SAP資格の難易度は?認定コンサルタントになるための取得方法
最終更新日:2026/01/27
作成日:2019/04/08
SAPコンサルタントやテクノロジーコンサルタントとして活躍したいと考えたとき、まず気になるのが「SAP資格の難易度」や「本当に取得する意味があるのか」という点ではないでしょうか。
SAP資格は、世界的に利用されているERP「SAP」に関する専門性を証明できるおすすめの資格のひとつであり、キャリアアップや転職市場での評価にも直結しやすいのが特徴です。
本記事では、SAP資格の種類や難易度、認定制度の仕組みから、SAPコンサルタントになるための取得方法・勉強法までを体系的にわかりやすく解説します。
これからSAP領域に挑戦したい方や、すでにIT・コンサル業界にいる方が次のステップを考える際の指針として、ぜひ参考にしてください。
目次
■SAP資格とは?
(1)SAP社が公式に提供するグローバル認定資格
(2)SAP資格のレベル区分と種類
(3)SAP資格はモジュール別に専門分野が分かれている
■SAPコンサルタントの仕事内容と役割
(1)SAPコンサルタントの基本的な業務内容
(2)アプリケーションコンサルタントの役割
(3)インフラ(BASIS)コンサルタントの役割
■SAP資格の認定制度の仕組み
(1)スキルレベル別の認定構造
(2)ソフトウェアのバージョンアップと再認定ルール
(3)資格失効・再受験の扱いと注意点
■SAP資格の難易度はどれくらい?レベル別に解説
(1)初級レベル:IT未経験でも対応可能な資格
(2)中級レベル:実務経験者向けの資格
(3)上級レベル:高度な専門性が求められる資格
(4)他のIT資格と比べたSAP資格の難易度
■SAP資格の取得方法
(1)SAP認定試験の概要(受験料・試験形式)
(2)試験範囲・出題内容はSAP公式サイトで確認できる
■SAP資格の勉強方法と学習ロードマップ
(1)独学で合格するための勉強方法
(2)研修・スクールを活用する方法
(3)未経験者向けのおすすめ学習ステップ
■SAP資格を取得するメリット
(1)専門スキルを客観的に証明できる
(2)キャリアアップ・年収アップにつながる
(3)外資系・海外案件でも評価されやすい
■SAPコンサルタントの平均年収・相場
(1)正社員SAPコンサルタントの平均年収
(2)フリーランスSAPコンサルタントの単価相場
■SAPコンサルタントに必要なスキル
(1)IT知識以上に重要なのは業務理解と課題分析力
(2)クライアントと要件をすり合わせるコミュニケーション力
(3)導入プロジェクトを進めるマネジメント力
■未経験からSAPコンサルタントになる方法
(1)研修制度のある企業に転職するのが近道
(2)資格+ERP経験+業務知識が王道ルート
■SAPの将来性は?市場シェアと今後の動向
(1)SAP ERP市場は今後も安定成長が続く
(2)SAPコンサルタントの需要は今後も高い
SAP資格とは?

SAP資格は、ドイツのSAP社が提供する公式な認定資格制度です。
世界中の企業で導入されている業務システム「SAP」に関する知識やスキルを証明できる資格で、SAPコンサルタントやテクノロジーコンサルタントにとって、専門性を示す重要な指標のひとつとされています。
ここでは、まずSAP資格の基本的な仕組みを整理して見ていきましょう。
SAP社が公式に提供するグローバル認定資格
SAP認定資格は、製品の開発元であるドイツのSAP社が、自社製品に関する知識とスキルを公式に認定する制度です。
ベンダー自身が設計・運営しているため、実務との乖離が少なく、導入・運用現場で求められるスキルに直結しやすい点が特長です。
世界共通の基準で評価される資格のため、国内案件だけでなく、グローバルプロジェクトや外資系企業においても、自身の専門性を客観的に証明する材料になります。
SAPシステムに関わるテクノロジーコンサルタントや業務コンサルタントにとって、国境を越えて通用する実務資格と言えるでしょう。
SAP資格のレベル区分と種類
SAP資格には、習熟度や実務経験に応じて複数のレベルが用意されており、初学者向けの基礎レベルから、実務経験者向けの上位レベルまで段階的に構成されています。
また、資格は製品や業務領域ごとにも細かく分かれており、自身のスキルやキャリア段階、専門分野に合わせて取得する資格を選択できるのが特徴です。
SAP領域でのキャリアを考える際は、「どの分野を専門にするか」と「どのレベルを目指すか」の2軸で資格を選ぶイメージを持つと分かりやすいでしょう。
SAP資格はモジュール別に専門分野が分かれている
SAPシステムは、財務会計(FI)、管理会計(CO)、販売管理(SD)、在庫購買管理(MM)など、業務機能ごとに「モジュール」と呼ばれる単位で構成されています。
SAP資格もこの構造に対応しており、各分野ごとに専門資格が用意されています。
例えば、会計領域であればFIやCO、物流・販売領域であればSDやMMといった形で、自身の担当業務に直結する資格を取得します。
テクノロジーコンサルタントの場合も、S/4HANA移行やシステム連携など、担当領域に応じた資格を取得することで専門性を明確にできます。
このようにSAP資格は、どの業務領域に強い人材なのかを具体的に示せる点が大きな特徴です。
SAPコンサルタントの仕事内容と役割

