ビジネスにアート思考が必要な理由とは?デザイン思考との違いについても紹介

作成日:2022/05/24

 

ビジネスシーンで用いられる思考方法として、ロジカル思考が根付いています。近年、デザイン思考、さらにアート思考にも注目が集まっています。アート思考とデザイン思考にはどのような違いがあり、なぜビジネスにこれらの思考が必要なのでしょうか。それぞれの定義・違い・導入事例などについて解説します。

 

目次

 

■アート思考とは

 

■デザイン思考とは

 

■アート思考とデザイン思考の違い

 

■アート思考がビジネスに必要な理由

 

■アート思考を導入している企業の事例
(1)マツダ
(2)NTTデータ

 

 ■シーンに合わせてアート思考・デザイン思考を使い分けよう

 

 

アート思考とは

思考のイメージ図

 

アート思考とは、アーティストが作品を生み出す過程で用いる思考法のことです。客観的には不透明な部分も多いため、明確な定義や正解があるわけではありません。

 

多くのアーティストは自ら問題提起し、それに対する答えとしてアート作品を生み出しています。アート思考をビジネスに導入する場合も同じく、自ら問題を提起し、その解決策を模索していきます

 

アート思考は、0から1を生み出す思考なので、固定概念にとらわれないことが大前提です。自由な発想ができることがメリットですが、一方でビジネス経験や既存のビジネスモデルなどを活かせない可能性があるのがデメリットです。

 

アート思考のデメリットは、次に紹介するデザイン思考や、既存のロジカル思考を取り入れつつ、カバーできます。自由な発想を重視しつつも、「現実のビジネスに目を向け、既存のビジネスモデルで活かせるものがあれば活かす」「市場のニーズは分析したうえでアイデアを出す」といった場面で利用できる思考法です。

 

デザイン思考とは

デザインのイメージ

 

デザイン思考とは、デザイナーが問題解決のために用いる思考法です。「自己完結するのではなく、他者の意思をくみ取る」という特徴があります。ロジカル思考よりも柔軟です。

 

デザイン思考は、他者が感じている課題に共感し、その課題を解決するために使用されます。そのため、既存のビジネスモデルの問題点に気付けるのがメリットです。一方で、ありきたりな改善にとどまりがちなのがデメリットといえます。

 

デザイン思考のデメリットは、アート思考によって補えます。そしてアート思考のデメリットはデザイン思考やロジカル思考で補えるという互助関係になっています。

 

 

アート思考とデザイン思考の違い

 

アート思考とデザイン思考は、言葉の意味合いとしてもよく似ています。「アート思考はアーティストの思考」「デザイン思考はデザイナーの思考」ですが、そもそも「アーティストとデザイナーの思考法の違いがよくわからない」という声もあるでしょう。

 

まず、アート思考とデザイン思考は出発点が異なります。アート思考は「自分が出発点で自ら問題提起を行う」のに対し、デザイン思考は「他者が出発点で、他者の問題に共感」します。

 

具体例を挙げると、両者の違いは絵画と広告ポスターの違いのようなものです。絵画の作成にかかわるのは作者のみですが、広告ポスターには、作成者だけでなくクライアント企業などの他者も密接に関わっています。

 

アート思考・デザイン思考に優劣があるのではなく、どちらの思考方法も必要で、組み合わせてうまく使い分けることが大切です。ただし、人によって向き不向きもあるため、自分に合った思考方法を選択することも必要です。

 

アート思考がビジネスに必要な理由

 

現代は、テクノロジーの進化により、ビジネスシーンの流れも急激に変化しています。既存データ分析だけでは、未来予測ができません。そのため、従来ロジカル思考が重宝されていた場面でも、現在のビジネスシーンではロジックだけでは解決できず、オリジナリティやイノベーションを生み出せないという問題に直面しがちです。

 

また、ロジカル思考を要する仕事は、AIで代替できるものが多いといわれています。一方、アート思考をAIが活用するのは不可能です。つまり、人間だけが自分の感性をアート思考により言語化・具体化できるということです。

 

ちなみに、欧米では日本よりも早い段階から、ビジネスシーンでアート思考が重要視されていました。優れた経営者がアート思考を重要視し活用し始めたそうです。結果として市場に生まれていなかった革新的なサービスを作り出し、それらのサービスは現在では当たり前のものとして我々の生活に根付いています。

 

また、アート思考を培ううえで、実際のアートに触れる環境を整えている企業も多いです。日本国内でも、今後アート思考がより一般化し、ビジネスシーンでは論理だけでなく感性を使った発想が見直されていくと予測されます。

アート思考を導入している企業の事例

企業

 

アート思考の定義自体は曖昧で、抽象的な印象を持っている方も多いでしょう。実際アート自体が、ロジックやデザインよりも抽象的なものなので間違いではありません。

 

しかし、アート思考について具体的なイメージがある方が取り入れやすいはずです。そこで、アート思考を導入している企業の事例をご紹介します。

(1)マツダ

 

マツダは2010年から「魂動デザイン」という理想を掲げてきました。魂動デザインは「生命感」「日本の美意識」をコンセプトとしていて、誰が見ても美しい車を目指します。美しい車を目指すことを最優先しているため、たとえば新型車の導入が遅れることになっても美の追求を優先します。

 

また、理想的な車を量産車に落とし込むという現実的な視点も必要です。理想を追求しつつも現実的な視点もあわせ持っているので、アート思考の事例といえるでしょう。

出典:マツダ|マツダデザイン-This is Mazda design|マツダのクルマづくり

 

(2)NTTデータ

NTTデータでは、複数の分野でアート思考を取り入れています。具体的には、公共社会基盤分野と金融分野での取り組みが挙げられます。まず公共社会基盤分野では、「問題の本質を見抜く」「本質を表現する力を養う」を重要視してアート思考を実践しています。

 

こういった意識的な改革にプラスして、実際のアート作品によって企業ブランドの向上に努める、アーティストとコラボする、といった取り組みもしています。金融分野ではアート思考の中でも「自分を起点にする」考え方、手法に着目しています。自分自身で課題を見つけ、問題解決を図っていく思考方法です。

出典:アート思考 ~先行きが不透明な時代の思考法~ | NTTデータ

 

 

 シーンに合わせてロジカル思考・デザイン思考・アート思考を使い分けよう

ビジネスでの活用風景

 

技術の急速な進歩やビジネスの多様化により、0から1を生み出す思考やアイデアの柔軟性が求められています。長年活用されてきたロジカル思考は、あくまでも最適解を導き出すものです。正解がなく流動が激しい近年のビジネスシーンでは、ロジカル思考一本やりだと通用しないことも増えてきました。

 

デザイン思考が普及することでロジカル思考の固定観念を突破しましたが、デザイン思考はあくまでも既存の問題を解決するための思考法です。つまり、自分発信で問題提起を行う思考ではありません。

 

そこで新たにアート思考が誕生し、問題提起から目的達成までを自発的に行うことの重要性が浸透しました。日本国内の企業でもアート思考を取り入れて成功する事例が増えていて、今後はよりアート思考が一般化していくでしょう。

 

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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