若手コンサルタントが希望のプロジェクトに参画するには?

作成日:2019/12/26

 

20代から30代の若手コンサルタントにとって、今後のキャリアを左右するのが「どんなプロジェクト案件に参画できるか」。「どうしてもやりたい!」というプロジェクトがあっても、経験が少ないと参加できないケースもあります。若手のうちに経験できるプロジェクトによって、得られるものは大きく変わります。つまり経験したコンサルティング業務は、将来の転職や独立にも影響を及ぼすというわけです。そこで若手コンサルタントが「自分のやりたいプロジェクトに参画する方法」について探っていきます!

 

目次

■目指すコンサルタントによって経験すべきプロジェクトは異なる
(1)戦略系コンサルタント
(2)経営系コンサルタント
(3)IT系コンサルタント
(4)プロジェクトマネジメント系コンサルタント(PMO)

 

■コンサルタントがプロジェクトへ参画する流れ
(1)主なプロジェクトのアサイン方法
(2)普段の立ち居振る舞いが、思わぬプロジェクト獲得につながることも

 

■コンサルティングファームに所属していないと大きい案件に関われない?

 

■将来も希望のプロジェクトに参画したいなら、転職や独立も視野に入れる!

 

■まとめ

 

 

目指すコンサルタントによって経験すべきプロジェクトは異なる

若手コンサルタントの中には、とにかくいろいろな分野のプロジェクトに関わりたいという人もいるかもしれません。とはいえ、専門性の高いコンサルタントになりたいなら、若手のうちからキャリアの方向性を決め、それに合うプロジェクト経験を重ねたいところです。

 

「プロジェクトチーム内でどんな役割を担うか?」「クライアントはどんな業界の企業か?」といった点も重要です。そこで代表的なコンサルタントの職種4つについて、経験しておきたいプロジェクトについて、まとめました。

(1)戦略系コンサルタント

グローバルに展開する大手コンサルティングファームに勤める方の多くが、戦略系プロジェクトを扱うコンサルタント。クライアント企業の戦略立案をはじめ、新規事業戦略、M&A戦略などにおいて、ソリューションを提示します。

 

戦略系プロジェクトにはもちろんスキルや経験が重視されますが、あわせて業界に関する知識も問われます。転職経験のある方は前職の経験も役立ちますが、やはりコンサルタントとして関わったかどうかも大きいでしょう。つまり若手のうちにどんなクライアント企業の案件を担当するかで、自分の強みが変わってくるということ。もちろん常に選べるわけではありませんが、どんな業界に特化していきたいか自分なりの方向性は持っておきたいところです。

(2)経営系コンサルタント

日系のコンサルティングファームでは、経営系プロジェクトに強みを持っているのを見受けられます。経営系では、クライアント企業が抱える経営全般の課題の解決がミッション組織改革業務改善人事・労務財務会計などの知識が必要とされます。システム導入が関わることも多く、IT系の知識が求められることも多いようです。

 

経営コンサルタントとしてのキャリアを考えるなら、クライアント企業の業界とあわせて企業規模もポイントになってきます。大企業の案件か、急成長しているベンチャー企業の案件かによって、経営系の場合プロジェクトの内容は大きく変わります。

(3)IT系コンサルタント

現在コンサルティング市場が伸びていると言われている分野と言えばIT。デジタルトランスフォーメーション(DX)を進める企業が増える中、IT関連のコンサルティングへのニーズが高まっています。

 

金融系に特化したFintechAIやIoTなどの導入プロジェクトロボットを導入して定型作業を効率化するRPAなど、IT系と言っても幅広い案件があります。中でも案件数が多いと言われているのが、SAPコンサルタント。大手企業が基幹業務の刷新をするためにSAPシステムを導入するケースが増えており、専門性の高いSAPコンサルタントのニーズも高い状況が続いています。

 

SAPコンサルタントには、やはりプロジェクト経験数が重視されます。なお、必ずしもシステム開発経験が必須というわけではありません。コンサルティングファームの中にはSAPコンサルタントを育成するため、認定資格の取得を奨励するなどの取り組みを行なっているところもあります。SAPの資格は業界の認知度も高く効果的です。