SAPコンサルタントは、企業の基幹システムであるSAPを導入・活用することで、業務の効率化や経営課題の解決を支援する専門職です。
単なるシステムエンジニアではなく、業務プロセスの設計からシステム導入、運用定着までを一貫して支援する「業務×IT」のプロフェッショナルとしての役割を担います。
ここでは、まず全体像を整理したうえで、各領域の役割について解説します。
SAPコンサルタントの基本的な業務内容
SAPコンサルタントの主な業務は、クライアント企業の業務内容をヒアリングし、SAPを用いた最適な業務プロセスとシステム構成を設計することです。
具体的には、要件定義、業務設計、システム設定、テスト、導入支援、運用定着まで、SAP導入プロジェクト全体に関与します。
プロジェクト初期では、現行業務の課題を整理し、どの業務をSAPでどう改善するかを設計します。
その後、SAPの標準機能をベースに設定作業を行い、必要に応じて追加開発や他システムとの連携も検討します。
単に「システムを作る」のではなく、「業務をどう変えるか」を設計する点が、SAPコンサルタントの仕事の本質と言えます。
アプリケーションコンサルタントの役割
アプリケーションコンサルタントは、SAPの業務モジュールを担当するコンサルタントです。
FI(財務会計)、CO(管理会計)、SD(販売管理)、MM(購買・在庫管理)など、特定の業務領域に特化して支援を行います。
主な役割は、クライアントの業務要件を整理し、それをSAPの標準機能でどう実現するかを設計・設定することです。
業務フローの設計、パラメータ設定、ユーザーへの説明やトレーニングなど、業務部門と密に関わる仕事が中心になります。
業務理解力が特に重要で、「経理経験者がFIコンサルになる」「物流経験者がSD/MMコンサルになる」といったように、業務経験を活かしてキャリアを築きやすい領域です。
インフラ(BASIS)コンサルタントの役割
インフラ(BASIS)コンサルタントは、SAPシステムの基盤部分を担当する技術寄りのコンサルタントです。
サーバー構成、クラウド環境、性能設計、セキュリティ、バックアップ、システム監視など、SAPが安定して稼働するための土台を構築・運用します。
特に近年は、SAP S/4HANAの導入に伴い、オンプレミスからクラウド(AWS、Azure、GCPなど)への移行支援が重要な役割となっています。
また、データ移行やシステム統合など、全体アーキテクチャ設計にも関与するケースが増えています。
インフラコンサルタントは、業務部門と直接やり取りする場面は少ないものの、システム全体の安定性と性能を左右する非常に重要なポジションです。
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SAP資格の認定制度の仕組み

