)PMP(Project Management Professional)
(2)PMOスペシャリスト認定資格(NPMO認定PMO-S(TM))
(3)プロジェクトマネージャー試験
■フリーランスPMOコンサルタントに関連するQ&A
(1)PMOコンサルはつまらない?
(2)フリーランスPMOコンサルの単価は高い?
(3)フルリモートのPMO案件はある?
(4)PMからフリーランスのPMOコンサルタントとして独立はアリ?
(5)フリーランスのPMOコンサルタントが陥りがちな失敗とは?
■フリーランスPMOコンサルタントは努力に見合う未来が選択可能
PMOとは
PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)とは、「PM(プロジェクトマネージャー)」をバックアップ、サポートする部署・組織です。
PMOの役割として、PMのバックアップのほか、ITプロジェクトの補助や管理業務、リスクマネジメントが主な仕事ですが、PMOの中でも職種が分かれています。プロジェクトの取りまとめと品質・能率の向上、進行管理と調整、コストマネジメントなどの経営戦略も期待されています。
PMOコンサルタントとは、PMOに参画し、プロジェクトを成功に導くコンサルタントのこと。PMの意思決定とプロジェクト進行を支援するために、PMOに外部からコンサルタントを招く企業が多いです。
PMOの重要性
PMOは、現代のビジネス環境において不可欠な存在です。プロジェクトマネジメント方式の標準化、効率化、全体最適の視点でのリソース管理など、組織全体のプロジェクト成功をサポートします。
複数のプロジェクトを俯瞰的に管理することで、人材やリソースの最適配分を実現し、組織の生産性向上に貢献します。さらに、プロジェクト横断的なリスク管理を行い、潜在的な問題の早期特定と対策立案を可能にします。
特にITプロジェクトが多様化・複雑化する中で、PMOの重要性は今後もますます高まっていくと予想されます。
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PMOの職種
PMがプロジェクト全体を管理する立場なのにたいして、PMOはPMの手が届きにくい部分を支援するのが特徴です。PMOコンサルタントの業務には、プロジェクトメンバーとのコミュニケーションや資料管理といったきめ細やかなタスクもあります。そのため、担当する業務によってPMOコンサルタントの中で職種や呼び名が分けられています。
(1)PMOアドミニストレータ
PMOアドミニストレータはプロジェクトのスケジュール管理や事務業務を担当します。例えるなら、PMやプロジェクトメンバーの秘書的な役割といえるでしょう。
会議のセッティングや議事録の作成、進捗状況の確認とPMへの連絡など、PMとプロジェクトメンバーとを事務作業を通じて結びつける業務が必要です。また、プロジェクトに関わる経費や人権費、労働状況の管理なども担うため、PMOアドミニストレータの職務はプロジェクトマネジメントと表すことがあります。
(2)PMOエキスパート
PMOエキスパートは、プロジェクトにまつわる情報を収集・分析して、円滑なプロジェクトの施策やゴールへの道筋をたてるのが役割です。そのために必要なルールを策定し、ツールなどの選定も担います。
コンサルタントとしてのセンスと開発責任者としての知見が求められます。PMOエキスパートが優秀だとプロジェクトの品質や進捗スケジュールが安定するといわれています。
(3)PMOマネージャー
PMOマネージャーはPMの補佐的な役割を担います。「補佐的」とはいってもPMOアドミニストレータやPMOエキスパートなどと連携し、PMを支援するのが主な業務で、一般的に「PMOコンサルタント」として想像するのはPMOマネージャーのようなポジションかもしれません。いくつかのプロジェクトに参画し、経営戦略プログラムに大きく関わることがあるため、プログラムマネジメントと表されることもあります。
プロジェクトにまつわるコストや人材を俯瞰して、分析結果をもとにPMにアドバイスする立場といえます。PMやプロジェクトメンバー、ほかのPMOとの連携も大切ですが、企業とプロジェクトチームのコミュニケーションもPMOマネージャーの重要な役割です。
フリーランスコンサルタントがPMO案件に参画するメリット
