中国訪問で改めて見直す「日本」の良さと課題
日本の守るべき伝統や文化、そして未来へ向けての変革を考える
少し前のことになりますが、幹事をしている経済同友会で中国を訪問しました。目的は中国のトップの方々との対談で、TVのニュースなど、多くのメディアで報道されたため、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
このような場に同席する機会は私自身初めてで、両国のトップ同士の話し合いの場をもつことの大切さを改めて学ばせていただき、良い機会となりました。
今回の中国訪問では、中国が国全体で推進する、技術や産業創出の戦略立案や施策、経済発展を目の当たりにして、中国のすごさを感じました。
北京にある設立26年目となる工業開発研究所の視察では、水素燃料についていかにビジネスにつなげていくか、今足りていない技術は何か、そのための研究を国全体で戦略的に行っている様子を見学しました。
天安門広場をはじめ、街中のあちこちには監視カメラが設置されています。パスポートをなくしても翌日には必ず手元に戻ってくるような環境で、悪いことをしたら全てバレてしまうため、そのようなことをする人はいない。ある意味、監視社会という雰囲気が見て取れました。
上海では、何もなかった場所が30年で近代的な都市に変わっていて、ものすごい経済発展を目の当たりにしましたし、街中には非常に多くのシェア自転車が走っていました。規制緩和によりベンチャー企業を参入させ、競争させて強いところが生き残れるというやりかた。これも国全体で行っている施策の一つです。
上海にはこのような環境があるので、世界中のベンチャー企業が中国だったら新しいことができると参入してきています。良い意味で“自由”にやってもらい、そこから産業をどんどん盛り上げていくというようなやり方です。
一方で、日本はバブル崩壊後、約30年経過しても経済発展は乏しいと感じました。日本はどちらかというと規制をしっかりして石橋をたたきながら渡るようなスタイルなので、この中国のスピード感にはかなわないと感じました。しかし、かなわないと言っているだけではなく、日本はどのように戦うかを改めて考える機会となりました。
もちろん、日本には日本の良さがあり、負けないものもあります。例えば食文化をとってみても、日本の繊細さは世界が誇るものだと思います。その良さは日本国内を見続けていてもなかなか気づけないこともあると思いますが、これだけ多くの外国人の方が日本に訪れるのは、日本が素晴らしい国であるということの証明だと思います。日本人以上に外国人のほうがその魅力をわかっているのかもしれません。
しかし今回の中国訪問では、日本の国自体の時間が止まってしまっているような、そのような錯覚を覚える場面がたくさんありました。日本はまだまだ挑戦していかなければなりません。一人一人が、そして国全体で挑戦していかなくてはという意識を持って進んでいきたいものです。
さて、2024年もあと数日となりました。
皆さんにとって今年1年はどのような年でしたでしょうか。
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来年もプロフェッショナルとして従業員一丸となってまい進いたします。
2024年も大変お世話になりました。
来年も何とぞよろしくお願い申し上げます。