製造業コンサルタントとは?必要なスキルやコンサルティング会社を紹介
作成日:2024/09/11
- 「製造業コンサルタントの仕事内容って何があるの?」
- 「製造業コンサルタントになるために必要なスキルはある?」
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
- ・製造業コンサルタントの仕事内容
- ・主な製造業コンサルティング会社
- ・製造業コンサルタントに求められるスキル
の順に解説します。
製造業コンサルタントへの転職を検討している方に役立つ記事です。ぜひ最後までご覧ください。
目次
■製造業コンサルタントの仕事内容
経営戦略のサポート
生産現場の改善
■主な製造業コンサルティング会社
アクセンチュア
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
KPMGコンサルティング
デロイトトーマツコンサルティング
PwCコンサルティング
マッキンゼー・アンド・カンパニー
■製造業コンサルタントに求められるスキル
製造業界に関する知識・経験
論理的思考力
コミュニケーションスキル
心身のタフさ
■製造業コンサルタントにおすすめの資格等
MBA
中小企業診断士
社会保険労務士
公認会計士
エネルギー管理士
公害防止管理者
TOEIC
■製造業コンサルタントのキャリアパス
コンサルタントとしてキャリアアップを目指す
メーカーへの転職
独立・起業
製造業コンサルタントとは?
製造業コンサルタントとは、製造業の企業が抱える経営課題を解決へと導くためのサポート、アドバイスをする専門家です。製造業に関する知識・経験が求められるため、製造業界の出身者が活躍できる職種でもあります。
仕事内容を簡単に説明すると、クライアントの経営課題を分析・調査し、経営戦略の立案や改善策の提案をします。提案した内容を運用して問題があった場合は課題が解決できるまで、改善を繰り返し行います。
製造業コンサルタントは、課題解決に必要な技術や手法に関して、常に最新の情報を持つこと、論理的思考力やコミュニケーションスキルなど複数のスキルも求められるため、心身のタフさが求められる仕事でもあります。
製造業コンサルタントの仕事内容
製造業コンサルタントの仕事は経営と現場、それぞれのサポートです。具体的な仕事内容について解説します。
経営戦略のサポート
経営戦略のサポートを具体的に説明すると、海外進出、グローバル化、DX化などを成功させるために必要なサポート、アドバイスなどを行います。
また、これらを成功させるには正確な情報が必要です。クライアントの経営状況の確認、市場・製造業界・同業他社の動向、顧客のニーズについて調査します。調査した情報を基に海外進出する場合は生産拠点の移転、進出先への流通整備、新たな製品・サービスを生み出すために体制の見直しなどを行います。
生産現場の改善
生産現場の改善とは、生産工程の改善、効率化、コスト削減などですが、製品の品質が落ちては意味がないため品質を維持しながら、これらが実現できるよう分析と調査を入念に行い、プロセスの改善、AIやIoT機器、ITシステムの選定から導入までサポートをします。
プロセスや新システムの導入だけでなく、従業員のスキルアップが必要と判断した場合は、教育・研修体制の見直しなども行い、生産現場の改善に尽力します。
製造業コンサルタントの年収
製造業コンサルタント単体の平均年収の統計はないため、転職サイトdodaの調査を基にコンサルタントの平均年収を紹介します。
監査法人なども含めたコンサルタントの平均年収は598万円でした。これは平均年収なので、経験や成果によって実際の年収は変動します。
この年収額は、国税庁の民間給与実態統計調査で公表されている給与所得者の平均年収458万円を140万円ほど上回っています。
コンサルティング会社で働いた場合、400~1,300万円ほどが年収の相場とも言われていることから、製造業コンサルタントも同じくらいの年収を得ることが可能と推測されます。コンサルティング業界は成果主義の世界なので、成果次第で年齢・年次に関係なく高収入を目指せるでしょう。
主な製造業コンサルティング会社
製造業へのコンサルティングに特化、または強みを持つコンサルティング会社と、コンサルティング内容について簡単に説明します。
アクセンチュア
アクセンチュアは、全世界に約73万人の従業員を擁する世界有数の規模を誇るコンサルティング会社です。
幅広い業界・業種へのコンサルティングに定評がありますが、製造業へのコンサルティングにも強みを持っており、工場やプラントなどの現場のオペレーションの最適化に豊富な実績とノウハウを有しています。
近年は、AIやビッグデータなど、さまざまなIT技術を駆使して製造業の企業へのサポートを行っています。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、製造業界の抜本的な変化に対応するためのさまざまなサポートを行っています。