フリーランスのコンサルタント向けのPMO案件が増えた背景には、社会的にPMOが不足していることがあげられるでしょう。「これだけ多くの企業がPMOコンサルタントを求めているのなら企業に所属した方がよいのでは?」と考えるフリーランスのコンサルタントの方もいるかもしれません。
フリーランスのコンサルタントがPMO案件に参画するメリット・デメリットを明確にしてから判断できるとよいでしょう。フリーランスのコンサルタントとして、PMO案件に参画するメリットを紹介します。
(1)1案件当たりの報酬が高い
フリーランスのコンサルタントとしてPMO案件に参画するメリットとして一番にあげられるのは、プロジェクト1件当たりの報酬が、会社員として参画するより格段に上がることでしょう。
弊社のPMO案件でも、100%稼働と仮定して、PMOコンサルタントの月額報酬は50万~180万の提示です。特に、100万~130万程度がボリュームゾーンです。フリーランスのPMOコンサルタントの平均年収を月額報酬100万と仮定した場合、年収1200万程度が見込まれるでしょう。
一方、PMOコンサルタントとして会社に所属する場合、同程度の規模のプロジェクトであっても年収400万~1000万程度の提示が多いです。会社員には、安定や税務関連の事務が不要といったメリットがあるものの、純粋に報酬額で比べた場合はフリーランスの方が有利といえるでしょう。
(2)参画案件を選択可能
どのような職種にも当てはまることですが、会社員として企業に所属する場合、向き不向きや本人の興味、経歴に関わらず、会社に命じられた案件への参画が求められます。
しかし、フリーランスのコンサルタントなら、プロジェクトの内容や期間によって参画案件を選べます。自分の好きなサービスを提供する企業や興味のある分野のプロジェクト、実績作りやスキルアップのためのプロジェクトなど、実益とキャリアパスを見越して案件を選択できます。
フリーランスのコンサルタントと企業を結ぶマッチングサイトなどの中には、稼働率20%~といった案件もあります。こうした稼働率の低い案件に副業感覚でいくつか参画し、実績を積むなどの働き方もおすすめです。
(3)しがらみがない
企業の考え方にもよりますが、一般的に会社員として企業に所属する場合、年齢やポジションが上がるにつれて、後輩の育成や世話など職種や本人のスキルと直接関係のない仕事を任されることがあります。フリーランスで案件に参画する場合でも、人間関係を含めたチームの環境整備に気を配る必要はありますが、会社員に比べるとしがらみは格段に減るでしょう。
しがらみから解放されることでPMOの職務に集中できるという意見もあるようです。効率が上がり、結果として自分の実績やスキルアップにつながりやすいといえます。
(4)多様な経験の蓄積ができる
フリーランスのPMOコンサルタントは、異なる業界や規模の企業のプロジェクトに携わる機会が多くあるため、コンサルタントの経験値を急速に高める効果を期待できます。
様々な組織文化、プロジェクト手法、課題に触れることで、柔軟な問題解決能力が培われます。また、複数の業界の知見を得ることで、業界横断的な視点を持つことができ、より創造的なソリューションを提案できるようになります。
こうした幅広い経験は、フリーランスコンサルタントの市場価値を高め、長期的なキャリア形成に大きく寄与するでしょう。
(5)ワークライフバランスの向上
フリーランスとしてPMO案件に参画することで、自身の裁量で仕事と私生活のバランスを調整しやすくなります。案件の選択や参画期間、稼働率を自ら決定できるため、個人の生活スタイルや優先事項に合わせた働き方が可能です。
例えば、集中的に働く期間と休息期間を組み合わせたり、副業として部分的に参画したりと、柔軟な働き方を実現できます。この自由度の高さは、仕事の満足度を高めるだけでなく、個人の成長や趣味の時間の確保にもつながり、総合的な生活の質の向上に貢献します。
フリーランスコンサルタントがPMO案件に参画するデメリット
フリーランスのコンサルタントとしてPMO案件に参画する場合、メリットだけでなくデメリットについても注意が必要です。参画する案件を選ぶ際の基準にもなります。
(1)難易度が高い案件が多い
フリーランスのコンサルタントを募集しているPMO案件は「企業が従業員ではなく、外部から人を招いてでも進行したい案件」です。つまり、難易度や煩雑さなどが高い案件といえます。そのため、プレッシャーを感じやすく、「手ごたえを感じられるまでに時間がかかるだろう」という覚悟が必要です。
(2)契約が更新されない可能性がある