SAP資格をキャリアに活かしていくためには、試験の内容だけでなく、認定制度そのものの仕組みを理解しておく点も重要です。
SAP資格にはスキルレベルに応じた段階的な構造があり、さらにソフトウェアの進化に合わせて知識を更新し続ける仕組みが採用されています。
ここでは、認定レベルの構造や再認定のルール、資格が失効するケースなど、SAP資格の「有効性」に関わる制度面の仕組みを整理して見ていきます。
スキルレベル別の認定構造
SAP認定資格には、資格名称として「アソシエイト」「プロフェッショナル」「マスター」といった区分が存在しており、実務的にはスキルレベルに応じた段階構成として整理されるのが一般的です。
基礎レベルに位置づけられるアソシエイトは、SAPソリューションに関する基本的な知識を証明する資格で、初学者向けの位置づけとなります。
プロフェッショナルは、実務経験を前提としたより高度な資格で、業務要件を踏まえた設計や運用に対応できる専門性が求められます。
さらにマスターは、特定分野において高度な専門知識と豊富な実務経験を備えたエキスパート向けの資格として位置づけられています。
このようにSAP資格は、実務経験とスキルの成熟度に応じて段階的にレベルアップしていくイメージで整理すると理解しやすいでしょう。
ソフトウェアのバージョンアップと再認定ルール
SAP製品は継続的に機能追加や仕様変更が行われるため、一度取得した資格が永久に有効というわけではありません。
特にクラウド系ソリューションの資格では、最新バージョンへの対応状況が重視され、定期的な更新が求められます。
具体的には、SAPの学習プラットフォーム「SAP Learning Hub」などを通じて提供される、最新バージョンとの差分知識に関するアセスメントに合格することで、資格の有効性を維持する仕組みです。
この再認定制度により、資格保有者のスキルが陳腐化するのを防ぎ、資格そのものの信頼性が担保されています。
資格失効・再受験の扱いと注意点
定められた期間内に更新手続きを行わなかった場合、その資格は有効期限切れとなり、失効扱いになります。
資格を失効すると、再び認定を受けるためには、原則として該当する試験を再度受験し、合格し直す必要があります。
特にアップデート頻度の高いクラウド関連資格では、更新サイクルが短く設定されているケースもあるため注意が必要です。
SAP資格を長期的にキャリアに活かすためには、保有資格の有効期限を把握し、継続的に学習を続けることが前提になります。
SAP資格の難易度はどれくらい?レベル別に解説

SAP資格の取得を検討するうえで、最も気になるのがその難易度でしょう。
SAP資格は専門性が高いことで知られていますが、実際にはレベルごとに求められる知識や経験は大きく異なります。
ここでは、初学者向けの「アソシエイト」、実務経験者向けの「プロフェッショナル」、そして最上位の「マスター」という3つのレベルについて、それぞれの難易度の目安を整理して見ていきます。
初級レベル:IT未経験でも対応可能な資格
SAPの基礎知識を問う初級レベルの資格は、実務経験がなくても受験可能なものが多く、IT業界やSAPが未経験の人でも挑戦しやすいのが特徴です。
公式教材や問題集を活用して計画的に学習すれば、独学でも十分に合格を目指せます。
ただし、試験ではSAP特有の専門用語や業務プロセスに関する知識が問われるため、完全な初心者の場合は一定の学習時間は必要です。
会計や物流など、関連業務の基礎知識がある人ほど理解はスムーズに進みます。
中級レベル:実務経験者向けの資格
中級レベルの資格は、SAP導入や運用に関わった実務経験者を主な対象としています。
単に機能を覚えるだけでなく、業務要件を踏まえた設定や設計、運用の考え方まで理解していることが前提となります。
試験内容も、実際の業務シナリオを想定した問題が多く、机上の知識だけでは対応が難しい構成です。
そのため、SAPに触れた実務経験がない状態での合格は、現実的にはかなり難しいレベルと言えるでしょう。
上級レベル:高度な専門性が求められる資格
上級レベルの資格は、特定分野における高度な専門知識と、複数プロジェクトでの豊富な実務経験を前提とする資格です。
設計やアーキテクチャレベルの理解に加え、チームをリードする立場での実践力まで求められます。
取得難易度は非常に高く、長年SAP領域で経験を積んだ現役コンサルタント向けのレベルと考えてよいでしょう。
他のIT資格と比べたSAP資格の難易度
SAP資格は、特定のソフトウェア製品と業務領域に強く特化した資格であり、基本情報技術者試験やAWS資格などの汎用IT資格とは性質が異なります。
そのため、単純な難易度比較はあまり意味を持ちません。
SAP未経験者にとっては、専門用語や業務プロセス、モジュール構造など、独自概念が多いため、学習の初期ハードルは高く感じやすい傾向があります。
一方で、経理・人事・生産管理など特定業務に精通している人であれば、関連モジュールに絞って学習することで、比較的効率よく合格を目指すのも可能です。
つまり、SAP資格の難易度は、「ITスキル」よりも「業務知識との親和性」に大きく左右される資格だと言えます。
SAP資格の取得方法

