CSR(企業の社会的責任)とは?メリット・デメリットや事例を簡単に解説
最終更新日:2026/04/07
作成日:2022/03/07
「CSR」という言葉を知っていても、いざ説明しようとするとSDGsなどとの違いがわからないと感じませんか。そもそもCSRとは何か、何から手をつければよいのだろうか、と悩む担当者は少なくありません。
本記事では、CSRの基礎知識や関連用語との違い・企業が得られるメリット・注意点などをわかりやすく解説します。
自信を持って社内のサステナビリティ推進に取り組みたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
■CSRと関連する用語との違い
(1)サステナビリティとの違い
(2)SDGsとの違い
(3)ESGとの違い
(4)CSVとの違い
■企業がCSR活動で得られるメリット
(1)企業イメージの向上
(2)従業員満足度の向上
(3)顧客・取引先との関係性の強化
■企業のCSR活動におけるリスクやデメリット
(1)人材不足のリスク
(2)業務効率に悪影響となる可能性
(3)コストが増加する可能性
■国内企業のCSR取り組み事例6選
(1)株式会社ブリヂストン
(2)富士フイルムホールディングス株式会社
(3)武田薬品工業株式会社
(4)ダイキン工業株式会社
(5)コマツ(株式会社小松製作所)
(6)本田技研工業株式会社
■CSR活動の具体的な進め方
(1)テーマを決める
(2)ニーズを調査・支援先を選定
(3)活動内容を企画・実行
(4)振り返りと発信
■CSR活動を進めるときの注意点
(1)取り組む範囲や内容を吟味する
(2)活動のコストやリターンを分析する
(3)コンプライアンス体制を強化する
(4)CSR担当者の負担を考慮する
CSR(企業の社会的責任)の意味とは?

CSRとは、「Corporate Social Responsibility」の略称です。日本語で簡単に言うと「企業の社会的責任」と訳されます。
これは、企業が自社の利益を追求するだけでなく、環境保護や社会貢献、法令遵守といった観点から、ステークホルダーに対して責任ある行動をとるべきという考え方です。
厚生労働省の定義によれば、社会的公正や環境への配慮を経営に組み込み、投資家や地域社会といった利害関係者に説明責任を果たすことが求められています。
単なる慈善事業やボランティア活動とは異なり、事業活動そのものが社会に与える影響を管理し、持続可能な発展への寄与を目指す点が特徴です。
企業の不祥事や環境問題への関心が高まる昨今、CSRを果たすことが、社会の一員としての誠実な姿勢を示す重要な経営指針となっています。
参考:厚生労働省「◆CSR(企業の社会的責任)」
CSRが重視されるようになった背景

企業の社会的責任(CSR)が重視されるようになった背景には、企業不祥事に対する批判と、経済のグローバル化に伴う社会課題への意識の高まりがあります。
1970年代の便乗値上げや2000年代以降の品質偽装といった問題により、消費者の目は厳しさを増しました。企業は利益を追求するだけでなく、社会における自らの役割や倫理観が問われるようになっています。
また、経済活動がグローバルに拡大する中で、海外進出先での労働環境や人権問題への配慮が不可欠となりました。
近年は、事業活動が地球資源や自然環境に悪影響を与えないよう、気候変動対策などの環境保護に取り組む企業も見られます。さらに、大規模な自然災害の被災地支援を行う企業も急速に増えています。
国際基準であるCSRの「7つの原則」とは

CSRの「7つの原則」とは、国際規格であるISO26000で定められた、企業がCSR活動を行う上で尊重すべき基本的な概念です。具体的には以下の7つを指します。
- 1. 説明責任:自社の活動が社会や環境に与える影響について説明すること
- 2. 透明性:意思決定のプロセスや活動内容を隠さず公開すること
- 3. 倫理的な行動:社会のルールに沿った正しい行動をとること
- 4. ステークホルダーの利害の尊重:顧客や従業員、地域社会の声に配慮すること
- 5. 法の支配の尊重:適用されるすべての法令を遵守すること
- 6. 国際行動規範の尊重:国際的に認められたルールや規範を尊重すること
- 7. 人権の尊重:あらゆる人の基本的人権を侵害しないよう努めること
7つの原則はCSRの根幹となる考え方であり、企業はこれらを意識して取り組みを進める必要があります。
CSRと関連する用語との違い

