フリーランスは人脈があると有利?メリットや作り方・注意点を解説
最終更新日:2025/08/10
作成日:2018/12/10
- ・「フリーランスって人脈があると有利なの?」
- ・「知り合いが少なくて、なかなか新しい仕事につながらない…」
そんな不安や悩みを抱えていませんか?
本記事では、フリーランスが人脈を広げるメリットや作り方、注意すべきポイントを詳しく解説します。
これからフリーランスを目指す方はもちろん、すでに活動中で「もっと仕事を増やしたい」と考えている方にとっても、すぐに実践できるヒントが見つかるはずです。

< 監修者プロフィール >
大野 晴司(おおの せいじ)
東京都立大学(現首都大学東京)卒業後、日産自動車で国内のマーケティング部門や系列ディーラーでの営業マンや本社販促部署長などを経験。中小企業診断士資格取得のために退職、2003年3月資格取得。その後、マーケティングリサーチ会社、自動車関連メーカーを経て、2008年にビズ・エキスパート株式会社を設立。神奈川・東京の中小・中堅企業の営業力・マーケティング力支援のほか、経営企画業務、新規事業支援を主な事業として活動中。また、企業向けセミナー講師なども務める。
ビズ・エキスパート株式会社:http://b-ex.biz/index.html
プロフェッショナリズムインタビュー:https://freeconsultant.jp/workstyle/w020
目次
■フリーランスが人脈を広げるメリット5選
(1)業界の最新情報を得られる
(2)客観的な意見やフィードバックをもらえる
(3)モチベーション維持や成長の刺激になる
(4)信頼できる相談相手ができる
(5)案件獲得のチャンスが増える
■フリーランスが人脈を作る方法4選
(1)オンラインツール(SNS・マッチングサービス)を活用する
(2)交流会やセミナーなどのイベントに参加する
(3)以前の職場や取引先との関係を再構築する
(4)友人や知人からの紹介を受ける
■フリーランスが人脈作りで注意すべきこと
(1)怪しい勧誘やネットワークビジネスに関わらない
(2)時間やコストをかけすぎない
(3)むやみに人脈を増やそうとしない
■フリーランスが人脈を仕事に繋げるためのポイント
(1)実績やスキルが一目でわかる資料を用意する
(2)経営者や発注権のある人と直接話す機会を作る
(3)積極的に自分から声をかける
■フリーランスが人脈以外で案件を獲得する方法
(1)クラウドソーシングサイトを利用する
(2)エージェントを活用する
フリーランスにおける人脈は安定した案件獲得に繋がる

フリーランスにとって、人脈は安定して案件を得るための大きな武器です。
フリーランス白書2025によると、フリーランスの仕事獲得経路は「人脈(知人の紹介を含む)」が72.8%で最多、次いで「過去・現在の取引先」が61.0%というデータが公表されています。(※複数回答可)
さらに、最も収入が得られる仕事の獲得経路でも、1位は「人脈」(35.6%)、2位は「過去・現在の取引先」(29.9%)、3位は「エージェントサービス」(12.4%)という結果でした。(※単一回答)
このデータからも分かるように、人脈は案件数だけでなく単価の面でも有利に働きます。既存の信頼関係を活用すれば、新規営業の負担を大きく減らせるというメリットも見逃せません。
人脈を基盤に新たな出会いや再受注を増やすことが、安定した収入を築く近道といえるでしょう。
参考:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書 2025」
フリーランスが人脈を広げるメリット5選

