フリーランス向きなデータバックアップ、NASとクラウドストレージの違い
作成日:2018/07/27
フリーランスの方こそ必須のデータバックアップ、重要データを復元できない!
ノートPCさえあればとりあえず仕事はどこでもOK、というフリーランスの方も多いのではないでしょうか。普段からノートPCを持ち歩くワークスタイルで、気を付けたいのがデータのバックアップ体制。ノートPCの場合、うっかり落として破損したり、水にぬれて壊れてしまったり、盗難・紛失にあったりする可能性もゼロではありません。また長期間使っているPCは、どうしてもトラブルが起こりがち。もしPCのトラブルで大事なデータが復元できないと仕事にも大きな影響がでるはずです。
会社員の方なら企業が設けたファイルサーバーにデータを保存しておけば、システム部門が自動的にバックアップをとっておいてくれます。そのため個人でバックアップを意識する必要はあまりありません。
ところがフリーランスの方は当然ながらこうした環境づくりも業務の範囲。うまいデータのバックアップが思いつかず後回しにしているフリーランスの方も多いかもしれませんが、早急な対策が必要です。定期的にバックアップをとるためにも、できるだけ手間のかからない方法にしたいところ。そこでフリーランスの方が手軽にできるデータバックアップ法をご紹介します!
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NASやストレージサービスでワイヤレスにバックアップできる環境を目指そう
ノートPCでは破損や紛失といった心配もありますが、もうひとつ気になるのがノートPCの容量不足。最近販売されているノートPCは、いわゆるハードディスクと呼ばれるHDDではなくSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)という記録媒体を搭載しているものが増えています。SSDはHDDに比べてサイズが小さく読み書き速度が速いというメリットがある一方、価格が高いのがネック。そのため容量の少ないSSDを搭載するノートPCが多く、いつの間にか空き容量がほとんどないという状況になりがちです。特に写真や動画データが増えると一気に容量不足になることも。容量不足になるとPCのパフォーマンスも落ちてしまいます。普段使わないけれど残しておきたいという写真などのデータは、他のストレージにバックアップをとってPCからは削除することも必要です。
ストレージへのバックアップ方法としては、かつては外付けHDD(ハードディスクドライブ)かDVDなどのメディアに保存する方法が一般的でした。こうした方法ももちろん有効ではありますが、いちいちノートPCとドライブをケーブルでつなぐなどの手間がかかるのも事実。また、例えば普段使わないファイルでも、外出先で打ち合わせ中にチェックしたくなることはありませんか? やはりワイヤレス、つまりオンラインでバックアップできる方が手間も少なく使い勝手もよいはず。ワイヤレスでバックアップを行なう方法としては、現在「NASを使う」「クラウドストレージサービスを使う」という2つが主流です。そこでこの2つのデータバックアップ方法について、メリット・デメリットをまとめました。
ネットワーク経由で使えるHDD「NAS」のメリット・デメリット
NASは一言で言うと、ネットワークに接続して利用するHDD(NASはNetwork Attached Storageの略)。最近では各メーカーで個人向けに安価で設定もシンプルなNASが登場しており、導入のハードルが下がっています。NASといっても見た目はHDDとほぼ同じ筐体。フリーランスの方なら自宅に設置して、無線LAN経由で利用するのが一般的です。
<NASのメリット>
NASの基本機能は企業が利用するファイルサーバーとよく似ていて、複数の端末から同時アクセスも可能です。自宅LANに限って利用することもできますが、設定を行なえば、インターネット経由で外出先からNASにあるデータへアクセスすることも可能です。さらにPCだけではなく、専用アプリを使ってスマートフォンやタブレットからファイルにアクセスできるNASもあります。なお、インターネット経由で使う場合でも、フォルダごとにアクセス権限を設定可能です。多くのNASには定期的にPCからデータをバックアップできるツールが付いていることが多く、手軽にバックアップ体制を整えることができるのもメリット。NASは容量やスペックにもよりますが、2TBの容量でも1万円台で購入できるNASもあります。容量が大きくても安価に導入できる点も大きなメリットと言えます。
<NASのデメリット>
簡単とは言え、NASの初期設定を自分で行なう必要があります。機種によってはやや複雑なケースもあり注意が必要です。あわせてインターネット経由で利用する場合、パスワードなどの設定をしておかないとセキュリティの問題があることを知っておきましょう。また、NASも記録媒体はHDDのため、物理的な破損でデータが損失する可能性があります。特に自宅に設置した場合、何らかの理由で物理的に破損するケースも。こうした事態に備えて複数のHDDをつないだNASを利用して、複数のHDDにバックアップを取るということも可能です。
クラウドストレージサービスのメリット・デメリット
ネットワーク経由でデータのバックアップするには、オンラインで使えるクラウドストレージサービスを利用する方法もあります。すでに他のユーザーとファイル共有するために「Google drive」などを使っている方も多いかもしれません。こうしたサービスは、自分のデータをバックアップする用途にも使えます。
<クラウドストレージサービスのメリット>
「Google drive」のほか「Dropbox」「Microsoft Onedrive」など、一定の容量までは無料で使えるサービスが多く、気軽に利用できる点が大きなメリット。クラウドストレージサービスはブラウザもしくはアプリ経由でアクセスするため、機器の接続・設定は一切不要。アカウント発行の手続きをすればすぐに利用できるという点もメリット。さらに設定を変更すると、PCと自動でデータの同期をとってくれるサービスもあります。また各クラウドストレージサービスは一般企業以上の安全対策も行なっていると言われています。自分で安全性の確保をする必要がない、という点も利便性が高いと言えます。
<クラウドストレージサービスのデメリット>
NASは機器購入すればその後の維持費はかかりませんが、クラウドストレージサービスは月額利用料を払うタイプがほとんど。そのため長期間利用するとNASよりも費用がかかります。例えばGoogle Driveの場合15GBまで無料ですが、100GBプランは月額250円、1TBプランは月額1,300円となっています(2018年5月時点)。またサービス提供側の都合により、将来価格やサービス内容の変更もあります(場合によってはサービスが終了する可能性も)。永年使い続けられる保証があるわけではなく、将来他のサービスに乗り換える必要も出てくる点はデメリットと言えます。セキュリティに関しては、どのクラウドストレージサービスもさまざまな取り組みを行なっていますが、一方でiCloudのように不正アクセスでパスワードが流出した事例もあります。有名なサービスほど、狙われるリスクが高いとも言えます。
2つのデータバックアップ方法には、それぞれご紹介したようにメリット・デメリット両方あります。バックアップ対象となるデータ量がまだ少ないようであれば、まずフリーランスの方にとってはクラウドストレージサービスが手軽に始められるのではないでしょうか(まだ何の対策もしていない場合は、とにかくすぐに対策することが重要です)。もしデータ量が1TBを超えている場合は、NASの導入も検討しましょう。もちろんどちらの方法でも100%安全とは言えないため、2種類のバックアップを組み合わせるとさらに安心です。フリーランスの方にとってデータは業務に直結する重要なもの。しっかりバックアップ体制を整え、いざというときに備えておきましょう!
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)