コンサルから学ぶフリーランスの時間管理方法

最終更新日 2021年7月2日(金)
作成日 2021年3月13日(土)

最終更新日:2021/03/12
作成日:2016/05/12

「スケジュールを制す者が仕事を制す」。

会社員を卒業し実際に独立/起業してみて、この言葉が意味する重要性を身に染みて理解できたというフリーランスのコンサルタントも多いようです。タスクの効率化がうまくいかず、独立前に思い描いていたプラン通りにはなかなかいかないことも…。

フリーランスに限らず会社員であっても、時間管理や仕事の効率化は予定通りにスケジュールをこなす上でも重要なスキルの一つ。

独立したものの、契約書の発行や請求書の管理、経理の仕訳、自身のホームページの更新など、バックオフィスタスクに追われているフリーランスも多いのではないでしょうか。

今回は、ベテランフリーランスに学ぶ時間管理方法や業務の効率化、管理を支援してくれる便利なツールについて解説します。現在副業をしていて、将来的にフリーランスになることを考え始めた方も必読です。

 

 

目次

■ベテランフリーコンサルが実践している時間管理方法
(1)いかに効率化できるかが大きなポイント
(2)時間を掛けずに成果を出すトレーニングは、スキルと評価のアップにつながる

 

■独立、起業後は今までなかったタスクが山積…そこに時間を割かれるジレンマ
(1)フリーランスの魅力「時間の自由」
(2)独立前にはなかったタスクその①:経理処理
(3)独立前にはなかったタスクその②:契約関連処理

 

■プランニングが大切。一日、一週間、一か月…それぞれの単位で把握したいこと
(1)日単位、週単位、月単位、年単位…仕事をコントロールし平準化する
(2)閑散期を営業活動や確定申告の準備に充てる
(3)平準化で最も重要なのは「納期」。スケジュールの主導権を握る
(4)タスク管理はクライアントからの信用獲得の第一歩

 

■自分をマネジメントする強い味方“タスク管理ツール”
(1)Trello
(2)Evernote
(3)Jooto

 

※本コラムは、2021年3月12日に「“スケジュールを制す者は仕事を制す?” コンサルタントのタスク管理術」を再構成したものです。
※本コラムは、営業力・マーケティング力支援、経営企画業務支援などを行なうコンサルタントが監修しています。

 

ベテランフリーコンサルが実践している時間管理方法

(1)いかに効率化できるかが大きなポイント

特にフリーランスは会社員と違い、自分を管理する人は当然自分しかいません。オフィス以外の場所で仕事をするリモートワークや、タスクがはっきりと決まっている副業を持っている方でも同様のことが言えます。管理されることがない自由と、自己管理のもと仕事を進める責任は常に表裏一体です。

タスクベースではなくアウトプットが評価のベースになる働き方のため、いかに効率化できるかが大きなポイントになります。

また、良くも悪くも会社員時代と違いすべては自分次第になるため、「生活のほとんどを仕事(または副業)に費やし、いつのまにか独立前に思い描いていた人生プランとまったく違ってしまった」ということにもなりかねません。仕事だけではなくプライベートとのバランスをどうとるかも自分次第。生活に支障がでないように、上手な働き方も心掛けたいところです。

(2)時間を掛けずに成果を出すトレーニングは、スキルと評価のアップにつながる

フリーランスのコンサルタントとして10年以上のキャリアを持つベテランコンサルタントA氏に自己管理の極意を伺いました。

「自己管理に重要な指標」とは何でしょうか。色々な捉え方がありますが、自分自身の「生産性」を常に意識することだそうです。生産性とは一般的に「インプット分のアウトプット」で求められますが、A氏は分母に「時間」、分子に「成果」を置いているそう。

 

潤沢に時間があれば、出来る限りの時間を要してクライアントの期待値以上の成果を生むことも可能。しかし分母と分子の値が両方とも等しく大きくなれば、その値は変わらないため生産性の視点で見ると変化がないことになります。

仕事が増えれば増えるほど、与えられる時間には制約が生まれます。出来るだけ余分な時間を掛けずに、クライアントの期待通りの成果を出すことが求められます。

時間を掛けずに成果を出せるよう注力することは、確実に自分自身のスキルアップに繋がります。それだけでなくクライアントからの「Aさんの仕事は早い」という評価に繋がることも多々あるとのことでした。

