【ITコンサルタントとは】激務?学歴や資格は必要?未経験からなるには?仕事内容や年収、SIerとの違いを解説!

最新更新日:2024/10/16
最新作成日:2022/07/14

 

コンサルティング業界は、ここ十数年の間、継続して多くの求人案件を抱える人気市場です。すでにコンサルタントとして活躍している人材が新たに挑戦の場を求めて転職するケースや、コンサルティング未経験からコンサルティングファームへ転職を目指すケースがあります。今回は、特に需要が高く、さまざまな業界経験者に転職のチャンスがあるITコンサルタントについて解説します。

 

 

目次

 

■ITコンサルタントとは

 

■ITコンサルタントの仕事内容

 

■ITコンサルタントの種類
(1)SAPコンサルタント
(2)ERPコンサルタント
(3)SCMコンサルタント
(4)CRMコンサルタント
(5)PMOコンサルタント

 

■ITコンサルタントになるには
(1)情報解析能力
(2)コミュニケーション能力
(3)プロジェクトマネジメント能力
(4)最新技術動向の把握と応用力

 

■業務コンサルタントとITコンサルタントの違い

 

■システムエンジニア(SE)とITコンサルタントとの違い

 

■ITコンサルタントへの転職に利用するサイトを選ぶ方法
(1)専属エージェントの有無
(2)求人案件の量
(3)サポート体制
(4)コンサルティング業界の転職ノウハウ

 

■ITコンサルタントになるのに役立つ資格
(1)ITストラテジスト
(2)ITコーディネータ
(3)中小企業診断士

 

■ITコンサルタントの将来性は?
(1)ITコンサルティングサービス事業の急増
(2)下流工程の自動化・海外シフト
(3)AIと人間の協業によるコンサルティングの進化
(4)セキュリティとコンプライアンスの重要性の増大
(5)クロスボーダーなデジタルトランスフォーメーション支援

 

■ITコンサルタントに関するQ&A
(1)ITコンサルタントの年収はいくらぐらい?
(2)ITコンサルタントのキャリアパスは?
(3)ITコンサルタントは激務?
(4)ITコンサルタントとSIerとの違いは?

 

■ITコンサルタントになるなら資格取得やコンサルタント専門の求人サイト利用を視野に

 

 

ITコンサルタントとは

ITコンサルタントのイメージ図

 

ITコンサルタントは、クライアント企業の経営戦略をヒアリングし、それに沿ったIT投資計画の策定および導入支援を請け負うコンサルタントです。費用対効果やスケジュールを含め、必要なシステムの分析もITコンサルタントの役割です。

 

独立行政法人・情報処理推進機構「IPA」がまとめた「DX人材白書2021」によると、事業会社にDX戦略を用いる企業が事業戦略上の変革を担う人材の「量」と「質」への不足感を聞いたアンケート内で「不足している」「やや不足している」と答えた企業が80%近くという結果が出ています。この結果からもDX戦略の要となるITコンサルタントのニーズが現在とても高いことが伺えます。

出典:情報処理推進機構 DX白書2021_第3部_デジタル時代の人材

 

 

ITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルミーティング

 

同じ業界でも経営者によって企業の方針やビジョンは大きく異なります。ITコンサルタントの仕事内容は、クライアント企業の業界や分野・方針によってさまざまです。ITコンサルタントとして実績を積みたいなら、クライアント企業の方針や経営戦略に沿った臨機応変な対応が求められます。

 

たとえば、M&Aの際などに買収先企業のIT資産の価値や、維持・利用にかかるコストについての調査の他、ERPやCRMなどのパッケージの導入を任されることもあるでしょう。他にも、プロジェクト全体の管理支援、AIの導入やDX化をはかる領域の選定、開発したツールの運用などがITコンサルタントの具体的な業務です。

 

 

ITコンサルタントの種類

 

ITツールを駆使して、企業の課題を解決できるコンサルタントをITコンサルタントと呼びますが、課題解決の方法、導入支援するITツールなどによって呼び方や業務領域が異なります。ITコンサルタントの種類を紹介しましょう。

