「いるはずがない」と思ってオーダーした人材がチームの空気を変えた vol.1

プロフィール

プロフィール

東和薬品株式会社
業務推進部長 兼 次世代事業推進室長 天野 雄介氏

 

1972年生まれ。大手大衆薬メーカーを経て、1998年アーサーアンダーセン/朝日監査法人(現KPMG/あずさ監査法人)に入所 。15年にわたりヘルスケア領域に関する各種アドバイザリー業務にプロジェクトマネージャーとして多数従事。その後2013年東和薬品に入社し、社長室を経て、現在は業務推進部長 兼 次世代事業推進室長として経営計画・施策から新規事業に関する企画・管理業務に従事している。著書に「医薬品業における会計実務」(中央経済社)、「経営に資する統合的内部監査」「内部統制の実践的マネジメント」「企業価値向上のためのコーポレートガバナンス」(東洋経済新報社)がある。
※本データはインタビュー実施当時(2018年6月)によるものです。
 

◆東和薬品株式会社◆
1951年(昭和26)大阪市東区淡路町にて「東和薬品商会」として創業、1957年(昭和32)大阪市東区道修町に移転し、「東和薬品株式会社」を設立。長年にわたり、ジェネリック医薬品の「安定供給」「品質確保」「情報提供」の充実に加え、付加価値製剤の研究開発に注力している。また、全国の営業所・代理店を拠点とした直販体制と、医薬品卸を通じた2つの販売体制により、「東和薬品のジェネリック医薬品」を安心してお使いいただける体制を構築。従業員数は2,995名(2018年4月1日現在)。

 

「ぜったいいない」はずの100点満点が来た!

東和薬品_天野 雄介_前編2

 

私は東和薬品に入社する前、会計系コンサルティングファーム(アーサー・アンダーセン、KPMG)に通算15年ほど勤務していました。当時の先輩だった武藤さん(武藤 一郎、株式会社みらいワークス監査役)が御社に参画されていたことがきっかけで、「みらいワークス」という会社を知ることになりました。

 

業務改善やシステム開発においては、社内メンバだけでできること、システムベンダにおまかせすることなど、局面ごとにさまざまな役割があります。弊社にはもちろんさまざまな人材がいますが、会社が急速に拡大している現状においては、多様な取り組みと多様なプロジェクトがあり、それに応じて必要とする人材はさまざまであり、その都度人材を短期で育成することには限界がありました。また、会社が抱える環境の変化とともに発生するさまざまな取り組みやプロジェクトの発生件数が多いので、当社サイドに立ってお仕事をしてくれる高度なプロフェッショナル人材を短期的に確保できないかと考えていました。

 

そんなとき、武藤さんの現在のお仕事内容を伺ったのです。ちょうど基幹システムをSAPに入れ替える時のことでした。これまで当社のシステムは、販売システムや会計システムなどの個別パッケージを利用しておりました。各システム間でデータ連携を行ないながら利用しておりましたが、さまざまな課題があったためシステム診断を行ない、ベンダから提案をしてもらい新基幹システムの選定評価を行なった上で基幹システムをSAPに入替えることにしました。

ただ、SAPに関してはそれ特有の経験がなければわからない部分もあり、当時社内にはそのバックグラウンドを持った人材がほとんどいない状況でした。システムの入れ替えを一気に実施するのはリスクがあったので、二段階方式にし、1年目に販売と会計、一般購買領域を入れ替え、2年目に生産と原材料購買の領域を入れ替えることになりました。1年目は社員もシステムベンダもそれなりのメンバが集まり概ね順調にスタートできました。しかし、2年目のフェーズを考えると、生産や原価領域に精通し、かつSAPの経験がある人材が弊社サイドにおらず、課題となることが想定されていました。もちろん、ベンダサイドには一定の人材配置はされていましたが、当社サイドにもそういった担当者がいないことには、実務を担当している工場関係者に過度な負担を強いることが目に見えていました。

 

そのため、その時に欲しかった人材は「SAPがわかる」「生産領域に精通している」「原価もわかる」「SAP導入プロジェクト経験がある」の4点を満たしていれば100点で、まずそんな人はいないと考えていました。ですから、このうち生産とSAPがわかればなんとかなるだろうと思いながら、一か八かで武藤さんにご相談したのです。そうしたら、すべての要素を満たしたコンサル人材のレジュメをいただきました。これには私を含めたプロジェクトのコアメンバも驚きました。

そこで、ご本人に直接お会いしてお話しをしました。フリーランスと言われていたのですが「ゴルゴ13」でもあるまいし(笑)本当にそんなスペックの方がいるのかなと、正直半信半疑でした。それが実際にお会いしたら、本当にフリーランスでみらいワークスさんからいただいていたレジュメどおりの方で驚きました。

 

お話を伺うとSAPの導入経験も豊富で、生産や原価の話をしても、予想以上にスキルが高く、原価領域に詳しい会計士資格を持つ部下も認めるレベルでした。プロジェクトで関わった当社社員と話してみても「あの人はすごい」と言っていたし、週1回のSAPプロジェクトの定例会議での発言を聞いていても安心できるものでした。直接その方と仕事をご一緒したシステム部門の若手に聞いても、学ぶべきこともとても多かったそうですし、常に能動的にプロジェクトに取り組んでくれていました。

