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BPRの成功事例に見る業務改善プロジェクト推進の筋道

作成日:2019/08/28

 

BPRは組織全体の大規模な再設計です。
政府の働き方改革推進によりBusiness Process Re-engineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)は注目を集めていますが、具体的なプロジェクトの進め方がわからないという企業は少なくありません。
ここではコンサルタントとして、プロジェクトを成功させるための筋道を考察します。

 

目次

■何をもってプロジェクトは「成功」となるのか
(1)BPRの役割とは
(2)BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)とビジネスインパクト分析(Business Impact Analysis)

 

■BPRに必要とされるIT戦略とコンサルタントの専門知識
(1)BPRにおけるIT化
(2)コンサルタントに求められるSAPやERPの知識

 

■BPR成功事例
(1)成功事例に見るビジョンの明確化
(2)「リエンジニアリング革命」に見る事例
(3)日本国内の企業でBPRに成功しているほかの事例

 

■BPRプロジェクトにおいてコンサルタントは何をすべきか
(1)原点に立ち戻って考える
(2)必ずしもIT化がメインではない

 

■まとめ

 

 

何をもってプロジェクトは「成功」となるのか

(1)BPRの役割とは

BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)プロジェクトは、コンサルティングファームやフリーランスコンサルタントへの依頼案件としても現在非常に多い内容です。

これは政府の推進する働き方改革において、業務フローやシステムの大規模な見直しが急務とされているからに他なりません。ファーム所属のコンサルタントはもちろんフリーランスコンサルタントとしては、すでに働き方改革に関する専門知識なくして仕事は回せない時代になっています。

 

たとえば金融業界では、みずほ情報総研。銀行業務に精通したコンサルタントによる金融機関向けBPRコンサルティングサービスなども開始しています。事実、BPR研究においてはビジネスプロセス・リエンジニアリングによって企業の行動速度は2倍以上になるという研究結果も出ています。

そのため企業が独自にBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)を活用し、自社に蓄積された大量のデータを分析することで意思決定のスピードや精度のアップを図る動きも見られるようになりました。

 

そんな中、コンサルティングファームもフリーランスコンサルタントも、いかにして担当するBPRプロジェクトを成功させるべきかを最優先に考えなければなりません。ここで一番重要となるのが、クライアント企業も含め、何をもってプロジェクトの「成功」とすべきかをビジョンに据えることです。

働き方改革に乗り出した先で、結局何をすればよいかわからない状況に陥っているクライアント企業の多くは、往々にして目的とする成功のビジョンが曖昧です。また働き方改革の筋道において、全て理想通りの条件で進んだ場合しか想定されていないケースも少なくありません。

 

これはプロジェクトが失敗する前兆と言えます。

事業を考える以上、いかなる状況においても最悪のケースに備える必要があるため、BPRにおいてもビジネスインパクト分析は必須です。コストをかけたプロジェクトが結局なんの成果も生まなかったというような失敗をしないためには、より具体的な成功のビジョンを関係者全員が共有することが重要なのは言うまでもないでしょう。

(2)BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)とビジネスインパクト分析(Business Impact Analysis)

ビジネスインパクト分析では、特定の業務が大規模災害など予期しない事態によって停止・中断した場合、事業全体にどのような影響がどれくらい及ぶかを分析し評価します。

コンサルティングファームやフリーランスコンサルタントにとっては重要な分析値となりますが、どちらかというとBCP(事業継続計画)の策定やBCM(事業継続マネジメント)の実施で重要視される作業でしょう。

ただ、働き方改革においてもビジネスインパクト分析は重要であり、クライアント企業において想定されるリスクの網羅的な洗い出しは非常に有効です。それは業務プロセスやシステムなど設備面の脆弱性を知ることで、企業資産のバランスの振り分けを最適化することができるためです。

 

BPR推進において、闇雲な業務改革でコストや手間を単に省けばよいというわけではないことは周知の通りですが、短絡的な改善成果を出そうとするとリスクに陥る可能性があります。

まずは事業継続に与える損失が大きい要素は最初に抽出し、重要業務の優先順位を明確に定めておくことで間違いのない業務改善が実現することになるでしょう。そうした意味で、ビジネスインパクト分析はBPR推進においても有効な手段と言えます。

 

 

BPRに必要とされるIT戦略とコンサルタントの専門知識

(1)BPRにおけるIT化

これからBPRに取り組む場合、いかなる企業においても業務のIT化はプロジェクト成功には欠かせない要素です。もちろんすでに多くのクライアント企業において一定のIT化は実施されていますし、漠然とIT化と聞いてもインパクトはないかもしれません。