 

(1)SAPコンサルタント

世界でマイクロソフト・オラクルに次ぐシェアを誇る、ドイツのソフトウェア会社がSAP社です。ITシステムを活用して企業の経営課題を解決する専門家のことをITコンサルタントと呼びますが、その中でもSAPのERPパッケージを専門とするITコンサルタントを総称して「SAPコンサルタント」と呼びます。

 

つまり、SAPコンサルタントとは、SAPに関して専門的な知識を有するITコンサルタントのことを指します。効率的な経営のためにSAPを導入する大手企業も多く、SAPコンサルタントの需要も増しています。

(2)ERPコンサルタント

ERPコンサルタントは、ERPパッケージ導入を支援するコンサルタントのことです。SAPコンサルタントと混同されがちですが、「SAPコンサルタント」とは、SAP社のERPパッケージ導入支援に特化したコンサルタントに限ります。

 

「ERPコンサルタント」とは、各ベンダーが開発したERPパッケージに精通したコンサルタントのことを指します。SAP以外だと、OracleのERPパッケージについての知識があるとよいでしょう。

 

さらに、クライアント企業の経営課題解決のために最適なERPを選択、最適化させながら運用できる知識が求められます。そのため、クライアント企業に必要な業務を把握し、動線を可視化、分析する能力が必要です。経営はもちろん、コスト管理や税務・法務といった知識があると仕事がしやすくなります。

(3)SCMコンサルタント

まず、SCMとは「Supply Chain Management」の略です。サプライチェーンとは、原材料調達から製造・出荷・消費者の手元に届くまでのプロセス、つまり「購買と物流」一連のフローをSCMと呼びます。

 

SCMコンサルタントは、SCMの分野から企業を経営課題解決やコストの削減に導くことがミッションです。SCM管理システムの効果を予想・調査・分析し、システムの選定・提案・導入から運用までのコンサルティングを担当するため、ITコンサルタントの一種と考えられています。SCM管理に必要な人材の調達、プロジェクトチームのサポートや管理、コスト管理などもSCMコンサルタントの仕事です。

 

SCM管理は「第2の収入源」ともいわれています。SCM管理により利益率が向上すれば、大きな収益につながるからです。そのため、ITコンサルタントの中でもSCMコンサルタントの需要は非常に高いです。

(4)CRMコンサルタント

CRMコンサルタントとはCRM、つまり顧客管理システムやツールに特化したコンサルタントのことです。CRMコンサルタントが生まれた背景には、移り変わりが早い現在のビジネスシーンで、個人・企業に関わらず顧客の心をしっかりつかんでおくことが重要視されていることがあげられます。

 

ECやSNSなど顧客と企業をつなぐチャネル・ツールが増える現在、顧客との関係性づくりやコミュニケーションを一元管理できるCRMを導入する企業が多いのです。CRMから得た情報が、従業員やチームの垣根を越えて企業に共有・蓄積され、マーケティングやナーチャリング、サービス向上や営業に役立っています。

 

しかし、一方で導入したCRMが企業のサービスにあっていなかったり、従業員に効果を最大化する知見がなかったりして、有効活用できていない企業も少なくありません。そうした企業で既存のCRMシステムの能力を最大化したり、CRM導入を考えている企業でツールの選定・分析・提案・導入・運用・保守までを担うCRMコンサルタントが求められているのです。CRMコンサルタントには、ITトレンドへの知見やマーケティング・営業経験、CRMを使った経営課題の解決が必要とされるためビジネスセンスも求められます。

(5)PMOコンサルタント

PMOコンサルタントは、Project Management Office(プロジェクト管理部門)の専門家です。大規模なITプロジェクトや組織全体のプロジェクトポートフォリオを効果的に管理・運営するスペシャリストとして活躍します。
 
PMOコンサルタントの主な役割は、プロジェクトの立ち上げから完了まで、全体を俯瞰しながら進捗管理、リスク管理、品質管理などを行うことです。複数のプロジェクトを横断的に管理し、組織全体の戦略と整合性を保ちつつ、各プロジェクトの成功を導きます。
 