SAP資格を取得すると決めたら、まずは受験の流れや試験形式など、基本的な手続きを把握しておく必要があります。
SAP認定試験はオンラインで実施され、受験には専用チケットの購入が必要です。
ここでは、SAP資格を取得するための受験プロセスと、事前に確認しておきたい公式情報の調べ方について整理して解説します。
SAP認定試験の概要(受験料・試験形式)
SAP認定試験は、自宅や職場から受験できるオンライン形式が基本です。受験するためには、「SAP Training and Certification Shop」から受験チケットを購入します。
料金プランは複数用意されており、代表的なものとしては、一定期間内に複数回受験できるサブスクリプション型のプランがあります。
個別受験よりもコストを抑えられるため、複数資格の取得を検討している場合に適しています。
試験はCBT(Computer Based Testing)方式で実施され、問題形式は多肢選択式が中心です。
試験時間や問題数は資格ごとに異なりますが、目安としては試験時間180分、問題数80問前後のケースが一般的です。
試験範囲・出題内容はSAP公式サイトで確認できる
SAP認定試験の対策を始める際に、最初に行うべきなのが試験範囲の確認です。
最も信頼できる情報源は、SAP公式サイトの「SAP Training and Certification Shop」です。
公式サイトでは、各資格ごとに試験コードが設定されており、対象者、出題トピック、問題数、合格基準、推奨トレーニングコースなどが詳細に公開されています。
学習内容の優先順位を正しく決めるためにも、勉強を始める前に必ず最新の試験情報を確認しておきましょう。
SAP資格の勉強方法と学習ロードマップ

SAP資格に合格するためには、自身のITスキルや業務経験、学習スタイルに合わせた戦略的な学習計画が重要です。
公式の学習プラットフォームを活用した独学から、専門講師の指導が受けられる研修まで、学習方法には複数の選択肢があります。
ここでは、それぞれの勉強方法の特徴と、特にIT未経験者がSAPコンサルタントを目指す場合に有効な学習ロードマップを整理して紹介します。
独学で合格するための勉強方法
独学でSAP資格を目指す場合、中心となるのはSAP社が提供するオンライン学習プラットフォーム「SAP Learning Hub」の活用です。
e-learning教材やライブセッション、学習者コミュニティなど、公式リソースを体系的に利用できます。
あわせて、SAP公式書籍「SAP PRESS」や市販の参考書で知識を整理し、過去問や問題集を繰り返し解き、出題傾向や形式に慣れていくことが重要です。
特に初級レベルであれば、学習内容を正しく絞り込めば、決して簡単ではないものの、独学でも十分に合格を狙えるレベルと言えます。
ただし、公式教材は英語が中心である点や、実機環境を個人で用意しにくい点には注意が必要です。
研修・スクールを活用する方法
短期間で効率的に学習したい場合は、SAP社や認定パートナーが提供する公式トレーニングの受講が有効です。
経験豊富な講師から直接指導を受けられるため、疑問点をその場で解消しながら体系的に学習できます。
研修では、専用テキストや演習環境が提供されることが多く、実際にSAPシステムを操作しながら理解を深められる点が大きなメリットです。
独学でのモチベーション維持に不安がある人や、効率重視で進めたい人に適した方法と言えるでしょう。
未経験者向けのおすすめ学習ステップ
ITやSAPが未経験の場合、いきなり資格対策に入るのではなく、段階的に基礎を固めなければなりません。
まず、会計・人事・物流など、自分が目指す領域に関連する業務知識の基礎を身につけます。
次に、SAPの全体像や各モジュールの役割を解説した入門書で基本概念を理解し、その上で初級レベルの資格取得を目標に設定します。
この段階では、目安となる勉強時間をあらかじめ決めて学習計画を立てることで、途中で挫折しにくくなります。
万が一不合格だった場合でも、SAP資格は再受験が可能なため、結果をフィードバックとして次回の学習に活かせます。
SAP資格を取得するメリット

