DX推進の鍵を握るデータドリブン経営とは? 構成要素や注意点も紹介
近年、多くの企業において、マーケティング業務を中心とするさまざまな場面の意思決定に「データドリブン」が活用され、このデータドリブンを企業経営に生かす「データドリブン経営」も広がりを見せています。
そして近年、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進という観点においてもデータドリブンが注目を集め、「DX推進をするうえで重要な鍵となるのがデータドリブン経営である」という指摘も聞かれます。
本記事では、データドリブンの定義や概要、データドリブン経営とデータ活用の違い、データドリブン経営をするうえでの注意点、成功事例などを詳しく解説します。
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1.DX推進で求められるデータドリブン経営とは?
「データドリブン(Data Driven)」とは、収集したデータを分析して企画の立案や未来の予測などを行い、それをもとに意思決定を行うことを指します。マーケティングの分野でよく聞かれる「データドリブンマーケティング」とは、データを活用してマーケティング施策展開などに関する意思決定を行う手法です。
例えば、広告戦略を検討する場合、過去の広告出稿・配信時に得たデータを分析し、その結果をもとに「どの媒体に、いつどのように広告を掲載すれば、ターゲットに最もリーチできる広告になるか」といった施策を検討する、といった活用例が挙げられます。
Google広告においてコンバージョンへの貢献度を評価するフレームとして「データドリブンアトリビューション」が採用され、Googleアナリティクスで利用可能になりましたが、これもデータドリブン活用の一環といえます。
この手法を企業経営に応用するのが「データドリブン経営」。ビジネスに関するさまざまなデータを収集・分析し、それをもとに経営戦略や自社ビジネスの方向性など企業経営における意思決定を進めるというものです。「GAFA」と称されるGoogle、Apple、Facebook、Amazonなどの先進企業も、データドリブン経営を実現しています。
そして今、DXの分野においても、データドリブン経営が求められるようになっています。
(1)これまでのデータ活用とは
「データを分析・活用して企業活動に生かし、経営判断などを行う」というプロセス自体は、データドリブンが叫ばれる前から多くの企業で業務の一環として行われていました。ERP(Enterprise Resources Planning)システムを使って企業の経営資源や業務運営に関するデータを可視化・管理し、効率的な経営を行うのはその代表例といえるでしょう。
ERPなどのITシステムでヒト・モノ・カネに関するデータを蓄積・可視化し、売上実績や事業収支を分析して将来予測や事業計画の策定などを行うといった従来のデータ活用は、事業環境の変化が小さく、ビジネスを「現在の延長線上」で考えることができた時代には十分有用でした。
しかし現代は、社会や市場環境の変化が激しく、昨日まで順調だった商品・サービス事業が明日には立ち行かなくなるかもしれないような状況でビジネスを展開することが求められます。そうした状況では発生する課題も未知のものが多く、過去の実績データをもとに分析・検討するだけではビジネスや企業の存続が困難になっているのです。
(2)DXでデータドリブン経営が求められる背景
そのような状況を受け、世界各国の企業で推進されているのがDXです。DXの目的はデジタル技術の活用やデータ分析の導入によって業務、組織、事業、企業文化に変革を起こし、企業や事業が競争優位性を得ることにあります。
DXを推進し変革を実現するためには、市場環境の変化に応じて企業自身がトライ&エラーを重ね続け、変化する必要があります。その過程では、データの蓄積・分析による状況把握や未来予測が不可欠ですが、これまでのデータ活用のように「既存ビジネスの売上実績」「顧客の簡単な属性」といったデータを単純に分析するだけでは不十分です。
そこで注目されるのが、データドリブンにおけるデータ分析。高度なデータ活用基盤を構築し、精細なデータを収集・蓄積すると同時に、分析にも新たな分析手法やAI(人工知能)などの最先端技術を導入することで、売上分析や仮説の検証といった従来の分析にとどまらず、新たな発見につながるようなデータ分析が可能となります。つまり、データドリブン経営は、DXを推進するうえで必要不可欠な基盤といえるのです。