具体的な業務には、プロジェクト計画の策定支援、進捗状況の可視化、stakeholder間のコミュニケーション促進、問題解決のファシリテーション等が含まれます。また、プロジェクト管理のベストプラクティスや標準プロセスの確立、プロジェクトマネージャーの育成支援も重要な責務です。
 
PMOコンサルタントには、プロジェクト管理の専門知識やITスキルに加え、ビジネス戦略の理解力、リーダーシップ、コミュニケーション能力が求められます。組織の様々なレベルの人々と効果的に協働し、複雑な状況下でも冷静に判断を下せる能力が不可欠です。
 
昨今、企業のデジタル化やITプロジェクトの大規模化・複雑化に伴い、PMOコンサルタントの需要は増加傾向にあります。組織全体のプロジェクト成功率向上や経営効率化を目指す企業にとって、PMOコンサルタントは重要な戦力となっています。

 

 

ITコンサルタントになるには

話し込むエージェントト登録者

 

コンサルティング業界の年収は他の業界と比べると高いため、コンサルタントを志す人は多いです。コンサルティング業界の中でも、特に現在注目を集めているITコンサルタントには、幅広いITやコンサルティング業界の知識・経験が求められます。では「ITコンサルタントになりたい」「転職をしたい」と考えている場合、どのような知識やスキルが求められるのかについてご紹介します。

 

(1)情報解析能力

ITコンサルタントの主な業務は、問題の提示や課題解決です。問題を見つけて分析・解析を行い、解決策を導き出すには、クライアント企業が保有する膨大な量のデータの把握が必要です。ITコンサルタントには、その膨大なデータの中から素早く問題点や課題を見つけ、解決策と筋道を論理的思考で導き出す能力が求められます。

(2)コミュニケーション能力

ITコンサルタントには、データ処理能力だけでなくコミュニケーション能力も必要です。ITコンサルタントはデータや資料だけでなく、クライアント企業と対峙する必要があります。クライアント企業の経営層の要望や課題、真意をヒアリングする能力や提案や考えを論理的に説明して説得する能力が求められます。

(3)プロジェクトマネジメント能力

ITコンサルタントは、クライアント企業の課題解決のためのプロジェクトを主導する立場にあります。大規模かつ複雑なITプロジェクトを効果的に管理し、成功に導くスキルが不可欠です。具体的には、プロジェクトの目標設定、スケジュール管理、リスク分析、リソース配分、ステークホルダー管理などが含まれます。また、予期せぬ問題が発生した際の迅速な対応力や、チームメンバーのモチベーション維持も重要な役割です。
 
プロジェクトマネジメントの専門知識や経験は、ITコンサルタントとしての価値を大きく高める要素となります。

(4)最新技術動向の把握と応用力

IT業界は急速に進化し続けているため、ITコンサルタントには常に最新の技術トレンドを把握し、それらをクライアントの課題解決に応用する能力が求められます。人工知能、ブロックチェーン、クラウドコンピューティング、IoTなど、革新的な技術の基本原理を理解し、それらがビジネスにもたらす影響を見極める洞察力が必要です。
 
さらに、新技術の導入に伴うリスクや課題を予測し、適切な対策を講じる能力も重要です。技術の進化に遅れを取らないよう、継続的な学習と自己研鑽が求められる分野です。
 

 

業務コンサルタントとITコンサルタントの違い

 

コンサルタントとMTG

 

ITコンサルティングは、業務コンサルタントの仕事に内包されているというのが従来の考え方でしたが、近年のITツールの発展や急増に伴い、ITコンサルタントが専門職として区別されるようになりました。

 

業務コンサルタントの仕事は、経営戦略に基づいて細分化された業務と業務フローを理解し支援することです。一方、ITコンサルタントは業務コンサルティングの一端をITの専門家の立場から担います

 

転職情報サイトでのインタビューでも業務コンサルとITコンサルは別の職業だという声が上がっています。ITコンサルティングを業務コンサルティングの業務フローに組み込むのではなく、IT専門に特化したコンサルタントがいなければ、業務改善が難しい時代になったともいえるでしょう。

