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2017年11月01日  『顧客目線の実現』を阻む、この時代ならでは“足かせ”とは?

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みずほ銀行の勘定系システム刷新プロジェクトはご存知ですか?「絶対に終わらない」と言われていた、業界では有名なプロジェクトです。予算4000億円半ばに達するほどの、まれにみる巨大プロジェクト。なぜ「絶対に終わらない」と言われていたのでしょうか?

先週、日経のニュースにSI業界でこの何年か話題になっていたプロジェクトの朗報が掲載されていました。ご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、みずほ銀行の勘定系システム刷新プロジェクトのことです。

「絶対に終わらない」と言っている人もいましたが、テストに目途がたったそうで来年の秋から順次切り替えが始まり、再来年からシステムが稼働すると記載されていました 。日経によるとこのプロジェクトの予算は、なんと4000億円半ばに達したそうで、国内ではまれにみる巨大プロジェクトになったとのことでした。これだけの規模になれば、何百人もの相当な数のエンジニアやコンサルタントがプロジェクトへ参画していたことでしょう。いつの時代もシステムインテグレーターの業界では話題に上がるプロジェクトがあるものですが、この数年はみずほ銀行が一番話題になっていた印象がありました。

みずほ銀行勘定系システム刷新プロジェクト4さて、日経の記事で目に留まった一文があります。「稼働が本格化すれば夜間や休日でも振り込みできるようになったり、ATMの稼働時間が延びたりするなど、利用客にとっての利点も少なくない。」との一文。皆さんは、銀行のATMを使っていて不便に感じることはないでしょうか。この記事に書いてあるように、振り込みの時間が制限されている点などに関して、顧客ではなく銀行側の都合に視点を置いてサービスレベルが決まってしまっているのでは・・・なんて感じている人は私だけではないと思います。

このところ、週末くらいしかゆっくり時間がとれない状況だったのですが、日曜日の夜に「そういえば家賃を振り込まなければ」と思いPCを立ち上げ振り込みをしようとしたら『メンテナンス時間です。』との文字が表れて、イラっとしたこともありました笑

通常のWebサービスは、とにかく『顧客目線』でサービスレベルの向上に努めなければすぐに淘汰されてしまうので、自然とサービスはより良いものへと育っていきます。一方で銀行のサービスについてはまったくその改善が見られないのが、1ユーザーとしては残念だなぁ、と感じていました。

みずほ銀行勘定系システム刷新プロジェクト2もちろん「サービス改善はしてみたい」と思っているはずですが、その足かせとなっていたのはこの古い勘定系システムでしょう。このシステム、みずほグループが発足した2000年より前のものらしく、旧みずほ銀行、旧みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行の3システムが併存しているそうです。部分見直しの切り貼りでシステム改修を続けてきた結果、システムが複雑化し、どこかに改修を加えようとすると「どこまで影響が及ぶのか」の調査にも時間がかかるという煩雑な状態にあり、結果、その改修にも多大な工数がかかるという負の連鎖が続いてしまっていました。またトラブルが発生した際には原因分析も困難になるなどの不都合が生じていたそうです。

つまりは顧客サービスを改善しようとしても、システムが足かせになって改善することが出来ない、という事態が生じていたのではないでしょうか。世の中にはFinTechという言葉がそこらじゅうで聞こえて来て、さまざまな新しい金融サービスが登場してきています。そのような新しいサービスと戦っていかなければならない既存プレイヤーにとって、このような足かせがつらい・・・という状況はよくあることだと思いますし、イノベーションを阻害している一因です。

みずほ銀行の話はニュースにもなっているので広く知れ渡っていますが、このようにシステムが足かせになっている状況は他にもさまざまな業界で生じていることだと思います。消費者に対し直接的にサービスレベル低下という形で伝わってしまうビジネスであれば実感することもできますが、例えばBtoBのビジネスではそれを感じる事は出来ません。

みらいワークスの社内では人材サービス業に類似した業務オペレーションが多くなっていますが、この領域においても今後同じようなことが起きる可能性はあると認識しておかなければなりません。今時点でも実際にITの制約事項が足かせとなり、やりたいけれど実現出来ていない事が生じてきています。ある時点で最善だと思って構築したITの仕組みも、社員が増える、組織が変わって業務フローやチーム毎の役割分担が変わる、顧客属性が変わり優先順位や情報の持ち方を変える・・・などの変化により、あっという間に最善のものではなくなってしまいます。

みずほ銀行勘定系システム刷新プロジェクト6成熟産業となっている業界においては、ERPと呼ばれる基幹系パッケージソフトウェアが存在し、世の中のベストプラクティスと思われている業務フローに準拠したシステムを導入することが可能ですが、弊社のように新しいビジネスを創り上げている会社では、既に存在しているありもののソフトウェアで事を済ませるのは難しく、スクラッチでゼロから作るのか、もしくは既に存在しているソフトウェアの一部を転用しながら切り貼りで無理やり使うなどの工夫が必要になります。さらに成長スピードが早い会社ですので、会社の成長スピードに合わせて、社内のITの仕組みも進化を続けなければなりません。ご登録いただいているプロフェッショナル人材の方々とクライアントへのサービスレベルを上げ続けるためにも、ITの持続的な進化は避けて通れませんので、真摯に向き合っていきたいと思います。

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