他方、DXの推進によって、社内のITシステムがERPなどの既存システムだけでなく高度化すれば、データドリブン経営に必要なデータを蓄積するITシステムの環境整備となり、データドリブン経営の質をより高める支援につながります。ということは、DX推進がデータドリブン経営の基盤を整備することにもなるわけです。このように、DX推進とデータドリブン経営は、密接な関係にあります。
2.データドリブン経営とデータ活用の違い
前述のとおり、企業経営やビジネスにおいて「データ活用」はこれまでも行われており、多くのビジネスパーソンにとってはなじみのあるものです。他方、「データドリブン経営」は新しい概念であり、どこか漠然としています。
どちらもデータを扱うものですが、両者は明確に異なるもの。その違いは、ITシステムやサービスを導入して業務効率化や課題解決などを図る「IT化(デジタル化)」と、デジタル技術の活用やデータ分析の導入を通じて企業組織や事業に変革を起こすことを目的とする「DX」の違いとよく似ています。
データドリブン経営と従来のデータ活用との違いを理解し、データドリブン経営を成功させるために、いくつかのポイントから両者を比較し、データドリブン経営の特徴を解説します。
(1)データの活用場面
- ・データ活用:経営やビジネス運営に役立てるため、必要に応じてデータを参照する
- ・データドリブン経営:すべての意思決定や業務の遂行がデータに基づいて実行される(これが最重要ポイントです)
(2)データの収集・集計・分析・蓄積業務
- ・データ活用:データの集計・分析などを実行する担当者が存在し、それ以外の社員は担当者によってサマライズされたデータを参照する
- ・データドリブン経営:データの集計・分析は、それを必要とする人が自分自身で実行する(誰でも任意の意図でデータの集計や分析を行うことができる)
(3)データ作成・参照のタイミング
- ・データ活用:日次・週次・月次などのスパンで収集・蓄積された過去のデータを参照する
- ・データドリブン経営:最新のデータをいつでも誰でも参照することができる
(4)参照データの内容と種類
- ・データ活用:部署やチーム、組織上の階層によって、参照・活用するデータが異なる
- ・データドリブン経営:部署や階層は関係なく、同じデータを参照・活用する。ただし、参照・活用する観点は部署や活用シーンによって異なる
3.DX推進でデータドリブン経営を行うメリット
企業がDX推進などを通じてデータドリブン経営の基盤を整備し、データドリブン経営を実現できるようになると、組織にどのようなメリットが生まれやすくなるのでしょうか。ここでは、大きな3つのメリットを解説します。
(1)収益アップしやすくなる
米国の調査会社Forrester Researchの調査(※1)によれば、「収集したデータを分析して得たインサイトを出発点にして行動する組織は、世界のGDPよりも7倍以上速く成長する」との分析がなされています。
IT技術やデータを活用することによって時間や地理などの制約から解放されれば、企業の生産性は向上します。あるいは効率的な事業運営で人件費の削減につながることも。そうなれば、収益性の改善や飛躍的な成長を見込めるようになるでしょう。
また、高度なデータ分析で将来のリスクを想定することができれば、事業計画も精度を高めやすくなります。こうしたことから、収益性の向上につながりやすくなるのが、データドリブン経営の大きなメリットの一つです。
(2)顧客との関係が近くなる
もともとデータドリブンは、マーケティングの分野で広く活用されていた手法。データドリブン経営を実現し、精細なデータを詳細に分析することによって、一般の消費者やターゲットとする顧客が「何を求めているのか」をより精緻に理解することが可能になります。
そこで得た気づきをもとに製品・サービスを開発して顧客のニーズに応えるビジネスを展開することができれば、自社と顧客の関係は近くなります。また、そうした事業活動のプロセスで新たなデータを収集し、別の層のニーズに応えるビジネスを開発すれば、顧客の幅を広げることも可能に。
(3)意思決定の精度が向上する
社会情勢が先行き不透明で、将来の予測が困難である今は、「VUCAの時代」と称されます。IT技術の急激な進歩、業種の垣根を越えたプレーヤーの参入、新型コロナウイルスの感染拡大などにより、既存のビジネスや価値観がいつ通用しなくなるかわかりません。