 

 

システムエンジニア(SE)とITコンサルタントとの違い

SE作業風景

 

システムエンジニア(SE)とITコンサルタントには、どのような違いがあるのでしょうか?まず、システムエンジニア(SE)の仕事内容は、システムの開発・構築・改修です。対して、ITコンサルタントは、企業の経営方針に基づいた課題の解決をミッションとされています。

 

システムエンジニア(SE)は、システムの構築にITコンサルタントと共に立ち会いますが、経営や戦略の企画・計画に携わることはありません。一方で、ITコンサルタントは、経営戦略においてITに関わる分野の構想・策定を行います。ITコンサルタントは、経営課題やプロジェクトにおける問題解決を目的に参画し、必要な人材とシステムを提案し、システムエンジニアに指示、システムエンジニア(SE)は決められた予算・期日で依頼を完成させることが任務というわけです。

 

そもそも、システムエンジニア(SE)とITコンサルタントでは、求められる資格やスキルが異なります。システムエンジニア(SE)はシステムやITトレンドについての深い知識が必要です。ITコンサルタントは、ITに関する知識も求められますが、クライアントの業界や経営戦略を理解・提案するためには、さらに幅広い知識も必要とされます。経営層や現場とのディスカッションをスムーズに行えるよう、対人能力や論理的に説明・説得する力も必須です。

 

システムエンジニア(SE)からITコンサルタントになるには「どのようなプロジェクトマネジメントスキルや業務知識があるのか」「円滑なやり取り・プレゼンを行える能力があるか」などが職務経歴書や面接で問われます。求められるレベルは、企業や案件によって異なりますが、求職者の年齢が上がれば、より高い水準の知識とスキルが必要です。

 

一方で、若い世代には、経験と能力が足りないと取られる可能性があります。経験豊富なマッチングエージェントやサポートサービスのある転職サイトを利用し、アピールポイントや自分のスキルセットはよく整理しておくのが得策です。

 

 

ITコンサルタントへの転職に利用するサイトを選ぶ方法

悩むコンサルタント

 

一般的な求人転職サイトでもITコンサルタントの採用情報がありますが、数はそれほど多くありません。また、さまざまな情報に埋もれてしまい、見落とす可能性もあります。コンサルティング業界専門のマッチングエージェントや転職サイトなら、ITコンサルタントの採用情報・求人情報が数多く掲載されているので、効率的な転職活動ができます。


良質なマッチングエージェントや転職サイトの見つけ方を紹介します。

(1)専属エージェントの有無

ITコンサルタント専門の求人転職サイトやマッチングエージェントは、専属の担当エージェントがつくところが多いです。担当エージェントの仕事は、まず登録者の希望に合う年収や勤務形態の求人情報を集めることです。現在、就業中で転職活動に時間がさけない人の心強い味方となるでしょう。


また、気になる案件に出会ったら、契約に漕ぎつけるまで職務経歴書のブラッシュアップやクライアント企業となる先方へのアピールポイントの洗い出しなどにも尽力してくれます。

(2)求人案件の量

さまざまな職種を扱う求人転職サイトでは、コンサルティング業界の求人がそれほど多くありません。年収や待遇などの情報が十分ではなく比較がしづらい面があります。

しかし、コンサルティング業界専門のサイトには、日本全国からコンサルタント求人情報が集まり、案件情報ごとに年収やポストの比較がしやすいです。専門分野で条件を絞れるなど、案件を見つけやすいのも特色です。


また、コンサルティング業界専門のサイトでは、求人情報にコンサルティング業界で頻用される用語で業務内容の詳細が掲載されるため、コンサルタント、もしくはこれからコンサルタントを目指す人には具体的なミッションが伝わりやすいことが多いです。

(3)サポート体制

コンサルティング業界に特化した求人転職サイトを探す場合は、サポート体制がしっかりしているところを選びましょう。サイトによっては、コンサルタントや業界の関係者やクライアント企業の経営層など、さまざまなポストの人との交流会なども開催しています。

 