 

もちろんスタートアップ期に時間の余裕があれば、時間を余すことなく使い高い成果を上げることも必要。実際にA氏もそうすることによりクライアントの信頼を得てきました。

しかしそれを自分のスタイルとして定着させてしまうと、仕事を受けるキャパシティが広がらず、またいつになっても時間に追われ、休みが取れないという悪循環に陥る可能性もあります。それが原因で体調を崩して長期休業を余儀なくされるなど、最悪の事態を招きかねないと自戒の念を含めてA氏は語ってくれました。

 

最後にA氏からは「生産性を高めたことによって生まれた余裕時間を、新たな仕事の獲得に振り向けるのも良いこと。しかし折を見て休暇に充てるなど、自由に仕事が出来るフリーランス本来の特権を楽しんでみては」とのアドバイスも。

近年「働き方改革」が定着化する中、フリーコンサルタントにもWLB(Work Life Balance/仕事と生活の調和)のある働き方が必要なのかもしれません。

 

 

独立、起業後は今までなかったタスクが山積…そこに時間を割かれるジレンマ

(1)フリーランスの魅力「時間の自由」

独立、起業したメリットとして「時間」と答えるフリーランスが多くいます。会社員やコンサルファームなど企業所属のコンサルタントから脱却するということは、定時出社や残業、週休二日制など予定が画一的なスケジュールから解放され、フリーランスとして「時間の自由」を手にするということでもあります。

実際にフリーランスとしての稼働日数を3~4日に抑えて、サーフィンなどの趣味と両立させている人や、プログラミングやイラストレーションなどの副業を並行している人、NPOを立ち上げて地域貢献活動に従事する人など、自分自身のライフスタイルを優先して活動するコンサルタントも数多くいるようです。

 

しかし独立したことで今までは存在していなかった“新しいタスク”が発生し、それらの業務に多くの時間がとられるのもまた現実。そのための時間もあらかじめスケジュールに組み、効率化させなければなりません。副業においても確定申告などの対応が必要になるため、そのための時間を確保することを忘れないようにしましょう。

(2)独立前にはなかったタスクその①:経理処理

もちろん会社員時代も出張の交通費や接待交際費など、毎月月末に経費精算をして経理に提出していた方が多いと思いますが、独立、起業すると「経理処理」そのものを自分でやらなければなりません。

 

会計ソフトの“freee”“MFクラウド”などと月額契約して自分で仕訳処理を行ない、さらに毎年確定申告を行なうといった作業が新たに発生します。会社員時代に該当部署が当たり前のようにやってくれていた経費処理の大変さを痛感するとともに、そこに時間を割かなければならないジレンマにさいなまれることでしょう。

(3)独立前にはなかったタスクその②:契約関連処理

そして忘れてはならないのが「契約関連処理」です。

こちらも、会社員時代は法務部などに依頼すれば済んでいた業務。しかしフリーランスとして独立した後は契約書のチェックから見積書の発行、NDA(Non-disclosure agreement/秘密保持契約)の捺印など、一連の契約書類の作成やチェック、発送、管理などの一連の業務も自分一人で処理しなければならず、実はかなりの負担になっているコンサルタントも多いはず。

 

慣れずに効率化できないうちは「予定していたより時間がかかってしまった」と、プランニングが崩れ、会社員時代の法務のプロがいた重要性をかみしめることあるかもしれません。このように、時間の制約がなくなり自由が生まれる反面、今までなかったエリアの新しい業務タスクが発生するのです。

 

 

プランニングが大切。一日、一週間、一か月…それぞれの単位で把握したいこと

(1)日単位、週単位、月単位、年単位…仕事をコントロールし平準化する

前述のA氏によると、案件ごとに意識して取り組まなければならないことは「生産性」でした。簡単に言うと、時間を最小限に留めて、成果を最大化する仕事術ですが、スタートアップ期を経て仕事が回り始めると、複数のタスクを並行してこなさなければならなくなります。

そこで必要となるのは複数のタスクを効率良く回すスキルとなります。そのポイントについて、再びA氏にお話を伺いました。

A氏によると、最も重要なことは、常に日単位、週単位、月単位、さらに向こう1年間のスケジュールを意識しながら、自らの仕事の進捗をコントロールしつつ、スケジュールの「平準化」を実行することだそうです。

