【ITコンサルタント転職事情】必要なスキルと知識とは?気になる転職先と将来性

最新更新日:2022/07/12
最新作成日:2022/07/12

 

ITツールやシステムを利用して企業のDX化やシステム構築を指揮し、業務改善や経営戦略を管理・実行するのが、ITコンサルタントの業務です。業界や利用ツール・システム、手掛けるプロジェクトが幅広いため、転職や独立・未経験から挑戦する際「どのようなスキルが必要か」「転職活動を失敗に終わらせないマインドセットは?」「そもそも将来性は?」などITコンサルタントの転職にまつわる情報をまとめました。

 

 

目次

 

■ITコンサルタントの現状

 

■ITコンサルタントの転職に必要なスキル・知識
(1)コミュニケーション力
(2)論理的思考力(ロジカルシンキング)
(3)業界に関する知識や経験
(4)経営者視点

 

■ITコンサルタントの主な転職先
(1)コンサルティングファームやSIer
(2)企業の情報システム部門・経営企画部門
(3)ITコンサルタントとして独立

 

■SEや未経験からITコンサルタントに転職するなら
(1)「憧れ」や「高年収」に惑わされないようにしよう
(2)未経験からITコンサルタントへの転職ノウハウとは

 

■ITコンサルタントの将来性は?
(1)ITコンサルティングサービス事業の急増
(2)下流工程の自動化・海外シフト

 

■ITコンサルタントの転職成功にはマッチングエージェントが最適

 

 

ITコンサルタントの現状

 

2022年5月23日、 IT専門調査会社「IDC Japan株式会社」による「国内ビジネスコンサルティング市場予測」が発表されました。この発表によると「2021年のビジネスコンサルティング市場の規模は、前年比11.4%増の5,724億円程度」とされています。「企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援需要拡大が追い風となった」ことが理由にあげられています。

 

2023年以降も、企業のDX化があらゆるサービスのセグメントや産業分野においても、高成長を続けるとみられています。IDCでは、ビジネスコンサルティング市場の2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は、8.8%を記録し、2026年の市場規模は8,732億円に上るだろうと予測しています。

 

企業のDX推進を主とした、ビジネスコンサルティングのキーパーソンともいえるのが、ITコンサルタントです。ITコンサルタントは、企業の経営課題や業務改革から参画し、ITシステムを使ってソリューションを提供するのが仕事です。高度なスキルが必要なITコンサルタントは、コンサルティング業界の中でも特に人材不足とも言われており、SIerに勤めるSEやエンジニア、他の職種からITコンサルタントへ転職するケースも増えています

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ITコンサルタントの転職に必要なスキル・知識

ディスカッションを重ねるITコンサルタントたち


システム設計・開発を担うSEとITコンサルタント業は、どちらもシステム関連のプロジェクトを管理する立場として類似する業務が多々あります。SEなどの業種からITコンサルタントに転職する際には、今まで必要とされなかったスキルや知識も求められます。主に、どのような種類のスキルや知識が必要とされるのか、チェックしておきましょう。

 

(1)コミュニケーション力

ITコンサルタントは、プロジェクトの最上流から参画し、クライアントのニーズを探り、ITやシステムを使ったソリューションを提案する役割も担います。そのため、システムやITの知識だけでなく営業スキルも必要とされます。クライアントの状況やニーズを察知し、深く理解するためにクライアント企業と密接なコミュニケーションを取る場面が出てくるでしょう。

 

また、一般的に、SEなどの開発メンバーとクライアント企業との意見を調整するのもITコンサルタントの役割です。プロジェクト進行中は、開発状況に応じて、より柔軟なコミュニケーションスキルが求められるでしょう。

 

最近は、システム開発コストを抑えるため、ベトナムやフィリピンなどの海外ベンダーに開発を委託するケースもあります。こうした国際的なプロジェクトでは、マネジメント側として海外のSEやプログラマーとやり取りする機会も多いです。英語をはじめとした語学力も求められますが、日本人とは考え方の異なる海外のメンバーをうまくマネジメントするためには、コミュニケーション能力が大きな武器になるでしょう。

(2)論理的思考力(ロジカルシンキング)

論理的思考力は、ロジカルシンキングとも呼ばれ「ファクト(事実)に基づき、論理に基づいて結論を導く」思考力です。ビジネススキルの基礎、かつ重要な能力だとして注目を集めています。