また、この他にも女性のキャリアアップに関する講座や法人を設立する際のアドバイス・税理士の紹介・経理事務代行など、有料無料を問わず、多様なサポートが用意されているサイトもあります。どのようなサポートを行っているかはサイトによって異なりますので、必要なサービスを行っているサイトを探したり、担当エージェントに相談したりするのがおすすめです。

(4)コンサルティング業界の転職ノウハウ

コンサルティング業界への転職や就職を考えて求人転職サイトに登録する場合は、採用情報の多さも重要ですが、ノウハウがあるかどうかも重要です。

 

コンサルティング業界での転職ノウハウをもつ企業では、エージェントからのアドバイスの質が高く、転職活動中に適切な筋道を立ててもくれます。特に、未経験からITコンサルタントを目指す場合、大手コンサルティングファームやSlerに転職するのに有効なアピールポイントやどの分野のコンサルティングなら今までの実績やスキルを活かした有利な転職ができるか、といったノウハウを蓄積しています。

 

一般的な求人サイトにはない、コンサルティング業界に特化したノウハウを活かして転職活動をサポートしてくれるのが、コンサルタントに特化した転職マッチングエージェントや求人転職サイトの強みです。ITコンサルタントへの転職を考える人は、まず登録をしましょう。
 
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ITコンサルタントになるのに役立つ資格

 

 

「ITコンサルタント」と名乗るのに必要な資格は特にありません。しかし、資格を持っていることで役立つ場面や必要な知識を有しているとアピールできます。クライアントや企業の依頼次第では、より専門的な知識を求められるため、資格が役立つ場面も多いです。足りない経験を資格試験に向けた学びのなかで補うこともできるでしょう。

 

ITコンサルタントとして今後活躍するために資格の認定や取得を目指すなら、ITストラテジスト・ITコーディネータ・中小企業診断士がおすすめです。これらの資格について詳しく紹介します。

 

(1)ITストラテジスト

IT技術による企業の改革や最適化、高度化を目指すのがITストラテジストです。ITストラテジストを名乗るには、高度情報処理技術者試験の一つ「ITストラテジスト試験」の認定試験にパスする必要があります。

 

ITストラテジストの資格は難易度が高く、公認会計士や弁護士と並んで紹介されることもあるほどです。合格率は、例年14パーセント程度で、7人から8人に1人程度しか合格できません。本腰を入れて学ばなければ、合格は難しいでしょう。ITストラテジスト試験に合格すれば知識や能力が保証されます。

 

一方で、受験条件は特に設けられていないので、当人のやる気と努力次第で誰でも受験し合格できる資格でもあります。テキストを覚えるだけでも時間がかかり、独学では要点を押さえるのも難しいです。決まった時間に勉強ができる場合は、ITストラテジストの試験対策をしているスクールや通信講座に通うと良いでしょう。

(2)ITコーディネータ

ITコーディネータは2001年に経済産業省(当時は通商産業省)によって設けられ、取得を推奨されている資格制度です。企業のIT化をサポートする、IT専門家としての能力を証明できます。

 

資格保有者は7,000名を超えています。ITコーディネータの資格保有者は、その他にも中小企業診断士やITコンサルタント系の資格・公認会計士・税理士などの難関資格も有している人材が多いそうです。

 

ITコーディネータの合格率は毎年多少変動しますが、近年では50%から70%程度です。令和3年に実施された第44回試験では受験者数に対して合格率は65.7%でした。テキストや参考書による独学で合格する人もいますが、効率的に勉強をしたい人向けの試験対策用のスクールや通信講座もあります。

(3)中小企業診断士

中小企業診断士は、資格名だけを見るとITとはあまり関係がなさそうな印象を受けますが、ITコンサルタントを目指すなら、持っていた方が良い資格の一つです。 中小企業診断士は、経営コンサルタント向けの国家資格なので信頼性が高く、ITコンサルタントとして働く場合にも非常に役に立つ、キャリアアップにつながる高度な資格です。

 

ただし、その分難易度も高いです。中小企業診断士の試験は、1次と2次に分かれていますが、まず1次試験の合格率は20%程度です。残った20%の合格者も2次試験では更に数を減らし、1次試験合格者のうち、20%程度が合格の栄光を手にします。

 

中小企業診断士の資格認定を目指すのならば、日頃からしっかりと勉強する必要があります。クライアント企業やプロジェクトに応じた知識が求められるITコンサルタントには、努力を厭わない心と向上心が必須です。

 

 

ITコンサルタントの将来性は?