多くの時間と費用をかけてSAP資格を取得するからには、それに見合う実務的なメリットがなければ意味がありません。
SAP資格は、単なる知識証明にとどまらず、キャリアアップや市場価値の向上といった具体的な成果に結びつきやすい資格です。
ここでは、SAP資格がキャリア形成にどのような価値をもたらすのかを、3つの観点から整理して解説します。
専門スキルを客観的に証明できる
SAPコンサルタントの専門スキルは、実務経験だけでは第三者に伝えにくい側面があります。
SAP認定資格は、そうした知識や技術レベルを客観的な指標になり、証明書として可視化できる点が大きな強みです。
特に転職活動やフリーランス案件の獲得においては、履歴書や職務経歴書に資格を記載すれば、採用担当者やクライアントに対して専門性を端的に伝えられます。
実務経験と資格を組み合わせることで、市場価値をより明確に示せます。
キャリアアップ・年収アップにつながる
SAPコンサルタントは専門性の高い職種であり、認定資格の保有者は市場で高く評価される傾向があります。
企業によっては、資格取得を昇進条件の一部としたり、資格手当を設けているケースもあります。
上位レベルの資格を取得すれば、プロジェクトリーダーやマネージャーなど、より責任あるポジションを任される可能性も高まります。
その結果、担当案件の単価や役割が変わり、年収アップに直結しやすくなります。
外資系・海外案件でも評価されやすい
SAPはグローバルスタンダードなERPであるため、その認定資格は国や地域を問わず通用します。
外資系企業への転職や、海外が関わるプロジェクトに参画する際にも、SAP資格は共通の評価指標として機能します。
言語や文化が異なる環境でも、SAP認定資格という共通の基準があることで、取得者は自身のスキルレベルを客観的に示せます。
グローバルなキャリアを志向する人にとって、SAP資格は実務面での信頼性を高める重要な要素となります。
SAPコンサルタントの平均年収・相場

SAPコンサルタントは高度な専門性が求められる職種であり、他のIT系職種と比べても高水準の年収が期待できる傾向があります。
ここでは、正社員として働く場合の平均年収と、フリーランスとしての単価相場について解説します。
正社員SAPコンサルタントの平均年収
正社員として働くSAPコンサルタントの年収は、所属する企業や個人の経験・スキルによって大きく異なります。
経済産業省の調査では、事業会社に所属するIT人材の給与水準は全社平均と大きく変わらない傾向があるとされていますが、コンサルティングファームやSIerなど、外部向けに専門サービスを提供する企業では、相対的に高い報酬水準が設定されるケースが多く見られます。
求人市場では、ジュニアクラスで500万円前後、ミドルクラスで700万〜900万円程度、シニアクラスになると1,000万円を超えるオファーが提示されるケースもあり、専門性と経験次第で高年収を目指せる職種と言えるでしょう。
フリーランスSAPコンサルタントの単価相場
フリーランスのSAPコンサルタントは、月額契約やプロジェクト単位で報酬を得る形が一般的です。
国内のフリーランス市場では、SAPコンサルタントの月額単価は80万円〜120万円前後が一つの目安とされており、経験や専門性によっては150万円以上の高単価案件も見られます。
年収に換算すると、稼働状況にもよりますが、年1,000万円前後〜それ以上となるケースも珍しくありません。
ただし、フリーランスは収入が案件数や単価交渉力に依存するため、営業力やネットワーク形成が重要です。
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SAPコンサルタントに必要なスキル

SAPコンサルタントとして成果を出すためには、SAP製品に関するIT知識だけでは不十分です。
クライアントの業務や経営課題を理解し、それを解決に導くためのコンサルタントとしての総合的なスキルが求められます。
ここでは、特に重要となる3つのコアスキルである「業務理解と課題分析力」「コミュニケーション力」「マネジメント力」について解説します。
IT知識以上に重要なのは業務理解と課題分析力
SAPは企業の基幹業務を支えるシステムであり、その導入は単なるシステム構築ではなく、業務改革そのものです。
そのためコンサルタントには、財務会計、販売、生産など担当領域の業務プロセスを理解し、現状の課題を構造的に整理する力が求められます。
クライアントのビジネスを踏まえた上で、SAPの標準機能で対応できるのか、追加開発が必要なのかを論理的に判断し、最適なシステム設計を提案する能力が重要です。
ITスキルよりも先に、「業務をどう変えるか」という視点を持てるかどうかが、コンサルタントとしての価値を左右します。
クライアントと要件をすり合わせるコミュニケーション力
SAP導入プロジェクトでは、経営層、情報システム部門、現場担当者など、立場や目的の異なる関係者と継続的に対話する必要があります。
その中で、システム仕様や制約条件を分かりやすく伝え、相手の要望を正確に引き出す力が求められます。
認識のズレを放置したまま進めると、後工程での手戻りやトラブルの原因になります。
技術的な説明力だけでなく、「相手の立場に合わせて伝え方を変える力」こそが、SAPコンサルタントにとって不可欠なスキルです。
導入プロジェクトを進めるマネジメント力
SAPの導入は、数ヶ月から数年単位の大規模プロジェクトになるケースが一般的です。
プロジェクトリーダーやマネージャーの役割を担うコンサルタントには、全体を俯瞰しながらプロジェクトを推進するマネジメント力が求められます。
具体的には、スコープ、スケジュール、コスト、品質、リスクといった要素をバランス良く管理し、計画通りに進行させる能力です。
さらに、多様なスキルを持つチームメンバーをまとめ、関係者の調整役として機能するリーダーシップも重要な要素となります。
未経験からSAPコンサルタントになる方法

