フリーのプロフェッショナル人材なら、学内で不足するスキルをタイミングよく導入できる vol.1

プロフィール

プロフィール

学校法人 日本工業大学
新IT環境整備プロジェクト プロジェクトマネジャー
石井一浩 氏
神奈川県出身。システムインテグレーターのエンジニアを経て、1997年外資系コンサルティング会社入社、2017年より学校法人日本工業大学に勤務。日本工業大学の学園システム本部に所属し、2016年にスタートした新IT環境整備プロジェクトではプロジェクトマネジャーを務める。

※役職は、インタビュー実施当時(2020年1月)のものです。

 

◆日本工業大学◆
https://www.nit.ac.jp/
1907年東京・小石川に設立された東京工科学校を前身とし、1967年に開学した日本工業大学。開学当初から実験・実習を通してものづくりの第一線で活躍する人を育てる「実工学教育」を掲げ、実践的な工学教育を追究している。現在は開学当初からのコンセプトを継承しながらも、新たな時代に向けた改革に取り組んでいる。2018年には大幅に学部学科を改編し、工学部のみの1学部体制だったところ3学部6学科2コースという体制に変更。学部学科改編とあわせ、基礎教育においても「クォータ制」や「習熟度別クラス編成」といった新たなプログラムを導入している。

2017年に大学設立50周年と学園創立110周年という節目を迎えた日本工業大学では、これを記念して新たにアクティブラーニングゾーンを設けた多目的講義棟を建設するなど、教育環境についての改善も進めている。

教育研究および業務改革に取り組む日本工業大学では、2016年から5年計画で全学のシステム刷新プロジェクトに取り組んでいます。しかしながら大学内にシステムスキルを有するリソースが不足していることもあり、現在フリーランスのプロフェッショナル人材を起用してプロジェクトを推進しているといいます。

 

「学内で常時確保するのが難しいシステムスキルを持つ人材を、必要なタイミングで導入し、すぐ活用できる点が大きい。さらにコンサルティングファームと違って1人でも派遣してもらえるところがメリット」と語るプロジェクトマネジャーの石井一浩さんにお話を伺いました。

 

フリーのプロフェッショナル人材なら、学内で常時確保するのが難しいシステムスキルをタイミングよく導入できる

 

今回のシステム刷新プロジェクトにおいて、フリーランスのコンサルタント人材を起用した理由は2つあります。ひとつは大学内にシステム系のリソースを確保することが難しいということ。もうひとつは一般的な人材派遣と比べると、より高度なシステムに関する知識・技術を持つ方が必要だと考えたからです。

 

プロジェクトに必要な人材ということで、学校の職員として採用するという選択肢は考えませんでした。採用となると適切な人材をタイミングよく見つけることが難しいですし、私たちのような大学という組織では、システム系の業務はどうしても相対的にコアコンピダンス(中核となる強み)ではないという事情もあります。システム系の人材となると、専門的な能力を発揮する仕事が大量に継続してあるわけではありません。今回は、プロジェクト期間に限った業務ですから、外部のリソースを活用したほうがいいのでは、と思いました。

 

フリーランスの方を起用したのは今回が初めてでしたが、特に反発などはありませんでした。こういうスペックの人材が必要ということを整理して、現在の大学内にはいないため現実的には外部の方にお願いしたほうが良い、という話をしました。特にシステム関連ではやはり学内のリソースだけでは難しい現状があり、外部のSIerやベンダーの方に委託することもあります。ですから上司もこうしたことに理解がありましたし、フリーランス人材に対する違和感はなかったと思います。

 

「コンサルタントに任せるところ」と「現場で対応するところ」の切り分けが重要

社内の理解が得られたこととあわせてフリーランス人材の起用がスムーズに進んだ理由としては、コンサルタントとの作業経験があったことが大きかったですね。フリーランスではありませんがコンサルタントと仕事をご一緒した経験があったので、ある程度コンサルタントの方がどんな仕事をしてくれるのか、どこまで期待していいのかということは理解しているつもりです。ですからフリーランスのコンサルタントの方の場合も「このくらいまではやってもらえるのでは」という期待値は持っていました。

