クライアントにとってオンリーワンであることの重み
慢心や油断が招いた結果から得たものと、これから
みらいワークスでは、多岐にわたる分野の業務推進を行なっています。その中の一つに地方自治体との仕事をさせていただいています。その数は少しずつ増えているとともに、光栄なことに毎年度、発注くださる自治体もあります。
当社が本格的に地方自治体の仕事を始めたのは約2年前からのことで、当時はまだ実績もない中で、様々な入札に応募していました。初年度でご縁をいただけなかった場合でも、翌年度に「次もあります」と声をかけていただけることもあり、事前に十分な準備をすることで受注に繋げることができたこともありました。
しかし今年度、前年度まで受注していた自治体の入札で失注しました。
一度発注いただけると、ノウハウや関係性の構築などで、翌年度も継続となるケースは少なくありません。しかし、今年度はそれが叶わず、私も営業担当者も一緒に敗因を振り返る時間をとりました。
敗因は何だったのか。
入札を失注した後、敗因を営業担当者が直接伺いに行ったところ、
「この地域の固有の提案になっていない」
とはっきりと仰っていただきました。
例えば、どこかの地域で成功体験を得た時、また、どこかの企業で成功事例を作った時、それを、他に横展開することは、積極的に行なっていくべきだと思いますし、勝ちパターンとしては重要だと考えています。しかし、もっと重要なことは、それらは地域や固有の課題をしっかり意識した内容でなくてはならないということです。
私たちが推進している事業は、経営課題や社会課題の解決です。
これらは似たような課題であるかもしれませんが、全く同じ課題は存在しません。必ず固有な何かが存在しているはずです。それを把握して、見合った提案をしていく必要があります。
何度も成功事例ができて、慢心や油断が出てしまったこと、また全力投球するという姿勢が薄れてしまったように感じました。
輸送用機器メーカー本田技研工業(通称:ホンダ)の創業者である本田 宗一郎さんの言葉にこういったものがあります。
“いちばん長いこと付き合わなきゃならねえ人のことを考えろ、いちばん長いのはお客さんだろ”
“会社にとっては年間、数十万台、数百万台を生産しているバイクや車の一台にしかすぎないが、それを買った消費者にとってみたら一生に一台の車かもしれない。だからこそ、一つ一つの車に対する思い入れを消費者と同じように一生に一台という重さで見ていかなくてはいけない”という顧客中心主義について語った言葉です。
私たちも同じように、そのぐらいの覚悟を持ってやっていかなくてはいけないと思っています。
自治体の仕事であれば、その地域の社会課題を解決するために、多くの民間の事業者に対してこういうことやってほしいと依頼があり、それを入札という形で行なっているわけです。その地域の本当の社会課題をどう解決していくか、地域固有のものは何かというのをしっかり受け止めた上での提案でなくてはなりません。
今回、良かった点としては、「なぜ、選ばれなかったのか」その敗因を理解するために、先方に話を聞きにいったことです。ご担当者の方もわざわざ時間をくださり、お話しいただけたことで、事実を真摯に受け止めることができました。自分たちの責任という、他責ではなく主体性を持った振り返りになったのではないでしょうか。このことを教訓に、ますます力をつけていきたいと思う次第です。
多くの分野での仕事を行なっていると、それぞれで全く異なる課題や、ノウハウなどが出てきます。違う事業の話でも、全社にシェアすることで、活かせることがもっとあると感じました。
会社がこれからもっと成長していく中での、組織として見えてきた課題でもあります。今回はそれを改めて気づきとしていただくきっかけとなりました。