SAPコンサルタントは高い専門性が求められる職種ですが、未経験から目指すことも十分可能です。
ただし、やみくもに資格を取るだけではなく、戦略的にキャリアパスを設計する点が重要になります。
未経験者の場合、大きく分けて「研修制度のある企業に入るルート」と、「これまでの経験を活かしてキャリアチェンジするルート」の2つが現実的です。
ここでは、未経験からSAPコンサルタントになるための代表的な方法を紹介します。
研修制度のある企業に転職するのが近道
未経験からSAPコンサルタントを目指すうえで、最も確実なのは、研修制度を整備しているコンサルティングファームやSIerに入社する方法です。
こうした企業では、ポテンシャル採用を行い、入社後にSAPの基礎知識や業務知識を体系的に学べる研修やOJTを用意しています。
給与を得ながら実務スキルを身につけられるため、特にIT業界そのものが未経験の人にとっては、リスクが低く現実的なキャリアスタートになります。
求人を探す際には、「未経験歓迎」「研修制度あり」「育成枠」といったキーワードに注目すると良いでしょう。
資格+ERP経験+業務知識が王道ルート
もう一つの有力な方法は、これまでの経験とSAP資格を組み合わせて市場価値を高めるアプローチです。
例えば、事業会社で経理・人事・生産管理などの実務経験がある場合、その業務知識はSAPコンサルタントとして大きな強みになります。
その上で、関連するSAPモジュールのアソシエイト資格を取得すれば、「業務知識」と「SAPの基礎知識」を兼ね備えた人材として評価されやすくなります。
また、SAP以外のERP導入経験を持つITエンジニアが、SAP資格を取得してキャリアチェンジするケースも多く、これまでのスキルを活かしやすいルートです。
SAPの将来性は?市場シェアと今後の動向

SAPコンサルタントとして長期的なキャリアを考える上で、SAP市場そのものの将来性を把握しておくのは重要です。
ERP市場におけるSAPの圧倒的なシェアに加え、「2027年問題」と呼ばれる大きな構造変化が、今後の市場動向を左右しています。
ここでは、SAP市場の安定性と、それに伴うSAPコンサルタントの需要動向について解説します。
SAP ERP市場は今後も安定成長が続く
SAPは長年にわたり、世界のERP市場でトップシェアを維持しているベンダーです。
現在、多くの企業で利用されている「SAP ERP 6.0」の標準保守サポートが2027年に終了することから、次世代製品である「SAP S/4HANA」への移行が世界的に進んでいます。
この大規模な移行需要は「2027年問題」と呼ばれ、今後数年間にわたってSAP市場の成長を支える主要因とされています。
既存顧客の刷新需要に加え、新規導入も一定数続いており、SAP市場は中長期的にも安定した成長が見込まれています。
SAPコンサルタントの需要は今後も高い
「2027年問題」に伴うSAP S/4HANA移行プロジェクトの増加により、SAPコンサルタントの需要は世界的に高水準で推移しています。
一方で、実務経験を持つ人材の供給が追いついておらず、慢性的な人材不足が続いているのが現状です。
さらに近年は、クラウド、AI、データ活用などのDX領域とSAPを組み合わせた高度な案件も増加しており、単なるERP導入にとどまらないスキルが求められています。
市場の拡大と人材不足という構造から見ても、SAPコンサルタントの需要は今後も高い水準で維持されると考えられます。
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まとめ

本記事では、SAP資格の難易度や取得方法、SAPコンサルタントに求められるスキル、そして市場の将来性までを体系的に解説しました。
SAP資格は、自身の専門スキルを客観的に証明できるだけでなく、キャリアアップや年収向上に直結しやすい、実務的価値の高い資格です。
また、2027年問題を背景にSAP市場は今後も安定した成長が見込まれており、SAPコンサルタントは中長期的にも需要の高い専門職と言えます。
経験を積めば、正社員としてのキャリアアップだけでなく、フリーランスとして高単価案件に挑戦する選択肢も現実的にるでしょう。
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(株式会社みらいワークス フリーコンサルタント.jp編集部)
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