 

コンサルタントへ作業を依頼した経験がないと、結局その能力を使いきれないということにつながるかもしれません。もしくはそこまで期待していなかったのにスキルがハイスペックすぎて、行きすぎてしまうこともあるかと思います。これの調整はなかなか難しいところで、コンサルタントのスキルをフルに出してもらうことに苦労することがあるでしょう。

 

私の場合は前職までの経験も踏まえ、仕事をご一緒する方に従って、臨機応変に調整することを意識しています。自分たちが行なうべき範囲はおさえたうえで「コンサルタントにはここまでお願いしよう」ということを考え、コンサルタントへ依頼するタスクについて調整していきます。お願いしきれなかったタスクについては、私たち大学のメンバーでこなすように調整しています。

コンサルタントに作業を全て丸投げしたり、期待値が曖昧だったりすると、どうしてもプロジェクトがうまくいかないこともあります。コンサルタントに任せるところと現場で対応するところを明確に切り分けて作業に臨む、これができるかどうかがすごく重要だと思います。プロジェクトマネジャーがこれを理解していれば、間違いなくコンサルタントのスキルを十分に発揮してもらえると思います。

 

コンサルティングファームと違ってフリーランスは1人でも起用できる点がメリット

 

コンサルティングファームに依頼する場合、大きな単位にならないとなかなか人材は派遣してもらえないかと思います。派遣する人数もプロジェクトを成功裏の完了を考慮し、複数人になると思います。実際に以前コンサルティングファームに依頼していた時は、3人の方に対応してもらいました。

 

一方でフリーランスのコンサルタントであれば、1人でも参画してもらえるという点は大きなメリットだと感じます。フィジビリティ(実現性)という部分も含めて検討した結果、みらいワークスさんが現実的では、という結論になりお願いしました。実のところ前職でお付き合いのある方もいらっしゃったので、みらいワークスさんは思いついたのですが、メンバーのスキルレベルも高いと思います。コストについては、すごく安いとまではいきませんが、コンサルティングファームに依頼するほど高くはないと感じています。

 

現在のシステム刷新プロジェクトでは大学内のメンバー数名と、フリーランスのコンサルタント1名という3名体制で進めています。コンサルタントの方には現在、週5日で稼働していただいていて、あとはSIerやベンダーといった外部の方にシステム構築の部分を担当してもらっています。

 

現在進めているシステム刷新プロジェクトは、2016年から5年計画で進めているものです。日本工業大学は2017年に創立110周年と大学設立50周年という節目を迎えました。このシステム刷新プロジェクトもその記念事業の一環として2016年にスタートして、2021年度まで取り組む予定で進めています。従来のシステムでは老朽化が進み、システムの過負荷にも脆弱になっていましたので、イチから全て再構築しようということで始まったのがそもそものきっかけです。

 

このプロジェクトは、大きく3つのフェーズに分かれています。1つめはネットワークやサーバなどインフラの入れ替えがメインのフェーズ。2つめは、現在進めている業務システムの再構築を行なうフェーズ。3つめはポリシーや組織作りといったフェーズで、現在業務システム再構築と並行して進めていますが、この3つのフェーズが完了すれば完結します。現在進めているのは業務システムの再構築ですが、この中でもさらに2つのフェーズに分かれています。1つめはこれまで使っていた業務システムが旧態化しているので、現行システムの移植を行なうのが目的。現在はここに取り組んでいます。

 

2つめのフェーズは、いわゆるデータ活用が目的となり、さまざまなデータを活用して、大学の経営や教育プログラムや学生の支援などに役立てていきたいと考えています。これからの時代は、大学もこうしたデータ活用がさらに必須となっていきます。

今回みらいワークスにご相談したときには、この2つのフェーズでそれぞれに必要なスキルが少し違うというお話をし、両方のスキルがある人であれば1名で、継続してやっていただいても、フェーズ毎に違う方を2名スライドでアサインいただくのでも、どちらでも良いというお話もしました。フリーランスのプロフェッショナル人材ならこうしたフェーズごとに必要なスキルが違っていても、多様に対応してもらえるという点もメリットではないかと思います。