どのような職種でもいえることですが、フリーランスとして仕事をもらう立場である以上、契約が打ち切られる可能性は考えておかなければなりません。難易度が高い案件が多いPMOコンサルタントであっても、企業が期待する成果を契約期間内に出せなければ、契約更新がされないリスクをはらんでいます。
(3)クライアント企業と関係性が作りづらい
PMOの参画が必要な案件は、企業の事業成長や経営戦略に絡む重要かつ、莫大なコストを要する案件であることが多いです。しかし、フリーランスのコンサルタントが参画する場合、どうしても「外部の人」といった立ち位置で見られがちなため、問題点を指摘しづらかったり理解が得られなかったりすることもあるでしょう。
(4)自己管理の負担
フリーランスとして働く場合、すべての業務や責任を自身で管理する必要があり、この業務には契約管理、請求書の発行、税務申告、保険加入などの事務作業も含まれます。また、自身のスキルアップや市場価値の維持向上のための投資も自己負担となります。
こうした管理業務にかかる時間と労力は、本来のPMO業務から注力を奪う可能性があります。さらに、会社員として働く場合と比べて、福利厚生面での保障が少ないため、病気や怪我のリスクに対しても自身で備える必要があります。
このような自己管理の負担は、特に経験の浅いフリーランスコンサルタントにとって大きな課題となる可能性があるでしょう。
フリーランスのPMOコンサルタントに必要なスキル
フリーランスのPMOコンサルタントとして独立する場合は、より尖ったスキルが求められます。前述したPMOコンサルタントの職種の中のどのポジションで参画するのか、にもよりますが、フリーランスのPMOコンサルタントに求められるスキルを紹介します。
(1)コミュニケーション能力
コンサルタントにもPMOにも求められるコミュニケーション能力は、フリーランスという立場上、一段と求められる覚悟が必要です。PM、プロジェクトメンバーとのコミュニケーションはもちろん、クライアント企業との交渉や進捗報告などもPMOの重要な任務です。時には、自分自身も外部の人間であるにもかかわらず、プロジェクト進行に必要なリソースを持つ外部企業の選定や連携などにも率先して参加しなくてはなりません。
プロジェクトの品質を安定させ、スムーズに進行させるために、チームとメンバー一人ひとりのタスクやスケジュールを注視し、問題点があれば指摘、解決に導く力も求められます。リスクマネジメント能力や進捗管理力も必要ですが、メンバーが相談しやすい雰囲気やヒアリング能力といったきめ細かいコミュニケーション能力がプロジェクト成功のカギとなるでしょう。
(2)経営センス
コンサルタントである以上は、企業の経営状況や事業戦略を俯瞰し、問題点を洗い出せる経営センスが求められます。PMOは設定された目標を達成するために設置される組織ですが、目標設定から参画する場合にも経営センスが必要とされるでしょう。
また、プロジェクトのゴールとしての目標自体は一貫したものであっても、プロジェクト進行中の状況によっては、その間に達成すべき目標が生まれます。こうしたプロジェクトの過程で生まれる目標の一つひとつが、クライアント企業にとってプラスになるものか否か、コストパフォーマンスやチームへの影響などを分析・判断するのもPMOの経営センスにかかっています。
(3)高度な問題解決能力
フリーランスのPMOコンサルタントには、複雑なプロジェクト環境で迅速かつ効果的に問題を解決する能力が不可欠です。予期せぬ障害や課題が発生した際、迅速に状況を分析し、創造的な解決策を提案できる力が求められます。
また、複数の選択肢がある場合、それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、最適な判断を下す能力も重要です。問題解決にあたっては、単に技術的な側面だけでなく、組織の文化や政治的な要因も考慮に入れる必要があります。
このような高度な問題解決能力は、プロジェクトの成功率を高め、クライアントからの信頼を獲得する上で極めて重要です。
(4)自己管理・自己啓発能力
フリーランスとして働く上で、自己管理と継続的な学習は不可欠です。PMOの分野では技術や効果的な管理手法が常に進化しているため、最新のトレンドや手法を常に学び、自己のスキルを更新し続ける必要があります。具体的には、関連する資格の取得、セミナーへの参加、専門書の講読などが含まれます。