CSRと混同されやすい言葉に、「サステナビリティ」「SDGs」「ESG」「CSV」があります。それぞれの用語は関連していますが、「誰の視点か」「何を目的にしているか」に明確な違いがあります。
(1)サステナビリティとの違い
サステナビリティ(Sustainability)とは「持続可能性」という意味です。地球環境や社会・経済が将来にわたって良好な状態を保ち続けることを指す、非常に広い概念といえます。
CSRとの違いは「視点」です。サステナビリティが「社会全体」を持続させるための大きなテーマであるのに対し、CSRは「企業」がその中で果たすべき具体的な責任や活動を指します。
つまり、サステナビリティという大きな理想を実現するための、企業側のアプローチのひとつがCSRといえます。
(2)SDGsとの違い
「SDGs」は、Sustainable Development Goalsの頭文字を取った略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。
SDGsとは、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すために国連で採択された17のゴール(目標)のことです。
SDGsとCSRの関係は、「目標」と「行動」に置き換えるとわかりやすいでしょう。
サステナブルな世界を実現するための共通の「ゴール(目標)」がSDGsであり、そのゴールに向かって企業が自らの社会的責任を果たすための「活動・プロセス」がCSRです。
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(3)ESGとの違い
ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を取った言葉です。主に投資家が企業価値を測る際に重視する非財務指標を指します。
CSRの主な目的は、消費者や地域社会など幅広いステークホルダーから「社会的信頼を獲得すること」です。
一方でESGは、投資家が「その企業の中長期的な成長性を見極め、投資判断の基準とすること」を目的としています。
つまり、CSRは企業側が自主的に行う「活動内容」そのものであり、ESGはその活動結果を投資家が客観的に評価するための「物差し(指標)」として機能するという明確な違いがあります。
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(4)CSVとの違い
CSV(共有価値の創造)とは、事業活動を通じて社会課題を解決し、同時に自社の利益や企業価値を向上させる経営手法です。
CSRは社会に対する企業の責任を果たす「取り組み」を指すのに対し、CSVは社会貢献をビジネスモデルに組み込む「経営フレームワーク」であるという違いがあります。
営利団体である企業にとって、収益の確保は重要です。もちろん、CSR活動によって社会的な評判を高めることも価値につながります。
CSVはさらに一歩踏み込み、社会課題への対応を単なるコストとみなさず、競争力や新たな市場を生み出す投資として捉える点が大きな特徴です。
企業がCSR活動で得られるメリット

企業がコストや労力をかけて行うCSR活動には、次のようなメリットがあります。
- ・企業イメージの向上
- ・従業員満足度の向上
- ・顧客・取引先との関係性の強化
ここで、企業が得られるメリットについて詳しく見ていきましょう。
(1)企業イメージの向上
CSR活動を通じて環境や社会問題に真摯に取り組む姿勢は、消費者からの信頼獲得に直結します。
「社会に良いことをしている企業」という認知が広がれば、商品やサービスの購買意欲を高める強力なブランディングとなるのです。
また、企業の社会的評価が高まることで、ESG投資を重視する投資家や金融機関からの印象も良くなり、資金調達がスムーズになる点も大きなメリットです。
実際に近年では、環境や社会への貢献度などの企業の非財務情報を投資判断の基準とする動きが主流となっており、CSR活動は強力な経営戦略としても機能します。
(2)従業員満足度の向上
CSR活動は、社内で働く従業員のモチベーション向上にも大きく寄与します。
「自分の仕事や会社が社会課題の解決に貢献している」という実感は、従業員の自社に対する誇りや愛着(エンゲージメント)を高めるためです。
エンゲージメントの向上は、離職率の低下や日々の生産性アップにつながります。
さらに近年は、就職・転職市場において「社会貢献度の高い企業で働きたい」と考えるZ世代・ミレニアル世代の求職者が増えています。
CSRに積極的な企業姿勢は優秀な人材を獲得する武器にもなっているのです。
(3)顧客・取引先との関係性の強化
企業がCSR活動から得られる大きなメリットのひとつに、BtoB(企業間取引)における関係性の強化が挙げられます。
近年、多くの大企業がサプライチェーン全体で環境や人権に配慮する「CSR調達」を推進しています。
そこでCSRに積極的に取り組み、取引先の厳格な調達基準をクリアすれば、パートナーとして選ばれ続ける可能性が高まるでしょう。
自社の仕入先や外注先とも、CSRという共通の目標に向けて協働すれば、単なる価格競争やドライな受発注の関係を脱却できます。他社に代替されない強固で安定したサプライチェーンの形成につながるのです。
企業のCSR活動におけるリスクやデメリット