 

コンサルティング業では、論理的思考力を用いてスピーディーに結論を導くことが求められます。特に、ITコンサルタントは、課題が判明すると同時にソリューション提案や対策案をいくつか提示しなければならない場面も出てくるでしょう。


普段から、物事を体系的に理解し解決までの筋道を立てて考える癖をつけることで論理的思考力は磨けます。過去のITやDXプロジェクトの失敗例の情報を読み解くことで思考の筋道を立てるヒントにできるでしょう。

(3)業界に関する知識や経験

ITコンサルタントとして転職活動をする際、特定の業界に詳しかったり、経験が豊富だったりすると強みになるケースがあります。クライアント企業の経営課題とソリューションを見つけるためには、クライアント企業の業界情報が重要だからです。業務経験があるとなお良いでしょう。

 

たとえば、金融関連システムのSE経験が長い人であれば、金融系を専門に扱うコンサルティングファームへの転職が有利になる可能性が高いです。金融業界経験や金融システムに関する知識をアピールしましょう。医療系の企業や組織でSE経験があれば、その経歴を引っ提げて医療を専門に扱うコンサルティングファームにITコンサルタントとして転職する道もあります。


ITコンサルタントとして転職するにあたって、具体的にどのような知識と経験が、どのような業界で評価されるのかは、マッチングエージェントで相談できます。経験豊かなエージェントであれば、相談者の年齢と経験にあう最適なアドバイスが受けられるでしょう。

(4)経営者視点

実は、ITコンサルタントを志望するうえでシステム開発経験がある方がベターですが、必須ではありません。ITコンサルタントが所属・派遣される部署が、事業会社の社内業務改革部署や経営企画部署といった開発を手掛ける部署と異なるケースも多いです。システム開発経験がないITコンサルタントも実際に存在します。

 

コンサルタントとして、クライアント企業に必要とされるのは、営に関する専門知識や顧客折衝力です。SE出身・PMなど開発やプロジェクト現場の経験や知識が豊かでも、クライアント企業の経営層の心理へと考え方をシフトする必要があります。

 

こうした経営者視点を手に入れるには、中小企業診断士などITやシステムに直接関係のない資格の勉強をしたり、経営者向けのセミナーに参加したりするのがおすすめです。

 

 

ITコンサルタントの主な転職先

ITコンサルタント

 

ITコンサルタントの転職先は、大きくわけて3種類あります。それぞれの転職についてメリット・デメリットをまとめました。

 

(1)コンサルティングファームやSler

ITコンサルタントが足りないといわれる現在、SEやITプロジェクト経験豊富なPMが、ITコンサルタントとしてコンサルティングファームやSlerへの転職に成功するケースが増えています。何らかの事業を行う企業でITコンサルタントとして勤務していた人、すでにコンサルティングファームやSIerに在籍しているITコンサルタントも転職先として同業他社を選ぶケースが多いです。

 

ITコンサルタント経験者が同業他社に転職する理由として「さまざまなプロジェクトを経験したい」という意見がよく上がるようです。増えている転職例としては、国内企業が専門のコンサルティングファームから外資系へ転職することで、よりグローバルな案件に関わるといったケースです。

 

また、コンサルティングファームやSlerは、一般的に事業会社と比べると給与が高いことが大きなメリットです。一方で、クライアント企業の要望に合わせた動きが求められるので、労働時間が不規則だったり、激務になりがちだったりといったことがデメリットと考えられます。


どちらのケースも転職支援のマッチングエージェントを通すことでより有利に転職活動が進められるでしょう。経歴や志望理由を各コンサルティングファームやSlerの特色にあうようにアピールする術をよく知っています。

(2)企業の情報システム部門・経営企画部門

ITコンサルタントは、現場よりも企業の経営層に近い立場で企業の課題解決をするのがミッションです。コンサルティングファームのクライアントとなる事業会社へ転職する選択肢もあります。部署としては情報システム部門が一般的ですが、経営企画部門に所属するケースもあります。

 

また、事業会社への転職というと大企業というイメージがありますが、現在ではスタートアップして間もないベンチャー企業もITコンサルタントの転職先として注目を集めています。ベンチャー企業では新規事業の立ち上げを任されたり、パートナー的なポジションが用意されたりすることもあります。

 