具体的には、これまでにないビジネスモデルの開発、デジタル化の流れをくんだサプライチェーンの再構築、エコシステムを活用した運営効率の改善などです。
製造業界の変化は、時にテクノロジーの発展や統合を制限させる恐れがあるため、それらを回避するために製造業全体に包括的なアプローチを行い、生産性の向上、製品のポートフォリオの最適化をすることでスマートな運営を実現するためのロードマップの策定をサポートしています。
KPMGコンサルティング
KPMGコンサルティングは、製造業の企業経営と外部環境に対するコンサルティングに強みを持ちます。
内容としては、中長期経営計画の策定サポート、グローバル化が進むサプライチェーンについて、進出している国や地域の法規制へのリスクマネジメント、M&A時のデューデリジェンスなど、競争が激しいビジネスの世界で製造業の企業が勝ち残っていくための道筋を作れるよう注力しています。
デロイトトーマツコンサルティング
デロイトトーマツコンサルティングは、世界四大会計事務所の1つ「デロイト トウシュ トーマツ」のメンバーファームです。
デロイトトーマツコンサルティングでは、製造業の戦略的なDX化の推進に強みを持っています。
特徴は自社だけでなく、外部の専門家や企業、大学などと連携してDX化を推進し、DX化後につながるよう複数のサービスを展開しています。メンバーファームと連携したクロスボーダー案件にも強みがあり、海外進出のサポートも可能です。
PwCコンサルティング
経営戦略の策定から実行まで、総合的なコンサルティングに強みがあるPwCコンサルティングでは、製造分野に知見を持つコンサルタントを中心に外部のデータサイエンティストと連携して、製造業界のDX化に向けた包括的なサポートを行っています。
IoTなどを通じてデータ分析を行い、スマートファクトリー化の実現に向けたサポート、データの収集、活用、ツールの共同開発などにも注力しています。
マッキンゼー・アンド・カンパニー
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、世界に130もの拠点を持つコンサルティング業界大手の1つです。
製造業の企業に、経営戦略からオペレーションまで包括的にサポートすることで、企業の変革、新規事業の創出など、経営課題の解決に尽力しています。
日本では、自動車産業、産業機械、航空宇宙の分野をサポートしています。内容としては、新素材やソフトウェアの開発、企業価値向上に向けた提言などを行っています。
製造業コンサルタントに求められるスキル
製造業コンサルタントに求められる主なスキルを4つ解説します。
製造業界に関する知識・経験
製造業に特化したコンサルタントなので、製造業に関する知識・経験は必要です。
クライアントも、製造業の知識・経験がない・乏しいコンサルタントよりも、製造業の知識・経験があるコンサルタントの提案を重視する傾向があるため、製造業コンサルタントは製造業の知識・経験がある方が望ましいと言えます。
論理的思考力
論理的思考力は、コンサルタントの基本スキルの1つです。経験や勘のみに頼った根拠に基づかない提案ではクライアントを納得させられません。
複数の問題が絡み合う課題でも、根拠となるデータを基に論理的に順序立てて物事を考えることで、因果関係が明確になり原因の特定と解決策を導くことができます。
コミュニケーションスキル
クライアントが何を求めているのか、ニーズを正確に把握できないと解決策の提案ができません。クライアントの考えやニーズを正確に把握し、自分自身の意見も正確に相手に伝えるために、コミュニケーションスキルは重要です。
相手の意見を正確に把握する・自分の意見を正確に伝える他に、プロジェクトメンバーやステークホルダーと良好な関係を構築するためにも、コミュニケーションスキルは欠かせません。
心身のタフさ
コンサルティング業界にはクライアントファーストという言葉があり、プロジェクト中は仕事が優先されるため激務になりがちです。
また、プロジェクトの結果次第で、クライアントの経営に大きな影響を与える可能性もあるため、プレッシャーに耐えて仕事を完遂させる心身のタフさが求められます。
製造業コンサルタントにおすすめの資格等
製造業コンサルタントは資格がなくても業務に従事できますが、製造業の知識・経験の他に資格も取得していると、クライアントに信頼されやすくなります。
ここでは、製造業コンサルタントにおすすめの資格等を紹介します。
MBA
MBA(Master of Business Administration)の略で、日本語で経営学修士と呼ばれています。MBAは正しくは資格ではなく学位です。大学院修士課程を修了すると授与されます。
