IoT時代の到来。普及が見込まれる代表事例

作成日:2017/04/28

 

関心が高まり続けるIoT “モノのインターネット”

関心が高まり続けるIoT “モノのインターネット”

以前のコラムでもご紹介させていただいたICTアドバイザリ・リサーチ会社の “ガートナー”が提供するテクノロジーの『ハイプ・サイクル』(ハイプ・サイクルにみるAIの位置付けとその人事領域活用)。

 

2016年10月5日に発表された最新の「日本におけるテクノロジーのハイプ・サイクル:2016年」において5~10年で主流が来ると予想され、ピーク期に位置づけられたのが「モノのインターネット」、いわゆる『IoT(Internet of Things)』です。そして、調査会社IDC Japanの発表によると、2015年国内IoT市場の市場規模は前年比15.2%増の6兆2232億円に達すると予測され、14年から20年にかけての年間平均成長率は16.9%となり、20年には13兆7595億円にまで拡大すると分析されています。

 

バズワード的にも広がっていったこの「IoT」という言葉ですが、なんとなくは知っているものの、その範囲や定義、成功事例や今後の方向性など、十分に理解できていない方が多いのではないでしょうか?今回は年々関心が高まりつつあるこの「IoT」について、普及段階に入りつつあるサービス事例とともに見ていきます。

 

IoTの定義とは?

まず「IoT(Internet of Things)」の定義ですが、前述したように現時点では必ずしも定まったものはなく、定義が曖昧なままに使われていると言えるでしょう。「モノのインターネット」と言うくらいですが、定義においては「『モノ』がなんなのか?」「どんな『モノ』の場合がIoTになるのか?」が重要です。

 

結論を述べると「とにかくありとあらゆるすべてのモノ」ということになるでしょう。「そんなの定義でもなんでもないじゃないか」という皆さまのお声が聞こえてきそうですが、中途半端に定義するのではなく、現時点ではとにかく“すべてのモノ”と捉えた方が、IoTを理解しやすいようです。

 

本来的に今までインターネットは、パソコンやサーバー、スマートフォンといった通信を前提とする機器についているのがあたりまえでした。そういった意味では、通信を目的としていないありとあらゆるすべてのモノを対象として、それがインターネットにつながることをIoTと称しているといえるでしょう。呼び名は違えど、昨今大きな話題となったAppleWatchに代表される“スマートウォッチ”やGoogleGlassに代表される“スマートグラス”といった、いわゆる“ウェアラブル端末”もIoTの一部と捉えることができます。

 

ネットコマース株式会社の斎藤氏がIT Mediaに寄稿した「IoTの定義」によると、

  • (1)現実世界の出来事をデジタルデータに変換し、ネットに送り出す機器や仕組み
    (2)デジタルデータで現実世界を捉え、アナログな現実世界を動かす仕組み

と大きく2つを定義しています。

 

1つ目は、モノに組み込まれたセンサーが、モノ自体やその周辺の状態や変化を読み取り、ネットワークに送り出す技術、その技術が組み込まれた機器、またはこれを実現するための通信やデータ管理のサービスを指す場合です。

 

例えば「スマート家電」におけるエアコンの場合、人がいないことをセンサーが検知し、にもかかわらずエアコンが付きっぱなしになっている場合に、エアコンを切り忘れていないかをユーザーにメールで自動的に連絡する、といったことがこれにあたります。

 

2つ目の「デジタルデータで現実世界を捉え、アナログな現実世界を動かす仕組み」においては、先述したエアコンを例にとるのであれば、エアコンを切り忘れたことを受けて、遠隔からエアコンのスイッチをOFFにできることがこれにあたるでしょう。

 

そもそも「Internet of Things」という言葉の起源は、1999年に無線タグの標準化団体「Auto-ID」の創設者の一人であるKevin Ashton氏によって生まれたと言われています。彼はIoTを「無線タグを付したモノがセンサーとコンピュータを介してインターネットに接続される仕組み」と定義しました。そこから無線タグに限らず、ありとあらゆる「モノ」にインターネットが接続されることによって、IoTは広い意味、広い定義を持ってきたのです。

☆あわせて読みたい

『【PMOコンサルタントとは】つまらない?意味ない?キャリアに使えない?向いている人と今後の将来性・年収を解説!』

『【PMOとは】PMとの違い(仕事内容・意味・職種)と向いている人、業務に必要な資格・スキルセットを解説!』

『【フリーコンサル PMO】年収は?必要なスキルや資格は?つまらない?メリット・デメリットも解説』

 

IoTの代表事例:スマートロック

IoTの定義とは?