将来性が高い イメージ図

 

では、ITコンサルタントの将来性について、現状や近い将来のビジネスシーンの動向を交えながら紹介します。

 

(1)ITコンサルティングサービス事業の急増

経済産業省により、2018年に発表された「DXレポート」には「DXが進まなければ2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と明記されました。2020年に改訂された「DXレポート2」でも「政策の方向性として「レガシー企業文化からの脱却」、「ユーザー企業とベンダー企業の共創の推進」の必要性」を説いています。

 

さらに2020年以降のコロナ禍を受け、企業のDX化推進の動きが一気に加速しました。これに併せてコンサルティング業界へのデジタル関連プロジェクトの依頼が急増し、ITコンサルティングサービスを手掛ける企業も急増しています。

 

しかし、2021年に発表された「DXレポート2.1」では、企業共通の人材育成のジレンマとして「技術が陳腐化するスピードが速く、時間をかけて学んだとしても、習得したときには古い技術となっている」「即座に新技術を獲得できる人材は引き抜かれてしまう」という課題が挙げられています。

 

裏を返せば「技術の習得が早くITトレンドの動きに合わせて自己研鑽できる人材」「プロジェクトの進行に穴を開けないようフレキシブルに業務がこなせる人材」が求められている現状が見えてきます。今後も新しい技術やシステムが開発されるので、同じ状況が続くでしょう。企業側も優秀な人材が引き抜かれないよう雇用条件の見直しなどの対応策が必要とされています。

出典:経済産業省 DXレポート 2018年
出典:経済産業省 DXレポート2 2020年
出典:経済産業省 DXレポート2.1 2021年

(2)下流工程の自動化・海外シフト

国内のIT系人材不足が深刻化する中、下流工程(開発そのもの)については、海外ベンダーへ移行したり、開発ツールによる自動化を目指したりする動きが進んでいます。つまり、日本国内では、将来的に下流工程に携わるIT人材よりも、コンサルティング業など上流工程に関わる人材のニーズが高まると予想できます。

 

これから、ITコンサルタントへの転身を試みること、すでにITコンサルタントとして活躍中の人材が新天地を求めることなどの転職活動がIT業界で活発化するでしょう。まずは、相談できるマッチングエージェントに登録をし、有利な転職のために、自分に足りない経験やスキル、資格を指摘してくれるバディ(担当エージェント)を見つけるところから始めましょう。

(3)AIと人間の協業によるコンサルティングの進化

AIテクノロジーの急速な発展により、ITコンサルタントの業務内容や求められるスキルセットが変化しつつあります。将来的には、AIがデータ分析や基本的な問題解決策の提案を担い、人間のITコンサルタントはより高度な戦略立案や創造的な課題解決に注力するようになるでしょう。
 
この変化に伴い、ITコンサルタントには、AIツールを効果的に活用する能力や、AIでは対応が難しい複雑な人間関係やビジネス環境の理解力がより一層求められるようになります。また、AIと人間の強みを組み合わせた新しいコンサルティング手法の開発も期待されます。

(4)セキュリティとコンプライアンスの重要性の増大

デジタル化の進展に伴い、サイバーセキュリティの脅威が増大しています。同時に、個人情報保護やデータ管理に関する法規制も厳格化しています。このような背景から、ITコンサルタントにはセキュリティとコンプライアンスに関する深い知識と実践的なスキルが求められるようになっています。
 
今後、企業はより高度なセキュリティ対策やコンプライアンス体制の構築を必要とし、これらの分野に精通したITコンサルタントの需要が高まると予想されます。特に、セキュリティとビジネス戦略を両立させる能力を持つコンサルタントは、高い価値を提供できるでしょう。

