SAP社推進の「デザイン思考」とは?5つのステップと成功事例・普及活動を紹介

最終更新日:2022/03/03
作成日:2016/11/29

 

ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社「SAP SE(以下、SAP社)」で重用されるデザイン思考は、GAFAを筆頭にビジネス界全体が注目する方法論です。デザイン思考のプロセスや、いち早くデザイン思考に目をつけ、取り組み、普及に力を注いでいるSAP社が行う活動、国際的な大企業における成功事例についてご紹介します。

 

※本コラムは、2022年3月3日に「SAPによる「デザイン思考」の価値創造は何をもたらすのか?」を再構成したものです。

 

目次

 

■SAP社が推進するビジネス思考術 「デザイン思考」とは?
(1)デザイン思考の特徴とプロセス
(2)デザイン思考の成功事例

■SAP社の「デザイン思考」普及活動とは

■SAP社が推進する「デザイン思考」は組織変革の先駆者となる!?

 

SAP社が推進するビジネス思考術 「デザイン思考」とは?

デザイン思考イメージ画像

 

「デザイン」と聞くと、製品やファッションといった“モノ”の形態や外観といった美術的なイメージを思い浮かべる方が多いでしょう。デザイン思考の「デザイン」とは、より広義な意味に捉えられ、ビジネスやサービスの「企画・設計」に近い意味合いです。

 

「デザイン思考」は、アップル(Apple)社の初期のマウス等を手掛けた、アメリカのデザインコンサルティングファーム「IDEO社」がコンサルティングノウハウから発展させたものだといわれています。

 

現在、SAP社がビジネス思考術として「デザイン思考」を世界的に推進し、P&GやGE・サムスン・ノキア・ダイソン・バーミキュラ・テスラモーターズといった国際的な大企業が事業戦略に導入しています。

 

 

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(1)デザイン思考の特徴とプロセス

デザイン思考の最大の特徴は「顧客ニーズを起点にする」という点です。スタンフォード大学ハッソ・プラットナー・デザイン研究所では2012年に「デザイン思考 5つのステップ」というガイドを発行し、プロセスを紹介しています。簡単に説明すると技術制約や予算制約、納期制約などのあらゆる制約や前提を取り払い、「顧客が最も欲しているものは何か?」から検討を始め、下記の5つのプロセスで展開される思考術です。

 

ガイドの巻末には「実践を繰り返し、独自のプロセスを磨きましょう。これらのプロセスはあくまで1つの提案です。最も重要なのはビジネスやワークスタイルの中にデザイナーの発想法「デザイン思考」を浸透させて、確信の実践を続けることです」と記されています。

 

また、「あなたにとって役立つオリジナルのプロセスに磨き上げて下さい。どんなプロセスを利用するのであれ、最も重要なのはあなたのワークスタイルにデザイナーの発想法を浸透させて、革新の実践を続けることです」とも。要約すると「5つのプロセスを順番通りに繰り返す必要はなく、ビジネスやパーソナリティに最適なオリジナルの順序を見つけ出し、それぞれのプロセスサイクルを磨く」ことを推奨しているのです。

引用:スタンフォード・デザイン・ガイド デザイン思考 5 つのステップ

(2)デザイン思考の成功事例

デザイン思考を用いた成功事例として有名なのが、直近10年で売上高を14倍に伸ばし、いまや米ナイキを脅かす存在になった、米スポーツアパレルのアンダーアーマーとの取り組み。アンダーアーマーは、ユーザーにスマートフォン用フィットネスアプリを提供し、オンラインショッピングやポイントカードの利用履歴データなどと組み合わせて活用するサービスを提供しています。

 

ユーザーの運動や体調の複雑なデータをユーザーが見やすい形に加工し、友人との交流に使いやすいデザインに整えるなど、こうしたユーザーファーストな工夫を裏で支えたのがSAPが持ち込んだデザイン思考だったといわれています。

 

 

SAP社の「デザイン思考」普及活動とは

デザイン思考のワークショップ

 

SAP社では、約8万人いる社員のほとんどに「デザイン思考」を習得させ、自社サービスの開発、イノベーションに活かすとともに、そのノウハウをコンサルティングサービスとしても提供しています。

 

また、SAP社ではデザイン思考を社内で浸透させるだけではなく、新事業を開拓を促進するための施設を世界各地に作り、有償無償のトレーニングプログラムを提供するなど、普及にも注力しています。

 

最も有名なのが、2005年にスタンフォード大学内に設立した「ハッソ・プラットナー・インスティチュート(通称:デザインスクール)」。昨今のシリコンバレーの起業家の間では、デザイン思考定着のきっかけだともいわれています。

 

デザインスクール以外にも世界9ヵ所に「イノベーション・センター・ネットワーク」と呼ぶ拠点を設置し、起業を活性化させることを目指しています。2016年8月には、SAPジャパンが福島県の高校生を本社オフィスに招待して、デザイン思考を活用した特別授業を開催するなど、CSRの一つとしても利用しています。

 

また、デザイン思考の拡張を支援するクラウドベースのコラボレーションツール 「BUILD」を2016年に公開するなどして、デザイン思考をより身近で実践的な思考法へと成長させる試みに取り組んでいます。

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SAP社が推進する「デザイン思考」は組織変革の先駆者となる!?

デザイン思考を用いたミーティング

 

ビジネス界全体が注目する方法論である「デザイン思考」。いち早く着目し、実践、普及に力を注ぐSAP社が、今後どのようなサービス・事業展開をしていくのか、非常に興味深いです。

 

また、サービスや製品を企画・設計する上で、デザイン思考は今後ますます世界規模で広まっていくとも見られています。自分のビジネスで活用できるところはないか、「デザイン思考 5つのステップ」と照らし合わせてみるのもよいでしょう。

 

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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