代表的なMAツール15種類を徹底比較!自社に合った選び方とは

現代では企業を取り巻く市場環境は変化が激しく、マーケティングにおける競争が激化しています。そのような中では MAツールの使用が必須であると言っても過言ではありません。
しかしながら、MAツールは使いこなせなければあまり効果が感じられないため、自社に適したツールを選ぶことが重要となります。 この記事ではMAツールの導入メリットを解説し、選び方や代表的なBtoB、BtoC向けのMAツールの比較を行います。

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1.MAツールとは

MAツールの市場規模

MAとは「マーケティングオートメーション」の略称で、従来は手作業で行っていたユーザー管理やメール配信、アクセス解析といったマーケティング施策を自動化するツールのことです。

その市場規模は、2020年時点の国内市場で447億円、2025年には737億円に達すると予想されています。(※1)

MAツールの活用によってマーケティング担当者の業務効率化が図れるほか、ユーザーの動きを可視化できるため、適切なタイミングで、適切なアプローチができるようになります。

MAツールにはさまざまな機能がありますが、機能の種類や使い勝手、コストなどはツールによって異なるため、自社に合ったツールを選ぶことが重要です。

MAツールの主な機能と特徴

MAツールの機能と特徴

MAツールにはどのような機能があるのか、以下に簡単にまとめました。

リード管理

見込み客の情報や現在の関係性をデータ化し共有する。

コンテンツ配信

ターゲットに合わせたシナリオや閲覧コンテンツを配信する。

Webページ作成

集客のためのWebページを簡単に作成する。

トラッキング・アクセス解析

Webページへのアクセスを記録し、解析する。

スコアリング

顧客ごとにアプローチすべき優先度の数値を算出する。

ソーシャルマーケティング

SNSを使ったマーケティングを一括して管理する。

顧客管理システムとの連携

CRMと顧客データを共有する。

セミナー管理

告知ページや申込みフォームの作成などセミナー開催をサポートする。

2.MAツールを導入する3つのメリット

MAツール導入のメリット

1)人件費を削減できる

MAツールを利用すると、担当者の負担が大幅に減ります。なぜなら、これまで手作業で行っていた一連のマーケティング施策が自動化されるためです。

例えば、マーケティング業務は顧客数が多いほど工数も増えますが、MAツールを利用すれば大規模なリードナーチャリングも担当者1人で行えるのです。つまり、顧客数の多い大企業ほどMAツールの利用が有効と言えます。

また、手作業での対応がほとんどなくなるので、ヒューマンエラーも大幅に減らすことができます。

2)業務を効率化できる

マーケティング業務は何かと工数が多くなりがちですが、そのほとんどを自動化できるので作業効率が上がります。マーケティング担当者の負担を大幅に減らせれば、日々のルーチンワーク的な業務を削減し、新規事業の開拓などバリューアップのほうに注力できるため、企業の生産性や成長性のアップにつながるのです。

MAツールは一連のマーケティング業務を可視化できるため、業務プロセスのうちどの部分がボトルネックとなっているのかがすぐにわかります。したがってPDCAも効率的に回すことができます。

3)コンバージョンにつながる可能性が高まる

MAツールにはトラッキングやアクセス解析などが付いており、利用することで顧客の分析も容易に行えます。したがって、見込み顧客やこれまで取りこぼしていた顧客に対して効果的なアプローチができるようになり、コンバージョンに至る可能性も高まります。

また、スコアリングによりアプローチ段階での課題や問題点が明確になるため、適切な改善策をいち早く講じることができます。

3.MAツールの選び方

MAツール選定のポイント

1)BtoBとBtoCでの機能の違い

MAツールには法人向けビジネス用製品(BtoB)と消費者向けビジネス用製品(BtoC)があります。自社のビジネスモデルに応じて適切なほうを選びましょう。両者では一元管理できるリード数が異なるほか、BtoB向けの場合は集客機能や名刺管理機能が搭載されている製品もあります。

2)システム連携の可否

MAツールは自社で使用しているCRMと連携させて活用するのが基本なので、連携できる製品を選びましょう。

3)機能性

搭載されている機能はMAツールによって異なるため、自社が利用したい機能はもちろん、今後利用する可能性のある機能が搭載されている製品を選びましょう。

4)サポート体制

MAツールを初めて導入する場合は、サポート体制の充実度も確認するべきです。なぜなら、いくら機能性の高いMAツールを導入しても、使いこなせなければ意味がないからです。

5)コスト

MAツールを活用する際は初期費用がかかるほか、月額費用も発生します。かかるコストはツールによって異なるため、予算内で運用できるかどうかも重要なポイントです。

4.代表的なBtoB向けMAツール比較

 