 

昨今、IoTサービスの中でさまざまなプレイヤーがイノベーションを巻き起こし、普及段階に入っていると言っていい代表例が「スマートロック」でしょう。IoTベンチャーの先駆けフォトシンスが開発したスマートロック「Akerun」や、ソニー発のベンチャーQrioが提供する「Qrio Smart Lock」、不動産会社ライナフが提供する「Ninja Lock」など、国内プレイヤーだけでも複数社がサービス提供を行なっています。

 

その中でも上述したフォトシンスが提供する「Akerun」は、2016年7月に「Akerun Pro」をリリースし、個人宅と異なり、これまでのスマートロックよりも高い基本機能が求められるオフィス利用を想定したプロダクト提供をスタートさせました。スマートフォンアプリやブラウザからの遠隔開錠はもとより、管理画面での入退室記録など、オフィスの効率化・円滑化のための機能は十分に備えています。更に面白いのは、API連携を行うことで、今後はオフィスの効率化にはとどまらないコミュニケーションが活性化する仕掛けも目指していると言います。

 

例えば、「誕生日のスタッフが出社したらバースデイメロディが鳴る」、「外出時に雨が降っていたら雨用メロディが流れる」、「全員退室したらお掃除ロボットが動き出す」といったような、ちょっと楽しくなるような仕掛けや、他のIoTプロダクトとの連携なども可能になるのだとか。こんなオフィスだと毎日の出社が少しだけ楽しくなるかもしれませんね。

 

IoTの代表事例:テレマティクス自動車保険

IoTの代表事例:テレマティクス自動車保険

続いてもう一つIoTの代表例を紹介しましょう。車×保険のIoTとして普及が見込まれているのが「テレマティクス自動車保険」です。これは、車からさまざまな走行データを取得し、得られたデータを基に最適な保険料を決める新しいタイプの自動車保険です。今後、多くの車が通信機能を持つことは間違いのない方向性であり、今後、自動車保険の主流になることが想定されています。

 

そんな「テレマティクス自動車保険」は2種類に大別されます。純粋な走行距離連動して保険料を決定する『走行距離連動型保険』と、走行距離だけではなく車のスピードや急ブレーキ、急アクセル、急ハンドルなどのデータを収集して、リスクの高さに連動させてドライバーの保険料が変動する『運転行動連動型保険』です。国内ではまだ、法人向けを中心に走行距離連動型の保険が一部で販売されているにとどまっていますが、米国では既に運転行動連動型の保険も商品化されており、今後間違いなく普及フェーズに入っていくサービスになるでしょう。

 

いかがでしたでしょうか?身の回りにある、ありとあらゆる“モノ”がインターネットとつながることで、新しい製品・サービスが次々に生まれてきています。アイディア次第でさまざまな分野で活用されうるIoT。2017年は更に関心が高まり、さまざまなサービスがスタートするのは間違いないでしょう。

 

弊社の広報チーム(http://mirai-works.co.jp/workstyle02/)では、社外への活動はもちろんのこと、社内のコミュニケーションもより活性化させたいと日々思案しています。「誕生日のスタッフが出社したらバースデイメロディが鳴る」という仕組みをご紹介しましたが、「今日誕生日なんだね!」「おめでとう!」など、普段やりとりの少ない方とのコミュニケーションを取る良いきっかけになるのだろうなと感じるシステムでした。

 

あなたも一度、何の“モノ”がインターネットとつながると面白いことができるようになるのかを考えてみてはいかがでしょうか?

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

コンサル登録遷移バナー

 

◇こちらの記事もオススメです◇

「信用第一!フリーランスや個人事業主のコンサル案件やプロジェクトの受け方」