CSR活動は企業に多くの恩恵をもたらす一方で、計画的に進めなければ経営の負担になるリスクも潜んでいます。
ここでは、CSR活動を推進する上で直面しやすい3つのデメリットを見ていきましょう。
(1)人材不足のリスク
CSR活動を継続的に実施するには、プロジェクトを推進・管理する人材が不可欠です。
しかし、労働人口の減少が多くの企業にとって課題となる中、専任の担当者を配置したり、既存の社員に新たな業務を割り振ったりすることは容易ではありません。
特にリソースの限られる中小企業などにおいては、CSR活動に取り組みたい熱意があっても人手が割けないこともあるでしょう。
CSR活動を始めたとしても、結果的にプロジェクトが頓挫してしまうリスクもあります。
(2)業務効率に悪影響となる可能性
社員が本来注力すべき本業と並行してCSRに関わる場合、一時的に通常業務の効率が悪化する可能性があります。
例えば、環境基準を満たすための新しいチェック工程が加わったり、社員が就業時間内に地域貢献活動へ参加したりすることがあるでしょう。すると、多かれ少なかれ、現場の業務負担は増加します。
CSR活動に時間や労力を割くことで、本来の事業活動に支障をきたしては本末転倒です。現場の疲弊を招かないよう、社内ルールの見直しや業務の仕組み化といった工夫も検討しましょう。
(3)コストが増加する可能性
CSR活動を推進する際は、人件費や運営資金・環境対応設備の導入などの様々なコストが必然的に増加する点もリスクのひとつです。
社会貢献や環境配慮の取り組みは、短期的な売上アップに直結しにくい性質を持っています。
活動を始めてすぐの段階では、目に見える財務上のリターン(利益)を得ることが難しく、一時的に支出だけが目立つ傾向となるのも自然です。
CSR活動は中長期的な投資であると割り切り、自社の経営状況に応じた無理のない範囲でスタートする視点が求められます。
国内企業のCSR取り組み事例6選