1)Salesforce Pardot(セールスフォース パードット)

SFA、CRMの世界最大手セールスフォースが提供するクラウド型MAツールです。CRMやSFAと連携し、マーケティングと営業のワークフローを同期します。

対応形態 BtoB
連携可能なシステム Salesforce Sales Cloud
月額料金 150,000円~
初期費用 なし
主な機能と特徴 リード管理、コンテンツ作成、キャンペーン設計とスコアリング、など
サポート体制 WEB・電子メールから問い合わせ受付

参考URL:https://www.salesforce.com/jp/products/pardot/overview/

2)MAJIN(マジン)

広告運用会社ジーニーが運営しているMAツールです。広告会社が発売元だけあって広告配信に強く、集客と販促の課題を同時に解決できます。

対応形態 BtoB、BtoC
連携可能なシステム Salesforce、LINE for Business、など
月額料金 BtoB、BtoCプラン100,000円、アプリプラン50,000円
初期費用 100,000円
主な機能と特徴 見込み客への集客機能、販促機能、顧客管理機能、営業支援機能など
サポート体制 導入から運用までサポートが可能

参考URL:https://ma-jin.jp/

3)List Finder(リスト ファインダー)

上場企業で導入率No.1のMAツールです。国内で1,600アカウントの導入実績があります。非常に価格が手頃で活用が初めての企業でも検討しやすいのが特徴です。

対応形態 BtoB
連携可能なシステム Salesforce
月額料金 39,800円〜79,800円+データ量ごとに従量課金
初期費用 なし
主な機能と特徴 アクセス解析、メール配信、アプローチ管理、スコアリング、Webページ作成など
サポート体制 電話サポート、定期コンサル、運用支援サービス

参考URL:https://promote.list-finder.jp/

4)Liny(リニー)

LINEに特化したMAツールです。LINEの配信、運用、管理をサポートします。

対応形態 BtoC
連携可能なシステム LINE for Business
月額料金 5,000円〜69,800円
初期費用 49,800円
主な機能と特徴 見込み客へシナリオ配信など各種配信機能、自動応答、タグ管理、クリック測定、クロス分析など
サポート体制 問い合わせフォームや電話で可能

参考URL:https://line-sm.com/

5)ferret One(フェレット ワン)

Webマーケティング専用のMAツールです。Webサイトの維持管理からマーケティング施策まで担当者が1人で行えるようにサポートします。

対応形態 BtoB、BtoC
連携可能なシステム Kintone、SATORI、Sales Force Pardot、Sansanなど多数。
月額料金 100,000円〜
初期費用 100,000円〜
主な機能と特徴 簡単Webサイト構築、アクセス解析、見込み客へメール配信、リード管理、など
サポート体制 導入から運用までサポートが可能

参考URL:https://ferret-one.com/

6)SATORI(サトリ)

オーソドックスな国産MAツールです。新規顧客の獲得からデジタルトランスフォーメーションまで総合的にマーケティングを支援します。

対応形態 BtoB、BtoC
連携可能なシステム Kintone、Salesforce、Sansan
月額料金 148,000円〜
初期費用 300,000円〜
主な機能と特徴 リード管理、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーション、オートメーション、レポート作成など
サポート体制 オンラインサポート、コミュニティ、有償コンサル

参考URL:https://satori.marketing/

7)Kairos3(カイロス)

MAとSFAが一体になったツールです。マーケティングと営業をシームレスにつなぎ、機会損失を無くせます。

対応形態 BtoB、BtoC
連携可能なシステム Salesforce、API連携
月額料金 15,000円〜120,000円※データ数に応じる
初期費用 10,000円〜
主な機能と特徴 スコアリング、見込み客へメール配信、リード管理、SFA機能など多数。
サポート体制 専任チームによる無償サポート、セミナー、オンライン相談

参考URL:https://www.kairosmarketing.net/marketing-automation

5.代表的なBtoC向けMAツール比較

1)b→dash(ビーダッシュ)

MAだけでなく、CDPやBI、Web接客やアプリPUSHなど総合的なデータマーケティングのツールです。非常に多機能でマーケティングはこれだけあれば十分かもしれません。

対応形態 BtoB、BtoC
連携可能なシステム LINE for Business、SMS
月額料金 非公開 ※問い合わせが必要
初期費用 非公開 ※問い合わせが必要
主な機能と特徴 CDP構築、見込み客へメール配信、Web接客、広告連携、BI、CRMなど多数。
サポート体制 マーケティングとデータサイエンスの2名体制

参考URL:https://bdash-marketing.com/

2)Marketo Engage(マルケト エンゲージ)