ここでは、フリーランスが人脈を広げる主なメリットを5つご紹介します。
(1)業界の最新情報を得られる
人脈を広げることで、業界の最新情報を入手しやすくなります。
フリーランスは会社員のように社内共有や研修の機会がないため、自ら積極的に情報を得る行動が求められます。
信頼できるつながりを築けば、市場のトレンドや新技術、業界の動向をリアルタイムで把握することが可能です。こうして得た情報は、自身のスキルの向上や提案内容の強化につながります。
常に新鮮な情報を把握できれば、フリーランスとしての価値をより一層高められます。
(2)客観的な意見やフィードバックをもらえる
人脈を広げることで、客観的な意見やフィードバックを受けやすい環境が作れます。
フリーランスは一人で業務を進める場合が多く、第三者からの評価や助言を得る機会が限られがちです。
しかし、同業者や多様な分野の専門家と交流すれば、自分の仕事に対する率直な意見をもらえるようになります。
これにより、自分では気づかなかった改善点や新たな視点を発見でき、スキルアップや業務品質の向上につなげられます。
たとえば、同業者の成功事例や課題解決のアプローチを知ることで、具体的な改善策や新しい手法を取り入れるきっかけを得られるでしょう。
こうして得た知見から、自身が提供できるサービスの精度と価値がより高まっていきます。
(3)モチベーション維持や成長の刺激になる
孤独になりやすいフリーランスにとって、人脈はモチベーションを保つための大きな支えです。
同じ立場で活動する仲間や異業種の専門家と交流すれば、お互いの経験や成功事例から刺激を受け、成長意欲が高まります。
他の人が困難をどう乗り越えたかを知ることは、自分の挑戦心を引き出すきっかけになります。日々の業務に張り合いが生まれ、長期的なモチベーションを維持できるようにもなるでしょう。
(4)信頼できる相談相手ができる
人脈を広げることで、信頼できる相談相手を持てるようになります。
フリーランスは業務やキャリアの悩みを一人で抱えがちですが、同じ境遇の仲間や経験豊富な専門家と出会えば、安心して相談できる関係を築けます。
彼らから得られる客観的なアドバイスや具体的な解決策は、自分の判断の精度を高め、無駄な失敗を防ぐ手助けとなるでしょう。
さらに、業務面だけでなくメンタル面でのサポートも受けられるため、孤独感が軽減され、仕事への集中力も向上します。
信頼できる相談相手は、困難な局面を乗り越える力となり、長期的な活動継続の基盤となる存在です。
(5)案件獲得のチャンスが増える
人脈を広げることで、案件獲得のチャンスは格段に広がります。
紹介や推薦による案件は信頼性が高く、受注までの流れもスムーズです。これまで接点のなかった企業や業界から声がかかることもあり、新しい分野への挑戦や専門性を活かす機会につながります。
さらに、一度信頼関係を築いたクライアントからは、継続的な依頼や別の顧客の紹介を受けられる可能性が高まります。
人脈から案件を獲得できれば、広告にかかる費用や飛び込み営業に伴う労力を大幅に抑えられるでしょう。
フリーランスが人脈を作る方法4選

ここからは、フリーランスが人脈を広げるための方法を4つ解説していきます。
(1)オンラインツール(SNS・マッチングサービス)を活用する
SNSやビジネスマッチングサービスは、フリーランスが効率的に人脈を広げられる有力な手段です。
X(旧Twitter)やFacebookなどのSNSでは、自分の専門分野に関する情報発信や交流を通じて、共通の関心を持つ人と繋がれます。プロフィールや実績を公開すれば、仕事の依頼につながる可能性も高まります。
また、ビジネス系マッチングアプリでは、案件紹介や情報交換を目的とした出会いを見つけやすく、興味を持った企業や個人から連絡が来ることもあります。
オンラインでの繋がりは時間や場所の制約を受けにくく、効率よく人脈を築けるのが魅力です。ただし、相手が信頼できる人物かを見極める姿勢も欠かせません。
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(2)交流会やセミナーなどのイベントに参加する
交流会やセミナーは、オンライン・オフラインを問わず人脈を効率よく広げられる場です。
業界の最新情報や知識を得られるだけでなく、直接のやり取りを通じて信頼関係を築きやすいのも魅力です。
同業者との情報交換はもちろん、異業種交流では普段関わらない分野の人と出会い、新たな視点やビジネスチャンスを得られる可能性があります。
参加する際は名刺や自己紹介を準備し、自分のスキルや実績を簡潔に伝えられるようにしておくことが重要です。
また、主催者や人脈の広い参加者に積極的に声をかけると、つながりをさらに広げられます。
目的や分野に合ったイベントを選び、参加者層や規模感を事前に確認すると、有意義な人脈作りにつながります。
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『フリーランスは名刺を作成するべき?内容・作り方・おすすめサービスを紹介』
(3)以前の職場や取引先との関係を再構築する
過去の職場や取引先は、すでに信頼関係と実績があるため、案件獲得につながりやすい貴重な人脈です。
以前の同僚や上司に連絡を取り、フリーランスとして活動していることを伝えれば、新しい依頼や紹介を受けられる可能性があります。
相手の現在の勤務先で案件が発生している場合もあれば、別の企業やフリーランス仲間を紹介してもらえる場合もあるでしょう。
過去の取引先には、改めて提供できるサービスや近況を共有することで、再び仕事を依頼してもらえるかもしれません。定期的に連絡を取りながら、情報交換を続けられると、関係性はより強固になります。
既に築かれた信頼を活かせるため、初めての取引よりも安心して受注できる点も大きなメリットです。
(4)友人や知人からの紹介を受ける
友人や知人からの紹介は、フリーランスにとって新しい案件を得るための効果的な方法です。
身近な人は自身のスキルや人柄を理解しているため、相性の良いクライアントや案件をつないでくれる可能性が高まります。
勤務先で人手を探している場合や、知人の知り合いが外注先を探している場合など、思わぬ形でチャンスが生まれることもあります。
紹介を受けた案件は初対面より心理的ハードルが低く、信頼関係も築きやすいのが利点です。
日頃から仕事内容や得意分野を具体的に伝えておくことで、適切なタイミングで声をかけてもらいやすくなります。
フリーランスが人脈作りで注意すべきこと