実際にCSR活動を経営の柱として実施している国内企業の事例を6つ紹介します。
各社が自社の強み・本業をどのように活かして、社会課題と向き合っているか、注目してみましょう。
(1)株式会社ブリヂストン
大手タイヤメーカーのブリヂストンの企業コミットメントは「Bridgestone E8 Commitment」です。
これを軸に、「環境」や「安心・安全なMobility社会」など5つの分野を基軸とした社会貢献活動を展開しています。
日本国内では、国内8カ所の事業拠点に森林整備活動区域を設ける「エコピアの森」プロジェクトや、琵琶湖の水環境および生態系の研究を支援する「びわ湖生命(いのち)の水プロジェクト」を実施しています。
未就学児から高齢者までを対象とした自転車安全啓発活動など、自社の事業基盤を活かし、地域社会のニーズに寄り添った活動を行っているのが特徴です。
参考:株式会社ブリヂストン「日本国内での社会貢献活動」
(2)富士フイルムホールディングス株式会社
大手精密化学メーカーの富士フイルムは、2030年度をゴールとする計画「Sustainable Value Plan 2030(SVP2030)」を打ち立てています。
代表する取り組みが、南阿蘇などで行っている「地下水保全活動」です。
「写真フィルムの製造には清らかな水が不可欠である」という事業のルーツに基づき、地域の水資源を守るための水源かん養林の整備に長年取り組んでいます。
また、中国(内モンゴル自治区)での砂漠緑化や、ベトナムでの植林ボランティアを継続的に実施するなどの社会貢献も実施。事業基盤となる自然環境の保護をグローバル規模で展開しています。
参考:富士フイルムホールディングス株式会社「CSR活動報告」
(3)武田薬品工業株式会社
国内の大手製薬企業である武田薬品工業は、途上国や新興国における医療アクセスの改善を目指し、「グローバルCSRプログラム」を展開しています。
グローバルヘルスの複雑な課題は応急処置で解決できるものではありません。持続可能な効果を生むには、長期的な取り組みが不可欠です。
同社はこの考えに基づき、2016年から実績のあるトップレベルの国際機関やNGOと協働して、疾病予防や地域ヘルスワーカーの育成・医療サプライチェーンの強化などを支援しています。
毎年新たに支援するプロジェクトを、世界約5万人の全従業員による投票で決定している点も、従業員参加型のCSR活動として大きな特徴です。
参考:武田薬品「グローバルCSRプログラム」
(4)ダイキン工業株式会社
空調メーカー大手のダイキン工業は、戦略経営計画「FUSION25」のもと、サステナブル社会への貢献を経営の柱に据えています。根幹は「人を基軸におく経営」であり、人材の力による社会課題の解決を目指しています。
事業が環境負荷と密接に関わることから、2050年温室効果ガス排出実質ゼロを掲げ、2024年度実績で排出量27%削減(2019年比)を達成しました。
また、次世代冷媒の普及や使用済み冷媒を回収・再生する「冷媒エコサイクル」の構築など、本業の技術革新を通じて社会全体の脱炭素化に貢献しています。
参考:ダイキン工業株式会社「サステナビリティ」
(5)コマツ(株式会社小松製作所)
コマツは、建設機械や鉱山機械のノウハウを直接活かしたサステナビリティ活動を実施し、自社とステークホルダー双方の社会課題解決に取り組んでいます。
同社の活動で重視している点は「人」「社会」「地球」という3つの分野です。具体的な活動内容には次のようなものがあり、自社の技術と地域社会のニーズをマッチさせています。
- 微細な異物を除去できる濾過フィルターを設置して水をリサイクル(インドネシア)
- 鉱山機械のメンテナンス技術の職業訓練プログラム(ブラジル)
- 自社の建機技術を応用した「対人地雷除去プロジェクト」(カンボジアなど)
参考:コマツ 企業サイト「サステナビリティ」
(6)本田技研工業株式会社
大手輸送機器メーカーのHondaは、「2030年ビジョン」として「すべての人に、『生活の可能性が拡がる喜び』を提供する」という目標を掲げました。この実現に向け、社会貢献活動を展開しています。
社会貢献活動においては「地球環境を守る」「交通安全の教育・普及」「未来を創る子どもの育成支援」「地域に根ざした活動」の4つの柱に注力。
車やバイクに関わる企業として車いす陸上競技の支援を推進する他、素足で歩ける砂浜を次世代に残す「Hondaビーチクリーン活動」や、里地里山保全活動など、理念を体現する活動をグローバルで実践しています。
参考:Honda 企業情報サイト「社会貢献活動 | 社会への取り組み」
CSR活動の具体的な進め方

ここからは、CSR活動の進め方を4ステップで解説します。CSR活動を行う具体的なイメージを掴んでいきましょう。
(1)テーマを決める
まずは、社内でCSR活動として取り組むテーマを考えましょう。テーマは企業として提供できるものや本業との関連性の高さ・社会課題などから選定します。
CSR活動には専門的な知識が必要なものもあるため、体制を整えながら段階的に進めていきましょう。
企業のビジネスモデルとの整合性を取り、トップマネジメントの意識を高めることも大切です。トップマネジメントとは企業の経営層が経営方針や戦略を決め、企業全体で実施していくことです。
経営層のCSR活動に対する意識が低いと従業員にも悪い影響が及んでしまうため、必要な考え方といえるでしょう。
(2)ニーズを調査・支援先を選定
CSR活動のテーマを決めて取り組む方向性が固まったら、ニーズを調査し支援先を選定しましょう。まずは自社と関連の高い分野や、社会的な関心が高いテーマについて調査します。
全国各地に市民活動センター・NPOセンターなどがあるので、どのような支援が求められているのかヒアリングしてみるのもよい方法です。
支援先を決める際は、団体の公式サイトを確認した後、実際に訪問したりボランティアとして参加してみたりして見極めていきましょう。
(3)活動内容を企画・実行
支援先が決まったら、支援先の人達と何ができるか具体的に相談していきましょう。
支援先に喜んでもらえること・自社の強みが活かせること・社員の成長につながることを模索し、何ができるのかを計画していくことが大切です。
企画ができたら、社内の様々な部署に協力を仰ぎ、CSR活動の目標や意義について、共有や説明を行い、実行していきましょう。
活動内容によっては、万が一の事故に備えボランティア保険などに加入するのもおすすめです。
(4)振り返りと発信
CSR活動は、実行すれば終わりではありません。支援先の団体や社内関係者で、実現したことや改善点を振り返りましょう。
振り返りに加えて交流会を行うと、今後のモチベーション維持にもつながり、メリハリを付けた活動につながります。
社内全体でCSRを共有・推進していくには、活動の進捗や評価を定期的に管理するシステムの導入も選択肢のひとつです。
また、活動内容を自社の公式サイトに公開し、社会に発信することも重要です。自社だけでなく支援先の団体のPRにもつながるでしょう。
CSR活動は公のみならず、社内向けにも発信を行うことも大切です。参加していない従業員のエンゲージメントを醸成できます。
CSR活動を進めるときの注意点