実際に必要とされるのはIT戦略であり、ITソリューションです。

たとえば導入されているシステムが部門ごとに異なるシステムであった場合、それを企業内で統一化するだけでもBPRの大きな成果につながる場合が少なくありません。煩雑なシステムを統一することで無駄なコストを省いたり、SAPなどのERPパッケージを導入することでコストを削減。それと同時に販売数や利益を伸ばし、顧客満足を向上させる成果を得ることもできるでしょう。

 

業務改善止まりでは難しいかもしれませんが、BPRは根本的な業務プロセスからの業務改革を意味します。企業運営に関わる全てを見直す再設計の機会ですから、必要となるのはITソリューションを含めた全社的なIT戦略です。BPRの目的は業務の効率化や生産性の向上ですが、これは産業構造の抜本的な組織改革とも言えます。

 

コンサルティングファームやフリーランスコンサルタントの立場としては、小さな無駄を潰す業務改善のような処理フローではなく、組織全体を俯瞰した位置からのアプローチが必要です。

また、近年のBPRで最重要視されているのが働き手の不足です。

そのため企業においてはIT技術を駆使した組織改革が急務とされITソリューションを求める声が多いのですが、大規模なシステム導入に際してノウハウを持つ人材が大幅に不足する事態に直面しています。

 

必要とされるのは、従業員という「人」資産に対する知見とITソリューションを含めた全体のIT戦略に対する知見の両方を持つ人材です。

つまり大規模システムの導入に苦戦している企業に必要なのは、まさにコンサルティングファームやフリーランスコンサルタントであり、同時にコンサルタントにはIT専門知識も求められる時代になったと言えるでしょう。

(2)コンサルタントに求められるSAPやERPの知識

コンサルティングファームやフリーランスコンサルタントにクライアント企業が求めるのは、自社の働き方改革や業務効率化を実現させるための基幹システムの改修です。

クライアント企業の中には基幹システム=ERPであるという認識を持つ経営者も少なくありませんが、これはERPがそこまで日本に浸透した成果と言えるでしょう。

 

厳密にいえば基幹システムとERPは別のものですが、基幹システムは生産管理、販売管理、購買管理、在庫管理、会計、人事給与の6つのシステムに分類されます。ERPはもともとは経営効率化の概念であり、生産管理の手法であるMRP(資材所要量計画)を他部署にまで広げることで生まれた思想です。

 

企業資源を一元管理し、リアルタイムな経営判断を行なえるのがERPですが、経営状態を可視化することで業務効率化を図ることはまさにBPRと言えるでしょう。現場負担を軽減させる効果も望めるため、働き方改革にもつながります。同時に調達コストや在庫保管費用をスリム化することで業務改善も可能となるでしょう。

SAPやERPエンジニアがフリーランスコンサルタントに転身するキャリアアップも多いですが、まさに専門知識を生かしたステップアップと言えます。

 

ちなみにSAPはご存知の通り、ドイツのSAP社が開発したERPパッケージであり、まさに企業の業務効率化を図るためのITソリューションです。SAPのERPパッケージで基幹業務を部門ごとではなく全社的に管理し、各部門のデータを統合して相互利用することで成果を出しているBPR成功事例も少なくありません。

 

 

BPR成功事例

(1)成功事例に見るビジョンの明確化

それでは具体的に、各企業が収めたBPRの成功事例をいくつかご紹介します。

ただし前述したようにBPRを推進する前に何をもって成功とするかのビジョンを明確にする必要がありますし、そのビジョンは各企業によって全て異なることを前提とする必要があります。

コンサルタントとしてBPRプロジェクトのプランをクライアント企業に提示する際、具体的な成功事例を挙げるのは確かに有効な手段ではあるでしょう。

ただそれはクライアント企業の求める成功ビジョンに合致する場合に限ったことであり、具体的にBPRをどのように進めるかについては、まず綿密な現状のヒアリングが欠かせないことは認識しておくべきです。

(2)「リエンジニアリング革命」に見る事例

平成22年に政府がBPR導入を検討する際、民間企業の方策としてリサーチ会社から総務省へ調査報告されたBPR成功事例があります。それが1993年に刊行されたマイケル・ハマー&ジェイムズ・チャンピー著の「リエンジニアリング革命」に挙げられている3社の成功事例です。

 