 

現在プロジェクトに入っていただいているフリーランスの方が決まるまで、おおよそ1か月と少しかかりました。社員を採用するのに比べればかなり早いですが、本当は1か月以内に決めたいと思っていたので少しだけ焦りがありました。ただプロジェクトの進行そのものには影響がなかったのでよかったと思っています。今回の勤務地は東京ではなく埼玉県宮代町にある、本学の宮代キャンパスなのですが、場所の事情も決まるのに時間がかかった要因かもしれません。

 

なお、最終的にプロジェクトに入っていただいたコンサルタントの方は、地方から単身赴任されているそうです。こういったケースは珍しいとのことですが、これからの時代はこうした「場所にあまりとらわれない働き方」が人材活用の観点からもっと進むのではないかと思います。

 

プロフェッショナル人材がパフォーマンスを発揮できるかどうかは、依頼者の能力次第

 

プロフェッショナル人材に最大限のパフォーマンスを発揮してもらうにはどうしたらいいか。これは依頼する側にとって大きな課題です。私としては依頼者の責務のほうが大きいと思います。依頼者がプロフェッショナルの話をしっかり受け止めて、どこまでお願いできるか調整することが重要です。例えばプロフェッショナルの方と話をして「このプロフェッショナルにはここまでお願いできる?」というように依頼者が整理することが大事だと思います。

 

その人に何ができるかを考えず、依頼者が一方的に「これをやってほしい」となってしまうと、受け取るプロフェッショナルの人も「これはできません!」と返してしまいたくなるかもしれません。それで「この人、パフォーマンスがいまひとつ良くない」という結果になってしまうのはまずいでしょう。一方的に言われてパフォーマンスが最大限にできる人は珍しいと思います。すべてを合わせられるほど人は器用ではありません。

 

私自身もかつてコンサルタントとして勤務していた頃はこういう悩みがありましたし、依頼する側になってもこういう悩みはありました。ですから、人に動いてもらうことを、すごく重視しています。まず「この人は何ができる人なのだろう?」というところをしっかり見極めてから、作業環境を整えていくようにしています。

 

基本的に外部の方に委託するときは、即戦力を求めることが多いと思います。とはいえ場合によってはOJTのような対応を試みて、できる業務を少しずつ広げるというような進め方をすることもあります。私はかつて銀行システムを構築した経験がありますが、今の日本工業大学に入ったときは「ええ!?」と思うこともたくさんありました。やはり業界が違えば、業務内容やシステムの規模感や構築スピードも大きく違いますから、環境の違いにあわせて依頼者として対応していくことも必要ではないかと思っています。

 

プロフェッショナル人材のパフォーマンスを上げるために必要なことが、もう一つあります。スキルや過去の経験も重要ではありますが、お互いの意向を知るということも実はすごく大切じゃないかなと思っています。当然ですが人によって考え方は違います。これまで一緒に仕事をした方々には「今いるところは自分にとっての安住の地だ」と言って、そこから動こうとしない人もいます。その一方で「今いるところはもう飽きたので、次に行かせてください!あっちもやらせてください」という人もいます。同じプロフェッショナル人材でも全然違います。

 

人を育てるとか人を環境になれさせるということにおいて、依頼する側が一方的に旗を振ってもすべての人に当てはまるわけではありません。ですから、相手の意向をしっかりおさえるべきだと考えています。例えば今のプロジェクトに参加してもらっているフリーランスの方に、いきなり「本学の今後の戦略を考えて」というようないことを頼んでもうまくいかないでしょう。今来ていただいている方の意向や得意なことについては、現状では私の中でクリアになっています。ですから本人の得意で、お願いして間違えない領域については、私もミーティングには参加し、意思決定が必要な場合があれば判断はしますが、基本的にはお任せするようにしています。

 

◆◇Vol.2◇◆時代の変化に対応するには、大学もプロフェッショナル人材を活用すべき

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