先行きが不透明であり、常に変化を求められる状況で企業が生き残るためには、経営層がフレキシブルに意思決定を行い、柔軟な対応をとって業務を動かすことが求められます。しかし、将来予測が困難であるという要素は、企業における意思決定をそれだけ難しくさせます。
そんなとき、データの存在は意思決定の根拠になります。DXの推進によって詳細データの蓄積やAIによるデータ分析が可能となれば、それだけ高度な示唆を得ることができ、意思決定や経営判断の際の強力な手助けとなるはずです。
4.データドリブン経営の構成要素と流れ
では、データドリブン経営を実現するには、どのように進めればいいのでしょうか。ここからは、データドリブン経営の実行フローを構成する5つの要素を解説します。
(1)データ活用の目的設定
最初に行うべきプロセスは、データを活用・分析する目的を明確にすることです。売上の増加、ブランディングの強化、新規顧客の獲得、新しい価値観を提供するビジネスの創造……データを活用して達成したい目的によって、収集すべきデータも分析する手法も異なります。
ビッグデータから想定していなかった新たな気づきを偶然得ることもありますが、まずは目的に資するデータをきちんと網羅することが大切です。データドリブン経営の精度を高めるには、目的を明確にすることが不可欠といえます。
(2)データの収集
自社で活用されているERP・CRM・POSなどの業務管理システム、Webサーバーのアクセス解析データ、その他ビジネスツールに蓄積されているデータなど、必要なデータを収集・蓄積します。
必要なデータは分散して存在し、一元管理されていないことが多いもの。それらを見極めて収集するとしても、全体のデータ量は膨大になりがちです。その後のデータ収集・蓄積フローも踏まえ、データを効率的に収集・管理・蓄積するフローや環境を構築するプロセスも合わせて必要になります。
(3)データの可視化
せっかく収集したデータも、そのままの状態では分析に使えないことが少なくありません。また、実際の分析には使わないデータがあれば、それを省いておく必要もあります。そうしたデータを整理して、データを加工・分析できる状態にするのがデータの可視化です。
大量に収集したデータの可視化を人の手で行おうとすれば、時間がかかってしまいます。そうした場面でよく導入されるのが、BI(Business Intelligence)ツールやDMP(Data Management Platform)ツールなどの支援ツールです。
(4)データ分析
可視化したデータを分析します。対象となるデータや分析手法は、データ活用の目的に適したものを採用します。最先端のデジタル技術を活用したビジネスやDX推進においてはAIの活用が進んでいますが、データ分析においてもAIが大きく貢献しています。
データ分析は、BIツールをはじめとするさまざまな支援ツールを導入して行われることが多いです。より高度な分析を実現するには、データサイエンティストなどの専門知識を有する人材の支援が必要となります。
(5)アクションプランの策定(意思決定と実行)
データの分析結果をもとに、目的を達成するための施策やアクションプランを計画・実行します。実行後はその結果を分析して成果を検証し、何か課題があればアクションプランを修正したうえで改めて実行といったように、PDCAを繰り返していきます。
5.DX推進やデータドリブン経営の成功ポイントと注意点
DX推進の鍵を握るデータドリブン経営を実現するにあたっては、さまざまな環境・業務フローの整備が必要。そのなかには、頓挫しやすいポイントもあります。そうした注意点をふまえ、データドリブン経営を成功させるための4つのポイントを解説します。
(1)「データに基づく意思決定」を業務に組み込む仕組みを整える
先に述べた「データドリブン経営とデータ活用の違い」で、データドリブン経営の歳重要ポイントとして「すべての意思決定や業務の遂行がデータに基づいて実行される」ことを挙げました。
これを実行するためには、どの組織・どの階層の社員でも最新のデータを参照し、自分の意図でデータを集計・分析することが可能となる仕組みが必要です。ただし、システムなどを導入して技術的に可能となるだけでは不十分。