 

若手のうちから意識してこうした専門性の高いプロジェクトに参加できれば、キャリアが明確になるのではないでしょうか。またSAPはグローバルで利用されているシステム。そのため、海外展開をしているクライアント企業からのオファーも期待できます。将来海外に出てグローバルなITコンサルタントとして活躍したいと思っている方に向いていると言えそうです。

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(4)プロジェクトマネジメント系コンサルタント(PMO)

大規模プロジェクトの場合、最近ではプロジェクトマネジメントに特化したPMOが設けられることがあります。PMOとはプロジェクトマネジメントオフィスの略で、PMOはPM(プロジェクトマネージャー)をサポートする役割を担います。つまり若手にとってはPMOとしてプロジェクトチームに参加すれば、プロジェクトマネジメントに関するノウハウを吸収できる機会にもなります。

 

プロジェクトマネジメント系の案件に特化するなら、PMO関連資格の取得が効果的。国内のPMO資格のほか、グローバルな資格としてPMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)というグローバルな資格もあります。ただしPMP資格の認定試験を受けるには、プロジェクトマネージャーとしての実務経験が必須。少しでも多くプロジェクトマネジメント経験を積んでおけば、資格取得の近道。もちろん資格取得の目的だけではなく、若手のうちにプロジェクトマネジメントの成功や失敗を数多く見ておくことも重要です。

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コンサルタントがプロジェクトへ参画する流れ

希望のプロジェクトチームに参加するためには、どうやってコンサルタントがプロジェクトチームにアサインされるか、そのフローをあらためて知っておきたいところ。

 

まず営業を担うコンサルタントが提案書をクライアントに提出、OKがもらえればプロジェクトが発足。その後の流れはコンサルタントファームによって違いますが、プロジェクトチームごとに参加を希望するコンサルタントを募集、面接を経てメンバーを決定するというところが多いようです。ただ、他の方法でアサインするプロジェクト事例もあります。

(1)主なプロジェクトのアサイン方法

①社内で参加者を募集、参加したいコンサルタントが応募する

②パートナーやマネージャーが必要なスキルを持つコンサルタントをアサインする

③専門部署が状況に応じてコンサルタントをアサインする

 

募集があるプロジェクトチームの場合は、ご自身が希望する案件に対して積極的に手を上げることでチャンスが広がります。とはいえ、希望が通るとは限りません。人気のある案件は募集を出せば、かなりの倍率になることも。一方で自動的にプロジェクトチームが組まれることも多いのが実状です。

 

では希望のプロジェクトチームにアサインされるために、どうすればよいのでしょうか?

まず普段からマネージャーをはじめ、社内のメンバーとコミュニケーションをとるのが効果的。自分の強み、やりたいことを周囲に伝えていれば、あてはまるプロジェクトチームにアサインされる可能性は高まるはず。

またプロジェクトの成功によって、指名が入ることもあります。過去に成功したプロジェクト事例をベースに、やりたいテーマの提案書を準備しておくなども効果的ではないでしょうか。

(2)普段の立ち居振る舞いが、思わぬプロジェクト獲得につながることも

コンサルタントは個人のスキルも大事ですが、プロジェクトはやはり組織単位で動きます。社内の人脈も広げておき、一緒に仕事がしたいと周囲に思わせることができれば成功ですよね。

組織の中で、普段から提案書の作成を手伝うなど、ちょっとしたところでサポートしておけば人物評価がアップ。こうした参画しているプロジェクト以外の振る舞いや行動によって、アサインされるかどうかが決まることもありえます。

 

また、プロジェクトに参画していない期間があれば、スキルアップを目指すのも効果的かもしれません。例えばプロジェクトマネジメント関連の資格を取る、グローバルな案件を目指すために語学力をブラッシュアップするなど、仕事が落ち着いている間を有効利用しましょう。

 

 

コンサルティングファームに所属していないと大きい案件に関われない?