また、自身の時間とリソースを効果的に管理し、複数のプロジェクトや責任のバランスを取る能力も求められます。さらに、自己の強みと弱みを客観的に分析し、継続的に改善していく姿勢も重要です。
フリーランスのPMOコンサルに必要な資格
一般的にPMOコンサルタントは、資格より実績が重視される職種です。しかし、外部から参画を狙う場合、名刺に記載できる資格は大きな武器になるでしょう。特に、フリーランスの場合は、実績や能力の裏付けのためにも資格をいくつか取得しておきたいものです。フリーランスのPMOコンサルタントにおすすめの資格を紹介します。
(1)PMP(Project Management Professional)
PMO資格の中でグローバルに知名度が高いのは、PMP(Project Management Professional)です。PMPの試験内容は、「PMBOK (Project Management Body Of Knowledge)」というドキュメントがベースです。
PMBOKは、PMPの認定・運営団体であるPMIが発行しており、2021年現在で第7版が最新版です(日本語版あり)。PMBOKは、プロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめたもので、いわばPMOの世界標準ともいえるドキュメントです。
PMPの資格取得には試験を受けるにあたり二つの条件があります。
・一定の学歴とPM実績
・35時間の公式研修を受講
そのため、PMOとしてある程度実績がある人向けの難易度の高い資格とされています。 さらに、PMPは資格取得後も3年ごとに資格更新のための研修があります。資格取得後3年の間に決められた時間の研修を受け、スキルを習得することが資格更新の条件です。
(2)PMOスペシャリスト認定資格(NPMO認定PMO-S(TM))
日本のPMO資格として代表的なのが「PMOスペシャリスト認定資格」(NPMO認定PMO-S(TM))」です。日本PMO協会(NPMO)が実施している認定資格制度です。
eラーニングでの受講・Web検定とオンラインで資格取得の学びや試験が完結します。内容はプロジェクトマネジメントの基礎がある前提で、PMOの役割や事例、PMO導入プロセスやミッションの管理などについてなどPMOとしての知見をより深く試されるものです。
また、PMOスペシャリスト資格を受験資格には、「プロジェクトマネジメント関連の資格をすでに有していること」という条件があり、エントリー資格である「プロジェクトマネジメント・アソシエイト認定資格(pjm-a)」からのチャレンジが必要で、資格取得後も2年ごとに更新手続きが求められます。更新手続きには講座やセミナーへの参加が求められますが、その度にPMOの最新動向を学べます。
(3)プロジェクトマネージャー試験
経済産業省が認定する国家資格「情報処理技術者試験」の中のプロジェクトマネジメントに特化した試験です。特に、PMOアドミニストレータを目指す人にはおすすめの資格です。プロジェクトマネージャー試験は年に1回、全国の主要都市で受験可能です。
ITプロジェクトの要員・資源・予算・工程・品質などを管理するスキルを問う内容で、例年の合格率は15%前後と非常に難易度が高いことで知られています。だからこそ、フリーランスのPMOコンサルタントが取得していると武器になります。
フリーランスPMOコンサルタントに関連するQ&A
フリーランスのPMOコンサルタントについて寄せられた疑問にQ&A形式で紹介します。
(1)PMOコンサルはつまらない?
どの仕事にもいえることですが、仕事が面白いか、つまらないかは本人の考え方や環境によることが多いです。ただし、フリーランスPMOコンサルタントとして参画する場合、クライアント企業との上下関係があったり、プロジェクトチームメンバーから外部の人間として扱われたりすることはあるでしょう。会社員PMOとして手腕を振るっていた時とのギャップを感じやすい面はあるかもしれません。
しかし、案件の内容や企業のサービス、報酬額など、自分にとって譲れない基準を満たした案件に参画すれば、ある程度の不満は自分で解決できるでしょう。外部の人間だからこそ、企業の経営戦略やプロジェクトを俯瞰できる面は重宝され、達成感も感じられるはずです。自分にとって最優先事項は何なのかしっかり見極め、フリーランスのPMOコンサルタントという立場を最大限に生かす意識が必要です。
(2)フリーランスPMOコンサルの単価は高い?