クライアントの都合に合わせることの多いコンサルティングファームでは、どうしても残業など長時間労働になりがちです。一方、事業会社に転職してクライアント側になれば、勤務時間の調整がしやすいのがメリットです。実績を見込まれた転職なら、ある程度裁量が与えられ、自分でコントロールできる可能性もあります。


案件ごとに異なる企業の課題に取り組むコンサルタントファームやSlerとは異なり、事業会社では長期的な視点で企業の経営に携われます。じっくりとひとつの企業の成長に取り組めるのは、やりがいを感じられるでしょう。ただし、給与が高いといわれるコンサルティングファームと比べると、事業会社の規模や業界によっては転職後に年収が下がるケースもあります。

(3)ITコンサルタントとして独立

フリーランスのITコンサルタントも非常に需要が高く、独立する方も増えています。また、フリーランスで活躍するITコンサルタントの傾向として、プロジェクトマネジメント経験者が成功しやすいそうです。ITと経営の両軸に長けている必要があるためだとみられています。独立前に大手IT関連会社などでPMOを経験できるとより安心でしょう。

 

独立後でもプロ人材派遣サービスを利用し、ITコンサルタントとしてクライアントや参加プロジェクトを見つけることもできますが、PMO経験を増やすのも一つの手です。クライアント企業に常駐になる場合はファームにいるのとあまり変わらない状況もあるでしょうが、高収入を得られる期待があるため、起業準備をしている人も増えています。

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SEや未経験からITコンサルタントに転職するなら

物思いにふけるITコンサルタント

 

ITコンサルタント未経験からのITコンサルタントに転職を志す人が増えていますが、今までの業務とITコンサルタントの実態がかけ離れていることから「転職は失敗だった」と感じる人も多いそうです。長年SEをしてきた人などITコンサルタント未経験者がITコンサルタントへの転職を成功させるならどのようなマインドが必要なのでしょうか?

 

(1)「憧れ」や「高年収」に惑わされないようにしよう

他業種からITコンサルタントへ転職後、失敗と感じやすいのはコンサルタントへの憧れや高年収に惹かれて転職してしまったケースです。

 

一般的にコンサルタントが一番苦労するのは、クライアントとの折衝だといえます。特に、他の業種からITコンサルタントになったばかりの時は、ITの知識を持たないクライアント企業の経営層から潜在ニーズを引き出し、要件定義に落とし込むのに骨を折るでしょう。SEなど現場業務からITコンサルタントになった人の場合は今までの常識が通用しないと感じることもありそうです。

 

また、ITコンサルタントとして携わるのは、Web系やメディア系、ゲーム系、金融系など多岐にわたります。知識や経験がない業界の場合、用語や業務の種類を整理するのにも苦労するでしょう。コンサルタントと名乗るからには、業務改善や経営戦略は避けられず、クライアント企業の業界や業務についての知識は不可欠です。

 

同時に、経営層を説得させるだけの根拠を言語化する能力が求められるため、勉強や自己研鑽は欠かせません。ITコンサルタントとして活躍している人はとても華やかに見えますが、実際には地道な努力と忍耐を積み重ねているといえます。憧れや高年収を目当てにITコンサルタントになっても、現実の厳しさを目の当たりにすることになるでしょう。

(2)未経験からITコンサルタントへの転職ノウハウとは

ITコンサルタント未経験者が、転職活動を成功させるにはポイントがあります。
まず、魅力的な人材だとアピールできる職務経歴書作りです。プロジェクトマネジメントや開発チームを率いたリーダー経験がある人は、事例を挙げて成果を記しましょう。コンサルタント経験や上流から開発プロジェクトに関わった経験がある人は、クライアントからヒアリングを行う際に実際に使用したツールやビジネススキルなどを具体的に書き記すのがおすすめです。

続いて、面接ではコミュニケーション能力をアピールしましょう。「論理的かつ円滑なコミュニケーションがとれる」と印象づけるのが大切です。ただし、ITコンサルタントのような、幅広い知識やスキルが必要な職業の面接では、自分をアピールすることも大切ですが、相手の話を「よく聞き、整理し、理解する」傾聴力を発揮できるとより良いでしょう。面接が得意な人や厳しい転職活動を経験した人でも、事前に面接のトレーニングができるとより安心です。

 

ITコンサルタントの募集は非公開情報であることも多いので、業界に詳しいエージェントを見つけることが成功の鍵です。コンサルタント領域に強い転職のマッチングエージェント、弊社株式会社みらいワークスの「フリーコンサルタント.jp」では、非公開求人情報を得るだけでなく、職務経歴書の添削や面接を突破するポイントを教えてくれるなど、登録から案件獲得まで伴走するサービスを行っています。
未経験からITコンサルタントを目指すなら、こうしたマッチングエージェントに登録して相性のいいエージェントと二人三脚で転職活動を進めていくのが良いでしょう。

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ITコンサルタントの将来性は?