いくら示唆に富むデータ分析が可能になっても、「発言の内容ではなく発言者のポジションで意思決定される」「意思決定において、客観的なデータよりベテラン社員の経験や意見が重視される」といった企業文化では、データの出る幕がなくなってしまいます。
高度なデータ活用を可能にするシステム基盤、データの収集・蓄積・集計・分析を前提とする業務ルール・プロセスの設計、実務担当者からマネージャーや経営者までデータに基づく意思決定を行えるようになる意識の変容などがそろって、初めてデータドリブン経営が可能になるのです。
(2)経営層が主導する大規模プロジェクトにする
組織やビジネスの変革を追求するDX推進と、データをもとに経営や事業運営に関する意思決定を行うデータドリブン経営は、いずれも企業活動の根幹に関わるもの。その実現は一部の担当者だけでは不可能で、社内の各組織や各種業務を幅広く横断し、数々のステークホルダーが協働するプロジェクトが必要となります。
既存組織・業務からの抵抗も予想されるプロジェクトをスムーズに推進するためには、経営層が主導するプロジェクトであることを明確にし、このプロジェクトが自社の経営やビジネス展開にどのようなメリットをもたらすかといったビジョンを社内に広く理解してもらうプロセスが欠かせません。
プロジェクトの推進にあたり、デジタル技術やITツールを活用したデータ分析について、経営者や役員が専門知識を深く理解する必要はありませんが、「わからないから」と丸投げするだけでは社内の理解も進みづらくなります。データドリブンに関する基本的な理解は押さえておくと、プロジェクトやコミュニケーションが活性化するでしょう。
(3)優れたDX人材・データドリブン人材を確保・育成する
企業におけるDX推進やデータドリブン経営を組織的に実現するためには、成功へ導くために必要な知識・スキルを有する人材を採用または育成によって確保しなければなりません。
DX人材、データドリブン人材に求める要件は、企業の規模や達成したい目的などによって異なりますが、自社の経営やビジネスに関する理解、論理的思考、マーケティングの知識・スキル、幅広いステークホルダーと協働するためのコミュニケーション能力などは、共通して必要とされやすい要件です。
加えて、データドリブン経営に関しては、データ分析に関する知識・スキル、環境を整備するためのITツールや技術に関する理解も必要です。より高度な分析を行うのであれば、データの専門家であるデータサイエンティスト、AIなどの技術を扱えるエンジニアなどの力も必要になるでしょう。
(4)自社に合ったITサービスやツールを導入する
データドリブン経営の実行フローであるデータの収集・管理・蓄積・可視化・分析を行うにあたっては、BIツール、DMPツール、DWH(Data Ware House)ツール、CRM(Customer Relationship Management)ツール、SFA(Sales Force Automation)ツール、MA(Marketing Automation)ツールなどの支援ツール・サービスを導入・活用して環境を構築することで、効率的に進めやすくなります。
特に、デジタル技術やデータに関する専門知識を有するDX人材やデータドリブン人材が社内にいない場合は、こうした支援ツール・サービスを活用することが大きな力になります。
どのようなツール・サービスを導入すればよいかというのも、人材と同様、実行する企業・組織の規模や、達成したい目的によって異なります。提供を受けるには費用もかかりますので、自社の事情に応じて比較・検討するといいでしょう。
6.データドリブン経営の成功事例
データドリブン経営を実行するための仕組みは、企業によって適したつくり方や望ましい仕組みのあり方などが異なります。自社に合う実現方法を見つけるには、すでにデータドリブン経営に成功している企業の事例を参考にして判断するのも有用です。本章では、大手企業を中心に成功事例を解説します。
(1)JTB
老舗の旅行会社である株式会社JTBは、業界でもいち早くインターネットでの販売をスタートするなど、デジタル活用にも積極的に取り組んでいます。
その一環として2018年に「データサイエンスセントラル」組織を立ち上げ、データドリブン経営を牽引。量的分析と質的分析を組み合わせて顧客理解を深め、最適な宿泊プランの提案につなげて成約率を高めるなど、そのメリットを享受している事例です。
(2)ソフトバンクグループ