 

大手コンサルティングファームに所属していないと大きな案件に関われない、という考えを持つ方も多いかもしれません。最近では、こうした状況に変化が生まれています。

例えば、大手企業がフリーランスのコンサルタントを起用するプロジェクト事例。クライアント企業も、フリーランスならではのメリットを感じているようです。

 

RPA導入プロジェクト事例などでフリーランス活用実績があるSBI証券は、「ファームに属さずフラットなスタンスで関われるのが、フリーランスのコンサルタントならではのメリット」という感想を抱きました。

 

柔軟な対応ができる点もフリーランスの特徴であり、プロジェクト予算が限られているため、週2日だけ稼働するフリーのコンサルタントを起用し、費用を抑えることに成功したというプロジェクト事例もあります。

 

SAPの導入プロジェクト事例でも、フリーランスのコンサルタントがアサインされ活躍しました。

 

このコンサルタントの場合、SAP導入経験があるだけではなく、周辺領域にも強い点がうまくマッチし、提案書の作成からアフターフォローまでコンサルタントが力量を発揮したそうです。つまり自分の方向性が明確になっているコンサルタントにとっては、関わりたい案件にどんどん参加できるチャンスが広がっています。

 

コンサルタントの方の中には、「大規模よりは小規模、自分で仕切れる範囲でプロジェクトマネジメントしたい」という方もいるかもしれません。小規模な案件では、大手ではなくフリーのコンサルタントを起用するというプロジェクト事例も多くあります。

 

大手コンサルティングファームの場合、どうしても会社の方針で同じクライアントの案件が多くなる、似ているプロジェクト事例が多くなる、という傾向もあるようです。一方でフリーランスなら、幅広い案件から自分に合うものを探せるメリットもあります。自分の働き方や条件にあうプロジェクトを探せるのも、フリーランスならではかもしれません。

 

フリーランスの場合、エージェント経由で案件を受けるのが基本。クライアント企業側とコンサルタント側、双方の希望がマッチするかは、エージェントが調整してくれます。つまりコンサルタントにとっては、エージェントが介在することで「希望を出しやすい」と言えるのではないでしょうか。

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将来も希望のプロジェクトに参画したいなら、転職や独立も視野に入れる!

 

コンサルティングファームなどで経験を積み重ねていけば、転職や独立などのキャリアも見えてきます。コンサルタントの場合、転職や独立によって希望のプロジェクトに参画できるチャンスがもっと広がるはず。

 

コンサルティングファームには組織力があり企業側の手厚いサポートもありますが、実力がついてきたら会社の枠を超えてやりたい案件にチャレンジする、という時期が来るかもしれません。「働き方改革」を政府が掲げたことからも、組織から飛び出し、フリーランスとして活躍したいと考えるコンサルタントも増えてきています。

 

家庭の事情などで一時的に休業した後、フリーランスとして復帰するというケースもあるでしょう。「自分に合う働き方を選ぶ」という意味では満足度が高い方が多いようで、ワークライフバランスを重視したり、コンサルティング以外の仕事にチャレンジしたり、人生を楽しむ幅が広がっているようです。

 

まとめ

 

若手コンサルタントとしては少しでも早く自分のやりたい案件に関わりたい、と思うかもしれません。そのためにはまず自分のコンサルタントとして、方向性を見据えるのが成功の第一歩です。その上でやりたいプロジェクトにアサインされるよう、周囲へのアピールや人脈作りにも取り組みたいところ。

 

自分が参画したプロジェクトが成功したかどうかも、次の案件につながるポイント。とはいえ、失敗を恐れて慎重になりすぎてしまうのはもったいない話です。若手のうちに失敗しておくことで自分の強みや弱みに気づくこともありますし、キャリアの方向性が決まるということもあります。

 

若手のうちに目指す方向の経験を積んでいけば、その後は転職や独立などのキャリアを経て、「さらにやりたいプロジェクトに参画できた」「今の自分にぴったりな働き方が実現した」というキャリアの成功事例もあります。大手コンサルティングファームに属さないと希望の案件につけない?と考える方もいますが、今は企業もフリーランスで活躍するコンサルタントのメリットを理解し始めています。企業の規模や業界を問わず、フリーランスを活用する企業が増えていく事に期待が寄せられています。

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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