将来性アップ

 

独立行政法人IPA(情報処理推進機構)がまとめた「DX人材白書2021」によると、事業会社にDX戦略を用いる企業が事業戦略上の変革を担う人材の「量」と「質」への不足感を聞いたアンケートでは「不足している」「やや不足している」と答えた企業が80%近い結果が出ています。

こうした結果からも、企業のDXを用いた業務改革・経営戦略を指揮するITコンサルタントの現在のニーズの高さが伺えます。では、将来性はどうでしょうか?ITコンサルタントの将来性を判断できる、ビジネスシーンの動向を紹介します。

出典:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 DX白書2021_第3部_デジタル時代の人材

 

(1)ITコンサルティングサービス事業の急増

経済産業省により、2018年に発表された「DXレポート」には「DXが進まなければ2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と明記されました。2020年に改訂された「DXレポート2」でも「政策の方向性として「レガシー企業文化からの脱却」、「ユーザー企業とベンダー企業の共創の推進」の必要性」を説いています。

 

さらに2020年以降のコロナ禍を受け、企業のDX化推進の動きが一気に加速しました。これに併せてコンサルティング業界へのデジタル関連プロジェクトの依頼が急増し、ITコンサルティングサービスを手掛ける企業も急増しています。

 

しかし、2021年に発表された「DXレポート2.1」では、企業共通の人材育成のジレンマとして「技術が陳腐化するスピードが速く、時間をかけて学んだとしても、習得したときには古い技術となっている」「即座に新技術を獲得できる人材は引き抜かれてしまう」という課題が挙げられています。裏を返せば「技術の習得が早くITトレンドの動きに合わせて自己研鑽できる人材」「プロジェクトの進行に穴を開けないようフレキシブルに業務がこなせる人材」が求められている現状が見えてきます。

また、各企業、優秀な人材が引き抜かれないよう雇用条件の見直しが必要です。大企業であっても、フリーランスのITコンサルタントが入り込む余地が十分に期待できるといえるでしょう。

出典:経済産業省 DXレポート 2018年
出典:経済産業省 DXレポート2 2020年
出典:経済産業省 DXレポート2.1 2021年

(2)下流工程の自動化・海外シフト

国内のIT系人材不足が深刻化する中、下流工程(開発そのもの)については、海外ベンダーへ移行したり、開発ツールによる自動化を目指したりする動きも進んでいます。つまり、日本国内では、将来的に下流工程に携わる人材よりも、コンサルティング業など上流工程に関わる人材のニーズが高まると予想できます。

 

これから、ITコンサルタントへの転身を試みること、すでにITコンサルタントとして活躍中の人材が新天地を求めることなどの転職活動がIT業界で活発化するでしょう。まずは、相談できるマッチングエージェントに登録をし、有利な転職のために、自分に足りない経験やスキル、資格を指摘してくれるバディ(担当エージェント)を見つけるところから始めましょう。

 

 

ITコンサルタント転職を成功させるなら適切なマッチングエージェントへ登録を

話し込むエージェントト登録者

 

DXをはじめ企業のIT案件の増加やIT人材不足に伴い、ITコンサルタントの将来性は高いとみられています。企業規模や雇用形態にもよりますが、年収の高さにも注目が集まり、SEや他業種からの転職を考える人も増えているようです。

 

フリーランスのコンサルタント向けに案件を紹介するマッチングエージェントや業務代行サービスも増えてきています。転職だけではなく、独立を見据えたキャリアプランを考えられるという点もITコンサルタントの魅力です。

 

ただし、ITコンサルティングはSEに比べ、高度なスキルと知識が求められます。転職を考える際は担当マッチエージェントと相談の上、業界・業務内容や年収なども含め慎重に検討しましょう

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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