案件や業務に恵まれないスタートアップ期には、自分自身のスケジュールを度外視して来るもの拒まずの姿勢で仕事を引き受けがち。そのスタイルを長く続けるのは難しいでしょう。

(2)閑散期を営業活動や確定申告の準備に充てる

仕事が回り始めて2~3年経過すると、自分の仕事に季節性があり、繁忙期と閑散期があることが分かってきます。閑散期を繁忙期の疲れを癒す期間に充てて自適に過ごすのも良いのですが、疲れを癒すのもほどほどに、顧客や案件獲得するための営業活動に時間を割く、あるいは確定申告に向けた伝票整理などの面倒な作業を片付けておくなど、少なくとも向こう1年間の大まかなスケジュールの平準化をイメージして、事前にスケジューリングした上で仕事をすることが重要だとA氏は語ります。

とはいえ働き詰めは体調悪化を引き起こしたり、精神面の疲労の原因にもなります。閑散期の一定期間は、普段できない旅行や趣味の予定を入れてリフレッシュすることも自分をコントロールする大切な要素です。

(3)平準化で最も重要なのは「納期」。スケジュールの主導権を握る

さて、それでは日々のタスクあるいは繁忙期をできる限り平準化するポイントは何でしょうか?

フリーランスの場合、クライアントと約束した納期は、その仕事の重要度を問わず絶対に守らなければクライアントからの信用を失ってしまいます。

A氏は、スケジュールの平準化で最も重要なのは、仕事を受ける時点での納期のやり取りにあり、そこで勝負が決まると言います。

例えばクライアントからある課題の提出を求められた際に、「いつまでに提出すれば宜しいでしょうか?」と切り返すと、相手にスケジュールの主導権を握られてしまいます。

一方そのタスクの重要度や優先度に加えて、この先の自分自身のスケジュールを瞬時に判断し、「この課題は○○なので○○日後に提出しますが如何でしょうか?」と口火を切った上で日程調整を行ないます。すると、ある程度自分でスケジュールをコントロール可能になるので、結果としてスケジュールの平準化が実現できるようになるのです。

ただし、そのためには、常に月単位、週単位、日単位のスケジュールを頭に入れておくことが必要で、抱えるタスクが増えれば増えるほど、自分自身の記憶だけでは抜け漏れが生じてしまう恐れがあります。必ずスケジュール帳やToDoリストを上手に活用する必要があります。

(4)タスク管理はクライアントからの信用獲得の第一歩

A氏は、スケジュール帳やToDoリストは、手書きでもアプリでも自分の使い勝手の良いものを使うのが一番と語ります。ポイントはその使い方。

日単位のタスクでは、仕事を始める時点で今日やるべき仕事の整理し、仕事を終える時点で今日の進捗結果を受けて明日やるべき仕事を整理する。ただ漫然と使うのではなく、ルーティーン化したきめ細かな活用が必要で、週単位、月単位のタスクについても、同様の活用を心掛けることがポイントとのことでした。

A氏の場合、繁忙期には10以上のタスクを同時に抱えることもあり、タスクが増えれば増えるほど仕事時間も増えてしまいますが、そうなるとスケジュール帳やToDoリストの整理だけで1日10分も20分も費やすことがあるそうです。

しかしこれを怠ると、スケジュールの平準化に支障をきたすだけでなく、タスク漏れや納期遅延が発生する恐れがあり、クライアントからの信用失墜を招くことにもなり兼ねません。忙しいからと言って決して侮ってはならないのです。

スケジュール帳やToDoリストを日課にすることは、フリーランスとして成功するための必須項目なのかもしれません。

 

 

自分をマネジメントする強い味方“タスク管理ツール”

限られた時間を、プライベートの生活時間も踏まえた上でしっかりとコントロールし、抜け漏れなく予定やタスクを管理することがポイントのひとつ。

そこで強い味方になるのが「タスク管理ツール」です。タスク管理ツールは無数に存在しており「どれを選んでいいのかわからない」というフリーランスやコンサルタントの方のために、ここでは3つの管理ツールをご紹介します。