フリーランスで働かれていると「指示待ち」では到底通用しないでしょう。ですから、これまでもきっと緊張感のある良いお仕事をされてきたのだと実感しました。

 

いつかはいなくなる人物 依存しすぎず引き継ぎを怠らず

東和薬品_天野 雄介_前編3

 

ただ怖いのは“依存しすぎる”ということ。彼がいなくなったあと、プロジェクトは回せるだろうかということが不安になってきました。昨年の4月にカットオーバー予定だったので、当初は4月いっぱいまで契約させていただいていました。それを引き継ぎ等の後処理のために2カ月ほど延長してもらったのですが、とても丁寧に引き継ぎをしてくださったので大変助かりました。

 

プロジェクトに関わった工場関係者の方でも彼の評判は良かったですね。1次フェーズを経ずに2次フェーズから参加し、以前からいたかのように自然にプロジェクトの切り盛りをしてくれました。

その後、同業他社さんが当社と同じようにSAPにシステムを入れ替えるので、話を聞きたいということで意見交換をしました。その際、当社では社内の人材だけでは足りなかったのでスペシャリスト人材を紹介してくれる専門会社に人材を紹介してもらったという話をしたところ、当社以上にプロジェクト人材の確保に苦労されているようでした。

 

そこで、契約が終了したばかりの彼にみらいワークスさんから「こんな案件があるんだけど」とお伝えいただき、お休みを取られる予定だったところを延期して、同業他社さんのSAPプロジェクトに中核メンバとして参画され、今では当社以上の中核業務(プロジェクトの全体管理等)を担当されてご活躍されているようです。

 

このように、最初に紹介していただいたフリーランスの方は非常に優秀だったのですが、その時は特別運が良かったのだと思っていました。けれども、みらいワークスの営業担当である久野さんにその他の案件に関する無理難題なスペックを伝えても、いつも要望に近いプロフェッショナル人材を短期間で紹介してくださるのです。「どれだけ凄い人材データベースを保有しているんだ」と驚きました。

 

自分の会社の立場に立って考えてくれるのがフリーランスの魅力

東和薬品_天野 雄介_前編4

 

当社には私を含めさまざまなプロジェクト管理経験のある人材がいますので、コンサルティングファームに丸投げをするようなアプローチは馴染みませんし、人材育成を重視される当社社長の考えにも合いません。過去に付き合いがあまりないコンサルティングファームに頼んでも、担当者のスペックを詳細に要求したりすることもできませんし、当社視点に立ってもらえないことが多々ありました。一方で、みらいワークスさんから来てくださった方は、必要なスペックを備えていることに加えて、当社の視点に立って物事を考えてくれました。高スペックで必要な期間だけ仕事を依頼しているのに、想像以上に上手くフィットしたのが驚きでした。SAP導入のプロジェクトなどは、みらいワークスさんの紹介人材なくしてプロジェクトの成功はなかったでしょう。

これからこのようなITや会計が絡むプロジェクトはますます増える可能性がありますが、特殊業務領域は「急に雇えない」「抱えられない」「短期間で育てられない」のが現状です。そして、取り組みたい事案の多くは、本も教科書もないことが大半です。SAPだけなら学習できるかもしれませんが、原価やプロジェクトの経験が完成するまで社内で仮に育成していたら10年はかかります。そうした人を紹介いただいたのは大きかったですね。副次的な効果も多く、一緒に仕事をした若手の育成にも寄与するなど、当社にはフィット感のあるアプローチだったと思います。

 

今回参画していただいたプロフェッショナル人材の方は、当社の色に染まりつつプロ意識を発揮してくださいました。

当社のように急速に拡大しているような会社では、事業の拡大に人材の育成が追い付かないようなことがあります。入力などの簡単な作業であれば通常の派遣会社に依頼すればよいと思いますが、特殊能力を持った人材ということでいえば、みらいワークスさんはオンリーワンなのではないかと思います。

 

新しい事業を始める時には、すぐ要件を提示することで、フリーランスの活用を検討する価値は十分にあると思います。コンサルティングファームだと、所属するコンサルタントのアサイン状況に引きずられる部分も多く、こちらの要望と沿わない場合がありますね。

システムベンダに関しても、人を出してもらったらベンダサイドの考え方に偏りがちであることも少なくありません。もちろん、コンサルティングファームやシステムベンダがフィットする局面もありますが、自社の社員と一体になって、短期間で必要なスキルや経験をいかして動いてくれるとなると難しいことが多々あるということです。

 

先ほども申し上げましたが、マッチする人材をお願いしてからご紹介いただくスピードも想像以上ですね。営業さんも久野さんのような見た目と仕事ぶりに良い意味でギャップのある方がいますし、社長さん(代表取締役 岡本祥治)もユニークでバイタリティーのある方ですので、これからもさまざまな角度から最適な人材とともに当社事業にご協力いただければと思います。(後編へ続く)

 

◆◇vol.2◇◆ 自分の会社の立場に立って考えてくれることのありがたさ 

 

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