修了までに約2年、学費も必要ですが、経営学について体系的に学べるので、コンサルタントの業務に活かせます。また、学歴を1つ追加できるのもMBAのメリットです。
中小企業診断士
中小企業診断士は中小企業の経営課題を分析し、的確なサポート、アドバイスが可能な知識が証明できる国家資格です。この資格を取得すると、経営に関する十分な知識があるコンサルタントとして、クライアントから信頼されやすくなります。
製造業に限らず、さまざまな業界の企業の経営課題解決に活用できる知識が身につくため、コンサルタントとして活躍できる幅が広がる資格です。
社会保険労務士
社会保険労務士は労働法、社会保険に関する専門的な知識が証明できる国家資格です。企業だけでなく、個人の労働に関する相談にも対応可能です。
クライアントが抱える経営課題の中には、労務に関するものもあります。労務管理や関連する手続きの代行など、労務や社会保険に関する専門知識を活かして、クライアントの経営の健全化をサポートします。
公認会計士
公認会計士は、企業などの財務諸表の監査や税務などの知識が証明できる国家資格です。医師や弁護士と並ぶ最難関の国家資格としても有名な資格です。
難易度が高い資格ですが、取得すれば財務・会計・税務の高度な知識を活かした総合的なコンサルティングができるため、クライアントから信頼されやすくなります。
エネルギー管理士
エネルギー管理士とは、省エネ法の制定によって誕生した国家資格です。過去に存在した「電気管理士」と「熱管理士」を一本化したもので、エネルギー使用量の監視、効率化に関する知識が身につきます。エネルギー管理士は資源が少ない日本で重要な役割を持つため、工場を保有する企業へのコンサルティングに有効な資格です。
エネルギー管理士に受験資格はありませんが、免許の取得にはエネルギーに関連する実務経験が必要です。実務経験の詳細は、主催団体のホームページで確認してください。
公害防止管理者
公害防止管理者とは、公害が発生する恐れがある工場に専任され、公害を未然に防ぐ国家資格です。専任が必要な事業内容は4つ、指定施設は7つあり、この他に大気、水質、騒音、粉じんなど、13の区分があります。
取得には試験に合格するか、講習を受講して修了試験に合格するかのどちらかですが、講習の受講には一定の学歴・実務経験などの条件が定められています。難易度が高い資格ですが、製造業コンサルタントの実務に活かしやすい資格です。
TOEIC
TOEICは、英語力を認定する試験です。外資系のコンサルティング会社か、グローバルに活躍するコンサルティング会社への転職を考えている場合、ビジネスレベルの語学力は必須のスキルです。これらのコンサルティング会社への転職を考えているなら、ビジネスレベルの語学力が証明できる700点以上を目指しましょう。
製造業コンサルタントのキャリアパス
製造業コンサルタントの主なキャリアパスを3つ紹介します。
コンサルタントとしてキャリアアップを目指す
コンサルタントとして働き続けて、キャリアアップを目指すのが1つ目のキャリアパスです。マネージャーまで昇進すると高収入が期待できます。また、最高位のパートナーになると、業績次第で数千万円の報酬が得られます。
同じコンサルティング会社で働き続ける以外に、他のコンサルティング会社に転職するか、製造業コンサルタントから戦略系・総合系など、他のコンサルタントへの転職も目指せます。
メーカーへの転職
製造業コンサルタントからメーカーに転職するのも選択肢の1つです。製造部門などに出戻るような形で転職するのではなく、製造業コンサルタントで身につけた知識・スキルが活かせる企画、開発、マーケティング部門などへの転職です。
これらの部門へ転職する場合、製造業コンサルタントの経験が評価され、役職があるポジションで採用される可能性があります。
独立・起業
独立・起業という選択肢もあります。製造業コンサルタントの経験・スキルがあれば、経営者として独立する、フリーランスとして活躍することも可能です。
コンサルタントの需要は増加傾向にあり、コンサルティング会社で働いていた時の人脈を活かして、案件を獲得する方法が一般的です。安定して案件が獲得できるか不安な場合は、フリーランスのコンサルタントとクライアントをつなぐ紹介サービスを活用すると、安定して案件を獲得できます。
まとめ
製造業コンサルタントについて解説しました。製造業はビジネスのグローバル化、DX化などに対応できる、製造業に精通したコンサルタントを求めており、今後も需要が続いていくと予想されます。十分な知識と経験があれば、フリーランスとして活躍することも可能です。
フリーコンサルタント.jpでは、フリーランスコンサルタントに向けて案件を紹介しています。
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(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)