ここからはCSR活動を進める注意点を紹介します。4つのポイントを参考に、CSR活動の質を上げていきましょう。
(1)取り組む範囲や内容を吟味する
CSR活動は、自社が持つ経営資源(ヒト・モノ・カネ)に合わせて、無理のない範囲で取り組むことが鉄則です。
活動規模を見誤らないためには、最初に「自社の強みを活かせる領域はどこか」「どの程度の予算と人員を割けるか」を具体的に設定し、社内の推進体制を整えましょう。
大規模な独自プロジェクトの立ち上げが難しい場合は、事前の社内調整負担が少ないスモールステップから着手し、徐々に活動の幅を広げていくとよいでしょう。
小さく始めるには、例えば、地域の清掃活動やNPOが主催する既存のボランティアプログラムへ参加するなどの方法があります。
(2)活動のコストやリターンを分析する
CSR活動を企画・実行する際は、事前にかかるコストと将来的に得られるリターンを冷静に分析することも大切です。
CSRは単なる無償の慈善事業ではありません。企業が中長期的な社会的信頼や利益を獲得するために行う、戦略的な取り組み(投資)です。
そのため、支出する費用や労力に対して、自社にどのような恩恵がもたらされるのかを明確にしましょう。
自社の事業と親和性が高く、経営状況に無理のない範囲で、社会と自社の双方にプラスの効果をもたらし得る活動を選択することが大切です。
(3)コンプライアンス体制を強化する
CSR活動を推進する大前提として、社内のコンプライアンス(法令や社会規範の遵守)体制が強固であることが不可欠です。
どんなに素晴らしい環境保護やボランティア活動を行っていても、労働基準法違反やデータ偽装などのコンプライアンス違反が発覚すれば、企業に対する社会的信頼は一瞬で失墜してしまいます。
コンプライアンスという「守り」を徹底した上で、社会課題の解決という「攻め」の活動を行う。
この両輪が揃うことで、初めてステークホルダーからの真の信頼を獲得できるということを忘れないようにしましょう。
(4)CSR担当者の負担を考慮する
活動を進める際、CSR担当者の業務負担が過大にならない体制づくりが不可欠です。既存業務と兼任させると、本業の効率低下や従業員の疲弊を招くリスクがあります。
理想はCSR専門部署の設置ですが、社内リソースの確保が難しい場合は外部の力を活用しましょう。
すべてを自社で抱え込まず、NPOとの協働やレポート制作の外部委託などを取り入れることが、無理なく活動を継続させる鍵となります。
まとめ

本記事では、CSRの基本概念から関連用語との違い、企業が得られるメリット・デメリット、そして具体的な進め方までを解説しました。
CSRによる社会への貢献は、単なる無償の慈善活動ではなく、企業の中長期的な価値向上とリスクマネジメントを支える重要な「経営戦略」として機能します。
まずは自社の事業特性や経営資源をしっかりと把握し、コストとリターンのバランスを分析した上で、無理のない範囲から企画をスタートさせることが成功の秘訣です。
今回紹介した他社事例や進め方のステップを参考に、ぜひ自社の強みを活かしたCSR方針を策定し、社内の活動に取り組んでみてください。
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