Adobe社が提供するMAツールです。リード管理からアカウントベースドマーケティングまで総合的にマーケティングを支援します。

対応形態 BtoB、BtoC
連携可能なシステム Salesforce、Microsoft Dynamics CRM Online、Microsoft Dynamics CRM On Premise、Netsuite、Oracle、SAP Cloud for Sales、SugarCRM
月額料金 データ量により変動
初期費用 データ量により変動
主な機能と特徴 ABM、クロスチャネルエンゲージメント、スコアリング、SNSマーケティング、メールマーケティング、SEOなど多数。
サポート体制 オンラインサポート、コンサルサービス、資料によるe-learning(有償、無償)

参考URL:https://jp.marketo.com/company/

3)MOTENASU(モテナス)

CRMやMAにあまり詳しくない人でも使えることをコンセプトにしている総合CRM/MAツールです。

対応形態 BtoC
連携可能なシステム API連携
月額料金 100,000円〜2,000,000円
初期費用 300,000円
主な機能と特徴 フォーム作成、CRM、タグ機能、アンケート、マルチシナリオ、RFM分析、LTV分析など多数。
サポート体制 電話とメールサポート(無償)、訪問サポート(有償)

参考URL:https://motenasu.info/

4)Probance(プロバンス)

機械学習によって顧客とのコミュニケーションの最適化を図るMAツールです。フランス生まれのツールですが日本の顧客にも最適化されています。

対応形態 BtoC
連携可能なシステム Rtoaster、LINE、SMS
月額料金 180,000円〜
初期費用 500,000円
主な機能と特徴 メール、SMS、LINEの配信管理、メッセージング、機械学習による最適化など多数。
サポート体制 導入から運用までサポート

参考URL:https://www.probance.jp/

5)Hubspot Marketing hub(ハブスポット マーケティング ハブ)

総合的なMAツールです。マーケティングに必要なツールとデータを一カ所に集められます。

対応形態 BtoB、BtoC
連携可能なシステム Salesforce
月額料金 5,400円〜
初期費用 なし
主な機能と特徴 ブログ、SEO、トラッキング、SNS管理、動画、Webチャットなど多数。
サポート体制 コミュニティサービス、ナレッジベース、資料によるe-learning、オンラインサポート

参考URL:https://www.hubspot.jp/

6)Oracle Marketing Cloud(オラクル マーケティング クラウド)

Oracle社が販売しているMAツールです。様々な機能がシームレスに繋がっており、一貫した顧客体験を提供できるようになっています。特に大企業に向いているツールです。

対応形態 BtoB、BtoC
連携可能なシステム Salesforce
月額料金 問い合わせで確認
初期費用 問い合わせで確認
主な機能と特徴 マルチチャネルマーケティング、データ管理、オートメーション、リアルタイム分析など。
サポート体制 コミュニティサービス、ナレッジベース、e-learning、オンラインサポート

参考URL:https://www.oracle.com/jp/cx/marketing/

7)Synergy!(シナジー)

Synergy!はMAではなくCRMですが、MAの機能も付属しており、マーケティングと顧客管理を一体化した運用ができます。

対応形態 BtoB、BtoC
連携可能なシステム csvファイルを介して連携
月額料金 15,000円〜※付ける機能による
初期費用 118,000円〜
主な機能と特徴 CRM、フォーム、アンケート、メール、LINE、Webサイト、広告連携
サポート体制 オンラインサポート、マニュアル・Q&A、更新情報通知、有償レクチャーサービス

参考URL:https://www.synergy-marketing.co.jp/cloud/synergy/

6.無料で使えるMAツール

Bownow(バウナウ)

無料プランがある珍しいMAツール。無料プランではログ保存が1ヶ月間と短く、メール配信もできませんが、使い勝手を無料で試してから導入できるのは大きなメリットです。

対応形態 BtoB、BtoC
連携可能なシステム Blue Monkey
月額料金 0円〜※データ5000件ごとに増額
初期費用 なし
主な機能と特徴 企業ログ、ユーザーログ、メール配信、フォーム、ABM、アラート、商談履歴、分析機能、
サポート体制 導入支援、勉強会、動画、技術支援、コンテンツ

参考URL: https://bow-now.jp/

7.まとめ

この記事ではMAツールの概要を説明し、代表的なMAツール15種類を比較しました。MAツールには様々な種類の製品があり、比較するとそれぞれ特色が異なります。大企業か中小企業か、BtoBかBtoCか、現在使用しているツールは何か、によっても変わってきます。自社のビジネスモデルに合ったMAツールを選択しましょう。

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

出典
※1:矢野経済研究所:DMP / MA市場に関する調査を実施(2020年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2542