フリーランスにとって人脈は非常に重要ですが、場合によっては思わぬトラブルに巻き込まれたり、無駄な時間やコストを費やしてしまったりする恐れがあります。
ここからは、フリーランスが人脈作りにおいて特に気をつけるべきことを3つご紹介します。
(1)怪しい勧誘やネットワークビジネスに関わらない
人脈づくりの場では、怪しい勧誘やネットワークビジネスに巻き込まれないよう気をつけましょう。
一見すると魅力的な仕事の話や、短期間で大きく稼げるといったうたい文句でも、実際はお金をだまし取ったり、人間関係を壊したりする場合があります。
フリーランスはすべてを自分の判断で決める立場なので、特に注意が必要です。内容があいまいな話や、やたらと成功例ばかりを強調する話、初対面での個人情報やお金の要求には要注意です。
少しでも不安を感じたら、その場で決めず、情報を集めたり信頼できる人に相談したりしましょう。
(2)時間やコストをかけすぎない
人脈作りは大切ですが、時間やコストをかけすぎないよう注意しましょう。
交流会やセミナーの参加費や交通費、飲食代は積み重なると大きな出費になり、移動や参加に費やす時間は本来の業務時間を圧迫します。
人脈作りを投資と捉えることは重要ですが、その投資が将来的なリターンに繋がるかを冷静に見極める必要があります。
頻繁なイベント参加や高額セミナー受講が必ずしも成果に直結するとは限りません。事前にイベントの質や参加者層を確認し、自分の目的に合う交流の場を選びましょう。
(3)むやみに人脈を増やそうとしない
人脈は量より質が大切で、むやみに増やそうとしすぎないよう意識しましょう。
名刺を集めたりSNSのフォロワー数を増やすことが目的化すると、関係が浅くなり、有益なつながりには発展しにくくなります。
また、必要以上に人脈を広げすぎると、連絡や付き合いに追われ、人間関係のストレスが増える原因にもなるでしょう。
価値ある人脈は、信頼と協力関係を築ける相手とのつながりです。数を追うのではなく、一人ひとりとの関係を大切に育てる意識を持ちましょう。
フリーランスが人脈を仕事に繋げるためのポイント