~以下、リエンジニアリング革命からの抜粋~

 

◆IBMクレジット◆

当初現場の営業マンが顧客への融資を要請した際、審査完了までのステップに複数の部門で複数の人員が関与し、平均6日程度かかっていた。

この間に顧客を失うことがあったが、案件処理にITシステムを導入し、スペシャリストをゼネラリストに代え全作業を担当者1人で処理できるようにしたところ、審査時間が4時間に短縮された。

 

◆フォード◆

支払部門において、注文から受け取り、支払いに至るまでに複数の書類と確認プロセスが存在していた。

購買部門が注文をオンラインデータベースに入力し、商品受取窓口がデータベースを確認し自動的に小切手を発行するITシステムを導入することで支払いに携わる従業員が125人にまで削減された。

 

◆コダック◆

製品開発において、製品設計を統合するデータベースの導入により、業務プロセスを改革した。

使い捨てカメラについては70週間かかっていた業務プロセスを半分の38週までに短縮し、さらに工作機械と製造コストを25%削減することに成功した。

(3)日本国内の企業でBPRに成功しているほかの事例

日本国内でも数多くのBPRに成功している企業がありますが、その中でも注目すべき成功事例を挙げておきます。

IT戦略による成功という側面ももちろんありますが、それ以前に企業構造や現状をどう捉えるかがキーポイントとなる事例です。

 

◆シックスシグマの活用◆

製造業においてトップダウンによる業務改革を推進するため経営改革推進本部を設置し、シックスシグマを導入した。

社員にシックスシグマの教育を行ない、DMAICフレームワークを利用した無駄の排除を実現、同時にモチベーション向上のため表彰制度も導入や研修なども実施し、年間数千億円に及ぶコスト削減に成功した。

 

◆シェアードサービスの活用◆

組織力強化とグループ全体の間接業務の効率化を目指し、バックオフィス業務を提供するシェアードサービス専門子会社を設立した。

横断的な統治による業務標準化を実現し、グループ全体で間接コストの大幅削減に成功した。

 

◆SCMの導入◆

業績が好調な時期に大規模改革を実施し、国際拠点の再編成も含めた事業プロセス改革と、ITソリューションによる個別の業務プロセス改革を同時に実施した。

主要部門の国際的な拠点再編成に100億円を投資すると同時に、対話や教育、研修も充実させ、同時に国を超えた統一的品番体系の整備も実施することで製造固定費数十億円の圧縮を達成した。

なお、この業務改革における投資は3年で回収した。

※参照:民間企業等における効率化方策等(業務改革(BPR))の 国の行政組織への導入に関する調査研究 http://www.soumu.go.jp/main_content/000078231.pdf

 

 

BPRプロジェクトにおいてコンサルタントは何をすべきか

(1)原点に立ち戻って考える

前章の業務改善の成功事例を見るうえで、コンサルタントとしてはまず原点に立ち戻る必要があります。

たとえば総務省へ報告された3つの企業の成功事例は、時代こそ古いものですが、行なっている業務改善の着眼点と内容は現在と少しも変わりません。業務改善においては業務フローや業務プロセスにおいていかに無駄なコストを削減するか、また情報をいかに一元化するか、ITソリューションを活用して成功を収めた典型的な事例と言えるでしょう。

ただし、こうした成功事例の結果だけを見て、業務をなんでもIT化すればBPRは成功すると考えてしまう経営者がいることも留意しなければなりません。

そのことを実感するのが、日本国内に見るBPRの成功事例です。

(2)必ずしもIT化がメインではない

成功事例では、特にITソリューションがメインとされているわけではありません。もちろん実施にあたってIT戦略は必須となりますが、必ずしも大規模なシステム導入がマストではないことがわかるでしょう。

極論を言ってしまえば、BPRはIT化を必ずしも前提とはしません。コンサルタントにIT戦略やITの専門知識が求められることに変わりはありませんが、業務改革の骨子があってこそ、初めてITソリューションが活きることを再認識する必要があるでしょう。

 

 

 

BPRプロジェクトを進めるにあたり、成功事例を見ながらコンサルティングに必要な要素や取り掛かりの部分について考察しました。

目標とする「成功」のビジョンとそこに到達するための道筋、そしてプロジェクトを進める手段としてIT戦略やITソリューションが存在することが理解できるでしょう。コンサルタントとして関わる以上、プロジェクトは成功させることが命題です。スタート地点での問題の切り分けが、その後の成果を大きく左右すると言えるでしょう。

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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