先述しましたが、フリーランスのPMOコンサルタントの単価は会社に所属するよりも高いです。会社員のPMOであれば平均年収700万弱ですが、フリーランスでは年収1000万程度が平均だといわれています。
可動状況によっては、いくつかの案件を並行できるので、メインのほかに副業として安い単価の案件を積み上げることで想像以上の年収をたたき出すことも可能です。ただし、税務処理などを依頼するなどの経費が掛かります。
また、会社員としてPMO案件に参画するより、単価の高いフリーランスPMOとして参画する場合、周囲からの期待値は高いといえるでしょう。単価に見合った働きができるよう自己研鑽が必要とされます。
(3)フルリモートのPMO案件はある?
結論から申し上げると、フルリモートのPMO案件は存在します。フリーコンサルタントと地方に本社を置く企業のマッチングを行うサイトなどでは日本全国から優れたPMOコンサルタントを募集するケースが目立ちます。
しかし、PMやチームメンバー、クライアント企業や外部企業との、コミュニケーションやきめ細やかなタスク管理・スケジューリング・コスト管理などがPMOの役割です。フルリモートではチームのモチベーションや問題が把握しづらい面はあるかもしれません。
関連ポジションとは密に連絡を取る、フルリモート契約であっても時には出社するなどの工夫ができるとよいでしょう。
(4)PMからフリーランスのPMOコンサルタントとして独立はアリ?
PMとPMOは親和性の高い職種のため、PM経験者がPMOコンサルタントとしてフリーランスになることは一見簡単そうに見えます。しかし、独立直後からフリーランスのPMOコンサルタントとして活躍できるかは、PMのポジションで参画したプロジェクトの規模やどのくらい上流工程から関わったかによるでしょう。プロジェクトの過程で得られた情報をドキュメント化する能力も求められます。
もちろん、PMOコンサルタントとしてプロジェクトに参画する場合、OJTは準備されているものです。しかし、クライアント企業はフリーランスのPMOコンサルタントには、社員より高い報酬を提示しています。報酬に見合う仕事が遂行できる人材を求めているので、OJTで知らされる内容を即理解できる能力や実績が必要です。
PMOコンサルタントとして実務につくのが初めての場合でも「勉強させてください」といった意識では不十分とみなされます。知見に不安がある人は、フリーランスになる前にPMOコンサルタント業務を一通り経験しておいた方がよいでしょう。
(5)フリーランスのPMOコンサルタントが陥りがちな失敗とは?
フリーランスのPMOコンサルタントから「やりたくない」「つまらない」といった不満が出るのは、往々にして人間関係が発端となっていることが多いようです。
一般的に、フリーランスのPMOコンサルタントを必要とするほどの大きなプロジェクトでは、クライアント企業から依頼を受けた大手コンサルティングファームのマネージャーレベルの人材がPMOコンサルタント業務に当たります。この場合、チームメンバ―は素直にPMOコンサルタントの提案や指示を受け入れるでしょう。
しかし、PMOコンサルタントが外部から参画したフリーランスだった場合、社内のしがらみがありません。反発を表に出したり、社内でのポジション・肩書にこだわったりしてPMOコンサルタントに従えないメンバーが出てきやすい側面があります。
フリーランスのPMOコンサルタントも外部から参画している意識が強すぎると、チームメンバーに質問できなかったり、業務を抱えすぎたりして身動きが取れなくなるような事態に陥りがちです。こうした事態に陥らないためにも参画直後から、チームメンバーと積極的にコミュニケーションをとるよう意識しましょう。
また、先の質問(4)の回答内容と相反すると感じられるかもしれませんが、PMO内で気軽に質問できる人材を見つけておきましょう。そのためには、業務が忙しい時でも、チーム内の仲間の様子を伺ったり積極的に手伝ったりといった、人間らしい気遣いが大切です。
フリーランスPMOコンサルタントは努力に見合う未来が選択可能
フリーランスのPMOコンサルタントの需要が高まる一方、「つまらない」「難しい」としり込みをするコンサルタントは多いです。一方で高い報酬が見込めたり、参画したい案件を自分の興味や思い描くキャリアパスから選べたりとメリットも少なくありません。一つのプロジェクトが成功すれば、次のプロジェクトでの参画条件もより交渉しやすくなります。
ただし、スキルや資格の取得は必須となるでしょう。努力を続ける先に、フリーランスとして参画案件を選べる立場、高い報酬単価やフルリモート案件など満足できる人生を送る未来を思い描いて自己研鑽を続けましょう。
(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)