人脈を単なる知り合いの輪で終わらせず、具体的な案件獲得やビジネスチャンスへと発展させるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
(1)実績やスキルが一目でわかる資料を用意する
人脈を仕事につなげるには、自分が「何をできるのか」を相手に明確に伝える必要があります。
そのため、実績やスキルがひと目でわかる資料を事前に準備しておきましょう。ポートフォリオサイトやスキルセット、過去のプロジェクト事例をまとめたPDFなどが有効です。
特にクリエイティブ職では、成果物を視覚的に示すと説得力が高まります。実績は「何をしたか」だけでなく、「どんな課題をどう解決し、どんな成果を出したか」を具体的に記載すると効果的です。
ポートフォリオは、交流の場で話が進んだ際や、後日の連絡時に提示することで信頼を高め、案件相談へと発展しやすくなります。
常に最新情報に更新し、相手のニーズに合わせて提示できるように整えておきましょう。
(2)経営者や発注権のある人と直接話す機会を作る
人脈を仕事に直結させるには、経営者や発注権を持つ人との接点が欠かせません。どれだけスキルがあっても、決裁者に届かなければ案件にはつながらないためです。
交流会や業界イベントに参加する際は、事前に参加者や登壇者を把握し、接点を持ちたい人物を明確にして臨むことで、限られた時間を有効に使えます。
経営者や決裁者との直接的な会話は、相手の事業や課題を知るきっかけになり、自分の専門性を的確に伝える機会となるでしょう。
経営者・決裁者との出会いは、その後の商談につながりやすく、質の高い案件獲得の可能性を高めます。
(3)積極的に自分から声をかける
人脈を広げる土台となるのは、自分から動く姿勢です。日々のイベントや交流の場で、受け身ではなく、自ら会話を始めることで新しいつながりが生まれます。
初対面の相手には笑顔で挨拶し、自己紹介とともに相手の活動や興味・関心がありそうな出来事について質問してみましょう。相手の話に耳を傾け、共感や関心を示すうちに、自然に距離が縮まります。
イベントの場だけでなく、オンラインコミュニティやSNSでのやりとりなども、相手との距離を縮めるチャンスです。
SNSやメールなどで連絡を取り合う関係を継続できれば、具体的な案件やコラボなどの仕事に発展する可能性が高まるでしょう。
フリーランスが人脈以外で案件を獲得する方法

人脈はフリーランスにとって強力な案件獲得手段ですが、人脈だけに頼るのもリスクがあります。特に、独立したばかりで人脈が少ない場合は、他の案件獲得方法・営業方法を視野に入れましょう。
ここでは、フリーランスが案件を獲得するための代表的な方法を2つご紹介します。
(1)クラウドソーシングサイトを利用する
クラウドソーシングサイトは、自分に合う案件を探し、応募できる便利なサービスです。
オンライン上で企業や個人からの依頼が募集されており、登録すれば場所や時間を問わず挑戦できます。短期・単発から長期契約まで幅広い案件があり、経験やスキルに応じて選べるのが魅力です。
特に、駆け出しのフリーランスや副業を始めたばかりの人にとっては、実績づくりや経験値を積む場としても役立ちます。
応募時は、プロフィールを充実させ、過去の実績や得意分野を具体的に記載すると採用率が高まります。競争が激しく、報酬単価が低めの案件も多いため、条件や内容をよく確認し、慎重に選びましょう。
継続依頼や高評価を積み重ねることで、より良い条件の依頼や高単価案件を受けやすくなります。
(2)エージェントを活用する
営業にかける時間を減らしつつ質の高い案件を探したい場合は、フリーランスエージェントの活用が有効です。
エージェントはフリーランスと企業をつなぐ仲介サービスで、スキルや経験、希望条件に合った案件をコーディネーターが選定・紹介してくれます。
案件探しから企業との交渉、契約条件の調整まで代行してくれるため、本業に集中できるのが大きなメリットです。また、一般には出回らない非公開案件や高単価案件に出会える可能性もあります。
利用時は、面談でスキルや経験、希望条件を正確に伝えることで、マッチ度の高い案件を紹介してもらいやすくなります。
まとめ

フリーランスの人脈づくりは、案件獲得や事業の成長に直結する大切な活動です。
ただし、やみくもに人脈を広げるのではなく、信頼関係を築ける相手とのつながりを育てることが重要です。
エージェントやクラウドソーシングサイトなど、人脈以外のルートも活用しながら、自分の目的や状況に合ったやり方で、案件獲得につなげましょう。
人脈づくりでは、一人ひとりと向き合い、長く続く関係を大切にすることが、安定した仕事や信頼につながる近道です。
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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)
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