自分の仕事を効率化させるのに便利な機能はどれか?という視点で、見比べてみるのがおすすめです。

(1)Trello

最初にご紹介するのは「Trello」
https://trello.com/ja

このツールの特徴は「カード」と「ボード」による管理方法です。自身の業務に合わせ、「日程調整中(予定)」「日程確定」「商談中」「ペンディング」「完了」などの進行状況に合わせた「カード」を作り、「ボード」に並べていきます。

予定が進むごとにカードを該当のボードに動かしていくという仕組みです。付箋で作ったTODOリストでの管理方法と似ているかもしれませんね。

今どのフェーズで何が止まっているのか、プラン通りに進んでいるのか、どこにボリュームがあるのかを一目瞭然で見ることができるので、「今あれはどこまで進んでいたっけ?」と確認する手間を効率化できるのがおすすめポイントです。

(2)Evernote

次にご紹介するのは「Evernote」
https://evernote.com/intl/jp

世界中で2億人もの人に使われているというメモアプリ。“メモアプリ”という名の通り、多彩な取り込み機能を活用し、簡単に充実した記録を残していける便利ツールです。

「ノート」という機能を使えば、文字はもちろん、画像や音声手書きのメモも残すことが可能。デジタルで作るスクラップブックのような感覚で記録を残すことができます。

しかし膨大な量のデータを溜めても、そこに効率よくアクセスできなければ意味がありません。このエバーノートは検索機能が優秀なことも人気のひとつで、ノートのタイトルや本文はもちろんのこと、PDF内の情報も読み取り、検索することが可能です。

また、有料のEvernote Businessでは共有機能が充実していて、仕事での利用にもぴったりです。

(3)Jooto

最後は「jooto」
https://www.jooto.com/

複数名とタスク、スケジュールを共有しながら、プロジェクト的に活動するコンサルタントにおすすめの管理ツールです。

タスクがボード形式で表示され、「ToDo」「進行中」「完了」の3つのデフォルトステータスにドラッグ&ドロップで移動することができる、UI/UXに優れた管理ツール。業務タスクに紐付くサブタスクの登録や作業内容の履歴表示など、誰がいつ何を変更したのかが一目瞭然です。タスク管理とスケジュール管理が一体化しているツールといえます。

ただ、リマインダが時間単位の登録ではなく日付単位での登録である点は注意が必要。タスクを細かく時間管理したいコンサルタントやプロフェッショナルの方にとっては、少し使い勝手が悪いかもしれません。

 

 

 

著者デビッド・アレン氏『Getting Things Done(物事を成し遂げる技術)』。「Getting Things Done」、略して“GTD”と称されるこの考え方ですが、あらゆるタスク管理ツールの元となっている本と言われており、コンサルタントにとっての必読本の一冊です。

この本には「書き出す」「整理する」「スケジューリング」「見直し」の4つをやりなさいということが書かれています。まずこの本で解説されていることを一読し、GTDの考え方を理解した上で自分に合ったツールや管理方法を選択するのもいいかもしれません。

 

もしかしたらGoogleカレンダーだけで十分かもしれませんし、昔ながらの手帳を使うのが一番合っているコンサルタントの方もいらっしゃるでしょう。また、さまざまなクライアントと接するフリーランスは、プロジェクトやエリアごとにツールを使い分ける必要もあるかもしれません。

大切なのは、そのツールを使って自分自身をいかにコントロールし、仕事の生産性をアップさせるかということ。それがクライアントへの満足度向上、そしてフリーランスのコンサルタントとしての報酬アップにもつながるのです。

 

 

< 監修者プロフィール >
大野 晴司(おおの せいじ)

東京都立大学(現首都大学東京)卒業後、日産自動車で国内のマーケティング部門や系列ディーラーでの営業マンや本社販促部署長などを経験。中小企業診断士資格取得のために退職、2003年3月資格取得。その後、マーケティングリサーチ会社、自動車関連メーカーを経て、2008年にビズ・エキスパート株式会社を設立。神奈川・東京の中小・中堅企業の営業力・マーケティング力支援のほか、経営企画業務、新規事業支援を主な事業として活動中。また、企業向けセミナー講師なども務める。

ビズ・エキスパート株式会社:http://b-ex.biz/index.html
プロフェッショナリズムインタビュー:https://freeconsultant.jp/workstyle/w020

 

(株式会社みらいワークス Freeconsultant.jp編集部)

 

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