(5)クロスボーダーなデジタルトランスフォーメーション支援

グローバル化が進む中、多国籍企業や海外展開を目指す企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援の需要が増加しています。ITコンサルタントには、異なる国や地域の法規制、技術インフラを理解した上で、最適なITソリューションを提案・実装する能力が求められるようになっています。
 
クロスボーダーなDX支援には、技術的な知識だけでなく、多様な文化や言語に対する理解、グローバルプロジェクトマネジメントのスキルも必要となります。このような複合的なスキルセットを持つITコンサルタントは、国際的なプロジェクトで重要な役割を果たし、高い需要が見込まれるでしょう。

 

 

ITコンサルタントに関するQ&A


Q&A

 

ITコンサルタントに関するQ&Aをご紹介します。

 

(1)ITコンサルタントの年収はいくらぐらい?

実績や専門分野、領域にもよりますが、ITコンサルタントの年収は、企業に勤める会社員の場合、平均的な年収は500万~600万円ほどとされています。年収1000万円以上を稼ぐ会社員ITコンサルタントもいますが、多くはITコンサルタント専門のコンサルティングファームやSlerでマネジメント側のポジションの人材の可能性が高いです。

 

独立したフリーランスのITコンサルタントだと、クライアント企業の規模や領域、稼働率にもよりますが、年間600万~2400万円ほどの報酬が期待できます。独立直後や未経験からITコンサルタントとして独立した場合は、600万~1000万円程度の年収と考えておくとよいでしょう。

 

(1)ITコンサルタントのキャリアパスは?

企業でITコンサルタントとして十分な経験をつんだ後は、フリーランスとしても独立直後から活躍できる可能性が高まります。全国各地のさまざまな企業がITコンサルタントを喉から手が出るほど欲している状況が今後も続くとみられているからです。

 

フリーランスとして活躍後は、企業やITコンサルタントに特化したコンサルティングファームの戦略パートナー・顧問として活躍するキャリアパスもあり得ます。

(3)ITコンサルタントは激務?

ITに限らず、コンサルタントは激務になりがちです。しかし、フリーランスでクライアント企業と契約する場合、本人の希望や担当エージェントの腕次第で、日によって勤務時間の配分を調節できたり、勤務形態をリモートにできたりするでしょう。ITコンサルタントとして転職活動を進める際は、契約時やエージェントとの面談時に参画条件に付いてしっかりすりあわせを行うのがおすすめです。

 

ただし、未経験からITコンサルタントを目指す人やフリーランスのITコンサルタントとして独立直後は実績作りのため、多少は激務でも任務を遂行する意識が必要とされるでしょう。

(4)ITコンサルタントとSIerとの違いは?

ITコンサルタントとSIerも混同されがちです。二つの違いを分かりやすく説明すると、ITコンサルタントは業種で、SIerはITコンサルタントやシステムエンジニア(SE)・プログラマ―が所属するITのプロ集団組織です。

 

ITコンサルタントがITの力を使って企業が抱える経営課題を解決に導くことがミッションだとすると、SIerのミッションはクライアント企業の課題を解決するためにシステムやツールを設計・開発・実装することです。

 

ITコンサルタントが経営戦略を踏まえて業務改善に導くための提言を行うのに対し、SIerは「課題が何か」を絞ったうえで依頼されたシステム開発を行ないます。

 

 

ITコンサルタントになるなら資格取得やコンサルタント専門の求人サイト利用を視野に

 

あらゆる企業がさらなるDX・IT化を進める現在、年々需要を高めている職種がITコンサルタントです。ITコンサルタントの業務は幅広く、クライアントに応じて深い知識とスキルが求められます。資格取得も、キャリアアップにつながるので視野に入れておくと良いでしょう。

 

また、有利に転職活動を進めるには、コンサルタントに特化したマッチングエージェントや転職サイトを利用するのが効率的です。中には、案件獲得後も相談に乗ってくれたり、独立するために伴走してくれたりするサポートサービスを行うサイトもあります。
 
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(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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