携帯電話サービスを展開するソフトバンクグループ株式会社が抱えていた経営課題は、「電波がつながりにくい」という評価によって顧客満足度が低かったこと。
そこで、月間およそ9億件のパケット通信データを収集・蓄積し、地域や時間ごとに集計・分析。その結果から確認した通信状況の差異に応じて基地局の整備などを実行し、2013年には通話接続率・パケット接続率ともにNo.1を達成しました。
(3)日清食品
食品大手の日清食品株式会社では、「カップヌードルは若者向け」というイメージが根付いた反面、シニア層のカップラーメン離れが課題となっていました。そこで行ったのは、SNSなどを通じて積極的に情報発信などの行動をとる「アクティブシニア」のSNS投稿の分析です。
すると、豪華な食事の写真が多く投稿されており、おいしいカップラーメンならシニア層でも食べたいというインサイトを発見。リッチな高価格帯の商品を開発・販売。シニア層を含む幅広い年齢層の支持を獲得し、発売7カ月で累計1400万食販売を達成しました。
(4)大丸
紙製品の卸を主事珠に事務用品や情報機器へとビジネスの幅を広げる大丸株式会社は、新たな事業計画の立案や営業活動のPDCAもデータドリブンで行っています。
システム老朽化に伴いシステムを刷新。データの蓄積や集計を全社員が実行できるようになり、将来予測を生かしたビジネス拡大や戦略策定までデータドリブンの幅を広げることが可能になりました。
(5)イーオン
全国で英会話スクールを運営する株式会社イーオンでは、部門やスクールごとに個別のシステムが導入されておりデータ管理が煩雑になっていたこと、データの管理・運用に関するルールが全社で統一されておらず意思決定に生かすことができないこと、といった課題がありました。
そこで、CRMソリューションとBIツールを連携させ、全社共通のルールを統一。正確なデータの集計や分析が自在に行えるようになり、データに基づく意思決定を実現できる土壌を整えました。
(6)北海道ガス
北海道内でエネルギービジネスを展開する北海道ガス株式会社では、顧客接点を強化するべく業務支援システムを活用して顧客情報を管理しており、そこに蓄積されたデータをビジネスに生かすべく、情報管理基盤構築の導入に取り組みました。
その結果、直感的な操作でデータ参照が可能になるなど、商務の制度とスピードが向上。タイムリーにデータを確認できるようになり、さまざまな場面で意思決定に生かされるようになりました。
(7)日本調剤
調剤薬局の運営などを行う日本調剤株式会社は、処方箋などをはじめとする大量のデータをスピーディーに分析し、状況把握から意思決定まで多角的に活用したいと考えていました。
検討の末、新たなツールを導入してデータ管理・分析のインターフェイスを統一。大量のデータを高いパフォーマンスで処理できるようになったほか、システム操作に気を取られることなくデータ管理や分析ができるようになり、本社部門におけるデータ分析から全国の数百店舗に対する情報公開までを可能にする基盤が構築されました。
最先端のデジタル技術を駆使し、データという根拠をもとに経営における意思決定の精度を高めるデータドリブン経営は、変化の激しい時代の企業経営において強力な“武器”となる手法です。GoogleやAmazonなどの「GAFA」の隆盛は、その成果を示す一例といえるでしょう。
ただし、その実現のためには、データの収集・管理・蓄積から分析に至るプロセスを実行するための環境・業務フロー構築や、社内の理解が不可欠。そのための人材の確保・育成も考える必要があります。
また、データドリブン経営の肝は、データの分析をもとにした意思決定から施策の実施、結果の検証をふまえた施策の改善……といったプロセスをスピーディーに繰り返すことにあります。
「データドリブン」とは、データの活用がアクションを駆動するという意味。「データを収集すればOK」ではなく、データの活用によって具体的なアクションを動かすことを意識するという点が重要です。
(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)
出典
※1:Insights-Driven Businesses Are Stealing Your Customers / FORRESTER
https://go.forrester.com/blogs/16-07-28-insights_driven_businesses_are_stealing_your_customers/